見える子ちゃんと見えない夫くん   作:yu-ki.S

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カミサマ「そうか!お前さんは力は無いクセに霊視能力だけは一級品でオフ切り替え出来ないから、誰かに守って貰う以外にはシカトする事でしか身を守る事ができないんやな。かわうそ……」


もしかしたら、かなりヤバい奴に目を付けられてしまったのかもしれない

「んん〜……んまぁ!」

 

「お昼めっちゃ食べたのに……」

 

「お昼なんて昔じゃん。みこも食べる?」

 

「いらない。てか何ソレ……」

 

 放課後の帰り道、ハナと一緒に公園に訪れた私は、なんか色んなものがてんこ盛りに入ったドッグパンを両手に持って美味しそうに口を膨らませるハナの姿を横目に、そこにあるベンチに腰をかけた。

 

「平和だねー」

 

(見えなければね……)

 

 ハナの目にはのどかな光景が広がっているのだろうが、私の目にはあちらこちらにヤバそうなのが映っている為、素直に同意できなかった。まぁそれは今に始まった事ではなく、ここ最近ずっとだけど……

 

(……生命オーラとか私には見えないけど。ハナも昔からよく食べる子だったし、私が『見える』ようになるずっと前から影響受けてたのかな……)

 

 そう考えるようになったのは、三限目の授業で遠野善って人に憑いているヤバい奴ら……特にあの蜘蛛みたいな一番ヤバい奴の所為で、ハナが空腹で保健室へ行く事になったからだ。

 最初は朝後ごはんを抜いたせい(この辺は正直なに言ってるか分からなかった)でお腹を空かせただけだと軽く考えてたけど、ユリアちゃんの話によれば憑いてるモノの影響でハナの生命オーラが消耗されていたから……らしい。(ホントはもっと詳しい事を聞きたかったんだけど、なんか逃げられた。そんなに顔怖かった?)

 確かに引き寄せる体質だとは思っていたし、それでお腹が空きやすいってのは、今までのハナを思い返せば腑に落ちる所ではある。だけど、今日みたいに体調崩すくらい影響を受けた事は、覚えてる限りは無かった。

 

(無視していれば何とかなると思ってたけど、それだけじゃ……)

 

 自分のみなら良い……訳ではないけど、百歩譲って自分だけの問題ならばまだ我慢できた。けどハナまで巻き込むとなると、話は別だ。またいつ親友に被害を及ぼすか分からない以上、見えている私がなんとかしないと……

 そう思いつつ隣の親友に目を向けると、二つ目のドッグパンを半分程食べた所で手が止まっており、「子供は元気だねー」と走り回る子供を見つめながら呟いていた。

 

「みこは……今日、元気ないね……なんかあった?」

 

 その言葉を聞いた私は思わずドキッとしてしまった。そんなつもりは無かったけど、やはり顔に出てしまっていたようで、ハナが心配そうに顔を覗き込んできた。

 

「……………保健室行きはどっちだっけ?」

 

「もう治ったもん! もう……心配して聞いてるのに!」

 

「ははは……なんでもないよ」

 

 何時もの様に誤魔化しつつ、先ずは先生に憑いてるヤバい奴らを何とかすべきなのか、その場合どうすべきなのか頭を悩ましていると、ふと女の人の手を繋いでいた風船の子供がこっちを見て手を振っていたので、「子供は元気だねー」なんて呟きながら手を振り返し──

 

「───えっ」

 

 風船が割れた瞬間、手を振っていた子供の表情が歪んだ笑顔へと変わり。腕を不気味に伸ばしながら、此方へ素早い足取りで駆け寄って来て──右手首の数珠ブレスレッドから出現した白い狼が、その子の頭部に喰らいつき、噛み砕く。

 

(あ、あの時の……白い、狼……っ!)

 

『──!』

 

『……』

 

 頭部を失いながらも此方に這い寄ろうとする子供に、白い狼はそんな行動を嘲笑うかのように残された身体を前脚で叩き潰し、やがて黒いモヤが出てる唾を吐き捨てて此方へと顔を向けた。

 

『……■■■■ ■■■■』

 

 今まで一度も興味すら向けて来なかったソレが溜め息を出しながら私に向かって来て、理解出来ない言語で語り掛ける姿に呆然としていると、白い狼は空高く跳躍したかと思えば一瞬の内に此方へ飛び込んで来て、我に返ってふと右腕の方へ視線を向ける。熱を僅かに帯びながら光る、赤い数珠のブレスレッドが目に付いた。

 

(……あのヤバい奴にガン飛ばされた時、多分あの白い狼は私を助けてくれた……それに神社の時も、私を守って……いや、アレは守ってくれたって言っていいのかな……?)

 

 遠野善が学校へやって来たあの日、白い狼らしき存在が滅茶苦茶ヤバい奴に脅しの様な事をしてくれたお陰で、あれから間近でガンを飛ばされる事はなくなり(それでも先生の影から睨み付けては来たけど)。神社でなんかヤバい事をしようとしてた狐の神サマを制しつつも、白い狼が洋太の頭を齧って悶絶させている間に神サマから何かをかけられた事を思い出し。私は洋太から貰った数珠ブレスレッドに軽く触れる。

 

(でもコレを使えば、あのヤバい奴もなんとか出来るんじゃあ……)

 

 この数珠とあの狼が何なのかはイマイチ理解出来てないけど、それでも守ってくれる存在である事は確かだ。

 あの先生をなんとかしない限り、根本的な解決にはならないかもだけど、それでもこれを使えばなんとか……

 

「よっこいしょ、お隣失礼するでー」

 

 そう感じた瞬間、私の隣に誰かの影が映り、そのまま地面に座り込んだ。

 

(……え、誰⁉︎)

 

 ちょっと考え事をしていたとはいえ、見通しの良いこの公園でベンチへ人が来たら気付く筈……いや、それ以前になんか胡散臭い笑顔でこっち見上げてるし、何故か地面に直で胡座かいてるし、なんか怖い。

 隣に座る青年を警戒しながら容姿をじっくりと観察すると、年齢は同い年くらいだろうか、よく見ると徹君が着てる学校の制服を着崩しており。髪は後ろで一つに結んでいて、黒に混じって白い髪が伸びていた。

 その中でも、彼の身に付けている黒縁眼鏡のレンズからは、何やら赤黒い光が妖しく反射しているのが気になったが……気のせいかな……?

 

「あの、何か用ですか……?」

 

「……んあ? あぁ、イヤ。対した用はないんやけどね、ちょっとばかり気になった事があってやねぇ……」

 

 私の隣にいる青年に気付いたハナに問いかけられた本人はそう返答すると、怪しさ満点な笑みを崩さず細い目から出る視線を私に向けた。

 その視線に、背筋から一瞬ゾワっとした感覚が伝わる。

 

「………行こう、ハナ」

 

「あ、うん……」

 

 まるで探るかのような目付きに少し不快な気分になりつつ、私はハナの手を掴んでベンチから立ち上がった。理由は分からないけど、この人からは何か嫌なモノを、直感を感じたからだ。

 彼に背を向けてその場から離れようと、足を一歩前に出した直後……

 

「いった!」

 

 ハナの小さな悲鳴が聞こえ、思わず足を止めて振り返ると、彼女が右手をおさえていた。

 

「っ⁉︎ どうしたのハ『ちょいと失礼〜』」

 

 なんで急に…?そう思っている私とハナの間に青年が割り込んで、目から涙をこぼすハナの右手を掴んだ。

 私も彼女の手を横から見てみると、中指に裂けたような切り傷が出来ていて、そこから僅かばかりに血が流れていた。

 

「……あー、こいつぁ『カマイタチ』やね」

 

「か、かまいたちって……妖怪の……⁉︎」

 

 傷口をまじまじと見つめながらそう言い放つ彼と、それを聞いたハナが怯えた様に息を飲んだ。

 

「そうそう。日本に伝わる妖怪で、つむじ風と共に人の肉や皮膚に傷を付ける、鎌の爪を持った鼬の妖怪……何やけど、実際は皮膚表面が気化熱によって肌の組織が変形して裂ける“生理学的現象”ってオチなんよねー。まぁ、簡単に言えばただのあかぎれや」

 

 イヤ仮にあかぎれだとしても、普通はそんなに血は出てこないと思うけど。

 

「……そ、そうだよね〜!妖怪なんているワケないよね〜!!あはは……」

 

「まぁでも、取り敢えず血ぃでとるし……この絆創膏と消毒液やるから、まず手ぇ洗ってき」

 

 青年はやはり胡散臭そうな笑みでそう語ると、持っていた鞄の中から絆創膏や消毒液を取り出しハナに手渡した。

 

「え? でも……」

 

「ハナ、取り敢えずトイレに行ってきなよ。大丈夫、私ここで待ってるから」

 

「………わかった。待っててねみこ」

 

 ……正直ハナが心配だったけど、このままこの人と一緒に居ると更に何かがヤバい事が起こりそうな気がした為、私は絆創膏と消毒液を持たせて一人トイレへ向かわせた。

 どこか釈然としない表情のハナが去っていくのを見届けた私はベンチに座り直し、改めて青年の方へ向き直る。

 

「………で。何かご用ですか?」

 

「……ケヒッ。そう怖い顔せぇへんでも、もうこれ以上取って食いやせんよ。ちょいと世間話でもどうかな〜思うてね?」

 

 彼から感じた怪しい雰囲気に警戒して鋭い目付きで睨むも、本人は全く意に介さずヘラヘラと笑いながら傍に向かって来て、また地べたに腰を下ろした。

 

(何考えてるか分からないし、どうやったのかは知らないけど、多分ハナの指を切ったのはこの人だ。だとしたら、何の為に……)

 

 正直スゴく怖いけど、それ以上にハナを傷付けたかもしれない人物に怒りを感じつつも、警戒心を解かず彼の出方を窺う事にした。

 対する青年はやはり胡散臭そうな笑みを浮かべつつ、飄々とした様子で語り始める。

 

「ほな単刀直入で聞いたるけど………お宅、もしかして『見える子ちゃん』ちゃうか?」

 

 眼鏡の奥にある細い目から覗く瞳はやっぱり鋭くて、不気味な視線を此方に向けていて、思わず怯みそうになってしまう。だけど同時に彼も、私やユリアちゃんと同じ“アイツら”が見える側の人間である事を察した。

 何処で見破られたのか……は、恐らくさっきのを見られたからだと思う。

 もし目の前にいる人物が霊能力者ならば、今自身を蝕んでいる『見える』体質について何か相談出来るかもしれないし、あの先生と彼に憑いている“ヤバい奴ら”もなんとか出来る可能性がある。

 

「………すみません、何のことですか?」

 

 だけど彼が何を企んでいるか分からない以上、バカ正直に「ハイそうなんです!」と答えるわけにはいかない。そして何より、平気な顔で親友を傷付ける様な人間に相談したいとも思えなかった。

 とりあえず平静を装って(無駄だと思うけど悪足掻きとして)何も知らないフリをする私の返答に、彼は一瞬目を丸くするも、直ぐに笑みへと戻って静かに語り始めた。

 

「……………まぁ、ええわ。じゃあとりま、先ずはコチラから自己紹介させて貰うで?

 ウチの名前は白沼天匙、ある男子校に通っておるピチピチの高校一年生。好物はシャケ弁と他人の不幸、嫌いなものは腐れリア充と他人の幸せ。実家は関西の方で『白沼酒造』っちゅう酒蔵をやっとる、表じゃそこそこ有名な名家で、何時もは高級マンションで一人暮らしをしとる。

 ほんで仕事は悪霊のお祓いで、実家が裏稼業で依頼主からお祓いの料金を貰って除霊する、呪術廻戦で例えると所謂“呪術師”的な立ち位置の奴やな」

 

「………あの、別にそこまで聞いてないんですけど」

 

「せやけど信頼を得るにやぁ、こうでもせんとアカンやろ?」

 

 何やら勝手に自己紹介を始めたけど、正直言って(悪霊のお祓いをしているって部分等以外は)興味無いし、聞いてもない情報をどんどん開示してくるのもやめて欲しい。

 それに、そんな仕事してる人がなんで私に話しかけてきたのかが分からない……けど、一応は何かしらの情報を得るチャンスだし、少しくらい聞いてあげてもいいかな?そう考え、彼の話に耳を傾ける事にした。

 

「ほんで話を戻して……裏稼業で何人ものヤツらがお祓いをしはってんけど、ウチらの中でもソイツらが“見える”もんには個体差があってな?ウチはこの眼鏡がないと碌に“見えへん”タイプの霊能力者……なんやけど、“声”を聞くのは得意なんや」

 

「………声?」

 

「そうそう。例えば、そう──」

 

『■■■■?』

 

 突如、理解出来ない言語で話す“ヤバい存在”が、背後から現れた。

 その短い呟きだけでも背筋が凍る感覚を覚え、驚きと恐怖のあまり声も出ず硬直する私を尻目に、“ヤバい存在”の息遣いが耳元まで迫ってくる。

 

『■■■■ ■■■■!■■■■………■■ ■■■■?』

 

(ヤバいヤバいヤバい!コレ絶対にヤバい奴⁉︎ ていうか何か喋ってるけどなんて言ってるの!?)

 

 “ヤバい存在”は何か話し続けているみたいだけど、私にはその言葉の意味は分からず、先程まで張っていた強気な虚勢も完全に消え失せてしまっていた。

 だけど隣に座る白沼と名乗った青年だけは余裕そうに“ヤバい存在”を見遣りながら、ゲラゲラと笑いながら語りかけてきた。

 

「せやで自分、なに黙って………あー……なーほどね。カミサマ、多分この子ウチほど『耳』がええ訳じゃあ、あらへんみたいやで?」

 

『■■■■?■■■■###@@@アー亜ーあー……どうや、聞こえとるか?』

 

 何か会話をし始めた両者の間に挟まれながら混乱して硬直していると、“ヤバい存在”が私に向かって、今度はちゃんと理解出来る言語で何か問いかけて来た。

 その“ヤバい存在”が放った声は、聞いたら精神が不安定になりかねない、まるでノイズ混じりのラジオが耳元で鳴り響いている様な、粗雑で耳障りな不快感のある銅鑼声だった。

 

『なぁ、聞こえとるな?聞こえていたら首を縦に振りぃ……うん、飽くまでもシカトかいな。ほんなら独り言でも聴きながら、“我慢比べ”でもしようや』

 

 そう言って“ヤバい存在”は私の返事を待たずして、その大きな身体を丸めてベンチの上にしゃがみ込み、そのまま視界の端に映り込む口角の上がった冷笑を浮かべて口を開いた。

 

『今お前さんが使っている、その数珠。本来は、ある一族が式神を使役するのに使う呪具なんやけど……そいつにゃあもうひとつ使い方があってやねぇ。

 その使い方ってのが、「術師の数珠を着けた対象者を、どんなに術師から離れていても必ず災いから守護する」って術なんよな?まぁ、今となっちゃあ時代遅れの術式やけどな』

 

 気味の悪い笑い声をあげながら右手を指差された私は、視線を手元へと移動させて手首の赤い数珠へと意識を向けた。

 ……じゃあやっぱりコレを使ってる限りは、あの白い狼が私を護ってくれる……って事で良いのかな?ていうか話を聞く限り、この赤い数珠を持ってた洋太も、その『とある一族』の一人……?

 

『あの小童は無自覚で使いおったけど、完成度は中々のもんやで?実際にワシが触れようとすると──』

 

 気を強く持って“ヤバい存在”の話を聞きながら、この数珠と『あの一族』が何なのかを考えていると、ソイツが私の肩に鋭い爪を生やした黒く大きな手を置こうとして……その手が肩に触れる直前、「キンッ!」という音と一緒に黒い腕が宙を舞った。

 

『ほな、この通り』

 

 地面に転がった腕に驚いて思わず音のした方を振り向こうとするが、目の前は白い毛で視界が覆われていた。そして白い毛の持ち主が、さっきまで“ヤバい存在”が居たであろうベンチの上で威嚇している、あの白い狼である事に気付く。

 

『よう、お目にかかるんは初めてやな■■■■?……いや、現世では“大口真神”と呼ぶべきか?まぁ兎に角、随分元気そうやなぁ。()()()()はどうや?』

 

『……■■■■!』

 

 白い狼は何か言いたそうな、まるで怒っている様な唸り声を上げる。

 一方の私は、さっき斬られた腕が転がっている方から聞こえた声の方へ視線を向けると、さっきまでマトモに見れてなかった“ヤバい存在”の全体図が顕となった。

 

 其処には、山で修行する人が着るような服装……白い山伏装束を上半身脱いで雲と雷の刺青を曝け出し。首からそれぞれ『風』と『雷』の一字が書かれた太鼓を六つ付けた結袈裟をぶら下げ、背中には黒い翼が生えた姿をしており。後頭部に髷を作った烏のような頭部を見てみると、本来ならば目がある所には稲妻マークを彷彿させるギザギザとした黒と金色の角が生えていた。

 

 どこか風神雷神を彷彿させるその姿は、言うなれば『鴉天狗』の様な姿をしており。白い狼によって左腕が欠けたその異形は、斬られた箇所から血の様なモノを出さずに、残った腕で自身の前腕を持ち上げた。

 

『カッカッカッカ! そうか、答えないか!まぁ、それもええやろ。

 しっかし、あの天照の神使である汝等が下野してあの小童と……っとと。その反応からして、不本意な形で小童と一緒にいる事が、余程腹に据えかねとるみたいやなぁ?』

 

 鋭い牙が生えた大きな口を曝け出した白い狼が、愉快そうに笑うソイツに向かって飛び掛かった。だけどヤツは素早く身を翻して、白い狼の噛み付きを回避する。

 

『そんにしても……アッチに居た時よりも弱体化しとるにも関わらず、その強さと威圧感。そこいらの雑魚やったら、思わずションベン漏らして逃げ惑うやろなぁ。ワシの腕も、この通り斬られてもうたしなぁ』

 

 脚が地面に着く前に翼を羽ばたかせ宙返りをすると同時に、回収した左腕がぐにゃぐにゃと形を変える。斬られた筈の腕は瞬く間に何本もの杭へと変形して、ヤツの周囲で浮遊していた。

 

『まぁ、今此処におるワシは妖術で作られた依代……つまり分身やから、実質ノーダメなんやけどな?』

 

 瞬間、杭は白い狼の下へと殺到。その身体を串刺しにせんと四方八方から襲い掛かるも、白い狼はそれらを全て避けた……かと、少なくとも私の目にはそう映っていた。

 

『■■──!?』

 

「…………えっ?」

 

「ケヒッ。お見事」

 

 自身の口から素っ頓狂な声が漏れ出す。

 何故なら白い狼の身体は、いつの間にか数本の杭から伸びた雷光の鎖によって絡みつかれており、まるで時を止められたかの様に動く事すら出来ないでいたからだ。

 見るからに強そうな白い狼が、あの“ヤバい存在”に拘束されてしまうという光景を前にして、私は呆然とする事しかできなかった。

 そして私と同じように驚愕していたのは白い狼も同じで、自身を拘束する雷光の鎖をなんとかしようとするも微動だにせず、呻き声をあげる事しかできない。

 

『……さーてと。ほな話の続きと行こか?』

 

 地面に縫い付けられた白い狼から視線を外し、ゆっくりと此方へ近づいて来た“ヤバい存在”。我に返った私は、さっきの様に守ってくれた白い狼が拘束されて動けないという事実を前に、呼吸が乱れて過呼吸となり、身体が震え出す。

 

『さっきは狼の所為で失敗したけど……お前さんがいつまでシカトを続けられるか、ちょいと試させて貰うで』

 

 一体何を……?そう疑問に思うのと同時に、ソイツは首からぶら下げていた『風』の一文字が書かれた太鼓を人差し指を弾く事で鳴らす。

 すると何処からともなく風が吹き荒れ、「ギィッ!」という木が削れる音を鳴り響かせて、カーディガンスレスレの所でベンチの上端部分に斬撃の跡を残した。

 

「……へぇ、あんま反応せんのやな。まぁたかが“強い風”、反応するまでも無いってか?」

 

『ほーん。ほなコレならどうや?』

 

 また一歩近づく度に白い狼を拘束する鎖が揺れて音を鳴らすけど、ソイツはそれでも歩みを止めず。私は一歩間違ったら惨たらしい傷跡を付けたであろう鎌鼬?に悲鳴をあげる事すら出来ず、ただ何も出来ずに震えている事しか出来なかった。

 だけどそんな私の事なんてお構い無しに、今度は『雷』と書かれた太鼓を指で叩いて鳴らすと奴の周囲にバチバチと雷が発生。それが一本の稲妻に収集されて私目掛けて襲い掛かり、またもやスレスレの所で外れて、代わりに背後の方で生えてた木々に焼き跡を残す。

 今の一撃はもし当たっていたら……そう考えるだけでも、恐怖で頭がおかしくなりそうだ。

 

「ククク……流石やなぁ自分。今のは流石にウチでもビビる奴やで?」

 

(な、何なの、この人達……頭おかしいよ⁉︎ 何でこんな事、出来るの……?何で、笑っていられるの……!?)

 

 平気で人を嬲る化け物は勿論の事、それをゲラゲラと笑いながら見ているだけの男も異常に感じて、今すぐにでもこの場から逃げ出したいと思った。

 

『カッカッカッカ!やっぱり脅し程度じゃあダメやなぁ。やっぱ此処は、実際に“痛み”を感じさせた方が確実って事やね』

 

 だけど身体は恐怖で身動きが取れず、そんな私の反応を見てか“ヤバい奴”はニタニタと気色悪い笑みを浮かべ、どんどん近づいて来て……遂には目の前まで来た。

 

(助けてよ……!誰か、誰か助けてよぉ……!!)

 

 心の底から助けを求めたにも関わらず、願い叶わず“ヤバい存在”の手が顔目掛けて伸びた瞬間、私は思わず目を瞑る。

 

『………んあ?』

 

 だがあと1センチって所で手を止めた“ヤバい存在”は、何かに気付いた様な声を上げると、顰め面になって私から離れた。

 ……助かった?いやでもまだ油断出来ないし、そもそも何で急に……? そんな疑問が頭を過ぎり。それは眼鏡の男の方も同じみたいで、私と同じ様に困惑していた。

 

「どないしたんやカミサマ、何か地雷でも埋まってたんか?」

 

『……コイツ、まさか……』

 

 困惑している私や疑問符を浮かべる男とは裏腹に、“ヤバい存在”は何かに気付いたのか。まるで信じられないモノを見た様な目をして此方をマジマジと見つめて……

 

 

「ねぇ白沼、そこでなにしてんの?」

 

 

(よ、ようた……!)

 

 突如掛けられた声に驚いて顔を上げると、其処には幼馴染である洋太が口周りにクリームを付けたまま、クレープ片手に立っていた。

 その表情は何故かとても険しそうで、声も何時もの馬鹿みたいに明るい声ではなく、重く低い声で白沼という男に問いかけて来たが……洋太が通ってる学校の制服だし、この人とは知り合いって事なのだろうか?

 

「………うんにゃあ、ちょいと暇つぶしに付きおうてもろうてな。って訳で、ウチはそろそろお暇させて貰うわ」

 

「……………そっか!じゃあ、ちょっとそこまで送るよ!!」

 

 洋太の姿を見た白沼という人はそれだけ言って立ち去ろうとする中、先程とは打って変わって笑顔になった洋太は、まるで近所に遊びに来た友達を家まで送り届けようとする小学生の様な無邪気さで言い放った。

 その豹変っぷりに私は唖然としているのだが、当の白沼も困惑しており……そんな私達の事などお構い無しで、洋太は彼と肩を組んでそのまま公園から連れ出されたのだった。

 

「───」

「…───」

 

 途中で洋太が凄まじい輝きを放っていた為、何で急に光り出したのかと疑問に思っていたが……何故か公園に残っていた“ヤバい存在”と目が合った。ヤバい、洋太が来て安心してたから油断した。

 

『カッカッカッカ……!お前さん、ホンマにあの小僧に好かれとるなぁ』

 

 今までで一番愉快だと言わんばかりに笑った後、“ヤバい存在”は嘴が顔に当たろうかというぐらいに、私に顔を近付けて来た。

 あまりの威圧感にまた身体を縮こまらせてしまい、そんな私を見た“ヤバい存在”は一層笑みを深めながら言葉を繋ぐ。

 

『せやけど気ィ付けとき?あの術にぁ「通常よりも術師のエネルギーを消費する」という制約が──《キンッ!》

 

 喋ってる途中、“ヤバい存在”の首と胴体が何かによって切り離され、その勢いのまま宙に舞って落ちて行く。

 突然目の前で拡げられた惨劇に内心悲鳴を荒らげていると、いつのまにか拘束から脱出した白い狼が私の傍へと戻っており。地面に転がる首と胴体が紙片となったのを見ながら、フンッと鼻を鳴らす。

 ……うん。ヤバい奴を倒してくれたのは感謝するけど、せめて目の前で首チョンパするのはやめて欲しかったな……と、数珠に中へ戻って行った白狼を見ながら思っていた所へ、「みこちゃんお待たせ〜」と手を振って戻ってきた洋太の姿が見えた。

 

「……ねぇ、大丈夫だった?白沼に変な事されなかった?」

 

「………うん、大丈夫。あの人、洋太の知り合い?」

 

「うちのクラスメイトなんだけど。白沼って……えっと、ちょっと頭がアレな所あるから、何かあったらすぐに言って?すぐに……あー、何とかするから」

 

 すっごいオブラートに包んでも尚、一瞬苦虫を噛み潰した様な顔を浮かべた洋太。

 そんな幼馴染に思わず苦笑していると、手に絆創膏を巻いたハナが徹君を連れて戻って来ていた。

 

「何回も聞いちゃうけど、ホントに大丈夫なんだよね?絆創膏足りなくなったらすぐ買って来るし、なんなら包帯買ってこようか?」

 

「もー!大丈夫だよ!徹君は心配性だなぁ……あ、みこ!さっきの人に変なことされなかった?」

 

 困った顔ながらも満更でもなさそうにしていたハナは、私の顔を見た瞬間即座に顔色を変えてあの人に問いかけたが、心配させない為にもさっき洋太に言った時同様の答えを返す。

 

「なぁ、さっきの人ってなんかあったのか?」

 

「なんかね?さっきまで白沼がみこちゃんといたから、多分絡まれてたと思うんだけど……」

 

「………なぁ二人共、アイツに何かされなかったか?何かされたらすぐに通報するんだぞ?」

 

 ハナへの質問に対して洋太が代わりにさっきまでの事を説明し、それを聞いてた徹君は何故か私達に対して注意を促してきた。……いやまぁ、さっきあんな目に遭ったから心配してくれるのは嬉しいんだけど、さっきから二人ともあの人に対する信頼が凄いね、悪い意味で。勿論そんな事言われても当たり前の事されたから、バランスは取れてるけど。

 先程まで感じていた怖気も不安感もすっかりなくなり、平静を取り戻した私は肩から力を抜いてベンチに深く座り、深い溜め息を吐いた。

 ──だがそんな私の安堵を切り裂く位に大きな虫の鳴き声が、洋太の腹部から聞こえてきたのだった。

 

「うーん、さっきそこでクレープ二個も食べたばっかなのに、まだお腹が空くな〜?」

 

「あ、洋太くんも?じゃあ空腹仲間だね!」

 

「空腹仲間とは……?」

 

 洋太はお腹を抑えながらバナナを取り出し、ハナが徹君からツッコミを喰らうという、いつものやり取りを横目に笑みを浮かべ……何か違和感を感じた。

 

(………アレ? なんかコレ、ハナの時と似てる……?)

 

 危うく見逃す所だったけど、今見た幼馴染の姿が生命オーラを消費したハナと同様にお腹を空かせている姿と似ている事に気付いた私はふと、“ヤバい存在”の残した不穏な言葉と、前にあった出来事を思い出した。

 

『あの術にぁ「通常よりも術師のエネルギーを消費する」という制約が──』

 

『もう大丈夫!この通り元気ビンビンだ《ぐぅ〜〜〜!》…お腹すいた』

 

 ……あぁ、そうだ。神社で最初に白い狼を目にした時も、洋太はお腹を鳴らしていた。そして“ヤバい存在”が語っていたのが事実だとしたら、あの白い狼が出る度にアイツの力が消費されているって事になる。

 いや、でもそうなると洋太から出てる光も弱くなる筈。でも今の彼は何時もと変わらない輝きを放っているから、きっと何かしらの偶然が重なっただけの可能性もあるし、そもそもあの話自体“ヤバい存在”のデタラメだという可能性もある。

 だけど私の背筋には冷たいモノが奔り、先程感じた恐怖とはまた違う別の感情で身体を震わせる。

 

「……ね、ねぇ洋太……」

 

「ん?どないしたのみこちゃん?」

 

「も、もしかして……ここ最近、急にお腹が空きだした〜なんて事、ないよね?」

 

「んえ?…………あー。あったっけ、そんな事?」

 

 念の為、確認でそう聞いたのだが。そんな質問に対して洋太は眼を丸くしたかと思うと、眉間に皺を刻みながら考え込み……思い当たる節がない様子で首を傾げる。

 その姿に杞憂だったかなと、私は思わず胸を撫で下ろしかけた。

 

 

「いやあっただろ。ホラ、ミセドのお化け屋敷に行った日のHRでバチクソでかい腹の虫鳴らして、銅八先生にちゃんと朝ごはん食えって言われたじゃんか」

 

 

「……………えっ?」

 

 だけどその安堵も、一瞬の事だった。

 

「……?……あー……あっ!思い出した。確かにあん時、急にお腹が空いたなーって思った!でもおかしいなぁ……朝ごはんは毎日欠かさず食べてる筈なんだけど……」

 

「いやお前の事だし、朝ごはん食べ忘れたの忘れたってオチも微弱レベルであるだろ」

 

「僕は認知症のお爺ちゃんですか?」

 

 洋太は徹君の言葉に突っ込みを入れてるが、私はそんな彼等のやり取りなど耳に入らず。不安と呵責で顔を青褪めさせていた。

 

(………じゃあホントに、私があの白い狼に助けられる度に、洋太がさっきのハナみたいに……私の、せいで……?)

 

 学校にいた時、あの先生に憑いてるヤバい奴のせいでハナが体調を崩した。

 それと似た事が洋太の身に起こっていて。今はまだ表面上変わり無く、大きな悪影響も出ていないが、もし今後あの白い狼を何度も出したとしたら、その白い狼に強い負担を掛けるような事があったら……そんな最悪の未来を予想した。

 何より、その原因は他でもない私自身だという事に気付くと、頭が真っ白になってしまい。そんな私の心を表すかの様に、さっきまで快晴だった空に雲が現れ始め、赤く染まっていく空を遮る様に覆い尽くしていく。

 

 一方の洋太は、三個目の購入をしようとするハナと一緒にドッグパンを買いに行った。

 

 

 卍 卍 卍

 

 

 障子から差し込む柔らかな外光が、その部屋を……とある神社の本殿を照らしている。

 壁は金箔の貼られた漆塗りの美しいもので、唐戸は屋久杉で作られており。『風』と『雷』の文字が筆書きされた純白の神前幕は勿論、掛け軸や置物も一級品。畳から香るいぐさの匂いが部屋に満ちており、とても厳粛な空気が漂っている……筈なのだが。

 

『んグッ、んぐっ……ゲッフ。カッカッカッカ!やっぱアイツらの作る酒は最高やなぁ!特にこの、“八岐大蛇殺し”がまた美味いのなんのって!』

 

 そんな厳粛な空気をぶち壊す様に、酒瓶を片手に大笑いする異形の存在。

 この部屋の主であるその存在は肘置きに身体を預けながらダラっとしており、時折左右に揺れる度に大きな黒い翼がバサバサと羽ばたいている。

 

「失礼致します、風雷坊様……」

 

 異形の存在は逆さにした酒瓶を口を付けて飲み干し、空になったそれを投げ捨てて別の酒瓶に手を伸ばした……が、それは既に開栓された瓶で、よく周りを見渡した其奴は蓋のしまった酒瓶がない事に気付いて舌打ちを打つ。

 その時、部屋の外から足音が聞こえて来たかと思うと、襖が開きそこから一人の女性が現れた。女性は白い髪を後ろで纏めており、身に纏っているのは白装束。だがそれは神社で見かける様な巫女服ではなく……まるで死装束の様にも見える。しかし彼女はそんな服装と白い髪に似合わず、とても美しい容姿をしていた。

 

「新しい御神酒を持って参りました。どうか其方へ伺う事をお許し下さい」

 

『構わへん構わへん!せやからちゃっちゃと酒置いてけ!』

 

 彼女は拝殿の上で首を垂れて恭しく一礼すると、畳の上へ新しく作られた数本の酒瓶と盃が供えられた長選を『風雷坊』と呼ばれた存在へと差し出した。

 風雷坊はご機嫌にケラケラ笑いながら酒瓶を引ったくると、盃に注ぎもせずそのまま酒を呷る。その様子を見届けた女性は何も言う事なく長選を持って立ち上がると、もう一度頭を垂れて立ち去った。

 

 

『──次みこちゃん泣かせたら、しばき倒すからな?』

 

『……ハハッ。口だけは達者みたいやなぁ』

 

 

 風雷坊は酒を呷りながら、憑代越しに聞いた小童達の会話を思い返し、その時目にした赤茶髪の小童が放つ凄まじい輝きに思わず目を細める。

 

『カッカッカ……あの小童は空から何遍も見てきたが、あれ程までに濃密な神気は見た事ないわ。そして、あの小娘……』

 

 次に脳裏に浮かぶのは、金色の瞳を宿した黒髪の小娘から僅かに感じ取った、禍々しい呪力が込められた神気。加えて、あの小娘に触れようとした瞬間聴こえた、その呪力とは正反対に澄んだ音色を奏でる小さく静かな鈴の音。

 おそらく自身にしか聞こえなかったであろう音色を思い出した風雷坊は、残っていた酒を一気に飲み干して一息吐く。

 

『まさか、あんな厄介な“狐”に目をつけられとるたぁ……お気の毒になぁ、カッカッカッカ!』




●四谷みこ
原作ではこの話で『にかい』を消費してしまった可哀想な子。
今作のおいては、回数制限ない数珠ブレスレットの力があるから大丈夫ーーと思った所にドブカス眼鏡とカミサマに絡まれて、ある意味原作よりも散々な目にあった。
(作者)はドSではありません、どちらかと言えばフェミニストです。

●百合川ハナ
またしても何も知らないけど、何かあるって事は察していた腹ペコ娘。
保健室送りになった後にユリアからシュバった“キノコアメ”なる物を三つ食べ、なんか凄い食感のドッグパンをお昼食べた後のお腹で二つも食べてた。
………思えばこの時から「なんで私に相談してくれないのかなぁ……でも何も言ってこないから、何も聞けないよぉ……」と思い悩んでたのかもしれない……あ、ここ原作最新巻見てない人は閲覧注意ね?

●白沼天匙
前回に続いて登場したドブカス眼鏡。
コイツのご先祖様はかつて、様々な地域に突然訪れては周囲に災害を振り撒く祟り神と契約。無闇矢鱈と禍をばら撒かず、その上で退魔を祓う力を授けて貰う替わりに、上手い酒などを供物する事を約束。それ以降、風と雷を司る武神として実家にある神社にて崇め、祀られている。
呪術廻戦オリンピック。生きてるだけで偉いのでウチ優勝でーす。

●白い狼『大口真神』
現在、みこの着けている数珠ブレスレッドに宿っている狼の神。
天照の眷属神らしいが、天照大御神が会長で八咫烏が代表取締役社長だとして、この神使は部長くらいの地位にいる。以外と世知辛い立場である。
モデルは『大神』のアマテラスと『トリコ』に出て来るバトルウルフ。馬鹿猿の放つ光がヤバい奴を浄化してそうでないものには効果が薄いのは、神格化された狼は人の性質を見極め、善人を守護し悪人を罰する…という言い伝えが反映されているのかもしれない。真偽は不明だけど。

●天の神様『風雷坊』
風と雷を司る鴉天狗の武神。弱者は偉くないので、死んでくださーい(⚡︎V⚡︎)空港現着でーす☁︎
ある日、とある禁足地の山に住む天狗に勝負を挑んで初めての負けを経験した男は、その天狗に弟子入りして神通力を得るべく修業を行い。その結果、強さだけでいえば結界(万全)内に居る山の神と普通にタイマン張れるレベルの腕っぷしとなった。
具体的な姿としては、諸肌脱ぎした山伏装束を装着し、ウェザードーパントみたいな髷を付けたレイヴンビーク(ただし目からは稲妻型の角が生えており、この辺は花御や摩虎羅をモデルにしてる)をイメージして下さい。

●フーセンのガキ
女性の手を握って普通の男児に擬態していた子供型の呪霊。恐らく一級クラス。
読者からは“初見殺し”等と呼ばれており、原作ではふたりの狐の巫女に両腕を捥がれてもすぐに立て直して、うち一体をしばき倒すという善ママでも出来なかった恐ろしい戦歴を持つ。北斗の拳イチゴ味に出てくるターバンのガキ程ではないと思うが、それを思い浮かべる程にクソ厄介な強さを持ってる。
アーク様「どうだった?人を騙し、弄ぶ……人間から教わった悪意の一つだ」
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