弱キャラ友崎くんとサンドバッグ相原くん   作:mosumosu

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1週間が終わり、土曜日。

あ、いや、土曜日ならまだ1週間は終わってないか?

でも気持ち的には金曜日が終われば1週間の終わりだしいいか。

とにかく、今日は約束をしていた誕プレ♡さくせんとやらの日だ。

 

集合場所は大宮駅なので遅れないように向かうが、俺からしたらたった2つ隣の駅なので結構余裕がある。

アクセス良好な立地でよかったー。

 

待ち合わせスポット、まめの木の前へ向かうと友崎と日南が既に来ていた。

待ち合わせ時間は10時だが、まだ時間にはなっていないよな……よし。

 

「おっす、友崎と日南。まだ5分以上前なのに早いな」

「おはよう、相原。遅かったね!」

「いや、遅くはないだろ!さっき言った通り5分以上前じゃねーか。正確には、んー7分前」

 

俺はそう言いながら左の手首を右手の人差し指と中指の二本でペシペシ叩く。

一応、左腕には腕時計をつけている。

そう高いものでもないが、結構お気に入りのやつ。

 

というか、実は普段からほぼ毎日つけていたりする。

自動巻式時計なのであんまり外しておくと止まってしまうため、頻繁に付けておかないといけないのだ。

 

でも、こういう手間がかかる所なんかに無性に愛着が湧いちゃうんだよね。

腕を軽く振った時に『シャッー』っていいながら巻かれるのも結構癖になる。

付けておかないと止まってしまうという理由で普段から付ける必要があるので、意識的に付け忘れの予防にもなる。

なかなか俺の性格にも合っているいいアイテムだ。

 

腕時計はどちらかと言うと電池式や最近ではウェアラブル端末などが主流なのかもしれないが、俺はこういうのが好きだね。

それにスマホに接続できるやつは諸々の理由で校則により禁止されていたりするしな。

 

「友崎は、みみみと一緒じゃなかったのか?同じ駅だろ?」

「あぁ、どうせ隣の駅だし別に一緒に行くという話もしてなかったよ」

「んー、そりゃそうか」

 

なんて話をしていたら、後ろからみみみに声をかけられた。

 

「呼んだかい?はらみー!」

「おわっ!」

 

友崎と日南の位置からは見えていたようで、驚いた俺をみて笑っていた。

ハメやがったな!

 

「あはは!はらみーはそんなに早く私に会いたかったの?」

 

ニシシっと笑いながらそんな事を言ってくるみみみ。

いやもう、勘弁してくれよ……。

 

「お、おい、度々俺の後ろを取って驚かせるなよ!今の時間にいなかったら次の電車になって遅刻だなーって思っただけだっての」

「そんなこと言って、素直じゃないなーはらみーは!」

 

そういいながらバシンバシンと肩を叩いてくるみみみ。

痛いからやめーや!

でも今いるってことは、たぶん同じ電車に乗っていたんだな。

そんなやり取りをしている間に続々と集まってくる。

 

「おー、みんな早いな」

「タカヒロ、遅刻ー?」

「おいおい、まだ時間前だろ。ってか遅刻だったとしてもお前には言われたくない、お前も前しただろ!」

「え、日南が遅刻!?日南も人の子だったんだな……」

「えー、そんな事あったっけ?わすれた!」

「いやー、あったね!私もしっかり覚えているぞ、あおいー?」

 

「あ、みんないる!ごめーーーんっ!」

「ちょっと!ゆず、転ぶ転ぶ!」

「はいお前遅刻ー。ダッツ奢りなー」

「いやいや、ゆずも遅れてないから!」

「とりあえず全員時間通りで何よりだな、どこから行くんだっけ?」

 

と、こんな感じで集合したので予定通り買い物へと向かった。

 

とりあえず駅にあり、かつ、何でも揃っているということでルミネのビームスに入ることに。

中に入ってから、泉は真剣な表情で小物や財布などをみている。

 

せっかくだし俺もなんか見るか。

ふむふむ、こういう革の財布欲しかったんだよなぁ。

安めの長財布を使ってたけど、ポケットに入る2つ折りの財布が魅力的に思えてきて……あ、たっか。

財布の中身より財布のほうが高くなるぞ。

 

「はらみーも修二にプレゼント買うの?」

「俺か?買わん買わん。せっかくだから自分用になんかいいものないかって見てる感じ」

 

俺が適当に商品を見ているとみみみが話しかけてきた。

 

「あ、これとか可愛くない?」

 

おいてあったものを手にとって見せてくるみみみ。

それは、ハニワ?の顔をしたライオン?っぽい生き物の貯金箱だった。

かわいい、のか?

 

「えっと、ぶさかわってやつ?」

「えー、普通にかわいいでしょ!はらみーはわかってないなぁ」

 

普通にかわいい……のか……?

い、いや、なんかかわいい気がしてきた。

ウンウンかわいいなこれ。

 

「あ、ぁー、うんたしかにかわいい気がしてきた」

「わかってくれたかー!」

 

そう言いながら背中をバシバシ叩くみみみ。

いたいって!

しかし楽しそうだな。

正直こうやって一緒に見ているのは俺も楽しいから、まぁなんだ、俺も悪い気はしない。

 

そ、そういえば他のメンバーはプレゼント探し順調なのかな。

泉の方をみると、どうやら今は友崎と一緒に悩みながら選んでいるみたいだな。

日南と水沢も何やら2人でいろいろ見ているようだ。

んー、なんかあの2人……。

 

「お、気づきましたか!イイ感じみたいですねぇ、あのお二人」

 

みみみは俺の視線の先に気付いて、自分の口元を手で隠すように当てながらそう言ってくる。

そうだったな、あの二人は付き合っているなんて噂があるんだったっけ。

たしかに仲よさげだ。

それに、日南と水沢ってタイプっていうか人間性っていうか、どことなくにているところがあるからなぁ。

どっちも、何でもそつなくこなす器用な人間のイメージだ。

 

「つまり、噂はほんとうかもしれないってことか。友崎かわいそうに……」

「いやいや、まだ確定とはいいきれないし!もうちょっと探るべきだとわたくし七海みなみは思うわけです!はい!」

 

そんなことを言いながらコソコソ見ていたら、はぁ!?という友崎の大きな声が聞こえてそっちを見る。

日南たちも同様だ。

泉は手をブンブン振ってなんでもないアピールしているけど、無理あるでしょ。

 

「なんかいいのあった?」

 

とりあえず、わたわたとしている泉の方に向かって歩いていきそんな風に聞いてみる。

 

「あ、うーん、全然きまんない!相原も修二と仲いいよね、なにか思いつかない?」

「中村のほしそうなものねぇ。サッカー部だしそれ関連で、レガースとか?と言ってもアイツそこまでの部活に熱はないか。ミサンガとか……もちょっと違うよな。結構難しいな」

「だよねぇ」

「無難にハンカチとかは?アイツ意外と几帳面だからハンカチとポケットティッシュって大体いつでも持ってるだろ」

「なるほど、たしかに候補としてはありかも!ありがと!」

 

そう言って今度は水沢と日南達の方に聞きに行く泉。

そしたら横にきたみみみが俺に質問をしてくる。

 

「ちなみにはらみーはもらって嬉しいものとかはあるの?」

「俺?なんでその質問?」

「ほら、人が欲しいものは自分も欲しいもの、とかそんな感じじゃない?」

 

みみみの質問に疑問を返したが、言っていることはたしかに正論だな。

一瞬、俺の好みを聞かれたのかと思ってしまった。

いかんいかん。

 

しかし人が欲しいものは自分も欲しいものか、結構本質を見てるよな、みみみって。

 

「んー、たしかに……。けどそれはそれで難しいな。欲しいものは自分で買うし、逆に自分ですぐ買えないものはだいたい高価だからプレゼントでもらったら、それはそれで気が引けてしまうような」

 

例えば俺が今見ていた財布とかもそうだろう。

さっきの財布は値段がうん万するものだから欲しくはあっても買えないし、仮にプレゼントなんてされたら申し訳無さが先に来てしまう。

 

「となると、消耗品とか、自分じゃ買わなくて良さに気付きにくいもの、とかか?……うん、思いついた。プロテインだね!」

「あっはっは!なにそのチョイス!ぷ、プロテインを誕生日に貰ったら喜ぶの?はらみーは?あはは!」

 

結構真面目に答えたのに大笑いされてしまった。

プロテインは、いや、タンパク質はすごいんだぞ。

筋トレのお供だし、それ以外でも……特に朝に飲むと健康にいいんだ。

理由は何だっけ、寝て起きた時に体力が回復してるのはタンパク質を使って体を癒してるからで、その分寝起きはタンパク質が不足気味になる、とかだったっけ。

 

「そんなに笑うことないだろ。じゃあ逆に、みみみはなになら喜ぶんだ?」

「え、私ー?んーたしかに難しいかも。私も消耗品とかで考えるか……。わかった、食器洗剤!」

「主婦か!ってかもしかしてみみみって自分で洗い物してるのか?」

「んーん、お母さんがしてくれてる!」

「ちょっと感心して損した!」

 

完全にボケたなこいつ。

みみみは拳を頭に当てながらウインクして、まさにテヘペロって感じの顔とポーズを取った。

うんかわいい。

けど若干腹立つから軽くぶってもいいかな?

俺は握りこぶしを作ってこぶしに息を吹きかける。

 

「わわ、なにその手!冗談冗談!あはは!真面目に考えると、うーんそうだなぁー……あ!私は化粧品とかなら嬉しいかも?そろそろ使ってるのがなくなるし、夏用にベタつきの少ないのが欲しいんだよねぇ」

「あー、女子ならコスメ系とか嬉しいのか?いやでもそういうの種類多いし男からみたらなにがどうなのかわからなくて難しいんだよな」

「あ、もしかしてぇー、私にプレゼントしてくれるってこと?だったら一緒に選びに行こうか?」

 

ニヤニヤしながらそんな事を言ってくる。

ふぅん、なら俺だって反撃だ!

 

「おいおい初めに質問してきたのはみみみじゃないか。みみみも俺に誕生日プレゼントくれるのか?プロテイン」

「ぷ、プロテっ、あはは!やめて、誕生日にプロテインねだるって、なに!あはは!」

 

またお腹を抱えて笑い出すみみみ。

笑顔が眩しいねぇ。

っていや、笑い過ぎだっつの!

 

「盛り上がってるなぁ、なにかあったか?」

 

いろいろ見て回っていた水沢と日南がこちらの様子を見て話しかけてきた。

あぁみみみが爆笑しだして手に余ってたんだ、助かる。

 

「タカヒロ、葵!き、聞いて!はらみーは誕生日プレゼントはぷ、プロテインがいいとか言い出した!」

「修二にプロテイン?いったいどうしてそんな発想になったんだ?」

「あはは、ありなんじゃない?相原は修二に誕生日プレゼントとしてわたしてみたら?……ふふっ、後ろからどんな顔するか見ていたいわ」

 

そうじゃないんだが。

けど中村に渡しても案外普通に喜ぶんじゃないか?

俺なら喜ぶし。

じゃなくて、あいつもスポーツマンの端くれだからな、プロテインの良さはきっとわかってくれるはず。

 

とかまぁそんな感じで結構自由に色々みていたが、まだ泉と友崎のプレゼント選びは終わらず、ちょっとカフェで休憩してから次の店を決めようという話になった。

 

というか、俺が提案した。

グダグダ見るよりも、一度アイツの好きそうなものを話し合って方向性くらいは決めたほうがいいと思ったからな。

じゃないと歩き疲れちまうよ。

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