弱キャラ友崎くんとサンドバッグ相原くん 作:mosumosu
「それで、なんでみみみがいるわけ?」
「みんなで勉強会するんでしょ?楽しそうだから私も参加!」
だいたい部活の終わる時間に図書室をでて、部活前に勉強をしていたメンバーで再度集まったが、そこには部活前にはいなかったみみみの姿もあった。
まぁ日南と同じ部活なんだし、日南から部活後の予定の話を聞いていてもおかしくはない。
「勉強が楽しい人種なんて実在したのか」
「皆でやれば勉強だって楽しいでしょ」
「めっちゃわかる!」
「うーん。一応言っておくけど、ちゃんと勉強しようね?」
日南に釘を差されてテヘッなんて表情をするみみみと泉。
みみみはともかく、泉はしっかりしてくれ。
俺としてはお前のためにこの場を組んだつもりなんだから。
「みみみは数学も得意なのか?」
「ふっふっふ。私に不得意な科目などない!この場には学年1位の葵と学年2位の私がいるから、なんでも聞いてね!」
「おぉー!」
「……いや、たしか期末は3位だろお前。サバ読むなよ」
「あちゃあ、バレてた!?でもはらみー、細かいことに拘ると嫌われるよ〜?もちろん、わ・た・し・に・も!」
「あーはいはい。困る困る」
「ひどい棒読み!?」
おぉ、今相原のやった棒読みで返すやつ。
たしか水沢もこの前やっていた気がする。
しかもカバンからノートを漁りながらでよりどうでもいい感を出している。
なるほど、おれも今度参考にでもさせてもらおう。
「ま、せっかく時間取ったわけだし、やるだけのことはやろう。友崎、見てやるから問題をといて解き方が分からんものや悩むものがあったら聞いてくれ。おれも同じ問題先にやっていくから」
「おう、分かった」
「あ、じゃあ私も問題とこう。はらみーどっちが先に終わるか勝負ね!」
「いいけど、勝負は正解数にするべきでは……」
俺はこの2人のやりとりを軽く見つつも、さっそく問題を解いていく。
放課後は図書室で勉強をしていたのもあって簡単な問題はもうそこそこ解けるようになっているのを実感した。
相原の言う通り、たしかに数を解くのが一番だったのかもしれない。
泉の方も日南にいろいろと聞きながら順調に進められているようだ。
「相原、この問題の答えがなんか半端でおかしい気がするんだけど解き方間違えてるかな?」
「どれどれ。たしかに俺の回答とも答えが違うな。んーと……ああ、ここの途中式が間違ってねぇかな。考え方は合ってるけど計算ミスしてる」
「あ、ほんとだ」
「数学のあるあるだな。けど、解き方はバッチリみたいだしあとはケアレスミスを無くしましょうってところか」
なんだかんだで相原の説明や解説もわかりやすく、間違えた場所がなぜ駄目だったのかを把握して直していくことができた。
そうして問題を一通り解き終わってから解答を確認して丸付けを行う。
「いい感じじゃん、これなら友崎は9割行けそうだな」
「あぁ、苦手な数学の問題をこんなに解けているのは初めてかもしれない」
集中的に問題を解いては、解答につまったり間違った場所の説明を聞きながら内容を理解していく。
短い時間ながら勉強の成果を実感して少しの達成感を抱く。
そんなとき、ふと視線を向けられている気がして顔を上げるとみみみと目が合った。
「ん?な、なに?こっち見て」
「いやー、なんか意外っていうか。ブレーンもはらみーも、それに優鈴も。想像の100倍くらい真面目に勉強してるなぁ〜と思って。あ、みんなが不真面目だと思ってたとかそう言う意味じゃなくて、小テストだしもっとゆるくやるのかと思ってたから」
あー、たしかに普段なら小テストがあるくらいじゃこんなに力を入れて勉強なんてしないよな。
そう思ったところで俺たちとみみみで前提が全然違っていることに気づいた。
そうか、たぶん日南はみみみに勉強会をするって話しかしていなくて、なぜ小テストに向けて勉強をしているのかを話していないんだ。
「俺は今日だけ特別。普段はこんなにやる気ないから。なんか色々あって俺たちみんな90点以上目指してんの。まぁ、日南だけはそんなの関係なく毎回90点以上取ってそうだけど」
「特別?なになに?きになるー!」
「日南から聞いてなかったのか。一言で言えば泉に乗っかって中村を手助けするためなんだけど、どっから説明すればいいやら。友崎、説明頼む」
「え!いや、いきなり振るなよ」
急に振られて慌てながらも、順を追って今回の件を説明した。
……
…………。
「ぷ、ぷぷぷ……アタファミ禁止されて登校拒否……!お、面白すぎでしょ!なかむーサイコー!」
「みみみ。相原みたいな反応してるぞ」
「ええぇ!?」
「お、以心伝心。」
いつも思うがこの2人は反応がそっくりだ。
相原がみみみの影響を受けているらしいが、ちょっと影響受けすぎだろと思わなくもない。
もとから似ていたんじゃないのか。
「それで90点取ろうってわけなんだね。それにしても、はらみーが友崎に教えてるのはなんか意外!というか逆でしょそれ!」
「え、なんで俺みんなに勉強できないやつって思われてるわけ?数学だけは得意だし」
泉や竹井にもそんな事言われてたもんな。
というか、俺としては相原は勉強もそこそここなしそうなイメージを持っているけど、頭悪そうに言われるのは何が原因なんだろうな。
「むしろ数学に関しては俺のほうが苦手だな。それに、意外と相原の教え方も上手いかも。……最初はどうなることかと思ったけど」
「へぇー。はらみーにも1つくらいは長所があったんだねー」
「さいってーなセリフだな。数えられないくらいあるわ」
「おー!たとえばたとえば?」
「え?あー。まず、顔がいい、とか?」
「……!、ふふっ!あはははは!」
……。
ま、こういうところなんだろうな。
相原が頭悪そうに言われるのは。
どや顔しながら親指で自分指す相原を見て、みみみは一瞬耐えたと思いきや吹き出してしまった。
横では真面目に勉強していた泉も釣られるように笑いだし、同様に軽く笑っている日南は「ほら、真面目にやる」なんて言いながら泉の止まった手をシャーペンの後ろで突ついていた。
「友崎、コイツラほんとサイテーだよな」
いろいろ思うところがあったのかもしれんがとりあえず。
「俺に同意を求めないでくれ」
***
それから翌日の小テストは、泉が緊張のあまりガチガチに固まっていたし目の下にはクマを作っており、なんなら終わったあとに出来を聞いたら「わ、わかんない!?」なんて発言を残していたが、とりあえず全員やれることはやったと思う。
そして金曜日にこの小テストが返却される。
「おめでとー優鈴!流石私の教え子!」
「ありがとう葵ぃー!葵のおかげだよぉー!」
どうやら泉も目標に達したようで、日南へと抱きついていた。
日南もそんな泉の頭をよしよしーなんて撫でている。
俺たちはテスト返却後の休み時間に水沢と竹井を含めた6人で集まり、4人のテストの結果を確認していた。
その結果として、
日南:100点
相原:100点
泉:95点
俺:90点
……。
うおぉー、セーフ!
「おー!みんな90点以上じゃん!」
「文也はギリギリだったけどな」
「ぐ……ちゃんと90点とったんだからいいんだよ!」
テスト終わったときに俺は泉に『ギリギリでも取れるといいな』とか言っていたから余計に恥ずかしい!
しかし、日南が100点なのはなんかもう当然って感じすらしてくるが、相原もきっちり100点満点か。
数学得意と言うだけのことはあったわけだ。
「あはは。でもこれなら説得できると思う。4人が90点以上ってなかなかすごいことだと思うから」
「たしかにな!」
「じゃあ、あとは週末に中村に伝えるだけか」
「うん、それは任せて!」
そういって胸をドンと叩く泉は、なんだか1つ垢抜けたような気がした。
あと、叩いた場所が揺れたような気も……何を言っているんだ俺は。
***
それから週明けの月曜日。
朝、教室に入ればすでに泉の席の近くで中村グループのメンバーと日南が集まって話をしていた。
「ワンちゃんおそいおそい!」
「お、おお。悪い。で、どうだった?」
「バッチリ伝えたよ!『勝手にしろ』って言ってたからオッケーだと思う!」
勝手にしろって、それオッケーなのか?
よくわからんが泉がそう言うならそうなんだろう。
それから泉のデートがどうなったのかと話をしていたところで教室に入ってきた一人がこのグループに話しかけてきた。
「うぃっす。お前ら朝から何集まってんだ」
そちらを見ると話しかけてきていたのは中村だった。
俺はびっくりしつつ他のメンバーを見れば同じように驚きながら中村を見ていた。
竹井あたりはなぜか涙目だ。
「修二ぃ〜!わたし、心配したんだから!」
「はいはい。つーかお前らちょっとサボったくらいで騒ぎすぎ。なんだよ、よし子説得するためにたくさん勉強した〜って、意味不明だろ」
まぁたしかにそこだけ聞くと意味不明だな。
「え〜、私たち修二のために頑張ったんだよー?」
「お前は最初から勉強できるだろうが」
「違う違う、教えるの頑張ったんだから」
「あー、わかったわかった。ったく、頼んでねーってのに。ありがとーございました」
そんな、憎まれ口を叩きつつも最低限の感謝の言葉を述べる中村。
それでも泉なんかはそれで十分だったらしく、満足そうにしていた。
最近ちょっと時間取れてないの仕事とスパロボで忙しいからだったり……。
そろそろ仕事は落ち着くかも、スパロボはまだまだ続くけど。