ゴトンと机の上に置かれた、一枚の白い皿。
それは先程、彼…影杉徹が持って来た、数種類のスイーツを乗せた皿である。
徹は己の席に着いてフォークを手に取り、右端にある黄色と紫のクリームで彩られたスイーツ『サツマイモのツインタルト』をザクッと突き入れ、掬い上げた。
タルト生地のサクサク感に加え、二種類のお芋クリームが織り成す滑らかな舌触りと甘さで、彼は満足気に笑みを零す。
次にその隣で居座っている、十字架型のチョコ細工が乗っかっている『オペラ』というガトーショコラにフォークを差し、口に運ぶ。
パキッという音と共にチョコとスポンジケーキの食感が混じり合い、今度はそれらを引き立たせるかのようなコーヒーの風味が鼻孔をくすぐった。
そこから別のスイーツを食べようと、いくつかあるモノの中から選ぼうとしたその時、前の方から四つ近くの重量感ある音が耳に入り、徹は顔をそちらへ向けた。
「いや〜、流石有名レストランのスイーツだよね!こんなに美味しいモノが沢山あるなんてさぁ」
そこには、右端にこんもりと盛られたイチゴロールケーキとマロンタルトなどを置き。左端にモノトーンカラーのマカロンやチョコケーキ等々が乗った皿、中央には季節のフルーツが盛られたショートケーキをこれでもかと乗っけた皿と、まさにスイーツの山脈である。
それらを置いた者こそ、徹の親友である馬鹿猿……見円洋太である。
「おい洋太、まーたそんなに持って来てよ……これで5回目だぞ?それとほぼ同じ量持ってくるの」
「いやねぇ?そうは言うても、此処の料理はマジで美味いになんの!食べても食べても腹が膨れるどころか、逆に腹が減っちゃうくらいだよ!」
「逆に腹減るって何よ。娼婦風スパゲティでも食ってるの?」
「牡蠣とほうれん草のクリームパスタですが、何か?」
「いや、それはそうなんだけどさ……」
手前に置かれた山盛りパスタをズモモッと啜り込む洋太の勢いに呆れつつも、徹は机の上にあるスイーツをパクリと食べる。
……我は基本的に、人間の料理を食う事は出来ぬ。というかそもそも、我には『味覚』という機能が備わっていない。故にこのレストランの料理は本当に美味いかどうかは理解出来ぬ…が、徹の顔を見れば“コレ”が美味しい物である事は何と無く理解出来る。
でもいくら美味しいからと言って食べ過ぎれば当然、腹も膨れる訳で。
その事を危惧した徹は、こうして毎回のように大量のスイーツを持って来る馬鹿猿を案じている訳だが……
「ふぅ〜〜満足満足ゥ〜……! よし、次はローストビーフも持って来ようっと」
「おいまた行くのかよ!コレで6周目だぞ!?」
「しょーがないじゃんねぇ!お腹が減って生姜無いんだかさァ!」ぐぅぅぅぅぅ!
「イヤもう逆にコエーよ!そんなに食って尚も腹の虫鳴らすお前がよォ!!
何なんだてめぇは
「トリコ、なぜお前はいつもそうなのだ……」
「トリコはトリコでも妖精騎士のトリ子じゃねぇかそれ」
「ハッハァ!たまらねェな相棒‼︎‼ このライブ感はよォ‼︎‼ まさに瞬瞬必生ェッ!!」
「レジライとモルガンズと頭平成を混ぜるな!十六茶並みにごちゃごちゃして来てるから!!」
そんな心配を余所に彼奴はペロリとそれらを平らげてしまうのだから、ある意味恐ろしい。
しっかし、先程から気になっていたのだが……彼奴の身体から放たれる忌々しい輝きが、なんだか弱く成りつつある気がする。
なんなんだろうか、コレ……こんな風に光が弱くなるのって、大抵テンション下がってる時くらいだけど、見るからに該当してないし……スイーツやら何やら食べた後はある程度元に戻ってるけど、席に戻った時にはまたもや弱弱しくなっているし……
…まぁ、我には関係ないがな。そんな風に思考を切り替えて、ダッと新しいモノを取りに向かった馬鹿猿を、呆れた目をした徹と一緒に見送った。
卍 卍 卍
『■■■■──!』
『『『潰れろッ 絶たれよッ くたばりやがれッーー!』』』
もし此処が戦国時代だと言われたら、誰もがそれを信じるだろう。
幾多もの剣戟が響き渡り、殺意と喧騒が飛び交い、怒号を塗り潰すように雄叫びと罵倒が鳴り響く。
その戦場にて、二つの影がぶつかり合っていた。
一つは、身の丈程もある刃毀れした大太刀を振り翳し、蒼き炎を吐き出す髑髏を操る巨大な骸骨の妖。
一つは、その大太刀を鋭い牙で受け止め、身動き取れぬ一人の娘を守るようにして立ち回る白き狼。
巨大骸骨の妖『がしゃどくろ』の太刀を押し返した白狼が、一瞬よろめいた妖の喉元へ喰らい付こうと飛び掛かる。
途端にがしゃどくろの肋骨から見える、球体状になっている焔の塊から数体程の骸骨が這い出て、それらが金縛りにあって動けぬ娘…四谷みこへと襲い掛かる。
(や、やだ……こっちに来ないで!)
身体が動けないみこは顔面蒼白に心の中でそう叫ぶも、焔の球体から這い出た骸骨達は彼女の願いも虚しく、ジリジリと迫って来る。
『……チッ!』
それに気付いた白狼は踵を返してみこを守るように立ち塞がり、骸骨達に爪の斬撃を放って粉砕。だが地面に落ちた骨の残骸は少しすると宙に浮かび、まるでビデオの逆再生を見ているかの様な動きで元の骸骨へと、その姿を戻してゆく。
『『『逝ね 逝ね 逝ね──!』』』
その隙にがしゃどくろは太刀を構え、白狼に向けて横一閃。再生した骸骨達は群れをなして襲い掛かる。
しかし白狼はその刃を尻尾を鞭の様にしならせて
『オ゛オ゛オ゛オ"オ"オ"オオオオォォォォォォ──!』
その口から放たれたのは、まるで全てを破壊せんとする獣の咆哮。
がしゃどくろはそれに怯み、こちらへ飛んで来る筈だった蒼い炎は搔き消え、骸骨達はその咆哮をモロに受けてしまった事で粉々に砕けてしまう。
粉々になった骸骨達はすぐに身体を再生させようとするも、咆哮によって骨のパーツを吹き飛ばされてしまった影響で形を保つことが出来ず、そのまま砂のように崩れ去る。
『──フゥーーッ!ハァ、ハァッ……!』
対する白狼はというと、先程までの激闘で疲労が蓄積した為か、その息遣いは荒く。身体から放たれる白い輝きが微かに弱くなりつつあった。
(ど、どうしよう……洋太の白い狼、スゴい疲れ始めてる……!
ずっと私を庇いながら戦ってくれているのもあるけど……やっぱり、あの必殺技みたいなのを何回も放ってるのも原因だよね……さっきので
彼等の戦いを恐怖で震えながら見ていたみこは、何故か動けない自分を守る様に戦っている白い狼を気遣いながら、そんな事を考えていた。
その予想は当たっており、白狼が放っていた咆哮は骸骨達が身体を再構築出来ぬ程に威力を高めている為、その分エネルギーの消費も激しいものとなっていた。
向こうで大本である洋太が偶々エネルギー補給を積極的に行なっているお陰で、ギリギリ持ち堪えてこそいるが。何度も湧いてくる骸骨達の処理をしながら、がしゃどくろの猛攻に防戦一方となっているが故に、その消耗具合は顕著となってきている。
『『『その頸 寄越せェェェ!』』』
このまま戦い続けたらどうなるか……みこが呼吸を乱しながら不安を抱いていると、がしゃどくろが再び彼女と白狼の頸を狙って太刀を構えて迫って来た。
『……■■■■!』
だが白狼は目の前にいる敵を見据えながらも息を整え、臆する事なく牙を剥き出しにしてがしゃどくろへと飛び掛かる。
がしゃどくろは太刀を振るって迎え撃とうとするも、それを紙一重で回避して手首へ喰らい付くと、そのまま骨を噛み砕かんと顎に力を込めた。
だが妖もそのままでは終わらない。空いているもう片方の手で白狼の腹へ手刀を繰り出し、その身体を吹っ飛ばす。
(あっ……!?)
『……グルゥ!』
反撃を喰らった白い狼を目にしたみこは惧れの声を漏らすも、吹っ飛ばされた白狼は空中で体勢を立て直して着地、再びがしゃどくろへと飛び掛かる。今度は太刀で受け止められてしまい、そのまま鍔迫り合いに発展してしまう。
その隙を逃さんとばかりに、又もや骸骨達が肋骨の隙間から這い出て来たが、白狼が何度も許す訳が無いだろと言わんばかりに、後ろ足で骸骨達を内部へ押し戻す様に何遍も蹴り飛ばした。
『……オイ 邪魔だ!退けよ!』『オメェが退けや!』『う 動けぬ……』
『『『………あ”ぁ?』』』
結果、がしゃどくろの肋骨は無理矢理押し戻された骸骨達で詰まり。何とか外へ出ようと藻掻いている骸骨達をいずく感じたがしゃどくろが意識を逸らしたその隙に、白狼はがしゃどくろの太刀を離して横っ面を思い切り蹴り飛ばした。
その威力はかなりあったのか、がしゃどくろの巨体は大きくよろめくも、すぐに体勢を整えて後ろへと引き摺る様に下がり、ある程度の距離を取った所で太刀を構え直す。
『グルゥガァアア!!』
だが白狼にとっては充分すぎるほどの隙を見せてくれた瞬間であり、がしゃどくろが気付いた時には太刀を持っていた筈の手が無くなっていて。一瞬遅れてから金属音を奏でながら地面へ堕ちた太刀と指の骨数本を見て、ようやく自分の片手首……先程も白狼に噛み付かれた部位が食い砕かれたと認識。
白狼の方を見てみると、彼の口内にはくすんだ白い塊を咀嚼しているのが見え。それが案の定、自分の手首骨だと察すると怒号をあげたがしゃどくろは、左手で拾い上げた大太刀を構えて再び白狼へと迫る。
そんながしゃどくろへ動じる事無く、白狼は咥えた骨を吐き出すと太刀の一撃を躱して、がら空きとなった腹部に前脚の爪から繰り出した斬撃をお見舞いさせた。
凄まじい怒りと怨みによって攻撃力を向上させた代わりに、技の繊細さを失った影響によって、がしゃどくろが繰り出す技の軌道を読み易くなったからだ。
(す、スゴい……だんだん、あのデカイ骸骨に対して優勢になってる……!)
それを見守っていたみこは、目の前で繰り広げられる攻防が遂に逆転し始めている事実に歓喜し、思わず拳を握る。
だが、その歓喜は長く続かなかった。
がしゃどくろの太刀を躱し続けていた白狼がみこの方へ視線を向けた途端、その表情が喫驚の色に染まり。みこのいる方へと全力で駆け出したかと思えば、彼女に思い切り体当たりをかましたのだ。
その衝撃に金縛りで動けなかったみこは、此処で漸くその場から移動する事が出来たものの、突然の事に頭が混乱して追いついていなかった……が、その理由は直ぐに解ってしまった。
(──え。う、うそ……?)
さっきまで自分がいた場所に、鋭い針となった骨が何本も生えて来ていて。その中央には、串刺しにされた白い狼が……自分の身代わりとなって、骨の針に貫かれていたからだ。
卍 卍 卍
(おなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいたオナカスイタオナカスイタオナカスイタァ!!)バクバクバクバクバクバクバクッ
「お、オイ……洋太、大丈夫か……?なんかスゲー必死に食ってるケド……」
「で、でぇじょうぶだ……まだまだ食えるよ、僕は……!」フゥー…フゥー…
「まだ食える、じゃねぇよ!?周りの人見てみろよ!めちゃくちゃドン引きしてんぞ!?」
「ハッハッハッハッハ……心配無いさぁ〜〜!(は、早く……早くかっこまないと……一秒でも早く……!)」
「そんな血走った目で言っても、一ミリも説得力ねェから!!」
「ふはははは!見てよ徹ゥ!このチョコレートケーキ美味しすぎて手が止まりませんわ!パクパクですわ!!永久機関が完成しちまいましたわァ〜!!!これでノーベル賞はわたくしのモノですわよ〜〜!!」
「誰かァ!誰かこの馬鹿を止めてくれェッ!!もう俺じゃあ止めらんねぇよコレ!?」
──これはムリめ……
我は目の前で繰り広げられる
卍 卍 卍
(そん、な……ど、どうして……っ⁉︎)
衝撃的な光景に目を見開き、へたり込んで唖然とするしか出来ず。ようやく現実に追いついたと同時に込み上げて来た絶望と恐怖で表情を歪めたみこは、骨の針に串刺しとなっている白狼へ駆け寄ろうとする。
しかし彼女を阻む様に、骸骨の群れや宙を浮かぶ髑髏の大群、いつのまにか元の形に戻った右手で大太刀を構えた巨大骸骨が立ちはだかった。
『『『次ハ オマエダ』』』
(あ、ヤバい。死ん───)
みこの脳裏に、自分の首が跳ね飛ばされる未来が過った……その時だった。
突然、骸骨髑髏の一群が“ゾンッ”と一瞬にして消し飛ばされ。不意を突かれそうになったがしゃどくろが腕を前に出して防御態勢を取ると、その腕に衝撃が走ったのか少し後ずさる。
「──え、あっ……」
骸骨がいきなり複数消滅した事に驚くも、次いで自身の両横に誰かが居るのを視認し、思わず目を疑った。
そこにいたのは、かつて洋太達と行った山の神社で目にした、狐耳と帯に鈴をいくつも付けた着物が特徴的な二人組の存在で。そのモノ達は
『『……』』
狐の二人組はみこに一瞥もくれる事無く、白い狼を串刺しにしていた骨の針山へ手を向けて、その骨を衝撃波で消滅させる。
拘束から解放された白狼だったが、その身体はボロボロでしかも、身体の至る所からはまるで血を垂れ流すかのように光がドバドバと漏れていた。
『……■■ ■■?』
『……■■』
ほぼ満身創痍ながらも、白い狼はそんな二人の方を見て何かを伝える様に小さく鳴く。
対して二人組のうち一人は、人差し指を静かに一本立てて、何かを白狼へ伝えた。
『……■■ッ!』
それを聞いた白狼は口角を上げて頷き、大きく跳躍してみこの前へと降り立つ。
瞬間、着物を身に付けた狐の二人組……狐の巫女達ががしゃどくろの横へと瞬間的に移動して、圧殺しようと霊的エネルギー波を放った。
──5秒経過。
『『『邪魔をするナ 狐の狗がッ!』』』
その事にがしゃどくろは気付いてか、狐の巫女らへと向けて太刀を構えて横薙ぎに一閃を繰り出した。
しかし間一髪で避けた事で、その攻撃は空振りに終わる。それでも彼女らの攻撃から解放されたがしゃどくろは、反撃とばかりに髑髏を計四体出現させ、蒼い炎を放って狐の巫女らを焼き払おうとした。
──10秒経過。
狐の巫女達はエネルギー波を放出して、迫り来る炎を髑髏諸共消し飛ばした事で難を逃れ、更にがしゃどくろの周りを高速移動しながら撹乱。殺意の目線がバラバラになって移動する彼女らを追いかけ回す。
──15秒経過。
この機を逃さんとばかりに、地を強く踏み締めた白狼は身体中から凄まじく眩い輝きを放ち出し。がしゃどくろの視界をその輝きで一瞬だけ気が逸れた事で生まれた隙に、狐の巫女達が巨大骸骨へと急接近。
そのまま脇の下をくぐり抜けて背後に回ると、二人がかりでより強いエネルギー波を放って腕の根元あたりにある関節部分を粉々に砕いた。
──20秒経過。
重力に従って地面に落ちた骨の両腕だったが、がしゃどくろの身体から離れた筈のそれはひとりでに動き出し。右腕は未だに握りしめたままの太刀を縦に構え、狐の巫女の一人に向けて振り被る。
──25秒経過。
もう一人の狐の巫女がエネルギー波を放って攻撃の軌道を逸らしたお陰で難を逃れた狐の巫女は、そのまま飛び退くと同時に大太刀を持った腕に掌を向けて波を放出。
破壊しきる事こそ出来なかったが、右腕ごと太刀を遠くへ弾き飛ばす事には成功した。
──30秒経過。
それでもがしゃどくろは動じず。先ほど右腕を相手していた狐の巫女を助けたもう一人の巫女を、残された左手で掴み取って握り潰そうと力を込める。
手の中でギチギチ…と音を立てて締め付けられるのを感じながら、その狐の巫女はもう一人の巫女に救出されるまで、握り潰されぬよう身体に力を込めて耐えていた。
──35秒経過。
一方の白狼はというと、まるで何かを準備しているかの如く輝きを凝縮し続けており。穴が空いた部分から光が漏れ出るのも厭わず、力を限界までチャージしていた。
がしゃどくろはそれを見て阻止しようと口内に蒼い炎を溜め、今にも白狼とみこへ向けて放たれそうになっていた。
──40秒経過。
そんながしゃどくろの真下から、彼自身の左手が突然出現。そこから掌底を繰り出されて顎へクリーンヒットすると、その衝撃で口内に溜まっていた炎が暴発。
それによりあらぬ方向へ炎がビームの様に放たれ、軌道線状にある木が黒く焼け侵されてゆく。
──45秒経過。
がしゃどくろの顎に掌底を喰らわせた張本人は、残った左腕をぶん投げたとされる狐の巫女らである。
そんな彼女達だが、左手の拘束から逃れる或いは仲間を開放させる為に力を多く消費したのか、息を乱して足を地に付け、背を少し曲げていた。
──50秒経過。
疲労が見え始めた彼女達の隙を見逃さんと、がしゃどくろの周囲から先端が鋭く尖った骨の群勢が出現。
彼女達を串刺しにせんと迫り来るも、狐の巫女らは両手を広げてエネルギー波を出し、自分達(と後ろに居る白狼・みこ)に当たろうとしている骨群だけを的確に破壊した。
しかし今の猛攻に集中していた所為で、横から飛来して来た太刀の一撃に反応出来なかった巫女の一人が胴体を貫かれて、そのまま戻って来た右腕により宙へ持ち上げられてしまう。
──55秒経過。
一人残された狐の巫女に対し、がしゃどくろは追い打ちを掛けんと左腕を肩の部分に引っ付け直しながら、髑髏を彼女の両横に出現させる。
繰り出された炎による猛攻を巫女は、全ての霊力エネルギーを放出して搔き消し、骨の群勢をも破壊。両方の掌が此方へ向いていないのを好機と見て、がしゃどくろは勝利を確信しながら狐の巫女を地面に叩きつけた。
──ジャスト1分、到達。
そんな彼女を叩きつける際にがしゃどくろが見た狐の巫女の表情は、まるで嘲っているかの様な笑みを浮かべていて、一瞬だけ目が釘付けになってしまう。
『『『……ッ!しま──』』』
大事な事を失念していた事に気付いた時には遅く、先程まで力を溜めていた白狼がいる方へと慌てて視線を向け……
『────────ッッッ!』
まるでゴジラの放射熱線みたいに放たれた、音にもならない咆哮は、がしゃどくろの胸部と中にある焔の球体ど真ん中を貫き通した。
その勢いは留まる事を知らぬまま、がしゃどくろの身体を貫通した咆哮は、遥か遠くにある曇り空を斬り裂いて、やがて雲の切れ間から青空が覗き始めた。
「す、すご……っ」
白い狼が放った咆哮の威力に、みこは思わず息を呑んで呟いた。
一方でがしゃどくろはと言えば、空洞となった胸の真ん中から徐々に形が崩れ始め、やがて黒い靄となって地面に沈んでゆく。
やがてがしゃどくろの姿が消えると、白狼は勝利を宣言するかの様に天へと雄叫びを上げて……光の粒子となって消滅した。
(えっ、ウソ……⁉︎ もしかして、消えちゃった……!?)
何時もは紅い数珠の中へと入って行く白い狼が、数珠へ戻る事無く消えてしまった事にみこが冷や汗をかいて狼狽え。
そんな彼女を余所に、がしゃどくろと戦っていた狐の巫女達が傍へと降り立つ。
『……■■』
太刀で貫かれた仲間の巫女の帯を掴んで持ち上げた狐の巫女が何かを言ったかと想うと、まるで見せ付ける様に指を一本だけ上げ、シャランと鈴の音色を鳴り響かせて姿を消した。
「おーーーい!みこーーっ!!」
何が何だか分からぬ歯痒さを感じつつも、一先ずの危険は去ったと安堵。
石畳の上にへたり込んだみこの下へ、親友であるハナの呼び掛ける声と二人の足音が近付いて来ている事に気付いて、思わず肩を跳ね上がらせる。
「みこちゃん!やっと見つけた……って、なんで我射神社にいるの?此処には行かないって、言ってなかったけ……?」
「もうっ、ホントだよ〜!すっごく心配したんだからねっ」
「………ねぇ、ハナ、ユリアちゃん。二人は……ほ、本物、だよね?」
「? 何言ってるのみこ。あたしはあたしだよ? ね、ユリアちゃん」
「えっ、あ、うん……」
「…………」
「ど、どうしたのみこちゃ──ぐおっ⁉︎」
「ちょ……どうしたのみこ? 急に抱き付いて来たりして?」
「……うん、生きてるって感じがする……ッ!」
「なになになに?どうゆう事⁉︎ もしかしてあたし達、さっきまで死んでたの!?」
(ていうか、本当になにをしていて……ハッ!もしや、さっきまでお払いをしてたというの!?ワタシ達が来る、その前に全て!)
道の途中にあった分かれ道に気付いてもしかしてと思ってそちらへ赴き、遂に発見したみこの下へ息を切らしながら駆け寄って来たハナとユリア。
やって来た二人を目にしたみこは、さっきの様に偽物でない事を確認する為に抱き寄せ。偽物から腕を組まれた時とは違う、明確な暖かさと温もりを感じ取り、涙目になって安堵していた。
そんな彼女の奇行に困惑しつつも、ハナが冗談半分でそう口にしながら親友の頭を何度も撫でて、ユリアはみこが霊達相手に孤軍奮闘していたと勘違いしていた。
「でも良かったよ〜みこが無事で!」
「ご、ごめんね?洋太から来た連絡に夢中になってて、気付いたら此処に……」
「まったくもう、みこったら……あ、そうだ!折角だから、三人で写真撮ろうよ!スリーショットで!」
その後、みこが無事だった事を心から安堵していたハナは、幼馴染との仲良しぶりに呆れつつ、神社をバックにして写真を撮る事を提案。
みことユリアも快く了承して、狛犬石像の間へと移動。真ん中へユリアを立たせて、その左右にみことハナが並んだ。
(取り敢えず助かったけど、あの白い狼どうなったんだろう……それに洋太の事も心配だし、無事だと良いな……)
数珠へ戻る前に消滅した白い狼の姿を思い浮かべ、洋太の容態を案じながら罪悪感で胸を痛めるみこだったが。そうこうしてるうちにハナがスマホを翳し、スリーショットの写真を撮影しようと構えた……その刹那だった。
『よくも やってくれたなァ……!』
(……へっ⁉︎)
突然みこの目の前で黒い靄が地面から噴き出し、そこから顔にヒビが入った骸骨の“ヤバい奴”が這い出て来たのだ。
『おのれおのれ 赦さぬぞ小娘』『オレ達は まだ動ける……!』『殺してやる 殺してやるぞ……!』
(ど、どうして……消えたんじゃないの!?)
それに続いて他の骸骨までもが地面から出現していて。腕や足の骨が足りなかったり、頭が半分なかったりしている個体も存在していたが、奴らには共通して一様にその眼に怒りの炎を灯していた。
先程白い狼と着物姿の狐巫女が祓ったと思われていた“ヤバい奴ら”が健在であった事に、みこは驚愕と怖れで顔を強張らせた。
ふと腕の紅い数珠を見てみるが、先とは違いやや暗い色へと変色し、心なしか冷たく感じる事から何となくだが、今の状況では白い狼が出てこないかもしれないと思い。このままでは今度こそ、ハナ達に危害が加わると悟った彼女は、ここから直ぐに立ち去る為の策を練り上げて……
『貴様の四肢 すぐに引きちぐぇッ』
(…………えっ?)
一番前にいた骸骨の“ヤバい奴”の眉間に『ナニカ』が突き刺さり、他の奴らにも次々と同じものが突き刺さっていった。
何が起きたのか理解が及ばなかったものの、目の前で骸骨の“ヤバい奴ら”が次々と痙攣して動きを止める姿を呆然と眺め。やがてそのナニカの正体が、古い矢である事に気付く。
『い イヤだ……イキタク ナイ……!』『違うんだ……魔が差した だけナンダ……』『ゆ…許して……』
それと同じ頃、強気な姿勢で殺意を漲らせていた骸骨のヤバい奴らが、矢が刺さった途端に弱気となって戦意喪失。怯える様な声でみこ達の背後……神社の方から感じる凄まじき威圧感に怯えていた。
(な、なに……?後ろに、何か……)
「それじゃあ、いっくよーーっ!」
奴等が一体何に怯えているのか、何故そこまで畏怖しているのか、圧倒的な存在感を放つナニカが何なのか。
その事について疑問を抱きつつ、恐る恐る矢が飛来して来た背後の方へと目を向けかけるが、ハナの声にハッとして其方へ目線を向ける。
『た 助け──っ』
『お許し下さい どうか御慈悲を──ッ』
『イヤだ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だァァァァァァ!!』
「はい、チーズ!」
次の瞬間、矢が突き刺っていたヤバい奴らが悲痛な断末魔を放ちながら、矢に引っ張られる様に背後の方へ引きずり込まれ。ハナの掛け声とシャッター音が鳴った直後に『ゴシャアッ』という、硬いものを砕いた時みたいな咀嚼音がみこの鼓膜を震わせる。
ハナは直ぐに撮った写真を確認した後に「うん、良い感じ!」と満面の笑みを浮かべ、みこも恐る恐る写真を覗きこむ。
(………やっぱり、なんか居る。狐の神サマみたいに、凄くヤバそうなのが……何コレ、魚……?)
写真にはみこが予想してた通り、見るからにヤバそうな存在……返しが付いた四角錐の矢尻とも言うべき金属質で先が鋭い頭部と、鮮やかな虹色に輝かせる非常に長い胸鰭が付いた、鰻や穴子みたいに長い胴体を白銀に煌めかせているのが特徴な“巨大なナニカ”が神社に巻き付いており。
側面に当たる各部位に計四つの鋭い目が付いた“ソレ”は、恐らく引き摺り込まれた骸骨のヤバい奴らを喰らっているのだろうか。刃の様な牙を横の口角辺りから生やした、口に当たると思われる部分からは、腕や足の骨を数本はみ出しているのが確認される。
「し、写真も撮った事だし、そろそろ行く……?」
「え?でもまだお参りしてないし……」
「私、他にも行きたい所あるんだ!ホラ、この『渓流写真館』って所が気になってっ!ユリアちゃんも気になるでしょ。ねっ!!」
「ッ!? う、うん……」
ハナ達に早く神社から立ち去る様に、みこは敢えて明るく振る舞って提案。
みこの只ならぬ雰囲気に押されたユリアは、額から冷や汗を流しながら屈する様に首肯した。
(よ、よーし……このまま此処から離れて──)
『──人の子よ』
そうして彼女達が我射神社から去ろうとした時だった。みこの脳裏に、何処からともなく声が響く。
ハナやユリアには聞こえていない様子を見る限り、彼女は恐らく自分に向けて放った言葉であると予測。その女性を思わせる声音は非常に重々しく、同時に僅かな慈悲と、神社に巻き付いている巨大なナニカと同じプレッシャーを感じ取って。なんで急に話しかけられたの⁉︎と心中で怯えつつも、ハナ達にバレない様平静を装っていると……
『この先、後悔したくなければ、白き狼と繋がりし者の下へ行け。出来る限り、早く……な?』
恐らくあの巨大なナニカから告げられたであろう言葉を聞いたみこは、思わず呆気に取られて足を止め、背後を振り返ってしまう。
だが巨大なナニカの姿は神社には無く、かわりに弓矢の様な形状をした存在が飛び去っていくのを、彼女は目を丸くしながら見届けた。
卍 卍 卍
「───ん。ん゛んっ………アレ、ここ何処?」
目が覚めたら、なんか公園のベンチの上で横になって寝ている事に気付いた。無論、僕の事である。
……うん、なんでこんな場所にいるワケ?僕さっきまで、スイーツビュッフェのお店にいた筈なんだけど?
「やっと起きたか洋太。おはよーさん」
「あ、徹……」
「おや、気付きましたか?いや〜良かった良かった。はいコレ、ゼリー飲料どうぞ」
「あぁ、どうも。ありがとうございます………え、誰?」
なんだろ、この……黒ずくめの組織に所属してそうな格好を装ったお兄さんは……あの、いや、マジで誰?起きたら親友と一緒に知らない人がいるのって、まあまあ衝撃的な展開なんですけど? 丁度お腹空いてたから、ゼリー飲料はすっごく有難いケド。
「いや〜、助かりましたよマジで。正直まだ信用できませんけど……一緒にコイツを連れ出してくれたコトに関しては、ホントにありがとうございます」
「いえいえ、困った時はお互い様ですので……あ、チカラの石要ります?今なら割引価格でお譲りしますけど」
「あ、それはいいです」
ねぇ徹……‼︎ 誰なの? なんでちょっと親しげに会話してんの!?怖いよおッ!! こんなに怖いと思ったのは、昔うっかりみこちゃんのケーキの苺を食べちゃった時以来だよ!?
「……あ、申し遅れました。私、神童ロムっていいます。よかったら『エニグマシンドローム』のチャンネル登録、よろしくお願いします」
「は、はぁ……ちょいちょい徹、いつの間にこのお兄さんと知り合いになったの?」
「あぁ、実はかくかくしかじか四角いムーブで……」
流れでお兄さんがアップしてるという動画チャンネルの登録をしつつも、席を立って徹にそう質問。すると我が親友は事のあらましを語ってくれた。
どうやら僕がスイーツビュッフェで7周目の食事を取り終えて次行こうと席を立った途端、糸が切れたみたいにぶっ倒れてしまったらしく。揺すっても燃料が切れたロボットみたいに無反応だった僕を連れて退出しようとしたらしいが、意外と重かったのか運び出すのに苦労した模様。
そんな時に徹を手伝ったのが、偶然同じ様にスイーツビュッフェへ来ていたロムさん、というコトになっていると聞く。
そんな感じで簡単に話を聞き終えた僕は、ベンチに座るロムさんに向き直ると……
「あの、なんかよくわかりませんけど……ご迷惑おかけしました」
ジャパニーズ式謝罪術・壱の型『DOGEZA』を執行し、謝罪の意を込めた誠意ある感謝を伝えた。
「あー……うん、気にしないで下さい。私の好きにやった事なので……あ、そうだ。ついでにコレもどうぞ」
若干冷や汗を見せたロムさんからそんな言葉を受け取っていると、懐から布に包まれていた、いくつかあるその物体……手の中に容易く収まるくらいの大きさをした小石を見せる。
「……?あの、さっき徹にも見せてましたケド、なんすかコレ」
「あ、これですか?コレすごく良い石で、パワーとかギチギチに詰まってるんですよ〜。というわけで、ハイあげます」
「いや何ナチュラルに手渡してんスかアンタ?おい洋太、サッサと返せよソレ。後で請求して来るかもしれんだろ」
そう言ってお兄さんは小石を一個摘まみ取ると、僕の掌の上にポンと乗せてきた。
えぇ……イヤ、ハイどうぞって言われても、僕にはインテリアのワンポイントくらいにしか活用法が思い付かないし、そもそもなんか申し訳ない気がするんだけど。
そう思って僕は徹の言う通り、ロムさんにその小石を返そうとしたが、彼は手を上げて制止する。
「ダイジョーブ、そのまま差し上げますよ。ちょっとしたサービスって奴です。
でも、気を付けてくださいね?まだ
ではコレで……と言い残して、お兄さんは帽子を取って会釈しながら公園を後にした。
なんだかよく分からなかったケド……まぁ、くれるっていうなら貰っておこうかな?断るのも悪いし。
「あ、それとゴメンね徹。なんか途中で抜け出しちゃったみたいで……」
「気にすんな。寧ろお前が元値以上にスイーツ喰いまくってたから、お店が赤字にならないか心配してたくらいだ」
そんな会話をしつつも、取り敢えず今は家へ帰ろうと、僕らは揃って帰路に着いた。
…………あ〜、それにしてもさっきからスゲーダルい気がする。
頭もなんか痛いし、喉もムカムカするし。それになんか寒気も感じる……
アレ、もしや風邪ひいた?おっかしーな、今まで風邪なんてひいたことなかったのに……
とりまウチに帰ったら、ちょっとベッドで休むか……
卍 卍 卍
「それじゃあ、ワタシはコレで……」
「じゃーねーみこーっ!」
「うん、じゃあね……」
高速バスを降り、滝夜町から私達が住む街へと戻って来た私はハナ達と別れ、真っ直ぐ自宅……ではなく、洋太の家を目指して走っていた。
──この先、後悔したくなければ、白き狼と繋がりし者の下へ行け。出来る限り、早く……な?
あの巨大なナニカからそう告げられた時から、ずっと胸騒ぎが止まらない。
デカい骸骨の戦いで消えてしまった白い狼を見てから、幼馴染の容態がどうなっているのかが気になっていた。
彼は、洋太は本当に大丈夫なんだろうか?と、心配で身が引き裂かれそうになる。
もしあの巨大なナニカの警告通りに、彼の下へ行かなければ……取り返しのつかない事になってしまうかもしれないと、そんな予感がするから。
(お願い洋太、無事でいて……!)
また私のせいで、彼に迷惑がかかってしまった。そんな罪悪感を胸に抱えながら、ようやく洋太の家の前に到着した。
「ふぅっ、ハァ……よ、洋太……!」
必死に走ったせいで足りなくなった酸素を取り入れ、乱れた呼吸を一旦落ち着かせる。
汗だくになったお陰で顔には汗が垂れるが、今は顔を拭う時間すら惜しい。
私は逸る気持ちを抑えながら、家のインターホンを──
『おっとぉ。いけませんねぇ、今入られると。まだ眠りが浅い状態なんですから』
真後ろからいきなり、耳に息を吹きかける様な近さで、そう声をかけられる。
ゾワッと身の毛もよだつ様な感覚に硬直しながらも、直感的に“滅茶苦茶ヤバい奴”がいる事を察して。同時に其奴が溢した言葉の内容に、一体どういう事なのかと疑問を抱いた。
『まぁでも?私も鬼ではありません。このままお家に帰っておねんねすれば、何もしません』
だけどこのまま家に帰ったら、きっと後悔する。
そんな直感が脳内に警鐘を鳴らしている私は、“ヤバい奴”の警告を無視して洋太の元へ向かおうとドアノブに手をかける。
『それが答えか……妖魔・寄精虫』
すると頭の中に、ナニカか異物が入ってくる様な感覚がして。直後、まるでミキサーに入れられたかの様なぐちゃぐちゃになった記憶と情報の数々が、私の脳内に突如として入り込んできた。
(い、あ……あた、みゃ……y、よ、よう──)
まるで粘土の様に捏ねくり回されていく様な不快感に襲われながら、ぐにゃぐにゃになって定まらない視界で、彼を求めて……
カレ、を、求め……
もと、め……
あれ、何しようとしてたんだっけ。
……まぁ、いっか。
「ただいまー」
日帰り旅行から帰宅した私は、玄関を開けてそう告げる。
すると私の声に反応して、リビングからお母さんが顔を出して来た。
「お帰りみこ。丁度ご飯出来た所だけど、食べる?」
「うん、食べる」
そう一言だけ告げて靴を脱ぎ、私はリビングへ向かったのだった。
卍 卍 卍
──念々頃理世 御孤露理世
『──諸君。人間は一体何を恐れているのか、わかるかね?』
──眠れぬならば 唄ってやろう 感謝しな
『暴力?疫病?暗闇?或いは……死か? 勿論、それらも含まれているであろう』
──悪夢が怖くて 夢が見れるか
『だが中には、下手したら我々でさえ恐怖する、ある種最も恐ろしい“モノ”が存在している』
──明日の今も いつかは錆び付く笑い話
『我々までもが最も恐れるモノ……それはね、“無関心”だよ』
●四谷みこ
ある日異形の化け物たちが、唐突に“見える”ようになってしまった普通の女子高生。
普通なだけあって、異形のものどもなんてフツーに怖い。
気がついたら見えなくなっていることを願いつつ、日々奮闘している。
●百合川ハナ
みこの親友であり同級生。
天真爛漫な明るい性格で、とにかくよく食べ、よく育っている(特に胸囲が)。
天然な言動がきっかけで、みこを振り回すこともしばしば。
特殊な体質のようで化け物を“引き寄せ”てしまうことが多く……
●二暮堂ユリア
みこやハナの同級生。
いつも一人でいるけど、仲間はずれにされている訳でも、いじめられている訳でもないよう。
チラチラとみこやハナを見ているのは決して羨ましいからではない(本人談)。
他人に願望の眼差しを向けられるような、力の強い霊能者を志している。
●渓流の神『我射姫』
鰻の様に長い胴体と同じく長い胸ヒレに加え、矢羽根を彷彿させる尻鰭と尾鰭、矢尻の様に鋭く尖った硬い頭部を持った姿が、矢を構えた弓と形状が似ている事からそう名付けられた、魚の女神様。
かつては滝夜町にある渓流に住まう名も無き神だったが、武者の怨霊を鎮めようとした陰陽師によって我射神社が建てられ。新たな名を与えられて神格を上げてもらった恩として、集落に害なす怨霊達を神社内部に造られた祠に封じ込めた。
ちなみにお酒好きで、お供えしてあったら、例えどんなお酒でも直ぐに飲んでしまうらしい。
元ネタのひとつは、マリオサンシャインのむしばうなぎ。
●特級怪異『がしゃどくろ』
とある怪異がお供えした瘴酒をうっかり飲んでしまった事で、力を一時的に封じ込められた我射姫。
その隙に武者の怨霊達は、自分達を祠の中に閉じ込めた神を取り込んで、神クラスの力を得た怪異と成ったのだった。
我射姫「取り敢えず封印して1000年くらい経った後、反省度次第では彼らを極楽へ解放してあげようと思っていたのに……もう処すしかなくなっちゃったよ……」
●くだらないあとがき
おかげさまで日間ランキング11位(12/19時点)となりました。新記録達成だドン!
ではココでクソ作者がお送りする、醜い欲望の化身シリーズ。
「日曜の朝からベッドの中で〜ゴロゴロォ〜ゴロゴロ。
あーあ!お気に入り登録も良いけど。誰か投票者50になるまで、☆10か☆9、それが無理なら☆8入れてくれないかなぁ!!
ついでに感想いただけますと、スッゴく励みになるんですけどねェ!!!」