コナン世界にTSチートオリ主がやってきちゃ!   作:ナナの四六三

2 / 3
コナン世界約10年のベテランTS美少女の日常

 コナン世界の朝は早い。というわけではなく私が特別早いだけだが。早朝、朝5時に目覚め、早速小学校のザコザコ問題集をボコす。はい、今週の宿題終わり。休みの日は丸一日コナンの身辺警護を行うので土曜日の朝、つまりは今、宿題は終わらせることにしているのである。平日は毎日つきっきりというわけにはいかないがもちろん学校帰りに事件に巻き込まれる可能性もあるので一応防御力上昇のお守りを身につけさせているから私がいなくてもたぶん安心。

 

 宿題を終わらせたらすっかり歩き慣れた毛利探偵事務所までへの道を足早に進みつつ、昨日の変装講座を頭の中でリピート再生。普通の学校の授業よりはよっぽど面白いので身が入る。今日は周りに人がいないのでついでに怪盗ステップも練習しつつ進めば10分ほどで事務所の外壁が見えてくる。

 

 事務所に到着したら事件に巻き込まれるまで待機。待機中に読む本をインベントリから取り出して姿を消し、例の向かいの屋上の端に腰掛ける。インベントリは私の純粋なチートである。今現在姿を隠している魔術のような一応誰でも使えるっちゃ使える魔術とは一線を画す神様謹製ガチチートだ。手荷物検査にも引っかからないし、いくらでも荷物持てます!とキッドへのアピールにも大活躍してくれた。ゲームみたいにいくらでも異空間に物をしまえるタイプの異世界3種の神器の一つだ。取り出す時は自身から10メートル以内の好きなところに出現させられる。頑張れば応用も効くし正直これ単体でラノベ主人公としてやっていけるレベルだ。かー、やっぱチート転生者は最高やで!

 

 朝メシのサンドイッチを貪りつつ、ゆっくりと小説のページを捲っていく。最近はついにweb小説群が活発化してきたので執筆活動をして時間を潰すことも増えてきたがやっぱりこれがいいのである。風の音に時折ページを捲る音が混じる。昔はテレビや漫画に映らないコナンの普段の生活を楽しんでいたがもうすっかり見慣れてしまったのでもはや興味ゼロである。と、探偵事務所に動きがあった。誰か人が入って行ったようだから今日は依頼か。移動する車の屋根に座り、ペラリペラリとページを捲る。私の仕事はコナンのボディーガードであって事件解決には首を突っ込まない。だから依頼人の話もちょっと聞いただけだ。それがポリシーっていうかぶっちゃけ犯人とかわからん。最初のうちは探偵脳を鍛えようとした時期もあったが毎度毎度予想外でわけのわからない動機とトリックで殺すからもう諦めた。

 

 今回の事件も私が本を読んでいる間に無事終盤を迎えたようだ。眠りの小五郎の鮮やかな推理である。今日はお仕事なさそうかなーとボーッと眺めていると犯人が逆上して眠っている毛利探偵に包丁を向けて襲いかかった。ちくしょう!ここで捕まるくらいなら!と叫んでいる。え?また?最近多いなぁと思いながらもパタン、と本を閉じて軽く扇ぐ。

 

「へ?うわあああぁっ!?」

 

 たったそれだけで発生した風が犯人の体を向こうの壁まで吹っ飛ばした。そしてばたんきゅーと倒れる犯人。カンカンカーン!勝利!とまあ最近はこういう犯人が増えている。昔みたいにあいつが、あいつが悪いんだ!って崩れ落ちて反省する犯人が極端に減ったのだ。そしてその代わりにこうしてキレ散らかす犯人が増加した。私見てなかったから知らないけど最近の回はこんなのばっかりなのだろうか?急に真横に吹っ飛んだ犯人にみんな困惑しながらも透明化してる私には気がつかない。多分転んだのだろうと結論付けられ、犯人は警察に連れて行かれた。

 

「おい、いるのか?」

「もちろんいるけど?」

 

 万智(まち)、とコナンに呼ばれたので目の前の空間から滲み出すような演出を付けつつ姿を見せる。

 

「はぁ、今回も助かった。ありがとう」

「どういたしまして」

「でも危ない真似はするなって言っただろ?」

「あなたに言われたかねーですよ」

 

 いやそれは……と頭を掻くコナン。マジでなんなんだこいつの自己犠牲精神は。名探偵ってみんなそういう人なの?ちなみにこの反応を見ればわかる通り私のストーカー行為はコナン公認()のモノである。最初の頃はいつもいつも事件現場に居合わせていた私を怪しんだりしていたのだが(いや小学生を怪しむなよアポトキシンとは関係ないんだよ)何度も命を救う内にやっとこさ敵ではないことを認めてくれた。

 

 そもそも何でそんな面倒なことをしてまでボディーガードなんかしているのだという話だが、どうもこの世界危険に対する主人公補正が足りないのだ。犯人に襲われて監禁された建物が取り壊されて圧殺されそうになったり、犯人の車に潜んでたらそれがスクラップになったりと私がいなければ死んでたんじゃないだろうかって事件が多すぎる。

 

 お茶の間に主人公死亡シーンを流す放送事故など起きてほしくない。いや主人公死ぬ作品いっぱいあるけど正直嫌いだから増えてほしくない。ていうかそもそも前世からのにわかファンだぞ私は。普通に死んでほしくない。

 

 いつものようにぜってーその訳の分からないトリックを暴いてやる、と言って去っていくコナンに普通に姿を隠して着いていく。家に戻ったところで今日の業務は終了である。スーパーで食材を買い込んだら私も家に帰ろう。

 

「ただいま〜」

「おかえりなさいませ、マスター」

 

 帰ったら出迎えてくれたのは私謹製美少女型ゴーレムのアキナ。保護者役が必要かなぁと考えて趣味全開で作った彼女は今では私の大事な家族であり、主に家の掃除とか洗濯とか散らかした物の片付けとかをしてくれるママでもある。インベントリに物を全部突っ込んでもいいのだが家にあまりに物が無いと怪しまれるということでこうして彼女の仕事が増えるのだ。もっとも本人はそれを喜んでいるようであるが。

 

 スーパーで買ってきた食材を当然のごとく時間停止効果の付いてるインベントリから取り出し、今日のお料理の時間である。ループを繰り返すコナンワールドでは自らの技能を育て上げる時間がいくらでもあるのが素晴らしいところだ。今日は……うむ、肉じゃが作ろうとしてたんだった。

 

 というのが大体の私の日常だ。1日の大半を護衛に費やしてはいるがその間ずっと趣味に没頭できるのでこの生活はだいぶ気に入ってる。いつかコナンが黒の組織と決着をつけてループが終わり最終回を迎えるその時まで私は彼を守ろうではないか。




事件とかよく分からないので次回からもこのように推理なしで進んでいきます。原作持ってないからね、仕方ないね。さて、いつ更新が途絶えるかな……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。