IS~白い閃光~   作:aaaaand777

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やっと本編です(´Д`;)
更新遅れてすみませんでしたm(_)m


IS~白い閃光~ 第三話

「全員揃ってますねー。それじゃあSHRを始めますよー」

 

 

 クラス全体を見渡しながらその女性は声をかける。

 山田真耶、IS学園の教師で、このクラスの副担任である。

 身長が生徒とさほど変わらない真耶が微笑んでいる姿は、実年齢より幼いという印象を与える。さらにサイズの合っていない服を着ていることと、大きめな黒縁眼鏡が若干ずれていることも相まって、余計にそう感じられた。

 

 

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

 

「………」

 

 

 しかし、真耶の言葉に答える生徒はいなかった。何故なら言葉にし難い緊張感が教室内を支配していたからだ。

 誰からも答えを得られなかった彼女は、少しうろたえながらも自身の役割を果たそうとする。

 

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」

 

 

 この言葉を聞き、出席番号の一番若い生徒が自己紹介を始める。真耶はそれを見て、少し安堵した。

 それは、彼女が自身の教師としての力量に少し不安を持っていることもあるが、今年のIS学園の入学生の中には、例年にない異例があるからだ。そのことが彼女をより一層不安にさせるのだ。

 そして、何人かの自己紹介が終わり、一人目の異例である織斑一夏の順番となった。

 だが、一夏は、幼馴染である篠ノ之箒に視線を向けていて気づかなかった。

 

 

「……くん。織斑一夏くんっ」

 

「は、はいっ!?」

 

 

 真耶に呼びかけられ、一夏は、声を裏返しながら答える。それが余計に生徒からの注目を集めた。

 

 

「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる? 怒ってるかな? ゴメンね、ゴメンね! でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね? 自己紹介してくれるかな? だ、ダメかな」

 

 

 一夏の返事を聞き、真耶は頭を何度も下げながら、かなりの低姿勢で一夏に問いかける。一夏は、その姿を見て罪悪感が湧いてきたのか、宥めようとする。

 

 

「いや、あの、そんなに謝らなくても……っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いてください」

 

「ほ、本当? 本当ですか? 本当ですね? や、約束ですよ。絶対ですよ!」

 

 

 一夏の言葉を聞いて感激でもしたのだろうか、真耶は彼の手を取り熱心に詰め寄る。

それがまた注目を集めた。一夏は、何とか真耶に離れてもらい、自己紹介をする為、立ち上がり後ろを振り返る。

 振り返った彼は、集められていた視線と向き合うことになた。一夏は今までは背中で感じるだけだった視線を初めて正面から見たのだ。その視線には、好奇心や期待などが含まれていた。

 

 

「えー……えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 

 一夏は、たじろぎながらも自己紹介をし、礼儀的に頭を下げて、上げる。

 しかし、視線の主達はそれで満足しなかった。まだ何かを期待しているような視線を一夏に向けていた。

 

 

「………………(――――えーと)」

 

 

 そのような視線を向けられて、一夏は焦った。これは彼女たちの身勝手な期待で、彼は何も悪くはないのだが、こうもあからさまな視線を向けられると、自分が悪いのではないかと思ってしまう。

 一夏はせめてもの救いを求め、もう一度箒の方を見てみるが、目をそらされる。

 

 

「以上です」

 

 

 見事に期待を裏切られたのか、数名の女子が、がたたっと音を立ててずっこけた。

 

 

「あのー……」

 

 

 一夏の背後から涙声のような声で、真耶が声をかける。

 すると、パアンッ! という鋭い音が聞こえて、一夏の頭部に痛みが走った。

 

 

「いっ――――!?」

 

 

 この時、一夏の頭の中にはある事がよぎっていた。この叩き方が自分のよく知る人物と似ているように感じたのだ。

 

 

「…………」

 

 

 一夏がおそるおそる振り向くと、そこには自分の頭の中に浮かんだ通りの人物がいた。

 黒のスーツとタイトスカートに身を包んだ、彼の姉の織斑千冬である。

 

 

「げえっ、関羽!?」

 

 

 一夏が声を上げると、また、パアンッ! という鋭い音が響いた。

 

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

 

 トーン低めの声で千冬は言い放つ。一方で、一夏はまだ状況が飲み込めていなかった。

 彼にしてみれば、職業不詳の姉がここにいるのが不思議で仕方ないのだ。

 

 

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

 

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

 

 

 千冬は、先ほど一夏にかけた声とは打って変わったような優しい声で、真耶の問いに答える。

 

 

「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」

 

 

 千冬から礼を言われたことで、真耶は照れながら言葉を返した。

 さっきの涙声はすっかりなりを潜めていた。

 

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことをよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五才を十六才までに鍛え抜くことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

 

 教壇に立ち、クラスにいる生徒全員に向かって、千冬は宣言した。この物言いを聞き、一夏は間違いなく自分の姉だと確信する。

 しかし、はっきり言えば、これは暴言である。軍隊などの新兵訓練で、教官が新兵たちに向かって言う言葉なら、この言葉は適切かもしれない。だが、一教師が生徒にかける言葉ではない。

 一夏は、クラスの皆が困惑するだろうと思ったが、その予想は見事に外れた。

 

 

「キャ――――――――! 千冬様、本物の千冬様よ!」

 

「ずっとファンでした!」

 

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです! 北九州から!」

 

 

 織斑千冬の登場に教室の所々から黄色い歓声があがる。

 

 

「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」

 

「私、お姉様のためなら死ねます!」

 

 

 女生徒たちが口々に歓声をあげ続ける。その歓声の中には、結構危ない物もあった。

 その光景を千冬は、心底鬱陶しそうな顔で見る。

 

 

「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か? 私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」

 

 

 このような辛辣な言葉を聞いても、まだ歓声はやまない。むしろ先ほどより勢いを増した。

 

 

「きゃあああああっ! お姉様! もっと叱って! 罵って!」

 

「でも時には優しくして!」

 

「そしてつけあがらないように躾をして~!」

 

 

 さながら、自分たちの憧れのアイドルが目の前で決まり文句を言ったような反応である。

 千冬は、歓声を無視して一夏に話しかけた。

 

 

「で? 挨拶も満足にできんのか、お前は」

 

「いや、千冬姉、俺は――――」

 

 

 三度目の鋭い音が響く。

 

 

「織斑先生と呼べ」

 

「……はい、織斑先生」

 

 

 このやりとりで教室中に二人が姉弟であることがばれた。

 また教室が騒がしくなる。

 

 

「え……? 織斑くんって、あの千冬様の弟……?」

 

「それじゃあ、男で『IS』を使えるっていうのも、それが関係して……」

 

「ああっ、いいなぁ。変わってほしいなぁっ」

 

 

 千冬は、また騒がしくなった教室を見て嘆息を吐いた。

 

 

「静かにしろ、貴様たちが騒ぐから時間が少なくなってしまった。残りの者は簡潔に自己紹介をしろ」

 

 

 千冬が一喝すると、次の出席番号の生徒が自己紹介を始める。そして、遂に二人目の異例の順番になった。世界でISを使える二人目の男、白井光である。

 光は、向けられる視線に辟易しながら立ち上がり、自己紹介を始めた。

 

 

「白井光だ。一年間よろしく」

 

 

 一夏の時と同様に、もっと聞きたいといった視線を感じるが、簡潔でいいと指示が出ているので、光は気にせず席に着く。

 その後、自己紹介はつつがなく進み、最後の人が言い終わると、すぐにチャイムが鳴った。

 

 

「さあ、SHRは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」

 

 

 千冬の口からまたもや、暴言まがいの言葉が出た。

 

 

 

 

 

 

 一時間目のIS基礎理論の授業が終わり、休み時間を迎えていた。だが、教室内の異様な雰囲気は何も変わっていなかった。むしろ、他のクラスの女子、二、三年の先輩たちが廊下に詰めかけていることでさらに異様さが増していた。

 しかし、光や一夏に興味を示しているのに、誰も話しかけようとはしない。それは、女子同士が牽制しあい、妙な緊張感が生まれているからだ。

 この雰囲気に耐えられなくなった一夏は、自分と同じ境遇の男に話しかけることにした。

 

 

「はじめまして、織斑一夏だ。よろしく」

 

 

 一夏は、そう言って光に握手を求める。

 光は握手にこたえて、言葉を返した。

 

 

「ああ、白井光だ。よろしく、織斑」

 

「織斑って堅苦しいし織斑先生と被るから、一夏って呼んでくれよ。俺も光って呼ぶからさ」

 

「わかった、一夏」

 

 

 一夏は、光の反応を見て仲良くできそうだと思った。

 

 

「ホントに、光がいてよかったよ。俺一人だったら耐えれなかったぜ」

 

「確かに、この視線と雰囲気は鬱陶しいな」

 

 

 光の少し乱暴な言い方に、一夏は苦笑しながら頷いた。

 彼らがそのように共感しあっていると、そこに突然、乱入する者があらわれた。

 

 

「……ちょっといいか」

 

「え?」

 

「ん?」

 

 

 あの緊張感の中を抜け出してきたのかと思い、光と一夏が声がした方に目を向けると、そこには一夏の幼馴染の篠ノ之箒がいた。実に六年ぶりの再会である。

 

 

「……箒?」

 

「………」

 

 

 一夏が名前を呼んでみるが、彼女は一向に喋りださない。

 それを見かねた光は、一夏に彼女の紹介を促した。

 

 

「一夏、知り合いか?」

 

「あ、ああ。篠ノ之箒、俺の幼馴染だ」

 

「篠ノ之箒だ。よろしく頼む」

 

 

 光の質問を受け、一夏が箒を紹介する。

 

 

「白井光だ。こちらこそよろしく」

 

 

 紹介をうけ、光は無難に返事を返す。

 光は、彼女が不機嫌そうな目で一夏をずっと見ていることに気づき、大体のことを察した。

 

 

「それより篠ノ之、一夏に用があるんじゃないのか?」

 

「あ、ああ。い、一夏」

 

 

 箒はいきなり核心を突かれたことにより、動揺しながらも一夏に声をかける。

 

 

「廊下でいいか?」

 

 

 箒は一言だけ言って、一夏の返事も待たず、廊下に向かおうとする。

 

 

「悪いな、光。ちょっと行ってくる」

 

「いい。気にするな」

 

 

 一夏は、光に軽く謝る。

 

 

「早くしろ」

 

「お、おう」

 

 

 箒は中々来ない一夏にまた声をかけ、廊下に出る。一夏は、それに頼りない返事をして後を追った。

 一夏と箒が教室から出て行ったあとは、二人の話がどのような内容なのか興味を持った者が多かったらしく、教室に一人残った光に向けられる視線は減った。

 しかし、数が減ったと言っても、やはり気持ちがいいものではない。光は、早く授業が始まらないかと切に願っていた。

 そうしてしばらくすると、二時間目の開始を告げるチャイムが鳴り、廊下に集まっていた生徒は自分たちの教室に戻っていった。

 パアンッ! 廊下から四度目の鋭い音が聞こえた。

 

 




やっと本編を更新できました゚(゚´Д`゚)゚
キャラの口調にかなり不安が残ります・・・・・・
多分、次回は戦闘までいけるかなと思います。
ちなみに、みなさんはこの作品に恋愛要素って入れるべきと思いますか?
コメントなどよろしくお願いします!!
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