遅くてすいません。
昔書きかけていた続きを書いて投稿。
随分昔なので食い違いがあるかもしれません。
竜変身が唯の移動手段にw
リュウがデルムリン島で暮らし始めて既に半月。
すっかり島に馴染んだリュウはダイは勿論、島の怪物達とも仲良くなっていた。
ダイの勇者ごっこに付き合って
そんな毎日を送っていた。
島は平穏そのもので退屈だが、日々が戦いの連続だったリュウにとっては楽園の様だった。
そんなある日の事、
ピィーーーーーッ!!!
「ん?集合の合図?」
島全体に響く高い指笛。ダイの合図だった。
リュウは釣りを中断して溜息をついた。
「まだ大物、釣ってないんだけどな…」
今度は盗賊役か、それとも勇者の仲間の戦士役か…。
最近になって更にバリエーションの増えた勇者ごっこの配役を思い浮かべてリュウは苦笑いした。
「こ、これは…?」
リュウが辿り着いた場所で目にしたのは地獄絵図だった。
島の仲間達が傷だらけで倒れており、目につく全てが虫の息だった。
地面に出来た焼け跡やクレーターの中心で蹲っている怪物達。
滅茶苦茶に荒らされた島の広場の隅には杖で身体を支えている鬼面道士の姿があった。
「ブラスさん!」
「おお、リュウ……」
リュウは傷だらけのブラスの身体を支えると回復魔法のアプリフをかけてやる。
「たすかったわい…、それよりもダイが、ゴメは…」
「何があったんだ?」
リュウは島の仲間達に回復魔法を掛けると、改めてブラスに事情を聴いた。
数刻前、この島に新たに人間がやってきたらしい。
勇者。そう名乗った人間たちは、罪のない怪物たちを保護しているという事でデルムリン島にやってきたのであった。
勇者にあこがれるダイは、言われるままに島を案内し、ゴールデンメタルスライムのゴメちゃんを紹介。
本性を現した勇者達はダイと怪物達を傷つけ、ゴメちゃんを誘拐していった。
生きた宝石、幻の珍獣と呼ばれるゴールデンメタルスライムは莫大な利益に成るがために。
そう、勇者を名乗った者達は偽物だったのだ。
ダイはゴメちゃんを救うためにキメラを駆り、後を追っていったのだという。
行先はおそらくロモス王国。
この島からもっとも近い大陸にある国だろう。
「ダイが…」
リュウは無言で海を睨み付けた。
思い浮かべるのはダイの笑顔。
ティーポを思わせる懐かしい感じの少年。
そして太陽を思わせる温かさ。
リュウは決意した。
「……いくか」
「リュ、リュウ……おぬし?」
「ダイには内緒にしといてくれ…」
虹色の光を身体から放ち始めたリュウにブラスは困惑する。
リュウは数年ぶりにその力を解放した。
体内の竜の
≪トランス≫ ≪ライト≫ ≪アンフィニ≫
そして、
「でやあああああああああああっ!!!」
紫電が奔り轟雷がリュウへと降り注いだ。
眩い閃光がブラスの視界を埋め尽くし、金色の光を放つ鱗が現れた。
そこにいたのは青い髪の青年ではなかった。
山の如き巨躯を覆う金色の鱗と王者の如き神威。
カイザードラゴン。
竜の王は、その巨大な身体よりも更に雄大な翼を開き咆哮を上げた。
「こいつは夢か…?」
金色の巨竜が凄まじい速さで遠ざかっていく光景にブラスは開いた口が塞がらなかった。
カイザードラゴンの翼で海を越えたリュウは一分と係らずにロモス王国に到着した。
騒ぎを避けるため変身を解除し、城へ潜入したリュウが見たのは意外と善戦するダイの姿だった。
場内は既に大混乱。
多種多様な怪物達が城内で大暴れしていたのだった。
ブラスに持たされたという怪物を封じ込めておける魔法の筒。
これらを用いてダイは首尾よく事を進めていた。
おばけキノコの甘い息で僧侶を拘束し、どろにんぎょうの不思議な踊りで魔法使いの魔法力を奪い、金目の物に目がない戦士をおどるほうせきで足止め。
ダイは魔物使いの才能でもあるのかと、リュウはその采配に感心した。
「へぇ?心配してきてみたけど俺、必要なくね?」
しかし、
『メラ』
突如として放たれた火炎呪文によって呼び出した怪物が焼き尽くされた。
「言っておくが俺に小細工は通用せんぞ」
偽勇者が剣を抜きながらダイを睨み付けた。
ダイは落ちていた剣を取ると偽勇者に挑みかかった。
剣を交える両者。
しかし実力の違いは圧倒的だった。
才能はあれど修業、実戦経験ともに足りないダイでは曲がりなりにも勇者を名乗る男には歯が立たなかった。
ダイは猫の手を払うように往なされると、その細い首を締め上げられた。
「くそ…、何が勇者様だ!俺の友達を浚った悪者のくせに…っ」
「黙れ!」
偽勇者の剣がダイに迫る。
その切っ先が正にダイを貫こうした瞬間、なんと剣は砕け散った。
「な、なにっ!?」
いつの間にか割り込んでいたリュウが剣の刃を握り潰したのだった。
「な、何者だ?」
「大丈夫か?ダイ」
リュウは偽勇者の声を無視してダイを支える。
捕まえていたダイをいつの間にか奪われて偽勇者は目を白黒させた。
「リュ、リュウ兄ちゃん?どうして…?」
「助けに来たに決まってるだろ?ブラスさんも心配してたぞ」
「お前も怪物小僧の仲間か……よくも俺の剣を…喰らえ!イオラ!!!」
偽勇者は砕けた剣を捨てると呪文を唱えた。
リュウは咄嗟にその身体を盾にダイを庇った。
ズガガガガガガッ!!!!!!
偽勇者が放った光球が肥大化するように爆発する。
轟音と爆風がリュウを包み込み衝撃波が広がる。
「ざまぁ見ろ……な、なんだと…」
爆煙が晴れたその場所には全くの無傷の状態のリュウが何事もなく立っていた。
リュウの指に嵌められた指輪が光る。
それは火属性を吸収して活力に変える紅蓮の指輪だ。
「俺の剣と魔法が……ば、化け物か…」
全くの無傷のリュウに偽勇者は怯えたように後ずさった。
「リュ、リュウ兄ちゃん……オレ、まだ…」
ダイは魔法の筒を取り出すと偽勇者を睨み付けた。
「ゴメちゃんは俺の友達だ……だから…」
王様の傍で捉えられているゴメちゃんをダイは心配そうに目つめた。
そのダイの姿にロモス王は狼狽えた顔をする。
「だから、俺が助けるんだ!デルパーーーッ!!!」
魔法の筒から姿を現したのはリュウは勿論、ダイすら目にしたことのない怪物たち。
少なくともデルムリン島で見た記憶はなかった。
威圧感からしてデルムリン島の怪物達とは一線を画す。
その戦闘力は、偽勇者とその仲間たちを圧倒した。
ダイの合図によってあっという間に無力化されてしまった。
「そこまでよ!」
そこに現れたのは偽勇者の仲間の僧侶だった。
手には金網によって捉えられたスライム達と鈍く光るショートソード。
僧侶は捕えたスライムに剣を突き付けてニヤリと笑った。
「さぁ、その化け物をひっこめな…アンタも動くんじゃないよ」
「でかした!ずるぼん」
その時だった。
捕えられていた筈のスライムが輝き、風船のように肥大化していく。
「……へ?」
網を破り一個の怪物へと変身した。
「きゃああああああっ」
キングスライムはプクーッと膨れ上がると、その巨体で僧侶を押しつぶしたのだった。
「今だダイ!」
ダイは魔法の筒を構えて呪文を唱えた。
「イルイルーーッ!」
その先には偽勇者。
偽勇者は無防備に魔法の筒が放つ光に引き寄せられ、封じ込められてしまった。
そしてダイは安堵の表情を浮かべると、その場に倒れこんだ。
怪物によって解放されたゴメちゃんが泣きながらダイへと飛び込んだ。
「どうやら目が曇っていたのはわしの様じゃな…」
ゴメちゃんの為に傷つきながらも戦い倒れたダイ。
そしてそれを気遣う怪物達。
その光景を眺めながらロモスの国王は金色に光る冠を取ると、そっとダイの頭にかぶせるのだった。
「いかに強く立派な姿をしていようと、子供を殺そうとしたり人質を取ったりするものが勇者の筈はなかった…見抜けなかった自分が恥ずかしいわい…」
それは勇者に贈られる覇者の冠。
偽勇者に与えられる筈だったそれは、より相応しい勇敢な少年へと送られるのであった。
怪物達から上がる声援にダイは笑顔を浮かべるのであった。
「あの王様…、大した人物だな…どこかの世界の国の王族とはえらい違いだな…」
リュウは気を失っている偽勇者の仲間を拘束しながら溜息をついた。
「潮時、か…」
随分長くデルムリン島にいた気がする。
こうして外の大陸まで来て、国というものを目にしてリュウは思った。
自分が暮らしていた箱庭のような小さな世界とは比べ物にならないくらいこの世界は広いのだと。
「もう心配なさそうだし」
多くの怪物達と、その怪物達に囲まれて安心して眠る少年に理解を示す王様の姿。
その光景にリュウは笑うと踵を返し歩き出した。
「バイバイ、また何処かで会おうなダイ…」
リュウは眠っているダイに小さく別れの言葉を継げるとロモスを後にするのだった。
雄大なこの世界に惹かれる様に…。
本日のラーニング
イオラ
リュウ役立たずですね。
紅蓮の指輪、雷の指輪、氷河の指輪はこの世界ではチートかもしれないw
バギとべダンくらいしか効かないんじゃw