ガールズ&パンツァー ――The silliest story――   作:滝村亜華音

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設定集&プロローグ

【オリキャラ】

 

 ・「私」――19歳。理工学部一年。元浪人生(1浪)。プラウダ高校出身。口調があまりにも男性的だが、性別は女性。

 

 ・「姉」――「私」の姉。20歳。英文科三年。サンダース大学附属高校出身。須呂脇大学の特待生。

 

 ・ヴィットーリオ――本名は遠野利桜(とおの りお)。19歳。技術学部一年。アンツィオ高校出身。

 

 ・シャルルアンリ――本名は不知火安梨(しらぬい あんり)。18歳。法学部一年。BC自由学園出身。

 

 ・アレクサンドラ――本名は山藤栗麗葉(さんどう くれは)。19歳。法学部一年。プラウダ高校出身。

 

 ・???――???

 

 ・???――???

 

 ・???――???

 

 ・三笠学長――本名は三笠亜矢(みかさ あや)。酒が飲める年齢。須呂脇大学学長。

 

 ・???――???

 

 

【オリジナル設定】

 

 ・須呂脇(すろわき)大学――主要メンバーが在籍している大学。国内では、戦車道に力を入れている大学の中で一二を争う力を持つ。とある事情から、学内では『島田流』に傾倒する学生が多い。工業力、技術力、開発力は島田家からも目を付けられる程。スロバキアを文字って『すろわき』にしました。

 

 ・智恵古(ちえこ)大学――須呂脇大学と交流のある大学。国内では、戦車道に力を入れている大学の中で一二を争う力を持つ。とある事情から、学内では『西住流』に傾倒する学生が多い。工業力、技術力、開発力は西住家からも目を付けられる程。チェコを文字って『ちえこ』にしました。

 

 ・ギュルヴィ大学――名前のみ登場。モデルはスウェーデン。

 

 ・赤十字(せきじゅうじ)大学――名前のみ登場。モデルはスイス。

 

 ・アウステルリッツ大学――名前のみ登場。モデルはオーストリア。

 

 

 

プロローグ

 

――

 

 ――一段落ついたので、今からここへその詳細を書き留めようと思う。強いて言えば、これは私の自伝であり、一種の体験記であり、歴史に刻まれるべき大戦記とも言えよう。否、それは流石に過言であった。戦記とは言え、その実、ただの学内での馴れ合いに過ぎないものだ。それは、不良の中高生が一校内の派閥争いの癖に戦争を呼称するようなもの。聞いているこっちが恥ずかしくなるような事例である。今の私が話していたのはまさにそれだ。そんな羞恥の感情を皆に抱かせてしまったことを、まずは詫びよう。

 

 さて、この手記を始めるにあたってまずは、私が何処で生まれ、何に興味を持ち、学生時代は何処で過ごし、浪人時代はどんな小説を読み込み、今は何処に居を置いていて、本屋では最近は何の本を買い、スーパーやコンビニの類ではどんな食品を中心に購入し、平均してそれらを何日以内に消費し、幼少期はどんな匂いのする赤ちゃんだったかなどを書き記していかねばなるまい。

 

 しかし生憎、私にはそう言ったことをグダグダ話していられる程の時間は無いのだ。

 

 時間が有限という概念が存在していると言うのは、多くの人が知っているだろう。私だって知っている。勉強をしようと思っていても、5分後10分後と伸ばしているうちに就寝時間になって、結局勉強ができないまま一日が終わってしまった、なんて経験は無いだろうか。私はその系統の事件の常習犯であり、特に人より時間にナイーブな私はそんな先天的なハンデが功を奏し、大学に入ってからというもの、約半年にわたって怠惰で自堕落な日々を過ごしてきたのである。

 

 今の私はとにかく時間を無駄に消費することに特化しており、その日一日も暇と言う名の悪魔に忙殺されているのである。あまり長く話すと読者の方も退屈されると思うので、簡潔に説明しよう。

 

 私の一日は安っちいボロアパートの一室から始まる。眠い目をこすりながら大学へ赴き、午前中は全て講義に身を捧げ、午後は大学に所属する女学生のほぼ全員が席を置いている「戦車道サークル」の試合を缶ジュース片手に観戦し、大学の友人と共に余りにも下らない世間話に花を咲かせ、通りすがりのスーパーで夕食の材料を買い込んで、そのまま部屋に戻る。部屋に戻ればたちまち私は無気力人間と化し、料理、洗濯、掃除、何をするにも面倒臭く思ってしまう。毎日それの繰り返しだ。我ながら不純な学生生活である。

 

 よく人間は、「同じことの繰り返し」と言われるような変化も刺激も無い機械的な日々を送っていると、段々と漠然とした自殺願望が芽生えだすと言う話を耳にすることがあった。今の私こそがまさしくそれに該当するのだが、それでも私は自殺願望を芽生えさせずに済んでいる。その要因は主に二つに分類される。

 

 一つ目はアニメ鑑賞だ。現実世界に存在するような醜く、何より心の汚い人間達と関わりを持つよりも、画面の向こうに住んでいる美しく、何より純真無垢な人達の青春や生き様を第三者視点から眺めていた方が、貴重な学生生活を切り売りするには価値のある代物だ。しかし、ある一つのジャンルだけは私はアレルギー食材の如く身体が拒絶反応を示すのである。それは「ラブコメ」だ。決して中学生の時にひどい失恋に心を引き裂かれたからだとか、そんなことがある筈がない。そんな子どもな訳がないじゃないか。

 

 二つ目は戦車道だ。これは言わずもがなだとは思うが、この世界に住む婦女子ならば誰一人欠けることなく憧れを示し、技術をモノにするため邁進してきたことであろう。かく言う私も御多分に漏れず、この世界での憧れの的である「戦車乗り」への道を突き進むことを志したのだ。戦車に関連する技術を身に付けた女子は校内外問わずファンが溢れ返り、バレンタインやハロウィンやクリスマスには大忙しになることであろう。

 

 しかし、私には戦車道の才覚は皆無に等しかったのである。

 

――

 

 ――神奈川県横須賀市に位置する『須呂脇(すろわき)大学』。国内に戦車道を取り扱う大学は数多く存在すれど、中でもこの須呂脇大学は昭和初期から存在する歴史ある大学である。

 

 聞いたところによると、十数年前までは『智恵古(ちえこ)大学』との合併校で『智恵古・須呂脇大学』という何の捻りも無い名前で運営されていたらしいが、大学の運営体制にガタが来始め、どういう偶然か文科省のお目こぼしによって各々の大学が独立を果たし、それぞれの自由を手にし、人生の素晴らしさを謳歌するに至ったのだという。

 

 そこに貯蔵されている戦車の数は、他の大学と比べても並ぶ桁の数字の数がまず違うようで、戦車道連盟の紹介でここを訪れた際、文字通り横須賀軍港に紛れ込んだのではと思ったのも無理も無い話だ。

 

 ――昨日も今日も、そして明日も変わらずに日々を送っていくのだと私は信じていた。

 

 だがしかし、「百聞は一見に如かず」「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、何を妄想するにしてもそれがいざ現実のものとして実現してしまった暁には、想像と現実の摩擦によりいとも簡単にその情熱は冷めてしまうことであろう。今回のことが起こるまでは、私は平穏と言う名の宗教を不変の真実として、信じて疑わなかった。それらをちゃぶ台ごと引っ繰り返された気分である。

 

 私がそんなことをこの手記に収めることになった由縁はこの際棚に上げてしまおう。そして一回棚に上げてしまったものはもう二度と下ろしようが無い。しかしこれだけは言える。これは人一人の戦車道人生に関わる文書だ。どうか『戦車道入門』のお供として開いてくれると幸いである。

 

 『何が悲しくてお前の自伝なんて読まなければならないんだ』と怒髪衝天に駆られる方も多いであろう。それについては書いている私自身も同調を禁じ得ない。そう言った方は読まれない方が賢明でございます。

 

 世の中にはこんな文書の他にも、読みやすくて時間を有意義に使える文書が溢れ返っている。こんなモノを読むくらいなら、それぞれのお気に入りの文書を読みに行った方が百パーセント、間違いなく、圧倒的に時間を無駄にせずに済む。

 

 『それでもこれが読みたいんだ』と言う頑固で強情で怖いもの知らずな者のみ私は歓迎しよう。きっとそんな人となら分かり合えそうだ。

 

 さて、前置きがあまりにも長くなってしまったため、ここらでさっさと本題に入ってしまおう。いきなり始めるのも、それは不躾というものだ。せっかくなので、プロローグに相応しい意味深長な一文から始めようと思う。

 

 断言しよう。これは歴史の波に呑まれた愚者達が、歴史を渡り歩いた天才達に抗った末に起こした、最高にクダラナイ大戦争である。

 

――

 

 ――私立須呂脇大学において己の無力と非才を呪い、目に映る全てに対して破壊をもたらした戦車乗りが居た。彼女の名は三笠×××(自主規制を掛けさせて頂きます)。後の戦車道業界において「堕天使」と揶揄された人物である。

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