ほぼ某ヤバい女の子オリ主のオマージュだし、呪術廻戦クロスや仮面ライダーゴーストクロスの何番煎じなので、初投稿です。
──幼馴染。幼い頃から一緒に過ごして来た関係だったり、別け隔てなく関わり合える存在だったりする。或いは腐れ縁とも言う。
漫画の世界においては、男女の幼馴染が様々な苦難を共にした上で結ばれる。結ばれなくても親しい関係が続く。同性同士ならば、強い絆を築き合う展開になる事は多々あるが、現実世界ではそうはいかない。
それは何故か? 理由の一つとして、実際の幼馴染は時が経つに連れて疎遠に、もしくは距離が生まれてしまうケースが多いから。
これらの話から考えるに、僕と彼女の関係は割と“創作物的な幼馴染”に当てはまるだろう。
出会いは幼少期。小学校、中学校と同じ学校に通い。家も隣同士ときて、加えて言えば僕の親と彼女の両親は家族ぐるみで付き合いがあって、父さんの帰りが遅い時は夕食を共に食べる事も珍しくなかった。
仲は悪くない。寧ろ良い方だ。でなければ幼馴染とは呼ばない。
しかし……テンプレ的な創作物の幼馴染と比べると、僕らの関係には中学入学から三年近くの空白……要するに疎遠状態の期間があった。中学では同じクラスになっても会話をする事が無くなり、今は互いに男子校女子校と違う学校へ通っているのを考えるに、割と根強いものだった筈。
そういう意味では、この辺は“現実的な幼馴染”に当てはまるだろう。
何故そんな事になったか、どんな経由で元の関係へと戻ったのかと言うと……この辺はこれからの話には関係ないので割愛する。
重要なのは、疎遠になっていた関係が元の親しい関係へと“戻った”という事実だ。
オマケに疎遠期間が終わりを告げたあの日から、やけに一緒になる機会と手を繋ぐ機会が増えた気がする。
あとこれは漫画で得た知識だが、創作物内で女の子が好きな男に対して行うアプローチとして、手を繋いだり、一緒に歩いたり、楽しく会話を交わしたりする事が多かった。(中には照れ隠しとして暴力を振るツンデレ女子や、愛が重すぎて好きな人を監禁するヤンデレ女子もいたりしたが、流石の僕もぶっちゃけアレは参考にならないと思っている。)
これらの要因を踏まえた上で、僕は思う。
「もしかしたら、みこちゃんは僕の事が好きなのかも知れない……っ!」
「はいはいワロスワロス」
「返事雑すぎませんこと?」
焼きそばパンを飲み込んで雑な返事をしてきたのは、中学からの親友である
今現在、僕と徹は廊下の窓際で昼食を共にしている。
僕はバナナを咀嚼しながら、話題となった幼馴染である“みこちゃん”が僕の事が好きだと考えた理由を述べた。
「だってそうでしょ?つい最近まで疎遠だった幼馴染が、久し振りに会ったら急にスキンシップを取ってくる。これをどう説明する?」
「じゃあ逆に聞くけど、疎遠になる前はスキンシップは無かったワケ?」
「いや、小学生の頃は普通に手繋いで下校したり、一緒に遊んだりしてたケド……」
「…………今は?」
「帰り道一緒になったら普通に手を繋いで、駄弁りながら帰ったりしてるケド……」
「さっさと爆破してくんない?主に頭を」
「親友に爆破予告するのやめて?」
とんでもない事を平然と言ってのける親友に、冷や汗を垂らしながらツッコミを入れた。
しかし待ってくれ。中学に入ってから疎遠になった幼馴染が、久し振りに再会した途端、握った手を強く握り返してくれる様になったんだぜ? 小学生の頃は握り返してくれる事なんか、覚えてる限りは一度も無かったし。何なら彼女から握ってくる事も無かった……筈だ、多分。
つまりこれは……そういう事なんじゃないだろうか?
今思えば、疎遠になっていた期間にみこちゃんは何かしらの心境の変化があったのかも知れない。僕を異性と意識してくれたりとか。その上で考えれば、この考察は間違っていない。そうに決まってる。そうに決まっとるんだ!
僕は自身の考察が正解だと信じて疑わなかったのだが、徹は僕の考えを否定するかのように首を横に振った。
「洋太さんよぉ、中学の時も似たような理論を持って来て、屋上に呼んだ女の子に告って、結局フラれたじゃねぇかよ。何だっけ?『ごめんなさい。私、貴方の事は友達としか見れないの』だったっけ?」
考察が正解じゃない証明をする様に、親友は中学の頃の話を持ち出して来た。
それは時を遡ること中学時代。勉強が苦手な僕が宿題に苦戦していた時、手助けしてくれた眼鏡の女の子がいた。三つ編みの似合う、委員長をやっていた女の子だ。
そしてちょいちょい宿題で解らない所を教えてくれた彼女を見て、僕は思った。
──ひょっとしたらこの子、僕の事が好きなのかも知れない!
そう思ったが吉日。屋上にその子を呼んで告白した。結果は惨敗。フラれた理由は、さっき親友が言った通りである。
いや〜、あの時はマジで困惑したよ。何故だ⁉︎アイキュー53万の僕が持つデータには、僕の事が気になっていると明言されているのに!?ってさ。
「いや……あの時のお前、一時限目までに終わらせなきゃならない宿題が終わらなくてうーうー唸ってたじゃねぇか。それを見かねた委員長が手伝ってくれたのを、お前が勝手に勘違いしただけじゃん。あの子、他のクラスメイトにもあんな感じの対応だったぞ」
「……え?そうなの?」
徹の話を聞いて、僕は唖然とした。
いや……え?マジで?
じゃあ彼女は、“好きなった僕”に手助けをしてくれたんじゃなく、宿題に苦戦する“クラスメイトのひとり”を手助けしただけ? 確かに……思い返してみれば、宿題を教えてくれた以外にこれといったアプローチはして来なかったし、告白した時も真顔だった。
「ば、バカな………そんな記録、僕のデータには無かったぞ……ッ!」
「はよデータキャラ辞めちまえ。あとこれと似た事案、俺が知る限り20回くらいはあったぞ」
「中学卒業時のマドンナ告白事案を最後に、ただ今計60回目を記録しています」
「頭性欲猿かよ」
「そこまで言わんでも良くない?」
親友の僕に対する評価が辛辣過ぎる件について。一応言い訳させて貰うと、アレ以降は自重してそういうことは控える様にしているからね?ホントだよ?
とにかく、どうやら僕の考察は徹によって完全否定されたらしい。ちなみに告白に失敗した件の女の子達だが、今でもたまに会ったら挨拶し返すくらいの付き合いがあるのは、結果を思い返すとある意味幸運なのかも知れない。
……しかしそうなると、ン我が幼馴染こと『四谷みこ』の積極的な行動の理由が解らない。
中学の時から続いた疎遠な関係に終止符を打ち、そして今は手を握ってくれる彼女の心理は何だろう?
親友の言う通り、“ただの幼馴染”としてのスキンシップなのかも知れない。
だがそれでも思ってしまう。純粋に“僕の事が好きなのかも知れない”という仮説は、本当に間違っているのだろうか?
考えれば考える程、みこちゃんの謎は深まるばかりである。
卍 卍 卍
先程までの晴れ模様から一変して、土砂降りの雨模様になった。
「雨やば……」
雨に打たれながら屋根付きのバス停へと避難した女子高生、四谷みこ。
濡れた制服が肌に張り付く不快な感触に顔をしかめ、みこはため息を漏らす。
彼女の鼓膜に届くのは、雨の音。自身の心臓の鼓動音。そして……
『みえる?』
見えてはいけない、ヒトならざるモノの声。
『ねぇ みえてる?』
「……あ、LINE返してない」
普通の人間の目には、決して見える事は無い存在。だがもしこの化け物が見える者がいれば、あまりにもグロテスクかつ悍ましい見た目に腰を抜かすだろう。
『……みえてない?』
「バス、来ないな……(みえる!超みえてる!は、早くどっか行って……!)」
彼女の場合、後者……見えてはいけないものが見える者だった。それもガッツリと。
その上で彼女は“奴ら”をシカトしていた。もし見えている事を知られてしまえば、何をされるか分かったもんじゃないから。
故に“奴ら”を対処する手段を持たないみこにとって、見えていないフリをするのが最善なのだ。
だがそれでも怖い事には変わりなく、彼女はこの醜悪な化け物と目を合わせないように下を向きながら、スマホの画面に注視していた。
『──みえてるぅ?』
「っ……ニュース見るか……」
しかし……彼女は見てしまう。スマホの画面越しに、化け物がこちらを覗き込んでいるのを。
瞬間、みこの背筋に悪寒が走る。
それでも恐怖で震える身体と零れ落ちそうになる涙を必死に抑え、兎に角見えないフリをしようと決心する。
『みえてる? みえてる? みえてるぅ?』
だが不運にも、スマホ越しに一瞬悲鳴が漏れてしまった彼女を見た化け物は、それを見逃さなかった。
みこの僅かな表情や動作を見て、見えている可能性を見出してしまったのである。
(や、ヤバい……今日のメッチャしつこい……!)
執拗に見えていないフリを指摘する化け物に、みこはたじろぐ。
見えている事がバレれば、何か恐ろしい事が起こるに違いない。そう思っていた矢先だった。化け物の顔がスマホの間に挟まり、虚無を感じる目で彼女を覗き込むように近付けてきたのだ。
(だ、誰か……)
化け物の接近に、恐怖で目を瞑りそうになる。だがそうしてしまえば、見えている事がバレてしまう。ましてや悲鳴を上げる事も、助けを呼ぶ事も出来ない。
目の前に顔を寄せて来た化け物をどうする事も出来ず、みこは震える事しか出来なかった。その時……
「──みこちゃーん!!」
ザァザァと降り注ぐ雨音に負けじと、聞き慣れた声が彼女の鼓膜を震わせる。
その声が聞こえた瞬間、恐怖心で覆われていたみこの心は安心感で満ちた。
声が聞こえた方向に顔を上げ、抑え切れなかった涙で濡れた目を向けると、傘もささずにこちらへと走ってくるひとりの男子高校生の姿があった。
その男子高校生は、何というか……凄く光っていた。曇天で暗くなった景色を照らす様に、輝いて見えた。
「みこちゃん何してるぶわぁ⁉︎ボボボボッ!」
『みゔぇる"ぉ』
はち切れんばかりの笑顔でみこに手を振りながら走っていると、濡れたコンクリートに足を取られて顔面から豪快に転んだ。
ゴロゴロと転がる青年の身体は光り輝く飛鳥文化アタックとなり、水飛沫を飛ばす回転が産み出した運動エネルギーを蓄えた体当たりが、不意をつかれた化け物に激突した。
化け物は断末魔を上げて、水風船のように呆気なく弾けた。
「…………大丈夫?」
「アハハハハ!メッチャ濡れたッ!!」
そして青年は何事も無かったかのように立ち上がり、みこの元へと駆け寄る。
あの恐ろしい化け物をあっさりと消し去った彼……小学生の頃からの幼馴染である『
(……来るならもっと早く来て欲しかったと怒るべきか、助けに来てくれた事に喜ぶべきなのか……)
「……?どしたのみこちゃん。体冷やした?」
「……私は大丈夫。それよりも洋太、あんたの方が──」
先程まで恐怖に震えていたからか、化け物が居なくなった事への安堵感から来る脱力感で体に上手く力が入らない。
そんなみこは洋太を見上げる形で声を掛けたのだが……濡れたジャージとアンダーシャツを脱いで上半身裸になった洋太を見て、彼女の身体から脱力感が消え去った。
「いや何で上脱いでるの!?私の身体よりも自分の身体の心配をして!」
「え?だってめちゃくちゃ濡れたんだから、絞った方が良いと思って……」
周囲に人がいないから大丈夫。と思っているのだろうが、今ここに人が来ないとは限らないのだ。そういう所まで考えが至らない辺り、相変わらずの短絡的思考な男である。
「だからって外で脱ぐな!ズボンに手をかけるな!誰かに見られたらどうするの!?」
慌ててズボンまで脱ごうとする洋太の腕を掴んで引き止めながら、光り輝く身体をじっくりと見渡す。
彼の身体は程よく鍛えられているのか、細身ながらも綺麗な筋肉の筋が見えていた。
だが彼女が一番注目したのは、鍛えられた身体ではなく……その背中に大きく刻まれている、大きさが違う八個の二等辺三角形と三つ巴紋が合わさった、まさに太陽を模した紋様だった。
少なくとも小学生時代、彼と一緒にプールへ行ってた時などには見当たらなかった、やけに神々しく輝いている紋様。
目がくらむ程ではないが眩しい事には変わりないので、少し目を細めてしまう。
(多分これ……洋太が光り輝いている事に何か関係がある、よね……?あの光がヤバイのを消し飛ばしてるのも、この紋様と関係あるのかな……?)
洋太が放つ光は、彼らにとって毒なのかは分からないが、触れると大抵の“奴ら”は爆散して消え去る。この光を恐れている他の“奴ら”は、彼を明白に避けるようになっている。
そういった理由から、流石に学校など彼が一緒に居ない時は基本“奴ら”を無視せざるを得ないが、彼と一緒にいる間はヤバい奴らに絡まれる事も憑かれる事も無くなった。
怯える事しかできなかった私を、一緒にいる間は必ず守ってくれている……
「……ねぇみこちゃん」
すると洋太は濡れたジャージを絞りながら首を傾け、不思議そうな顔でこちらを覗き込んでくる。私が何なのかと思っていると、カッコつけたキメ顔を少し赤面した様子で言葉を口にした。
「もしかして、僕に惚れちゃった?
そりゃあ確かに結構鍛えているし、体力にも自信が──」
「ごめん。私、洋太の事そういう目で見たこと無いから」
「…………あ、そうですか」
(あ、少し輝きが弱まった)
何やら期待していたかのような顔から、一瞬にしてがっかりとした顔へと変わる。ついでに身体の輝きがさっきより弱くなった。
ショボショボした顔で湿ったジャージを着込む洋太に対し、ため息を漏らしながら彼の隣に歩み寄ると、自分よりも大きな手を強く握り締める。
「──でも、ありがとね」
突然の事で呆気に取られている洋太の手は、雨で濡れたにも関わらず、陽だまりのように温かかった。
「……?………?? 僕、みこちゃんに何かしたっけ???」
「……別に?」
何も理解していない様子の幼馴染に、スマホの画面を見下ろすみこは小さく笑みを浮かべる。
──彼らの姿が見えていない洋太は、あんなヤバい奴を消し飛ばせる力を持っている事も、“奴ら”から私を助けてくれた事も知らない。
オマケに昔から馬鹿だし、デリカシー無いし、妙に自信過剰な所があるし、バカだし、声デカイし、絶妙に女心分かってないし、脳筋だし……
子供の頃に読んだ、御伽噺の中の王子様とはほぼ遠い存在である。
だがそんな能天気で馬鹿でカッコつけな幼馴染が、彼女にとっては不思議と頼りになる存在に思えた。
「……そういえば洋太、バッグはどうしたの?」
「えっ?……………あ"ぁーーーーー!?学校に忘れて来たァーーーッ!!」
……訂正。やはり頼りにならないかも知れない。
猛ダッシュで学校へ戻っていく姿を、そう思いながら呆れ果てた目で見送る。
雨の勢いは弱まる事なく、一向に止む気配が見えない。
でも……彼女の体からは、さっきまでの震えは無くなっていた。
●見える子ちゃん
見えてはいけない存在を確認出来るだけの凡夫。原作主人公であり、渋では大体呪霊の所為でエロい目にあっている。
欲望のワイ「可哀想は可愛い♡エロくて良いね♡」
理性のワイ「エッチなのも可哀想なのも駄目!死刑!!」
●見えない夫くん
見えてはいけない存在を決して確認できないという縛りを設ける事で、呪霊を浄化させる光を放出できる天与呪縛を持っているだけの凡夫。オリ主であり、馬鹿猿。
富士山頭「危機感の欠如」
サマーオイル「キッショ、何で猿の癖に呪霊祓えるんだよ」