阿笠博士の車に2人で乗り、車を進める。
目的地まで行くと裏路地に停めて聞き込みを行う事にした。
哀はもしものことがあるかも知れないのでフード付きのパーカーで、顔を出来るだけ隠して貰い、俺自身も軽くカツラを被り変装をした。
「早速聞き込みをしてみようか?」
「あまり聞き込みをすると奴らに存在がバレるわよ」
「大丈夫。変装もしているし流石に目の前で聞き込みはしないよ。こう言う時は近くにあるお店の人に聞くのが定番だからね」
白髪のカツラを触りながら、俺は近くにある喫茶店に指をさす。
「あそことか良いかもね。窓からこちらの通りを見ることが出来るから。ああ言う感じのお店とか狙って行こうか」
「分かったわ」
聞き込みをして行くと次の様な事が分かった。
最近、全身真っ黒の服を来た男性があの建物に入っていくのを見たらしい。
あと、全身ローブで隠した人達も頻繁にあの建物に入っていくらしい。
ふぅん?黒ずくめ以外にも建物に出入りしてるのか。思ったよりめんどくさい事になるかも知れん。
と言うよりも、こんな一通りもあるところで真っ黒や全身ローブとか本当に隠すつもりがあるのかと思いながら、聞き込みもこれ以上対して情報を得る事が出来ないと思いここらへんで辞める事にした。
せっかく喫茶店に寄った事だしここで昼飯を食べないかと哀に誘いかけたら了承を得られたのでここで昼飯を食べる事にした。
「案外、色々なメニューがあるね。これは悩むなぁ。いや、ここはオムライスの気分だ!これで行くぞ。君も決まったかい?」
「この後もあるし、私はサンドイッチにでもしておくわ」
「なに?そこはお子様ランチではないのか?子供しか食べる事が出来ないあの伝説の存在なのに。ハンバーグ、エビフライと多種多様の料理。何より大人は頼む事が出来ない聖域だと言うのに…」
俺は心底がっかりしたように言った。
「貴方、私の本来の年齢知って言っているでしょう?それに本来の目的忘れてないかしら?」
ジト目でこちらを見る哀。
「大丈夫、もちろん忘れてないよ。あとは建物の周りを見るぐらいだから楽に行こう」
そんな感じで哀と話しながら建物を見ていると話の通り全身ローブの怪しい奴らが出入りしてるのを確認した。
「そう言えば、あの全身ローブの奴らの事知っているかい?」
「知っているわ。真夏だろうが室内でも全身ローブ着ているから嫌でも覚えてるわよ」
「何故ローブを着ているのかは?」
「そこまでは知らないわ。何考えてるかよく分からない連中だけど化学者としては優秀よ。私ほどではないけどね」
「うわ、露骨な自慢だ」
「こう見えてもコードネームを貰えるぐらいには化学系統に精通してるからね。私より優秀だったらこんなとこにいないわよ」
「それもそうか」
他愛無い話をしながら昼食を食べ終えると喫茶店を出る。
「さて、気づかれ無い程度に、ここら辺でぶらつくふりをしながら研究所の周りを観察してみるか」
「ええ、分かったわ」
研究所の周りを見ながら思ったことは、思ったよりも厳重そうな作りになっており、窓には鉄格子が嵌められている。
さらに出入り口が一つしかなく前を通る時にチラッと見た感じ中に警備員らしき者が立っていた。
後、裏側に大きなゴミ箱とそれに繋がっている小さなダストシュートの管があるぐらい。
管の太さはかなり小さく子供でギリギリと言った所だ。
これは中々厄介だな。管からの侵入は出来ないし、窓には鉄格子。正面突破しかない様だ。
「思ったよりも厳重そうだな」
「最悪、諦めても良いのよ?私としては危険を犯してほしい訳ではないから」
「まぁ、宣言しちゃったしここで辞めたらダサいからやめる事はないよ。ちなみに建物内部はどんな感じ?」
「建物は5階建てで1階は受付、事務所となっていて、2階は研究所と研究の資料がある部屋。3階は実験室となっていてここに私が監禁された部屋があるわ。そして4階や5階が居住スペースになっているわ」
ふぅん?居住区一体型とは余程、外に研究を出したく無いのか。
「間取りは覚えいるかい?」
「もちろんよ。あそこで生活してるのよ覚えてない事は無いわ」
「なるほどね。とりあえずそろそろ帰るとするか」
阿笠博士の車に乗り一旦家に帰る事にした。
阿笠博士の家に帰ると早速と作戦会議をする事になった。
とりあえず、話あった結果。哀には外からサポートをして貰う事にした。
研究所の表側にある喫茶店に車を停めてそこから出入り口を見張って貰い、無線で指示をして貰う方向に決定。
俺は現場突入をして、中にあるだろう資料や組織に対する情報を回収する事になった。
作戦の決行日は明日の夜。
明日の朝昼は体力の回復に専念して、夜に突入という形だ。
晩飯や風呂を終えて寛いでいると、哀がやって来た。
その顔は何処か不安そうに表情をしており、明日のことを心配している事がよく分かる。
「明日の事が心配なのかい?」
「ええ、そうね。心配するに決まっているじゃない。もしもの事を考えると…」
そう言う哀の体は震えていた。
何処までも不安そうにしてる哀を俺は優しく抱き寄せる。
そうすると案外なんの抵抗も無く俺の腕に収まった。
そして、少しでも心を軽くなるよう。俺は軽く茶化す事にした。
「まぁ、なるようになるさ。パパッと盗んで逃げるだけ簡単な事だろう?」
「言葉にすれば簡単かも知れないけど。もし捕まったらどうするの…」
「なに、案外何とかなるものさ。それに実験材料や資料があれば君も元の体に戻れやすくなるかも知れないだろう?」
「もしかして、新二くん貴方…私の為に…何で会ったばかりの人に対してそんなに優しく出来るの…」
不安そうにしてこちらを見る哀を優しく抱きしめながら俺は優しく言う。
「初めて会った人が死んでしまいそうな顔をしていたら助けたくもなるだろ?俺は人が笑っている方が好きだからね。もし組織との一件が終わったら何処か遊びに行こうよ」
「ええ、そうねその時はお願いするわ…」
哀はそう言うと寝てしまった様だ。
俺は優しく哀をお姫様抱っこをすると布団に寝かしてあげた。
「よし、今のうちに爆発薬を回収しに行くか!」
ふっふっこの時を待っていたのさ。万が一があるかも知れないからね。武装するのは当たり前だ。
優しくしている?もちろんそんな事はない!
面白そうだからに決まっているだろう!
抱きしめる?バカめ!人は不安を感じている時、抱きしめられると心安らぐ生き物さ。それを使って眠りを誘発したに過ぎない!
そう全てはこの時のため。
ユグソッ
あと他に武器になる物が無いか確認しなければ。
そんな事をしながら、夜が更けて行くのだった。