弱キャラ友崎くんとサンドバッグ相原くん   作:mosumosu

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水曜日に俺のやるべきことを思いついてから、早速みみみと相原に相談した。

みみみの演説の台本作成を俺が受け持つ話だ。

 

それに同意をもらって方針を進めつつ、台本は水曜日のうちには一次作成を完了させてみみみに渡した。

細かいところはみみみに修正してもらわないと内容もチグハグになるので、方針に合わせて手直しをしてもらう。

 

そして今、木曜日の放課後に最後の打ち合わせをしていた。

ちなみに場所はお決まりで食堂だ。

 

「それで3年生の方も全クラス回れた?」

「回れたよ〜。昨日は回りきれなかったけど、今日残りのクラスも回りきったからね!はらみーが顔見知り多くて助かったかも」

「おう、サッカー部の先輩が各クラスに結構いるからね。俺ってけっこー可愛がられるタイプなのよ!まぁそれで逆に捕まって、昨日は時間足りなくなっちゃったんだけどな」

「でも、今日で回りきれたし評判も上々だったよね!」

「おおー」

 

自分で可愛がられるタイプとかいうか。

だけど各クラス無事に回りきったようだ。

1年生はクーラー。

3年生は三送会。

これらをもって各クラスの買収。

何より評判が上々だったということが朗報だな。

 

そんな報告や明日に向けての話をしているところで後から声をかけられた。

 

「あれ、友崎とみみみじゃん。何してんの?」

 

その方向を向けば、声をかけてきたのは水沢だったようだ。

後ろには中村と竹井もいる。

相原が「俺もいるぞー」なんて抗議の声を上げるが誰からも反応はされなかった。

 

水沢はともかく、あの件から未だに中村からのあたりがそこそこ強いので身構えてしまう。

俺が泉と話すたびに視線が鋭くなるのも気のせいだと願いたい。

 

とりあえず俺は水沢の質問に答える。

 

「ああいや、みみみの選挙の手伝いかな」

「はぁ?お前が?」

 

そこに中村が反応し、こちらをギラッとした目つきで見てからみみみと相原の方にも視線を向ける。

ひえぇ、やっぱこえぇわ中村。

 

「推薦人って相原だろ?なんで友崎?」

「いやいやなかむー、友崎ってばなかなかにブレーンなんだよ!」

「はぁ?ブレーン?」

 

さっきから疑問符を連続して出している中村。

そりゃこんな回答では全然わからないだろう。

 

「ま、支持者集めの案を出したり、演説の台本作りの協力をしたり、とかな」

「ふぅん、陰キャっぽ」

 

相原が補足を入れたところにノータイムで反応する中村。

流石クラスでもトップカーストな人間っていう回答だな。

 

相原は何か言おうと口を開きかけたが、ゆっくりと口を閉めそれ以上の反応は特にしなかった。

なんとなくだけど、相原は言おうしたことと場の空気を天秤にかけて黙ったのではないか、と思う。

 

みみみはその一瞬の間を察してフォローを入れるように言った。

 

「まぁそれぐらいしないと勝てないってことですよ」

「ふーん、勝つねぇ」

 

俺は中村のその「無駄な事をしているな」という態度に若干腹が立ち、言い返してしまった。

中村としては、そこまでの意図はなかったのかも知れないが。

 

「も、もちろん、やるからには勝ちたいからな!」

「…へぇ?」

 

そして、言ってから後悔した。

たぶん何も言わなかったらそこで話は終わっていただろう。

俺の言葉に反応した中村はギラッとした目で俺の方を見る。

 

「な、なんだよ…」

「いや別に。まぁ、何やっても無駄だと思うけどな」

「うっ……」

 

軽く睨まれながら中村に言われ、ビクッとする俺。

見え少し泳がせたところで対面に座っている相原の表情に気づいた。

 

中村の言葉を聞いた相原はわずかに目を細め、鋭くなった気がする。

普段はノリと勢いであれこれと言いながらも周りとの衝突は回避を続けている相原にしては珍しく、顔に出ているように思えた。

 

中村は俺の方を見ていたのでこれには気付いていないようなのだが、そんな空気を感じ取ったのかぼそっと一言、水沢が呟いた。

 

「ブーメラン」

「はぁ?」

「ひゅんひゅんひゅんザクーッてね。自分で言ったことが自分に刺さるって意味だよ修二」

「何いってんだお前」

 

相原はその二人のやり取りの間に気を取り直したのか、表情はもとに戻っていた。

まぁ、なんか片目を瞑って目尻を指でくにくにといじっているが。

 

しかし、水沢の言葉。

これについて俺は言いたいことを察した。

つまり水沢は俺達のことを―――。

 

「まぁいいじゃん?『相手との力量差が大きいとしても、それを埋めようと頑張るのは決して無駄じゃない』とか、思っちゃうんだよね〜俺。なんつって」

 

水沢は笑みを浮かべたまま軽いトーンでそういう。

まるで自分の考えを言っているだけのような口調だがこれは……。

 

中村もバツが悪くなったのか、「あっそ。まーいいけど」といってこの話題は終わりになった。

その後も中村たちは近くのテーブルに座って話題は別のものとなり、『友崎の喋り方のマネ』なんていう雑極まりないイジリの被害遭うのだった。

 

 

「はははは!俺も俺も!アタファミやってるときの友崎のマネ!『……ふんふん。フッ、はい。どーん』」 

 

ジェスチャー付きでコントローラーを持っているフリをしながら俺の真似をする相原。

俺ってそんなだったか……?

 

「ははは!に、似てる、やべぇー!」

「あー!そんなだったそんなだった!」

「あっはっは!面白すぎっしょ!」

 

そして盛り上がる中村、水沢、竹井。

つーか相原までなんでそこに混じってんだよ。

さっきまで苛ついてなかったか?

切り替え早すぎるだろ。

それとも俺の気の所為だったか……?

 

そんな光景をチラチラ見ていたら、水沢と目が合った。

水沢は中村の様子を伺ってからスッと立ち上がると俺の横の椅子に座る。

 

「明日は面白いもん見られそう?」

 

ニィっと笑いながらそういってくる水沢。

おそらく、生徒会選挙のことだろう

 

「どうだろ……まぁ、ぼちぼち」

「ははは。ま、期待しとく」

「あ、そうだ。さっきはその、スマンな。フォロー貰っちゃって」

「はぁ?……あぁ、修二のこと?」

「そう」

 

そう言うと、水沢は真剣な表情で言った。

 

「そういう時はな、スマンじゃなくてありがとうっていうんだよ。文也」

「は、はぁ」

「うわー、水沢カッケー」

「茶化すなよ、相原。恥ずかしくなるだろ」

 

そう言い残してから水沢は中村たちのところに戻ると、用は済んだのか中村と竹井も席を立って振り返ることなく食堂から去っていった。

しかしさっきの、ネタなのか本気なのかよくわからん。

つか、文也って。

 

「相変わらず元気だよねー、あいつら。ついでにはらみーも」

「ついでかよ。でもみみみはもっと元気だろ」

「あはは、それはそうかも!元気なら誰にも負けないよ!」

「そりゃなによりだな」

 

この2人はあの騒ぎを″元気″という言葉で流せてしまうらしい。

しかも負けていないようだ。

 

そして場を仕切り直してから俺とみみみと相原で演説についての意見を交わし、少しの練習と認識合わせ(おこな)ってから今日のところは解散となった。

 

どうやらみみみは部活終わりのたまちゃんを待つらしいので別れたが、俺と相原はこのまま帰るつもりだったので帰りを共にすることになった。

 

2人、か。

まぁ話題は幾つか暗記しているものもあるし、相原から話を振ってくることも多いので今さら気まずいなんてことにもならないだろう。

 

そうして何気ない話をしながら校門を出たあたりで、相原は少し真面目な口調になってから質問をしてきた。

 

「友崎さ。ぶっちゃけたはなしどんなもんだと思う?選挙の結果」

 

まぁ、今真面目な話ならそれしかないだろう。

 

これまでの活動で、みみみと相原は本気で日南に勝ちに行く気だということはよくわかっている。

というよりも隣にいたからこそ、だろうか。

俺も真面目なトーンを意識しながら自分の考えを口にする。

 

「やれるだけのことはやったとは思う。けど、正直わからないかな。相手はあの″日南葵″だから。たぶんこっちもいろいろ用意しているってことを理解して、それを迎え撃つ用意をしている……のかも知れない」

 

思っていたこと、というよりも今考えて思ったことをそのまま口に出す。

そして口にしてから俺も自身が口にした言葉の中から改めて気づく。

こちらを迎え撃つ用意……。

 

「だよなぁ……。最初からこっちもさ、絶対勝つから見てろよとか言っちゃったもんなあ。日南が挑戦状叩きつけられたまま、のほほーんと過ごすわけないよな」

「そりゃあ、日南だからな」

 

相原の言う通りだ。

俺たちも日々の活動でいっぱいいっぱいだったのであちらが何をしているかなどは詳しく把握していないが、みみみと相原がやる気を見せているのに油断をするようなやつじゃないのは確かだ。

 

「まぁ今更考えても仕方ないか。逆に明日の演説でどんな事言うのかちょっと楽しみだよな。なんか水沢もさっき食堂で日南に演説書くとかでフラれちゃったわーとか言ってたしさー」

 

たしかに、そんなこと言っていたかも。

でも、今更気にしても仕方ないというのはその通りだろう。

それに作戦通りに行けば、過半数をもぎ取れる作戦を立てたつもりだ。

後は明日になってみないと分からない。

 

選挙の話はそこで終わり、相原とはアタファミの話をしながら帰宅をした。

俺も相原も選挙活動に力を入れていたのでこの数日はろくにアタファミをできていなかったこともあり、今日帰ってから少し対戦をすることになった。

 

一応、明日の演説は大丈夫なのかと聞いてみたが返ってきた回答が「30分だけでいいから!」だったことにとてつもない不安を覚えたが……、まぁ相原はなんだかんだでなんとかするだろうとそれを了承した。

なんとか、するよな?

 

 

 

***

 

 

そうして選挙当日。

今日は月に1回くらいの頻度で行われる全校集会とともに選挙が行われる。

 

いつもなら俺は時間ギリギリに体育館に移動をしているのだが、今日は準備だったり気が落ち着かなかったりで早めに向かっていた。

 

そして体育館に向かう途中、日南の姿が目に映った。

俺は少し足を速めて横に並び日南に声を掛ける。

それも、不敵な笑みを作り、挑戦的な口調にしながら。

 

「よう」

「あら、友崎くん。元気そうね。」

「おかげさまでな」

 

そんな俺に対し、完璧と言えるような笑顔をしつつも皮肉めいた口調の日南。

 

「ずいぶんといろいろやっていたみたいね?」

「そりゃあ、相手が相手だから」

「この数日間退屈だったのよね。nanashiと対決できなくて」

「へぇ。でもそりゃ変だな。nanashiはこの数日間はずっとNO NAMEと戦っているつもりだったんだぞ?」

 

そう、こっちは日南(NO NAME)に勝つために策を練り最大限出来ることをやってきた。

 

「ふぅん?それって期待してもいいってことかしら?」

「あぁ。nanashiとしてのベストは尽くした。それに……」

「それに?」

「今なおnanashiに挑み続けている奴と、お前の親友だっているんだ。期待に以上に応えてみせるさ」

 

あの2人がな!

っと、なんか思考に一部相原の口調が移ったかもしれん。

 

言いたいことは言い、日南も解答に満足気にしていることを感じ取ったので、俺は会話をここで切り上げて急ぎ足に舞台袖へとむかった。

 

 

***

 

 

『―――相原みなとくん、ありがとうございました。』

 

それなりの拍手を受けながら相原が舞台袖へと戻ってきて、みみみと少し低めの位置でハイタッチをしていた。

 

相原の応援演説は、水沢と比較しても方向性は違えど遜色ないレベルのものだったように感じる。

 

直前が日南の演説によってあの空気になっている中での演説だったのだから、俺としては大役を果たしたと労ってやりたいところだ。

日南の圧倒的なプレゼンの後だというのに、想像以上にいい空気に持っていってくれた。

あれならみみみも少しは喋りやすくなるかも知れない。

 

というか、やっぱ推薦人は俺じゃなくてよかった……。

俺じゃほんと無理だわ、心からそう思う。

 

しかし相原の演説の内容。

みみみのおかげで変われた、か。

相原本人も去年まで陰キャだったけどそこから変わろうとしたって言っていたが、そのきっかけを作ったのがみみみだったわけか。

 

俺の隣に戻ってきた相原の方を横目に見ると、仕事は果たしたのに難しそうな顔をしてぁー、んー、と小さく唸っていた。

 

ん……?

もしかして、相原が一昨日から台本作成をしていたのに内容についてはずっとはぐらかしてばかりいたのって、みみみに内容をしられたくなかったからか?

たしかに本人の前でさつきの演説の内容を見られたら羞恥心やらなにやらがあるかもしれないし……。

 

 

っと、いろいろと考えている間に、みみみはもう舞台袖から出て壇上にのぼっている。

俺も準備をしにいかないと。

 

俺はコソコソ、というよりも自然な空気を出しながら舞台袖にある階段を登り体育館の2階の両脇にある通路へと向かう。

よし、誰にも止められなかったし問題ないだろう。

 

そして誰にもバレないように今度はコソコソとしながらスマートフォンを取り出し音量を最大にして仕掛けをセットする。

 

後は不測の事態に備えてここに隠れながら待機していればいい。

そう思いながらみみみの演説へと耳を傾ける。

 

ところどころに入れられた笑いのポイントも聞いている生徒たちにそこそこウケていて、いい空気だと言える。

ただ、やはりどうしても日南との演説に比べて見劣りしてしまう感じがする。

ただこれはみみみが悪いわけではなく、日南の演説がすごすぎるせいだ。

 

悪いと言えばみみみがというより、俺が作った台本の内容の方だろう。

日南の演説と構成が似通っていて、その分見劣りしているように聞こえてしまっている。

 

話の内容こそ違えど、『発言力の強い人間の説得』、『利害の一致』この2つを主軸に笑いを含ませた台本。

この根本的な考えが日南から教えてもらったルールに沿って作られているんだ、そりゃ劣化のようにもなってしまう。

 

そう考えると、相原の演説は『実体験』による話と、それによって生まれる『説得力』で作った構成だ。

タイプが違うので単純比較はできない。

だからこそ、日南の直後であったとしても想像以上にいい空気に持っていけたんだろう。

 

いろいろと反省点が見えて気も落ち込んできてしまったが……。

 

「けど、nanashiの意地ってやつを見せてやる」

 

信じて俺に台本作りと仕組みをさせてくれたみみみと、場をつないだ相原の努力を、あきらめて無駄にするわけには行かない。

そろそろ時間だ……!

 

 

『えー、そんなわけで私はこの関智高校を盛り上げていき―――』

ピピピ! ピピピ! ピピピ! ピピピ!

 

スマホのアラームによって、みみみは演説を止め周りを見渡す。

他の生徒達も自分のポケットを叩いたり、音の発生源を探るようにまわりをみわたしている。

 

そして誰もがざわざわとしているところ、みみみが『ゴホン』と1つ咳払いをしてする。

それはマイクに拾われ、周りも再度壇上へと注目が集まる。

そして、

 

『ヘイ、ナビ!アラーム止めて』

ポロン!

「アラームを停止しました」

 

そしてアラームは止まり、ところどころで笑いが起きる。

みみみはそれを見てからもう一度『ゴホン』と咳払いをしてから続ける。

 

『ヘイ、ナビ!生徒会長になるのは誰ですか?』

ポロン!

「はい、私はあなたをサポートするバーチャルアシスタントです」

『いや、自己紹介じゃなくて!』

 

また、どっ!と笑いが入る。

よし……間違いなくウケている。

 

『ヘイ、ナビ!あなたは私に投票してくれる?』

ポロン!

「すみません、よくわかりません」

『なんでよ!?』

 

このやりとりで会場では笑いが続いた。

今、生徒たちの目にはアクシデントに即興で対応する生徒会長候補、というふうな目に写っていることだろ。

 

打ち合わせ通りの区切りはついたので俺はスマホを回収して、みみみが演説を締めくくる言葉を聞きながらそそくさと舞台袖のところまで戻る。

階段を降りて、相原の隣あたりまで戻っていく。

 

「お、友崎!大成功だったな!」

「あぁ、みみみの演説がうまかったおかげだと思うけど」

「そんな謙遜すんなって!ま、ほれ」

 

相原はそう言いながら手を軽く挙げた。

あれ、これはおれもそういう……。

 

「あ、あぁ」

 

ぎこちない動きで相原とは肩くらいの位置でハイタッチをした。

……こう言うのも、悪くないかも知れないな。

 

「友崎ー!はらみー!やったよーーー!」

 

壇上から戻って来たみみみは俺と相原のやり取りが終わったのを見てか、小走りで寄ってきて両手で俺と相原に抱きつくように飛びついてきた。

 

「うぉっ、ちょ!」

ちょっと待って近い近い!

片腕ずつで俺と相原に抱きついてくるみみみ

なんというか柔らかいものが腕に……。

 

「は、離れろ……」

 

俺はその感触からできる限り気を遠ざけながらなんとかその言葉を絞り出した。

 

「おおっと、お二人には刺激が強すぎたかなぁ?ってはらみー顔真っ赤!」

 

みみみから開放されてから一歩引いて相原の顔を見ると、たしかに顔が赤くなっている。

結構顔に出やすいというか……むっつりだな。

 

「も、問題ない」

「あはは!もー、はらみー照れすぎでしょ!」

 

そしたらそれが伝播したように今度はみみみも若干赤くなったような気がするが、何も言わないでおこう。

 

「お疲れ、みみみに相原。と、友崎くんも?」

「ありがと、葵!まぁ裏があるから詳細は聞かないで!でも、友崎の手柄もあったってことは覚えておいて」

「え、うん。ふぅん?」

 

そう言うと俺の腕をとるみみみ。

再びのボディタッチに慌てる俺。

まって、こういうのもっとレベル上げてから後半のステージで怒るものでしょ早い早い!

なにジローっとこっちみてるんだ、相原!

 

「おつかれー、っておぉ?」

 

そこにやってくる水沢。

俺の腕を取るみみみ。

その横に突っ立っている相原。

そして、みみみは意味深な笑みを浮かべる。

 

「タカヒロ。……そういうことだから」

「もしかして、修羅場?」

「ちげーよ!どういうことだよ!」

「はぁ……確かに疲れてきた」

 

そんなやりとりをみて日南と水沢は顔を見合わせる。

 

「それじゃ行こっか。結果出るまでは一応私たちライバルだからね」

 

そう言うや、日南と水沢は2人揃って舞台袖から出ていった。

 

「俺たちも戻るか。なんか繰り返しになるけど、やれることはやったよ。あとは結果を待つだけ」

「そうだね、戻ろっか」

 

そうして舞台袖から出ようとした時に相原から違う話題を投げられた。

 

「あそーだ友崎。明日の昼くらい暇?打ち上げに飯でも食いに行かないか?さっきみみみとそんなこと話していてさ」

 

いやなんだ、急すぎる話題だな……。

まぁ、予定というものは特にないから時間は作れるけど。

 

「じゃあオッケーだな。後でLINEグループ作っとくから」

「おー、わかった」

「おー、わかった、であります!」

 

……真似するなよ。

俺のマネ流行ってるのか?

流行ってたらそれはたぶんいい意味ではないだろうからやめて欲しいところだ。

 

 

 

***

 

 

そして放課後。

 

教室の直ぐそばの掲示板に結果が貼られている。

そこに同学年の生徒が談笑をしながら囲むように人だかりができている。

 

みみみや相原はまだ教室の方にいたと思う。

俺が一足先に確認、か。

 

緊張で上がった心拍数をもとに戻すよう心の中でだけ深呼吸をしたつもりになって落ち着かせる。

そして、ゆっくりと掲示板に近づき結果を確認する。

そこにはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□生徒会選挙速報

 

日南 葵  :351票 【会長当選】

七海 みなみ:236票

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