弱キャラ友崎くんとサンドバッグ相原くん   作:mosumosu

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アレからのことはほとんど問題も起こることなく事態は収束していった。

 

みみみは退部届を出した翌日にまた入部届を提出。

周りからの反感も0ではなかった様だが、そこは本人のもともとのコミュ力からか最終的には『あいつホント馬鹿だなぁ』みたいに思わせいつの間にか歓迎ムードとなっていたようだ。

 

みみみ本人の日南へ勝ちたいという思いはなくなったのか、と言うとそういうわけでもないらしく、復帰してからは直接日南に勝負を挑んでくることが増えたらしい。

負けたあとは悔しそうにするが無茶な練習を行うこともなくなって、そこからは自分なりの折り合いをつけているようだったとか。

 

あと、さっそく相原がその勝負につきあわされているようだ。

あんなこと言った手前誘われたら断れなかったんだろう。

少し前に日南に勝ったことを誇った上に、それ以降は勝負からは逃げようとしていたらしいが、あの件を持って無事に捕まりさっそく日南に敗北したらしい。

けど、なんだかんだ勝負は接戦らしく、みみみが言うにはどっちが勝っても不思議じゃないくらい相原も足が速いらしい。

 

あと変わったことと言えば……あんな事があってからみみみはたまちゃんへのセクハラ具合が以前の3倍増しくらいになっている気がする。

けどそこは俺にとっては目の保養になるからよかったってことにしておいてもいいだろうか。

 

相原とみみみの関係に関しても、告白してフッたフラれたの関係には見えないほどに良好な関係が継続されている。

告白の事自体はその場にいた俺を含めた4人+日南(後日報告をしてしまった。カマをかけられたので俺は悪くない、と思うことにする)しか知らず、しかもそんな事があっても思った以上にいつも通りな関係に気付いた人は居ないんじゃないかと思う。

 

 

とまぁ色んなゴタゴタがあったがそれも収束してついには終業式を迎える。

明日からは待ちに待った夏休みになるが、俺はそれを目前に過去最難関の課題が待ち受けていた。

 

「こ、これ。誕生日プレゼント」

「……おう。ありがと」

「う、うん」

 

1学期最後のホームルーム。

そして、中村の誕生日。

泉は無事に中村にプレゼントを渡せたようだ。

 

そして、俺の手元にも少し前に買った中村へのプレゼントがある。

包装みたいなことはしておらず、紙袋にそのまま商品をドンと入れているような感じだ。

これをわたして中村と3分以上会話する。

それが今日の課題だ。

 

「中村ー、今日誕生日なんだってな。はい、俺からはこれ!」

「おう、相原。……これはなんだ?」

「かいてあるだろ、プロテイン!紙パックタイプの持運びに便利なやつ!運動後は三十分以内にプロテインを摂取することで「お、おう、サンキュー」」

 

何してんだ相原。

中村ちょっと押されてるじゃねーか。

……まぁなんだ、バカなやり取りを見ていたらちょっと気が紛れたかも。

 

中村の近くにいた泉が、俺の視線に気付いたようで頑張れとでもいいたげな視線を送ってきた。

よ、よし、行くか。

 

「な、中村」

「おお、友崎」

 

なんか、えらく機嫌がいいようだ。

今日に限っては前みたいな視線の鋭さも感じない。

 

「えーと、これ。誕生日プレゼント」

「はぁ?」

 

そう言って紙袋を渡す。

中村は口を開け意味わからない言う表情をしている。

周りにいた相原はにやにやしているし泉はなんかうんうん頷いている。

 

「いいからほら、受け取ってくれよ」

「これは、コントローラー?」

 

中村は俺に押し付けられた袋の中身を確認して呟く。

そして俺は、アタファミにおいてコントローラの重要性について色々と口にする。

3分を話すために色々考えていた内容だ。

 

「あと……。なんつーかさ、努力するやつは嫌いじゃないっていうか。アタファミを愛するゲーマーとして、応援したいっていうの?」

「あっそ。……貰っておくわ」

「お、おう」

 

よし……!課題クリアだな!

相原と泉はともにこっちを見ており、相原はにやにやしながらも小さくサムズアップを、泉も『やったね☆』なんて聞こえてきそうな顔で軽くウインクしてきた。

 

そういえばこれ、俺の仲直り大作戦だったもんな。

ライングループも残ってるっけ。

そして勝ちと思ったところでその後ろにいる日南のジェスチャーが目に入った。

指を3本立てている。

あ、まだ3分、経っていない?

 

ヤバい、何か話題を……!?

そして視線を上げた俺に日南の顔、そして相原の顔が目に入る。

そして連想して出てきた話題!

 

「と、ところでさ」

「あん?」

「ひ、日南と水沢が付き合ってるって本当!?」

 

 

***

 

 

「『ひ、日南と水沢が付き合ってるって本当!?』」

「みんみ、もうやめる!……ふっ、あはははは!」

「もうやめ、似、似すぎだろ!ははははは!」

「ご、ごめんね、友崎くん!あははは!」

「もう勘弁してくれ……」

 

終業式の後、俺はみみみに誘われファミレスへと来ていた。

みみみ、日南、たまちゃんの女子3人に俺と相原の5人だ。

 

「いやぁでも友崎はよく聞いてくれたよ!みんな気になってたと思うよ、それ!」

「はいはい、そうですか」

「水沢に聞いてもやんわり流されるんだよなぁ。どっちとも取れるような言葉でさー」

「へえぇー。では葵さん。実際のところはどうなんです?」

 

みみみはインタビューでもするようにグイグイと日南に話しかけてる。

 

「ん〜、どっちだと思う?」

 

そしてにやっと小悪魔のような表情で笑いかけてくる日南。

え、なにこれ、いつもの日南からは考えられない表情なんですけど。

 

「おや〜、顔が赤くなってない?やっぱり友崎は葵のことが好」

「そんなわけないだろ!」

「友崎うるさい!ここファミレス!」

「ごめんなさい……」

 

不吉な言葉を発せられる前にとツッコミを入れるつもりが声が大きくなりすぎてたまちゃんに怒られてしまった……。

まだまだ精進が必要みたいだ。

 

「というか、葵〜。私も気になるんだけど!実際のところどうなの?」

「はぁ、しょうが無い。白状すると……」

「「白状すると……!?」」

 

まさに興味津々といった感じのみみみとたまちゃん。

相原も、口にこそしないが興味無しというわけではなさそうで視線を送っているのがわかる。

 

「付き合っている」

「え!?」

 

俺は誰よりも早く反応し、また大きな声を足してしまう。

 

「って言ったら、どうするの?」

「おい」

 

そして日南がくすくすと笑いながらこっちを見る。

 

「付き合ってるわけないでしょ」

「…何今の!葵ちょー小悪魔!」

「私も教室で恥かかされたんだから、お返しでーす」

「お、おう」

 

口元を隠しながらそんなふうにいってくる日南。

正直様になっててかわいいのが、なんかむかつく。

 

「そ、れ、よ、りー。私はみみみの方が気になるんだけど?」

「はぇっ!?わたし!?」

「そう、みみみ!正直言いなさいよ、相原とはなんかあったんじゃないの?あれからな〜んか前よりも仲いいし、怪しいなぁ〜?」

 

そう言ってみみみや相原に視線を送る日南。

あぁ、事の真相は俺からは言伝で聞いてはいるけど本人の口から聞いておこうってことか。

 

「な、何もないよねはらみー」

「んー。隠すことでもないしなぁ。俺がみみみに告白して、みみみが俺をフッた」

「ちょっと、はらみー!?」

「どうせこの中で知らないの日南だけだしな」

「みんみ、うるさいって」

「えぇー!そうなんだ!?むしろ仲良くなって見えたからつきあいはじめたのかとおもったのにー!なんで断ったの!?」

 

顔を赤くして大騒ぎのみみみ。

相原の方はもう開き直っているのか割と淡々としているようだ。

 

「さァ?なんでなの、みみみ?」

 

そう言いながらにやにやしてみみみに話を振る相原。

実はフラレたことを根に持っているのかもしれないな。

 

あれそういえば以前に日南が……。

たしか買い物の反省会の時だったっけ、みみみは相原に思うところがありそう、って言ってたよな。

この人一体どこまでお見通しなんだろう。

 

「そ、それより!本日集まってもらったのにはわけがあってですね!」

 

無理やり話題を変えたみみみ。

話したくなさそうに見えたことをしつこく聞く日南でもないので、すんなりと話は流れる。

 

「ん、なに?みんみ」

「今回お騒がせしたお詫び、といいますか。とにかくすみませんでした!」

 

そう言いながらテーブルの上に紙袋を置くみみみ。

 

「これ、みんなにお詫びとしてプレゼントしたいんだよね。友情の証とも言う!」

 

そう言ってみんなに紙袋から取り出しながら1つずつ渡すみみみ。

 

「これって……」

 

わたされたものを見る。

あれだ、みみみのカバンについているよくわからんやつ。

縞々でネコとハニワが合体した謎の動物のストラップ。

 

「ほら、みんなには色々助けてもらったし色々あったけど元通りってことで!私の一番のお気に入りのやつの色違いをプレゼントします!」

「あ、ありがと……」

 

日南は受け取ったものをまじまじと見ながらそうお礼を言う。

たまちゃんと相原もお礼を言っていたので俺もそれにならって「ありがと……」とお礼を言う。

 

でも、なんだろ。

ものとしてはよくわからないけど……、これは今回みみみだけじゃない色々なすれ違いがあって、けどそれが解決した際の友情の証?らしくって、そこに自分を入れてもらえたということが素直にうれしいと思えた。

 

「このキーホルダーみみみがつけていたときから思っていたけど」

「うん」

 

日南がキーホルダーを見つめながら発言し、たまちゃんも頷いている。

まぁ、たしかによくわからないデザイ……

 

「「かわいい」」

「はぁ!?」

 

俺の感性はまだまだリア充に追いついてはいないらしい。

しかし納得がいかないのはところもあり相原を見る。

コイツはどうなんだ。

視線に気づいたらしい相原が口を開く。

 

「か、カワイイヨナァ」

 

えらく棒読みだった。

コイツはこういうやっだったな。

俺にはもう何が正しいのかよくわからない。

横でさっそくカバンに付け始める相原。

 

「あ。フラれた相手からのプレゼントをすぐに着けるってことは、実は未練たっぷりな感じ?」

 

そんな事を口にする日南。

ここでそれを言うのは強すぎるだろ。

 

「……やっぱり外そっかなぁ」

「ちょっと!?葵、余計なこと言わないの!」

「あっれー?みみみもフッた割には意外と?なぁんて、あはは!」

「もう!」

 

じゃれ合う日南と少し顔を赤くしているみみみ。

そしてそんな話を聞いてテーブルに突っ伏す相原。

それを楽しそうに見守っているたまちゃん。

 

「はぁー……なんで俺はモテないんだろうなぁ。なんでだと思うたまちゃん。俺結構頑張ってると思うんだよ、もっと評価されてもよくない?」

「……そういうところだと思うな」

 

そんな感じでワイワイしながら時間が過ぎていった。




これで原作2巻の内容は終わりになります。
この小説を書きはじめる前に考えていたことはだいたい書けたんじゃないかと思います。

次から原作3巻の内容になりますが少し整理したいので時間がかかるかも。
あとは夏休み番外編をちょこちょこ書きたい。
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