性転換して魔法少女になったけど、いつの間にか淫魔と戦うドスケベ魔法少女の仲間にされていた   作:名護十字郎

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4話 即落ち

「ねぇマキナ、モースって国聞いたことある?」

 

「無いですね……」

 

ホーリーシアン……シアンさんの援護によりどうにか手袋軍団……サクガンと言うらしい……を退けた私達は、未知の存在について議論を重ねていた。

 

「じゃあイロージェスタって組織の名前は?」

 

「それも無いですね……」

 

サクガンなる敵がデザイアでは無いことはようやく分かったが、それ以外にも謎は尽きない。

何しろ、シアンさんが語った組織や地名は全く聞いたことのないものばかりだったからだ。

 

「ちなみに目の前のシアンさんのコスチュームはどう思う?」

 

「あり得ないですね……」

 

「……私もちょっとそう思う」

 

「……えっ待ってさらっと馬鹿にされましたか私?」

 

結局、当事者でもない私達二人がいくら唸ったところで進展はしないだろう。

マキナもそれを悟ったのか、一度大きくため息を吐きながらシアンさんに対して質問を投げかける。

 

「それで、サクガン……というのは何ですかね?

失礼ながら初耳です」

 

対して不満げに杖の先端で床をカツカツしてたシアンさんはマキナの質問に対して態度を一変。

待ってましたと言わんばかりに顔を輝かせて胸を張り、ドヤ顔の限りを尽くして得意げに語り出す。

 

「はい、お答えします!

サクガンとは……搾精玩具の略称です!」

 

ふんふん、なるほど。

サクガンは搾精のサクに玩具のガン……。

……え?さく、せい……?

マキナの顔を覗き込むと、マキナも顔が真っ赤になっていた。

やっぱり、私の聞き間違いとか思い違いではない……みたい。

 

「なっ……さ、搾……!

……あのですね!私は真面目に質問してるんです!」

 

「むっ、私だって大真面目ですっ!

淫魔達が獲物から精気を奪う時に使われる傀儡たち、それがサクガンなんですよ!

つまり捕まったら滅茶苦茶エッチなことされますしこの辺に淫魔本人もいるはずです!」

 

「な、え、えっ……」

 

一度は怒りの反論を試みたマキナも、シアンさんの物言いの前に萎んだ風船のように勢いを失ってしまう。

あの私たちを取り囲んだ手袋のサクガン……あれ全部私たちにエッチなことするつもりだったってこと……?

 

「さっきだって本当に危なかったんですからね!

私が助けなかったら二人とも全身くまなく揉み揉みされてさわさわされてクニクニされてたんですから!」

 

「ああああやめてやめてやめて下さい!

変に擬音出して想像の余地持たせないで!」

 

シアンさんの説明で光景が脳裏に浮かんでしまったのか、マキナは変な叫び声を上げながら頭を押さえて蹲ってしまった。

そんなパニック状態になったマキナに対して、シアンさんは膝を折って目線を合わせ、ゆっくり肩に手を置く。

そして顔を上げたマキナに対して優しげに微笑んだ。

 

「……大丈夫ですよ、安心して下さい。

この私、スタイン・ホーリーシアンがいる限り絶対にそんなことはさせません」

 

「し、シアン……さん……」

 

その光景さながら聖女と罪人。

マキナはゆっくりとシアンさんの手を取り、目の前の救いが信じられないと言った声色で、ゆっくりとこう問いかける。

 

「……それは、貴方がサクガンを誘惑して揉みくちゃにされてる間に私たちに逃げろというお達しですか……?」

 

「普通にやっつけますよ普通に!」

 

んもう!と怒って頬をぷくぷく膨らませるシアンさん。

マキナが心の底からシアンさんを信用していないのは分かったけど、残念だけどこの状況に一番詳しいのはこの人に間違いないし埒が開かないからそろそろ介入することにする。

 

「それで、シアンさん。

ここからどうするの?」

 

「……さっきも言った通り、サクガンが発生する場所の近くには淫魔が潜んでいるはずです、そこを叩きます」

 

私の問いかけに対してシアンさんはご機嫌斜めモードから一転して鋭い目つきに変わり、杖を強く握り締めた。

その鋭い目つきで店内を一瞥し、策を練っているようだ。

 

「見たところ空間改変もされていないしサクガンの侵食も浅い、この付近に潜んでいるはずです。

そうですね……彼女たちは深部に隠れ潜む事が多いですし、あそこが怪しい」

 

そう言ってシアンさんが杖で指し示すのはスタッフ用の通路だ。

 

「お二人さん、お名前を伺っても良いですか?」

 

「……真藤マキナです」

 

「アトラナクターです」

 

「アトラナクター……えっと、アトラさん。

貴方はこの扉の前でサクガンが入り込んでこないか見張りをお願いできますか?

マキナさんはアトラさんの近くに、遠隔操作できるサクガンがいる以上は下手に孤立する方が危険です」

 

「で、できるだけはやってみます」

 

「……健闘をお祈りします」

 

シアンさんはそうやって私たちに指示を出すと、そのままスタッフ用通路の方に進んで行った。

サクガンも現れずに無音となった店内に、少しずつ遠ざかるコツコツという靴音だけが響き渡る。

 

「アトラ、シアンを信じましょう。

あれでいて経験豊かなようですし、私たちはただここを守ってればいいだけです」

 

「……うん」

 

今になってから身体の震えが止まらなくなってきた。

擬似デザイアの時ですら怯んでしまったというのに、誰かに悪意を向けられていると考えると内から際限なく恐怖が湧き出てくる。

深呼吸して少しずつ身体の震えを落ち着けていると……事態が動いたようだ、裏口から物音が響いてくる。

 

『イロージェスタ!居るのは分かってるんですよ!

……ひぁっ!な、なんでサクガンがこんなに!?』

 

ガタン、とダンボールの山が崩れるような音。

 

『この、離しなさ、あっ!』

 

カラン、と杖が床に落ちると鳴りそうな音。

 

『そ、そんなとこ触らないで、んっ!』

 

ここからでも聞き取れるくらい荒れた呼吸音。

 

『そ、その触り方、弱いからぁ……っ……』

 

後はその……お楽しみ的な意味で楽しげな声。

 

「いや滅茶苦茶負けてるじゃないですかあの女!?

あんだけプロ感出しといてなんだアイツは!?」

 

頭を抱えながらマキナが叫ぶ。

裏口から聞こえる声はなんかちょっとノッて来たみたいだし、正直ここから逆転するのは期待できないかもしれない。

 

「すみませーんお客様ぁ、そちらはスタッフ用通路ですのでぇ……」

 

そう言って私たちを注意しにくる声と同時に人影が近づいてくる。

確かにここにずっといたら迷惑だったかなと反省しながら声の方に顔を向ける。

……でも、これだけの騒動があっても避難もしていない?

 

「すぐにお二人とも放り込んで、仲良く搾精させて貰いますねぇ」

 

そうして声の主を直視して、そいつが事件の元凶であると分かった。

服装は普段見かけるようなこのお店の制服とエプロンをつけているが、鮮やかなピンクの髪には一対の角が生えており背後には不気味な黒い羽とグネグネ動く尻尾。

そして……手には武器を持っていない。

つまりこいつ、魔法少女ではない。

 

「私の名前はエルク。

貴方達を調教してあげるご主人様の名前よ、よーく覚えておく事ね」

 

「……貴方が、さっきシアンが言っていた『インマ』の『イロージェスタ』ということですか?」

 

「ご名答、シアンちゃんに色々教えてもらったのねぇ。

ならあの中でもっと教えてもらうと良いわぁ、例えばご主人様への媚び方とかねぇ?」

 

エルクと名乗った存在……淫魔はそう気味悪く笑いながら指を鳴らす。

それに呼応するように彼女の背後に手袋達が押し寄せた。

照明の光を通さないほどに埋め尽くされた手袋達の数は500は優に下らない……人間なら大隊を組めるような数だ。

 

「ふふふっ、私のハンドサクガンたちはどう?

みんな私に忠実で優秀なテクニシャンなのよ」

 

気味悪く蠢く手袋、ハンドサクガンの群れ……あれに一斉に来られたら今の私には対処の術はない。

店内全域を埋め尽くすような面攻撃は私にはできない、どうする……?

そう思案している最中に、肩にトントンと軽い感触が走った。

少し視線を横に向けるとマキナが私の目をじっと覗き込んでいる。

今から敵の目の前で作戦会議をする余裕はない、けどマキナはきっと何かを思いついた。

……今はそれに賭けるしかない、そう思ってマキナに軽く頷く。

そうすると、マキナはエルクの方に向かって一歩踏み出してこう言う。

 

「あの〜すみません、私は見逃してもらえませんかね?」

 

「……お友達を見捨てるのかしら?」

 

マキナの提案に対してエルクは顔を一瞬顰めた。

しかしそれで激昂するほど短絡ではないようで、すぐな元の笑みを取り戻す。

 

「だって私は魔法少女じゃありませんし、吸える魔力なんて元々持ってないんですよ。

お互い時間の無駄ではありませんか?」

 

「……まぁ、いいわ。

お友達に見捨てられて傷心の魔法少女ちゃんを堕とすのもまた一興だしねぇ。

……とっとと私の前から消えなさい」

 

「へへへ、どうもどうもー」

 

そう言ってマキナはへらへら笑いながら私から離れていき、一歩また一歩と歩みを進めていく。

向かう先は店の出口……から少しズレている。

だが、マキナの思惑はともかく私の表情筋よりはエルクの観察眼の方が上手だったようだ。

 

「……貴方、お友達に裏切られた割には随分冷静ね?

……まさか!」

 

「……ヤバ!

あぁもうアトラのバカ!」

 

私の表情に疑念を持ったエルクが視線をマキナに移すのと同時に、マキナは一気に駆け出してそこにあったものを掴み、私に投げつけた。

マキナが立っている場所はDIYコーナーで、投げ付けられたものは……。

 

「サクガンたち、取り上げなさい!」

 

エルクの命令でハンドサクガン達がマキナの投げたものを確保しようとするが、私の引き寄せる糸……引力糸の方が早い。

マキナが投げたもの全てに糸を飛ばし、ひとつもサクガンに阻まれることなく回収できた。

マキナが投げたものは……釘がたっぷり入ったケースだ。

 

「アトラ!圧力鍋です!」

 

マキナはそう叫ぶと同時にサクガンの群れに突き倒されて口を封じられた。

けど、マキナがくれたものと最後のヒント……今の私にはこれ以上は必要ない。

マキナが持ってきてくれた釘のケースを宙に放り投げ、ヴァルーシアで一閃。

両断されたケースから散らばった大量の釘が宙に散らばり、その空間めがけて更に糸を伸ばす。

 

「へぇ、貴方の魔法変わってるわね。

その釘全部に糸を付けてサクガン全部狙い撃ちする気?」

 

エルクは嘲笑気味に言い放つ。

確かにそれができればサクガンの群れをもっと楽に始末できたのかもしれないが、今の私にはそんなに大量の糸を正確に操る技量はない。

そう、正確に釘を飛ばすことはできない。

今の私にできるのは、宙の一点目掛けて大量の糸を飛ばし、引力の影響を受けた釘を一箇所に密集させることくらいだ。

 

「く、空間に、釘を……集めているの?

……ハンドサクガン、早くあの魔法少女を縛りなさい!」

 

そう言ってエルクの命令を受けたハンドサクガン達は一斉に私の元に殺到する。

……私が空中に張り巡らせた無数の糸、その中心部でギチギチに圧縮されている大量の釘の目の前に。

後はほんの数本の糸を引き抜く……それだけで十分だ。

私が糸を……エルクの側から私の方に伸びている引力糸を解除する。

すると強い力で圧迫されていた無数の釘が一斉に解き放たれて勢いよく射出された。

無数の飛翔音と撃ち抜かれるサクガンども、釘の暴風はサクガンの群れを瞬く間に消し飛ばす。

 

「な、な……ッ!」

 

釘の散弾で手下を全滅させられたエルクの驚愕が伝わってくる。

慌てて周囲のものを新たなサクガンに変えようと手を伸ばすが……私の方が早い。

 

「ヴァルーシア!」

 

私が再度ヴァルーシアで大きく突きを放つと、刃は大きく伸びて先端をエルクの首筋に突き付けた。

 

「……まだやる?」

 

「くっ!」

 

エルクは悔しげに歯噛みしながらこちらを睨む。

ここからエルクが何をするよりもヴァルーシアがエルクの首を貫く方が早い。

 

「勝負あり、ですね?イロージェスタさん。

この私の演技を見抜かれた時はヒヤッとしましたが、まぁ貴方なんてアトラの敵じゃないんですよ。

……それにしても私を拘束していたサクガンまでアトラの方に向かわせるなんて、案外制御能力も無いですね?」

 

起き上がったマキナも笑ってエルクを煽りつつ、私の近くまで戻ってくる。

完全な結果論だけど、もしあの時マキナを立ったまま拘束されてたら釘散弾の加害範囲をもっと絞らなければいけなかっただろう。

わざわざマキナを安全に伏せさせてくれたサクガンのおかげで、気兼ねなく広範囲を撃ち抜けた。

 

「……舐めないでよ、サクガンはまだ残ってる!」

 

エルクがそう叫ぶと同時に、スタッフ用通路の扉が勢いよく開きハンドサクガン達が飛び出してくる。

……何体かは指先が妙にテラテラしてる気がするけど。

 

「こいつら、シアンを襲っていたサクガン!」

 

「でも、これくらいの数!」

 

そう言ってヴァルシーアを引き戻し、しならせた刃で薙ぎ払う。

数回振り回すだけでハンドサクガン達を全滅させるのは容易かった、だけど……。

 

「ちっ、レナさえいれば!

……魔法少女ちゃん、今回は貴方の勝ちよ。次はこうはいかないわ」

 

私がサクガンを殲滅する数秒の隙を突いてエルクは窓を破壊し、そこから翼で飛び立つ。

最後のサクガンを始末した私が振り返ると、もうエルクは目視できないところまで姿を消していた。

 

――――――――

 

「はっ、はひぃ……。

で、出てきなさいいろーじぇすたぁ……」

 

エルクが姿を消してしばらくして。

スタッフ用通路から這い出てくるような形でシアンさんが戻ってきた。

 

「……あれ?淫魔はまだ隠れてるんですか?」

 

息も絶え絶えに、何とか杖を支えにして立ち上がったシアンさんは、先程とは似ても似つかないトロンとした瞳で余りを見回す。

余りにも気まずくてどう切り出そうか迷ってる私を見兼ねたのか、マキナが代わりに言ってくれた。

 

「もう全部終わりましたよサクガンの群れも一掃してエルクも撃退しました。

貴方が奥で気持ち良ーくなってる間にね」

 

「……えっ?

あの、じゃあ私の見せ場は?」

 

「もう終わりですね」

 

「そ、そんなぁ〜……」

 

シアンさんは今度こそ力無くへたり込むと、杖を掴んだままふぇえ〜と泣き出した。

慰めようにもなんと言っていいか分からなかったためとりあえず店内を見やると……。

 

「普通に大惨事ですねこれ」

 

マキナの言う通り、店内はまさにグチャグチャだった。

初撃のシアンさんの炎の大技と私の釘散弾は概ね店内を三分の一ずつ破壊しており、無事な区画にも何本の釘が散らばっているか分かったものではない。

これどうやって片付けるのかな、とか思っていると大きな足音が響いて現場に一人の女の子……服装からして多分魔法少女が滑り込んできた。

 

「魔法管理局の者です!

……これは、貴方達が?」

 

管理局の魔法少女……局員さんに対して、何故かマキナが大きく胸を張った後に私の両肩を掴んでぐいっと局員に押し出す。

……肩、くすぐったいからやめて欲しいんだけど……。

 

「そうですよ、ここで騒動を起こしたエルクを倒したのはここにいるアトラです!」

 

「そうなんですか!

あの、認定カードを拝見しても?」

 

誇らしげなマキナに急かされて、今日貰ったばかりの認定カードを局員さんに渡す。

局員さんはカードのコードを専用のリーダーで読み取った後にタブレットと睨めっこした後に、気まずそうに言い出した。

 

「……あの、まだ本登録がお済みではないようですが……」

 

そう言われて、まだ正式登録まで済んでいないことを思い出した。

確か、今度研修を受けてようやく本登録だとか。

『後日の研修を以て晴れて管理局に正式登録となりますので、それまでは何かあっても介入は控えて下さいね』

……そういえば監査官さんにそんな風に釘を刺されていたことような。

 

「……ひょっとして不味かったですか?」

 

「はい……。

本登録されていない魔法少女さんはその、現状復帰費用を管理局で負担する事ができなくて。

その……この被害の修繕費全額お支払いして頂くことになると言いますか」

 

「「……えっ」」

「?」

 

ここの修繕費……全額……?

急激にさぁっ、と血の気が引くのを感じる。

後ろのマキナを見ると多分私と同じく顔面蒼白。

ただ真後ろのシアンさんだけが、要領を得ず疑問符を浮かべている。

私たちの絶望の表情を見て察したのか、局員さんは大慌てでタブレットを弄り出した。

その後バッグを下ろして紙のマニュアルを引っ張り出して「特例は例外は……」と呟きながらも何度も忙しなくページを捲る音を鳴らす。

それでも彼女の思った通りの記載はなかったのか、今度はスマホを取り出した。

 

「す、少し上に掛け合ってみます!

しばらくお待ちください!」

 

私達にそう言い残した後に私達に聞こえないくらいに距離を取って上司の人と何度も議論を重ねる局員さん。

気がつくと、私はマキナと一緒に手を合わせていた。

果たして私たちの祈りは通じたのか、通話を切った局員さんはやや安堵したような表情でこちらに向かってくる。

 

「お待たせいたしました、上から返答が出まして。

本件ならびに今回の首謀者について調査を行い、報告書の提出を持って今回に限り免除するとの事です!」

 

その報告に、私とマキナの安堵のため息が大きくシンクロした。

良かった……何もかもおしまいかと思った。

安心のあまり力が抜けてマキナの両手に支えられる。

……でもマキナは、安堵を一瞬で解いて視線を後ろに向けた。

その視界の先には、やっぱり防寒能力を持ち合わせていないのか肩を震わせてくしゃみするシアンさんの姿が。

 

「それってつまり……まだこの女と行動を共にしなければならないと……?」

 

「あ、あははは……」

 

マキナの二度目のため息は、諦観で出来ていた。

……確かに調査報告書を仕上げるにはイロージェスタと元々敵対していたという、この頭ミラクルマジカルなシアンさんの協力は必須だろう。

マキナの意図を……多分「協力が必要」と言うところだけを鋭敏に感じ取ったのかシアンさんは元気よく立ち上がり。

 

「なるほど、つまり私の力が必要ということですね!

このスタイン・ホーリーシアン、困っている人は見捨てません!

お二人とも、よろしくお願いしますね!」

 

「……もう嫌ぁ」

 

「ま、マキナ!」

 

今度はマキナの全身の力が抜けて私にしなだれかかる。

私より背の高いマキナを必死に支えながら、私もマキナの諦観のため息が伝染してしまうのだった。

 

――――――――

 

「そう言えば聞きましたよマキナ!魔法少女でもないのに策を持ってエルクの奴に立ち向かったって!

きっと貴方にはスタインヘックスの素質ありますよ!」

 

「それネットに書いてたら誹謗中傷で開示請求しますからね?」




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