……だから何だって話だけどネ。
何処にでもいるごく普通の男子高校生であり、趣味で体を鍛えているだけの凡夫である男、見円洋太の朝は早い。
「97、98、99……100!ハイ、朝の筋トレ第一弾目終了!次ィ!」
午前6時。欠伸を洩らして起床した洋太はまず初めにジャージに着替え、ベッド横の水晶クラスターの上に置いておいたいつものブレスレットを左手首に装着する。
その5分後。一階に降りて歯磨きと洗顔をすると、リビングで腕立て伏せ100回と上体起こし100回、スクワット100回を軽く行った。
自宅で軽く運動をした後、次はランニング10km。バナナを一本食べて栄養補給を終えると外に出て5分間の柔軟体操を行い、いつものランニングコースを走ろうとする。
「朝の筋トレ第二弾目……初めェ!」
クラウチングスタートを取った後、地面を蹴り上げて走り出した彼の初速度……おおよそ時速10km。この速度をずっとキープすれば、たった1時間でランニングが完了する速さである。風のように駆ける姿は、まさに一陣の風であった。
しかしその間、彼の速度は時速15kmへと変化し、次第に時速20km、時速25kmへと徐々に上昇。
「ふぅ……朝の筋トレ、これにて終了〜」
最終的には時速30kmへと到達した洋太は町内を駆け回り、その速度をキープしたまま30分も経たない内に自宅へと帰宅する。
それからシャワーを浴びて汗を洗い流した後、アンダーシャツとインナーパンツのみになって、タオルで髪を拭きながらさっぱりとした状態でキッチンに赴き、朝ごはんを作り始る。
「よーし、最強のゴキゲン朝食セットの完成!ちょいとバナナがダブってる気がするケド、むしろコレが『良い』っ!」
午前7時30分。今日の朝食は『バナナトースト』『バナナヨーグルト』『プロテイン入りバナナジュース(300g)』のバナナ尽くしモーニングセットである。“ちょいと”どころでは無い。
まずはバナナトーストに齧り付き、そのまま咀嚼してよく味わって食べる。小麦粉とバナナの芳ばしい香りが鼻の奥を通り、バナナの甘みが口いっぱいに広がった彼は至高の一時を味わう。
口についたバターを舐め取ってトーストの皿を空にすると、今度はバナナヨーグルトをスプーンで掬って、それを口に含み堪能する。ヨーグルトの酸味が口の中をさっぱりとさせつつ、バナナの優しい甘さがその余韻を残す。
(うおォン、僕はまるで人間バイオ発電所だ)
最後の締めは、このバナナジュースだ。この一杯で、身体を構成するのに必要なビタミンB6やカリウム、カルシウム、食物繊維などを全て摂取できるのだ!ついでにプロテインも入れているので、タンパク質もばっちしである。
洋太はジョッキになみなみと注がれたバナナジュースをごくごくと飲み干し、満足げにお腹を擦って朝食を食べ終える。
そして間髪を入れずにデザートであるバナナ一本目の皮を剥いて、空気椅子に座ってテレビを見ながらもしゃもしゃと食べ始める。
「うーん、やっぱり『マッシュル』は面白いなぁ。ていうかマッシュ君、もう誰もが認めるゴリサピエンスだよね?サイタマの領域に片足突っ込み出してるよねコレ?」
平日ならば登校しながらバナナを食べる所だが、今日は土曜日……要するに休日なので、こうして朝にゆっくりとテレビと漫画を堪能しながら味わう事が出来るのである。
「おはよう洋太」
「あ、お父さんおはよう。トーストとヨーグルトは作っといたよ」
「うん、ありがとう」
そこへ洋太の父が寝間着姿のままリビングへやって来て、バナナを食みながらテレビと漫画を見ている息子に声を掛けた後、机の上に置かれたバナナトーストとバナナヨーグルトの横に置いたコップへ牛乳を注ぎながら席に着いた。
「ところで洋太、今日は何か予定はあるかい?なかったら、久し振りにお父さんとキャッチボールでもしないか?」
「うーん……キャッチボールをしたいのは
「そっかぁ、それは残念だなぁ……それと息子よ、正しくは『ウミウミ』じゃなくて『山々』だからね?」
バナナヨーグルトをもしゃもしゃと口に含みながらキャッチボールを誘う父に、三本目のバナナに齧り付いていた洋太は、今日は親友と会う予定があると告げる。
大層残念そうに項垂れる父親は苦笑しつつも、息子の言い間違いを指摘しながら新聞を広げて目を通し始めた。
「ごめんねお父さん。また今度時間あったら一緒にやろうね!」
そうして午前8時40分。漫画を読み終えた洋太は部屋に戻り、「banana」という文字とバナナの絵が書かれたシンプルめのTシャツを着る。その上に白と青のジャケットを羽織って、カーゴパンツのポケットへハンカチとティッシュを詰め込む。
大きめのウエストポーチにはスマホや財布の他、バナナを何本か入れて準備を終えると、彼は玄関──ではなく、仏壇の方へと足を運んだ。
「じゃあお婆ちゃん、出かけてくるね」
好物だった水羊羹をお供え後、仏壇の写真に写った父方の祖母に手を合わせて、今度こそ玄関へと向かった。
「いってきまーす」
午前9時。スニーカーを履いて外へ出た洋太は、爽やかな風と陽光を浴びて背伸びをし──
「あ、みこちゃん」
「あ、洋太」
隣の家から出て来た、外出用の私服を身に付けた幼馴染と顔を合わせた。
卍 卍 卍
「いやー!まさかみこちゃんも同じタイミングで出かけて、しかも親友と会う予定だったなんてさぁ!スッゴイ偶然!」
「……洋太。アンタ声大きいんだから、バスの中くらいは抑えて」
「あ、メンゴ」
互いに親友と会う事となっていた両者は、一緒に街行きのバスに乗車する事となった。
窓際に座るみこの隣に着いた洋太は悠々と話しかけるも、声量の大きさを指摘されたので口を抑えて謝罪。そんな幼馴染の様子を見て彼女は、「こういう所は素直なんだけどなぁ」と思わず吐息が溢れ落ちる。
『キャハハハハハハ!』
『ありえないよね!』
『どうおもう?』
『マジうける!』
……溜め息の原因に、背後の席で四つ首の女子高生型の“ヤバそうな奴”が、面白おかしく会話しながら嘲っていたというのも含まれているにしろ。
無論“見えない夫くん”である洋太は気付いていないが、“見える子ちゃん”であるみこはその霊から目を背けて見えないフリをしていた。
(洋太が一緒だから少し楽だけど、やっぱり怖いな……)
(バナナ食べたいなぁ。でもバスの中で食べるのはマナー違反だった気がする……)
隣でぽけーっとしている幼馴染の手を握りながらスマホをいじって気を紛らし、○×駅前のバス停に到着するまで、ただひたすら耐え続けていた。
するといきなり肩を叩かれ、何だろうかと思いながら隣を見ると、唇を噛みながら文字が書かれたスマホの画面を見せつける洋太の姿があった。おそらく喋るなと言われたのを素直に守っているのだろう。
『童謡でさ、「ふしぎなポケット」っていう歌あるよね?』
書かれた内容を読んだみこは思った。おそらくビックリするくらいに下らない話が来ると。
『それがどうしたの?』
しかし背後から聞こえる不気味な笑い声に耐える為、みこは片手でスマホのメモ機能に文字を打ち込んで見せる。
画面を見た洋太は再びスマホに向き直り、タタタッと文字を打ち終えた画面を見せつける。
『その中で、ポケットに入れたビスケットを叩くとふたつに増える、みっつに増える、ってのがあるでしょ?』
『もしその不思議なポケットがあればさ……食料問題解決出来ちゃうよね?』
『そうだね、実現不可能である事実に目を瞑ればだけど』
『そうなんだよ!だからこのポケットを手に入れるにはどうすれば良いのか、この間から考えてたんだケド……つい最近、その方法を思い付いたんだ!!』
『それで、その方法って?』
『引き出しの中にあるタイムマシンに乗って、ドラえもんにそういった秘密道具を貰えばよかろうなのだァ!』
『いいアイデアだね、そもそもタイムマシンがないと成立しない事に目を瞑ればだけど』
案の定、実りもクソもない話を自信満々な表情で「フンスっ」と語る幼馴染に呆れるが、背後の霊から意識を逸らす事は出来た。ほぼ苦し紛れの様なものではあるが、多少は恐怖を忘れる事に成功し、ほんの少し安堵する。
そんな彼女の耳に、目的地到着のアナウンスが届いた。
「(次降りなきゃ……)ほら洋太も……って、どうしたの?」
ホッとしながら席を立とうと幼馴染の手を引っ張りながら顔を覗き込むも、どういう訳か洋太がやけに真剣な表情を此方の方へ向けていた。
今度は何を考えているのかと眉を顰め、彼へ声をかけ……
『ねぇ どうおも──ぎゃッ』
……後頭部側の方から声と断末魔みたいな悲鳴が聞こえたが、そんな事はどうでもよかった。
この場で一番の問題は、洋太が窓を強く叩きつける様に、握っていない方の手を当てて、追い詰める様にこちらへ近付いて来た──所謂『壁ドン』をしてきた事だった。
何で急に壁ドンして来たの?何でこのタイミングで?脳裏にいくつもの疑問がふつふつと浮かび上がり、言葉を失う。
そして1cm程にまで迫った幼馴染の無駄に整った顔を見て、不意に顔が熱くなるのを感じると共に、橙色の瞳が此方を見据え……否、窓の外の方へ向かっている事に気付いて、みこも同じ方へ視線を向ける。
「まじかよ……あの雲、う●こみたいな形してやがる……ッ!」
熱かった顔が急激に冷め、窓の向こうの空に浮かぶとぐろを巻いた形の雲を目に写しながら、「小学生かよ」という突っ込みを心の中で木霊させる。
《出発しまーす…》
「「……あっ」」
──幼馴染二人、無事に乗り過ごした。
卍 卍 卍
(うーん……流石に女の子の前では『ソフトクリーム』って言うべきだったかな……反省反省)
幼馴染と一緒に○×駅前のバス停を降り損ねてしまった洋太はその後、ひとつ後のバス停で特に理由のある暴力もとい蹴りを喰らわされた。太ももあたりに結構良いのを貰った。
お詫びとして彼女を背負って間に合わせようとしたが、ハナが乗る電車を間違えたお陰……というのもアレだが、彼女のうっかりで無駄な体力を浪費せずに済んだ。
それはそれとして、ハナは遅れて来る事になり、徹はそもそも会うのが少し遅めなのもあって、洋太とみこはス茶葉マックスで時間を潰す事になった。
「それにしても……この『抹茶バナナプラペチーノ』美味しいな!もっと人気あってもいいのに、何でみんな飲んでないんだろう?」
「……洋太って、本当にバナナ好きだよね。飽きないの?」
「僕にとってバナナは、朝昼晩に白飯を食べるのと同じくらい、当たり前に食べるものだからね! まぁ流石に単体をずっとはキツイから、バナナジュースにしたり焼きバナナにしたりとかアレンジは加えてるけど」
「このバナナ中毒者め……一口貰って良い?」
「良いよ!そっちの抹茶ラテも貰って良いかな?」
「ん」
互いに飲んでいたものを交換して喉を潤していると、洋太はふとみこの視線が何処へ向かっているのかが気になり、「何見てんのかなー」とその先を追ってみた。
其処には、誰かと電話──口ぶりからして彼女だろうか──をしていた、イケメンだが何処かチャラそうな感じを思わせる青年が座っていた。
瞬間。幼馴染があの青年を見ていたという事実で記憶細胞が一杯になり、足りない脳細胞をトップギアでフル稼働させながら“何故彼を見てたのか”という疑問を氷解しようと試みる。
実際の所、みこの視線は青年ではなく、彼の隣で愛を囁いている女の怨霊に向けられていたのだが……
(ま、まさか…………あの人に惚れた!?)
……何も知らない洋太は、見事に見当違いな勘違いをしていた。
此処で隣から伝わる視線に気付いたみこが、青年と彼に憑いている怨霊から目を逸らすついでに、口をポカンと開けている幼馴染を怪訝そうな顔で見つめる。
「……どうしたの洋太、変な顔して」
「あ、いや、何でもない。抹茶ラテありがとね」
再び飲んでいたものを交換して、ストローに口を付ける。舌に残っていた抹茶ラテの仄かな苦みと甘味が、抹茶バナナプラペチーノに含まれるバナナ特有の甘みで上書きされる。
何故だかさっきより幼馴染の距離が物理的に近くなった気がするが、洋太の心中はそれどころじゃあ無かった。『幼馴染が目の前の席に座る青年に惚れたかもしれない』という事実(勘違い)に心底動揺しながら、彼の思考は最早完全にトリップしていた。
(…………ま、まぁ?確かに見た感じカッコいい人っぽいし?みこちゃんが好きだと思った人なら?仕方なぁぁーーく。僕も応援するし?認めてあげても良いけど??
だけど……だけどねぇ?最低限は優しい人で、普通にカッコよくて、頭も良くて、家事料理も出来て、将来性もあって……あと出来れば?出来ればだけど、僕より強い人じゃないと……おいコラ、なにウチの幼馴染に微笑みかけてんだよ。アンタにはステキな彼女(推定)がいるんだからそっちで満足しておきなさいよ!やっぱり僕は貴方を認めん!はいコレ決定事項ね!?そんなグリードの如く強欲な性根で二股かけようとする様な不届き者、例え神様仏様なんかスゴイ人が認めても、僕はぜぇったいに彼氏として認めんぞォッ!!!!)
(うわ眩しっ⁉︎ なんか洋太がすっごい光り出した!?)
──見円洋太。十人中十人が認める程の馬鹿であり、普通に面倒くさい男であった。
何かに気付いてそっぽを向き始めた青年へ鋭い眼光を向けながら、既に空っぽになったプラペチーノの中身を啜り続ける洋太。隣に座るみこは、唐突に凄まじい輝きを放つ幼馴染に目が眩みそうになる。その間、彼の脳内ではこの状況を解決するための策が、幾つもの案として浮かんでは消えを繰り返していた。
ちなみに青年に憑いていた女の怨霊は、愛しの彼を狙う
(しかしどうする……⁉︎ まず純粋な暴力で訴えかけるのは当然アウトだし、イキナリ話し合いを始めてもあっちからすれば何のこっちゃ。かと言って徹に相談しようにも、その間に彼女があの人に夢中になる可能性がある。そうなったらもう最悪だ。仮にみこちゃんに「あの人と付き合うなんてやめとけ!やめとけ!」と説得しても、「洋太には関係ないでしょ?アンタのことはそういう目で見てないんだから黙ってて」とドブカスを見る目で言われた日にゃあ、僕の心は確実に死ぬ!どうすれば良いの⁉︎ 教えて偉い人!!)
そんな苦悩を続ける彼の脳裏に、三人の男達が語りかけて来た!
『己を愛するがごとく、汝の隣人を愛せよ……』
(か、神様!)
『怒らないことによって、怒りに打ち勝ちなさい……』
(ほ、仏様!!)
『競うな、持ち味をイカせッッ!』
(は、範馬勇次郎ッ!!!)
前者二人の言っている事の意味はよく分からなかったが、最後に聞こえた範馬勇次郎の一言によって、脳内に突如として稲妻が走るッ!
──此処までの体内経過時間、大凡1時間!
──実際の経過時間、およそ10秒ッッ!
「……ねぇみこちゃん。聞くの忘れてたけど、今日はハナちゃんと何しに行く予定なの?」
「今日の予定?とりあえず最初はドンキに行って、数珠とか買いに行こうと思ってたけど」
如何にして持ち味を活かすかを思い付いた洋太は、何時もの様に幼馴染と会話をする事で此方へ注意を逸らす事に成功した。
なお当のみこは、元々青年に対して「うわぁ……なんかヤバいの憑いてる」くらいにしか思ってなかったし、寧ろドン引きしていたので普通に取り越し苦労である。
「数珠って、こういうのとか?」
そんな事は露知らずの洋太は、何気なさを装ってぶつけた質問の答えを聞いて、いつも身に着けているブレスレット……赤珊瑚の数珠をメインに、二つの黒っぽい石の間にやや緑がかった一回り大きい灰色の石が配置されたものをみこに見せる。
「それって確か、昔洋太のお母さんから貰った奴だったよね?」
「みたいだね。僕は全然覚えてないけど」
かつてみこが聞いた話では、この数珠は幼い頃に洋太の母親がくれた物で、その時一緒に何かを伝えられたらしいが、彼の記憶の中には殆ど話の内容が残っていなかった模様。
しかし洋太はこれを物心ついた時からずっと身に着けており、入浴や就寝の時以外は何時もこの数珠ブレスレットを左手に着けていた。
「でも数珠かぁ。もしみこちゃんも同じ数珠をつけたら、僕とお揃いだね!
まぁそれはいいとして、どんなの買うつもりなん?」
「うーん……とりあえずは、こういうのを買おうと思っているんだけど……ホラ、こんな感じの」
「どれどれ……」
みこの持つスマホの画面に数珠やパワーストーンのブレスレットの画像が映し出され、その画面をじっくり見るために首を傾けた洋太の頬が幼馴染の頭に乗っかる。
同時にみこの頭が洋太の肩に寄りかかり、自身より身長がやや高い幼馴染が見えやすいようと、スマホをやや上に掲げた。
「ほへー、数珠って思ったより種類あるんだね。……あ、コレなんか似合うんじゃない?みこちゃんの眼みたいで綺麗だし」
「眼みたいって……あ、でも確かに可愛いかも」
少し澄んだ黄色いパワーストーンのブレスレットを見つけた洋太は、画面に触りながら率直な感想を述べた。それに対しみこは自分の眼と同じ色と言われて困惑しつつ、幼馴染が選んだブレスレットに対して素直に気に入った反応を見せる。
「みこーっ、おまたせー!あ、洋太くんもいたんだ!」
そんな感じで二人が会話をしているとみこを呼ぶ声が耳に入り、入り口の方から到着した私服姿のハナが手を振ってやって来た。
彼女の姿に気付いた洋太も「ハナちゃんやっほー」と手を振り返し、みこは「遅いよハナ」と席を立って彼女の元へと向かおうとする。
「じゃあ私行くから、また後でね」
「うん、いってらー」
そして何気なしに、まだ来ない親友を待つ幼馴染の方へと視線を向けてそう言い残し、ハナの待つ入り口の方へと歩いて行った。
(………え? アイツら、付き合ってんの?付き合ってないの?どっちなんだよ⁉︎)
「どうしたのユウくん?」
「……いや、何でもないよ。愛してる」
「もうっ、ユウくんったら!」
二人の背中を見送った後、洋太は抹茶バナナフラペチーノが空になってた事に気付き、さっきの青年がやって来たショートボブの女性とイチャついているのを眺めつつ、おかわりを貰おうと席を立ってカウンターの方へと歩いて行った。
「んふふふ〜〜」
「? どうしたのハナ」
「いやぁ〜。みこって、ホントに洋太くんと仲良いなぁ〜って思ってさ〜!」
一方みこは、ニマニマしながら此方を見つめてくるハナに戸惑い、何か特別な事してたっけ?と疑問符を浮かべながら目的地へと歩みを進めるのだった。
●見円洋太
ドラゴンボールの孫悟空に憧れて筋トレを始めた馬鹿猿。
最初の頃はサイタマトレーニングをしていたが、中学辺りから物足りなくなって来たので亀仙流修行も参考にしていて、最近はマッシュルトレーニングもやり始めている。今でも偶にかめはめ波の練習をしているし、努力すればいつかマジで出せると思っている。
●四谷みこ
本人は自覚してないが、馬鹿猿に対する好感度がかなり高めな可哀想な子。
“ごく普通の幼馴染”という関係を築いていると思っているが、側から見れば熟年夫婦に見えている事を彼女はまだ知らない。よく幼馴染からバナナを貰っているせいか、最近舌がバナナを欲しつつある事に戦慄している。
●ス茶葉マックス
大体スタバ。名前と原作の表現からして、コーヒーでは無く抹茶系のドリンクをメインに売っていると思われる。