リュウのラーニング大冒険   作:トッシー

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話は一気に魔王軍復活まで飛びます。



ラーニング3

リュウがロモスから旅立って幾ばくかの時が流れた。

竜変身は自重し、徒歩での移動の為、未だ世界中を回っていない。

先ずリュウは最も近くにある北のカール王国を目指した。

騎士の国カール王国。

嘗ての魔王を打倒した勇者の国であり美貌の女王フローラの治める国だ。

歴史と伝統深い国.

 

破邪の迷宮

 

王国が建国される以前から存在する迷宮で数々の呪文が秘められているという。

その存在を知った時のリュウの行動は速かった。

この迷宮を攻略し、全ての呪文をスキルノートに記録する事を決めたのであった。

 

それから3ヶ月の時が流れ、リュウは未だ破邪の迷宮に潜り続けていた。

 

 

―破邪の迷宮 地下365階―

 

リュウはこれまで培ってきた技術と新たに修得した呪文、ドラゴンの力を駆使して次々と階層を攻略していった。

 

「はああああああっ」

 

迫りくるギガンテスを棍棒ごと両断し、振り向き様に背後から襲ってくるうごく石像に向けて雷撃の魔法バルハラーを放つ。

辺りは無数の怪物だったモノが転がっており、正に死屍累々の光景だ。

 

 

GAAAAAAA!!!

 

新たに現れたギガンテスがいきり立って襲いかかってきた。

 

「おっと!?」

 

攻撃を避けたリュウの隣にいたメカバーンが棍棒に叩き潰された。

 

 

襲い来る魔物や罠を剣で切り伏せ魔法で薙ぎ払う。

ここ数日そんな行動しか取っておらず、流石のリュウも疲れが見え肩で息をしていた。

ここまで来て引き返すという選択肢は無い。

歩いて戻るには距離が有り過ぎるし、脱出する為の呪文( リレミト)はこの階層では封じられていて使えない。

退路は無いのだ。

 

「こんな事なら250階で素直に帰ればよかった…」

 

ここまで来るまでに通った階層には呪文( リレミト)の封じられていないフロアも存在した。

もう少し進めば帰れる。あと少しで攻略の筈と希望的観測でここまで降りてきた自分の判断が恨めしい。

そもそも死んでしまえば全て無駄になってしまう。

既に持ってきていた食料は底をつき、襲ってくる怪物や虫、生えている苔で飢えを凌いでいる始末だ。

しかもここ数日、襲ってくる怪物の殆どは無機物系が殆どで碌なものを食べていない。

 

「腹減ったなぁ」

 

リュウの腹の虫が栄養を催促するようにグゥっと鳴った。

竜の青年は腹の虫を宥めながらも階段を下りていく。

そして地下380階、

 

「ここはもしかして…」

 

そこは迷宮ではない一部屋で構成された階層だった。

通路は存在せず、中央には巨大な魔方陣。そして次の階層へ下りる階段があった。

リュウはその階層の存在する意味を知っていた。

 

「やった…、やっと帰れる…」

 

緊張が切れたようにリュウは膝をついた。

大して怪我はしていないし、まだ体力は持つが流石に地上が恋しい。

それに人間らしい食事も摂りたい。何よりも着替えたい。

この下の階層も気にはなるがリュウは帰ることに決めた。

 

「おっと、その前に」

 

リュウは魔方陣の中心に立つ。

この世界の魔法は呪文そのものと契約を行う事で初めて習得できるのだ。

リュウは自身の中に宿った新たな呪文の存在を確認する。

そして地上へ帰るための呪文( リレミト)を唱えた。

 

 

 

「……は?」

 

地上へと帰ってきたリュウが目にしたのは美しいカールの街並みではなかった。

焼け焦げた石畳と破壊されつくした後の瓦礫の山。

辺りには食い散らかされた兵士の死体と黒ずんだ血の跡。

酷い有様だった。

自分が破邪の迷宮に籠っている3ヶ月の間に何があったのか。

リュウは気を取り直すと生存者を捜すために歩きだした。

 

 

ぐるるる…

 

そこにいたのは生存者ではなく怪物だった。

間違いなくこの街を破壊した存在。

この世界でも最強と称される怪物。

ドラゴン種の群れだった。

初めて破邪の迷宮の深部で遭遇したときは驚いたものだが、自分の知る竜族とは異なり知能のない力だけの怪物だった事に複雑な気持ちを持ったものだ。

目の前でリュウを睨みつけているのはヒドラが2体にダースドラゴンが6体。

並の戦士や魔法使いの適う相手ではない。

カールの騎士団は精鋭と聞いているが成程、これなら敗退しても仕方がないとリュウは剣を抜き放った。

 

 

数分後、

全ての敵を切り伏せたリュウは剣を鞘に戻して一息。

 

「……た、倒したのか?」

 

瓦礫の影から人が現れた。

リュウはその鎧姿には見覚えがあった。

カール王国の騎士だろう。

騎士は身体の到る所に傷や火傷を負っており満身創痍だった。

リュウは男に回復呪文をかけて介抱する。

 

「すまない…助かった…」

 

「一体この有様は…何があった?」

 

「……あんた、何も知らないのか…」

 

「ああ、ここ最近ずっと迷宮に篭ってたから…」

 

リュウは破邪の迷宮の方を指した。

 

「破邪の迷宮か…それなら納得だ…実は」

 

数日前、大人しかった怪物たちが急に凶暴化し、人々を襲い始めたのだという。

穏やかな心は失われ、殺意を漲らせた怪物たちは暴走した。

この自体の意味するところは一つ。

魔王の復活。

その邪悪な意思の影響を受けた怪物たちは再び人々への脅威となったのだ。

 

「あのドラゴンも?」

 

「ああ、魔王軍の軍団の一つだろう…」

 

「それは超竜軍団だろう…、何があったのか俺にも詳しく教えてくれないか?」

 

現われたのは銀の髪の美男子だった。

この男も戦士だろう。マントの隙間から禍々しい鞘に包まれた剣が見えた。

 

「おれの名前はヒュンケル……お前たちは?」

 

「お、俺はカール王国の騎士でクロスという……」

 

「俺はリュウだ」

 

クロスと名乗った騎士は語り始める。

ドラゴンの群れが美しかったカールを滅ぼしたのだと。

最強と謳われたカール騎士団がまるで歯が立たなかったと。

 

「初対面なのに気が引けるが、頼みがある。城門前に俺の兄の亡骸がある。犠牲になった他の騎士と一緒に弔うのを手伝ってほしい」

 

ヒュンケルは無言で頷いた。

クロスに肩を貸してやり城へと移動する。

その道中、クロスが泣きそうな声で話しだした。

 

「おれの兄はこの国の騎士団長だった…騎士ホルキンスは隣国でも名の通った英雄だった」

 

それほどの男も敵の軍団長には、まるで歯が立たなかったというのだ。

 

「あんなに凄いのを俺は見たことがない…っ」

 

クロスは自身が目にした記憶を反芻しながら身震いした。

剣を交えるホルキンスと軍団長の男。その戦いは互角だった。

しかし突如として軍団長は剣を鞘に納めた。

ホルキンスは攻めてきておいて引く気なのかと激高し、

 

「ここまでの事をしておいて、臆したかっ!!!」

 

怒りの斬撃が軍団長を襲う。

しかしその剣は軍団長を討つ事は叶わなかった。

敵の額が輝いたかと思うと、凄まじい速さの光線がホルキンスの胸を貫いたのだ。

 

「たったの一撃…、一撃で兄はやられてしまったんだ…ちくしょう…魔王軍めっ」

 

悔しそうなクロスの嘆きに居たたまれなくなる。

ヒュンケルは目を伏せて、まるで懺悔するかのように口元を噤んだ。

 

(おれの正体が竜だとしれば、この人はおれを恨むかな・・・)

 

程無くして城に到着したリュウ達は、ホルキンスの遺体を見つけた。

その有様は酷いもので、遺体は瓦礫の下敷きになっており、胸には奇妙な形、まるで何かの紋章の様な形の傷があった。

これが致命傷となり即死したのだろう。

 

「こ、この紋章は…」

 

ホルキンスの傷を見てヒュンケルが愕然とした…。

そして身を翻して走り出した。

 

「ダイが…、ダイが危ないっ!!」

 

ダイが危ない。

ヒュンケルは確かにそう言った。

リュウの頭が真っ白になる。

脳裏にはデルムリン島で共に過ごした弟分の笑顔が浮かんだ。

 

「おいっ!」

「すまない!俺にはやらねばならん事が出来た。無責任だとは思うが後は頼む!」

 

ヒュンケルは一方的に会話を切ると、その場から走り去って行った。

 

「……ダイが…偶然おなじ名前ということも…いや」

「どうした……、あの男は?」

 

クロスは走っていくヒュンケルの背中を見ながら首を傾げる。

 

「見ての通り、なにか用事があるみたいだ…」

「そうか…」

 

さすがにこの状況で見て見ぬふりはリュウには出来なかった。

ダイの事は気になるが、クロスの仲間を弔うのを手伝って上げたい。

リュウは、クロスの手伝いが終わればヒュンケルの後を追うことを決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く?

 

 

今回のラーニングと習得呪文

 

みなごろし さみだれぎり しっぷうづき たいあたり

 

おたけび ちからため ふしぎなおどり さそうおどり

 

 

火の息 火炎の息 激しい炎 灼熱の炎

 

冷たい息 凍りつく息 凍える吹雪 いてつくはどう

 

どくの息 もうどくの霧 あまい息  すなけむり

 

 

べホマ マホイミ マホトラ マホアゲル

 

ザオラル シャナク

 

スクルト バイキルト ピオリム フバーハ

 

マホキテ マホカンタ アストロン

 

マホカトール ミナカトール

 

 

イオナズン バギクロス べギラゴン

 

ザラキ

 

ライデイン ギガデイン

 

パルプンテ

 

 

ルーラ リリルーラ トベルーラ リレミト

 

アバカム レミーラ レミラーマ トヘロス

 

インパス レムオル フローミ

 

 

追加あるかもしれませんw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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