見える子ちゃんと見えない夫くん   作:yu-ki.S

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モチベ上がらなくて投稿バチクソ遅れました……(い つ も の)
ごめんなしゃい……死にましゅ……(責任感の申し子)
実写版見える子ちゃん、みんな見てね……(自分はもう見たよ☆)
岸辺露伴は動かない 懺悔室、面白かったよ……(だ か ら な ん だ よ)


もしかしたら、今日もごはんが美味しいのかもしれない・紅玉Ω編

 ──青森県某所。03:13 p.m.

 とある屋敷の敷地内にて、電話のコールが三度に渡って鳴り響く。

 電話の持ち主は折りたたみコームを懐に仕舞い込み、画面に映る緑色の電話マークをタップする。

 

「……オレだ……あぁ、黒福のドグサレ爺ならおっ死んでたよ。右手の親指と左足、それとモツを少々遺してな。明らかに呪い殺されてた跡だったよ」

 

 その男性……紅乃一族・甲級霊能職員である伊野尾独活は、電話の向こうにいる相手へ向けて『報告』を開始していた。

 

「……他の奴ら? そうだなァ……葛理の方は、オレの隣でゲームしてる……だが乙級職員5名のうち2名は取り敢えず軽傷、だが1名は重傷、他2名はかなり危険な状態になっちまった。死者こそ出はしなかったが、“例の件”で動ける奴が減っちまったのは痛手だなァ……」

 

 思わず溜息を吐きながら、丙級職員達が乙級職員のうち何名かに対して、身体に包帯を巻く、傷口の縫合を行う、といった応急処置を施している光景を視野に入れる。

 

「あ、そうそう。屋敷に潜んでた怪異の件についてなんだが……すまねェ。“(カシラ)”と思われる特級個体が1体、上級個体12体を引き連れて逃走しちまった。他はオレらで全部潰したんだがなァ……

 あぁ、ああ……ホントに悪い。茜の奴がまた入院してるってのに、負担かけちまって……いや、こっちこそあんがとな」

 

 ペコペコと小さく、それでいて何回にも分けて頭を下げる伊野尾の表情は、普段見せる豪快そうな趣から一変して、心の底から悔いているモノへと変わっていた。

 

「兎に角。奴らは南の方角へと飛んで行ったから、そっちで追跡して、状況が分かり次第報告してくれ。頼んだぞ」

 

 そう言い残して電話を切ると同時に、電子音のファンファーレが鳴る。

 横には仲間である葛理ヴァーリーが、胴体や頭部に包帯を巻いた姿のまま携帯ゲーム機を操作していた。

 

「……葛理。身体の方は大丈夫なのかァ? イヤ、ゲームするくらい元気があるのは、良い事なんだが……」

 

「…………そういうアンタも、なんか……ヤゴ?みたいなのに、身体中を齧られたじゃん………皮膚、痛いか?」

 

「あー、これか?こんくれェ寝て食っていれば勝手に治る。んな事よりも、オレにとっちゃア逃げやがった怪異どもが、何しでかすかが大事だなァ」

 

「………………………」

 

「オイ、返事しろよクソ餓鬼。ゲームに再集中すんなコラ」

 

 額に青筋を浮かび上がらせながらも、自分達が逃してしまった“アレら”について懸念する伊野尾は、再び取り出した折りたたみコームでリーゼントを整え始めた。

 

 

 卍 卍 卍

 

 

 ──放課後、04:36 p.m.

 学校から徒歩15分ちょっとの所にある、ハンバーガーショップ『モグラバーガー』で販売中の限定メニュー購入を目指すハナに誘われた私は、道中で洋太と徹君と合流して店前へ到着した、のだが……

 

「…………ぅあー……」

 

「……えっと、大丈夫洋太?」

 

「うん……だいじょうぶ…………」

 

「ねぇ徹くん、洋太くんどしたの? なんか調子悪いけど」

 

「30文字以内で説明すると、白ワイン入れたシチュー食べて酔って暫くしたら二日酔いになった」

 

「……いやごめんなんで?」

 

ビギビギィ(ピッタリ30文字だったな)

 

 ここまでの道中、目を細めながら眉間に皺を寄せたしわしわな渋い表情で頭を抑える洋太の足取りは明らかにおぼつかず。私が手を握っておかないとつまづいて転びかねない程に、すっかり元気が削がれていた。その証拠にコイツの体から放たれる光が、通常よりも弱くなっている様に見える。

 てかあんま言いたくないけど洋太、ちょっとお酒弱すぎない? 徹君の話だと、シチューに入れたっていうワインも小さじ4〜5杯分程度だったらしいし、(少し経ったら酔いは醒めたみたいだけど)それで酔うって……どんだけ下戸なのよ。

 

「えー、大丈夫洋太くん? 何か食べれる?」

 

「うぃ……おっかしーな……小5の正月で甘酒飲んだ時は、何ともなかったんだけど……」

 

「……いや。あの時飲んだ甘酒、ノンアルだったからね?」

 

「ダニィ⁉︎ 名前に『酒』って文字が入ってるのに、お酒じゃないの……!?」

 

ビギャビギャ(日本酒と製造が似てるから)ビギギギッ(そう呼ばれてるっぽいな)

 

 何時もの様にビギビギ鳴いている蚕蛾を見て思ったけど、いつも何言ってんだろうか。今日も元気(?)に引っ付かれている徹君の隣では、ハナが店前で並んでる行列と窓から確認出来る内部の様子をジッと見ていた。

 

「うーん。結構並んでるし、中の席も埋まってるな〜……よしっ、洋太くんはみこと待ってて! あたしは徹くんとで買ってくるからっ!」

 

「…………えっ、俺も同行すんの? や別に良いんだけど、何故俺を直々にご指名?」

 

「だってあたしだけじゃ持ち切れないもんっ。あ、それで洋太くんはどうするの?何か食べれる?」

 

「チョコバナナシェイク……あとモグラチキン」

 

「なるほど、わかったっ。みこは確か、宇治抹茶ミルクシェイクでよかったよね?」

 

「うん、よろしくハナ」

 

「とりま揚げ物食える程に具合良くなって良かったわ。んじゃ行ってくるから、大人しくしとけよな」

 

ビギャギィ(大人しくしてろよ)ギギギ(マジで)

 

 そうしてハナと徹君は列の最後尾へ。私は洋太の手を引いて、店から少し離れた所まで移動。近くのベンチへ腰掛けて、二人が戻ってくるまで待つことに。

 

「スゥーッ……フひぃ〜……」

 

「……洋太、ホントに大丈夫?」

 

「……うん。水飲めば、大分和らぐから……」

 

 道路側から奏でられる車の走行音を背にして、隣でベンチにもたれ掛かる洋太は相変わらず辛そうな顔をしており、バッグから取り出したミネラルウォーターのペットボトルを口に付けながら、か細い吐息を吐いていた。

 こうして見ると、普段は元気で饒舌な洋太がここまで弱るだなんて……もし成人してお酒を飲む機会があったら、コイツには飲ませない様に──いや、もしかしたら()()が原因の可能性も……

 

「ねぇ洋太、ちょっと聞いて良い?」

 

「……んぇ? どないしたのみこちゃん」

 

 空を見上げすぎて首を痛めたのか、うなじ辺りをさすって俯いていた洋太の視線が私に向けられる。

 

「えっと、今日の10時半辺りから12時前の間に、なんか急にお腹が空いたりした……みたいな事なかった?」

 

「今日の? その時間は、特にそういうのは無かったけど……なんで? なんか警察の事情聴取みたいだったけど」

 

「あー……私の『見える』件、に関する事なんだけど……」

 

 現在分かる範囲で幼馴染の不調が、あの守護霊とあまり深く関連していない事に少し安堵していた私は。今の質問を投げ掛けた理由を尋ねる洋太へ、数時間前に学校で起きた一連の出来事について、それに伴ってミサンガに宿っている守護霊もとい白い狼(金色の猿腕と赤い鷹……の方は、一旦置いておく事にした)、前に貰った数珠をつけていた時の事を包み隠さず話すことにした。

 

「……あー、そっかー……そないシステムあったのね……どうりで」

 

 話を聴いていた洋太は暫くの間目を丸くしていたが、急激な空腹感に心当たりがあるのか。やがて納得した様に左腕の紅い数珠を見つめ、眉をひそめて苦笑いを浮かべていた。

 

「お母さんやミツエさんから話聞いて、色々と知った気でいたけど……まだ分かんないことがいっぱいあるんだなー……帰ったら、梨子さんにも色々と相談してみよかな?」

 

「……そう、だね」

 

 そんな彼の顔を覗き込んでいた私は、あの白い狼に助けて貰ったこれまでの出来事をふと頭に浮かべ、それと一緒に己の心中で曇り空が広がって来ているのを感じ取る。

 

「………ほんとに、ごめんね……私のせいで、洋太に負担が……」

 

「………………ん、え? なんで急に謝って───あっ、そういう事ね」

 

 己の浅はかさの所為で、幼馴染に色んな負担を押し付けてしまい、あまつさえその事をずっと黙っていた。そんな自責の念に駆られ、思わず洋太に向かって頭を下げて謝る。

 尚当の本人は何故私が頭を下げたのかが分かっておらず、何事かと戸惑っていたものの。やがてその言葉の意味を理解した洋太はフッと軽く声を漏らした後、私の両頬をぐにゅっと掴みにかかった……かと思えば、そのままムニムニと頬を揉み回し始めた。

 

「うぇっ、ちょ……! にゅあ、にゃめてよ……っ!」

 

「ははは、絶対やだね!」

 

 こそばゆさで思わず体をよじらせ抗議の声を上げるも、彼は頑なに手を止めようとはしない。それどころか私の頬を弄んだまま、悪戯っぽい笑顔で見つめながらそんな事を言い放っていた。

 抵抗の為にコイツの両手を掴んで抵抗しようとしたものの、元々の筋力差もあってか思うようにいかず。その内諦めた私は、掴んだ手を力無く握り締めつつ無抵抗となった。(ちなみにその間、通行人数名から微笑ましい視線を向けられ、なんか洋太に向けて放たれる舌打ちもチラホラとあった。流石にちょっと恥ずかしかった。)

 

「………うーん。なんて言えば、良いのかなぁ……」

 

 不意に彼の手が止まると、今度は悩ましい表情を浮かべた顔をゆらゆら揺らし、ゆったりとした口調でそう語りかけてくる。

 

「そりゃあ確かにびっくりはしたけどさ、別に謝るような事してたわけじゃないじゃん? むしろみこちゃんの身に何もなくて、安心したっていうか。

 こうして元気でいてくれるだけで、凄く嬉しいっていうか。

 これからもじゃんじゃか、迷惑かけてほしいっていうか……」

 

 照れ臭さを含んだ苦笑いを浮かべながら、橙色の瞳で私の姿を映している。

 頬に添えてた手は何処となくぎこちなく感じられ、目頭付近をそっと優しく撫でる親指だけが、少しくすぐったい。

 

「まぁ何が言いたいかとゆーとね? 僕もみこちゃんも『お互い様』ってコト。

 だから、さ……そんな苦しそうな顔、しないでよ。シリアス顔のみこちゃんも別に悪くはないけど、僕は笑ってるみこちゃんの方が好きだからさぁ。ホラ、こんな風に〜!」

 

「んぇっ……でぁから、やめてって……ぷっ、あはは……!」

 

 ニッと笑みを浮かべた洋太は口角に指を添え、くいっと軽く引っ張り上げる。

 頬から伝わるこそばゆい感覚に思わず身をよじらせそうになるも、屈託の無い笑顔につられてか、高鳴った胸の鼓動が徐々に早まるのを感じる。

 同時に、先まで気にしていた事がなんだか馬鹿らしくなって、揉みしだかれて緩んでいた頬がより一層緩んでしまう。

 

「……そうだね。私だって、今まで洋太に散々迷惑かけられたんだから……これで『おあいこ』って事で良いよね?」

 

「そうそう。だから別に気にすることなんか……」

 

「よくよく思い出してみれば小学生の頃、アンタが授業ブッチした時は大抵呼び出し係に任命されてたし、所構わず抱き着いて来るせいで他の人達からは散々からかわれたし、アンタの勉強に付き合ってたせいでこっちの勉強に支障が出たり──」

 

「よし、この辺りで白い狼云々の話に切り替えよう。だかりゃ頬引っ張りゃにゃいでくぢゃしゃい、みゃちぎゃってもぼくみゃゴムにんげんじゃにゃいかりゃ」

 

 ははは、何言ってるのか全然ワカラナイナー。なんて呟きながら、目の前で冷や汗かいている馬鹿の頬をさっきのお返しに思い切り引っ張っていると……

 

「お、いたいたー……って、まーたイチャついとるよあやつら。相変わらず仲良しさんだコト」

 

「あははー、ホントに仲良しだねーお二人方〜」

 

「あっ、二人ともおかえり」

 

 ハナと徹君が戻って来た事に気付いた私は、洋太の頬をつねってた両手を引っ込め、何事も無かったかの様に彼らの方へ向き直る。二人の手には、モグラバーガーのロゴが入った紙袋を二個ずつ持っており、無事に購入出来たのだと分かった。

 

「ほい、みこさんの抹茶シェイクに、洋太のバナナシェイクとチキン」

 

「ん、ありがとう」

 

「うぃ、さんきゅーでーす」

 

 徹君からカップとストローを受け取り、プラスチック製カップの表面から伝わる冷たさが、さっきの洋太とのやり取りで若干火照った手を落ち着かせる。

 

「うはぁ〜〜!これが『三種の肉トリプルギガントチーズバーガー』かぁ〜っ!美味しそ〜〜!」

 

「こっちは見てるだけでお腹いっぱいになりそうだよ」

 

「鬼でけーなオイ。少なくともアメリカで販売すべき商品だろコレ」

 

 ある程度冷えた所で早速ストローを持って、シェイクの緑と白の二層を崩して薄緑色を作り始めていると。写真から想像していたのと比べ倍くらいのサイズをしたハンバーガーが、私の隣に座るハナの手の中で、包み紙を纏ったまま握り締められていた。

 目分量でも直径15cm程はあるバンズには、(ハナの話だと)それぞれ牛と豚のお肉で作られたパティとフライされた鶏ムネ肉が挟まっており。その上に乗っかったスライスチーズと微塵切り玉ねぎには、モグラバーガー特有の赤いオリジナルミートソースが絡み合い、少しは野菜を取れとばかりに添えられた新鮮なトマトやレタスが彩りを加えていた。そんなハンバーガーに、ハナはひと思いにかぶりつく。

 

「ぅんん〜〜っ! おいひぃ〜〜!3つのお肉がすごくジューシーで、色んな旨味が詰まったソースにチーズや玉ねぎの甘さが良い感じにマッチして、それで、えっと───うんまぁ〜〜っ!!」

 

「後半グダグダな食レポありがとよハナさん。

 あーところで洋太、何でみこさんに頬引っ張られてたんだ?」

 

 口いっぱいに広がっているであろうハンバーガーの美味しさを、ハナは花開く様な笑顔で大袈裟なリアクションと共に表現する。

 その反応を微笑ましく思いながら私も口の中で広がる、シェイク特有のシャリシャリした食感とミルクの甘み、抹茶の風味を堪能していると。洋太が隣でメロンソーダとオニオンフライを所持した徹君に、そんな質問を投げかけられていた。

 徹君の言葉を聞いた私は、さっきまで洋太と交わしていた会話の内容を反復し。我ながら少し気恥ずかしい表情が浮かんでいるのを感じ取りつつも、そんな気持ちを誤魔化すかの様にストローを口に咥え続け──

 

「それがさぁ〜? さっきまでみこちゃんとしゅg──」

 

「──んぐぉッ」

 

「うぉっ!? だ、大丈夫みこ⁉︎ なんかスゴイむせたけどっ」

 

 一口噛り付いたチキンを頬張っていた洋太は、今し方私と話した事をそのまま話そうとして……シェイクを噴きかけた私の方を見た途端。慌てた様子で口を紡いで、口に含んでいたチキンをゴクリと飲み込んでいた。

 

「…………しゅ?『しゅ』が何だって?」

 

「…………………しゅ、シュークリームの中身は何が一番美味しいか〜って話をしててさ〜〜!僕はチョコの方が美味しいって言ったんだけど、みこちゃんはカスタードの方が美味しいんじゃないかって話してて〜〜!」

 

「…………あ、そうなの」

 

ビギャビギギッ(ヘッタクソなウソだなオイ)

 

 視線を縦横無尽に泳ぎ回らせ、冷や汗を滝の如く噴き出しながら、洋太はしどろもどろな口調でそう答え。そんな様子に徹君と蚕蛾の子は、見るからに「あ、コイツ嘘ついてる」と言わんばかりのジト目で睨み付けている。

 一方の私は、洋太がさっきの話について曝露しかけた所為で咳き込んでいたが、なんとか息を整えて目の前にあるストローに再度口をつけた。そんな時、不意にカランコロンという小気味良い音が足元から聞こえる。

 

「……ぅん? なんだろ、ジュースの缶かな?」

 

 反射的に下へ目をやると、そこには空き缶がひとつ転がって来ている事が分かり。隣でモシャモシャと幸せそうにハンバーガーへ食らいついていたハナもまた同様に、自身の靴にコツンと当たって静止したそれに視線を向けていた。

 

「お、空き缶だね。しかもレモンチューハイの奴」

 

「そこのほっそい路地裏から転がってきたな。アホな陽キャウェーイ族か或いは幸せスパイラルをキメたアル中が、飲んだやつを片付けないでそのまま帰ったな多分。まったく、これだから今の現代人はー」

 

「主語の強い言葉は慎みなよ徹、弱く見えるぞ?」

 

「あまり藍染隊長の名言を使うなよ、安く見えるぞ?」

 

 空き缶を拾い上げるハナに対して何の気なしにそう呟く徹君、とそんな彼へツッコミを入れる洋太。

 そんな彼らを横目にしつつ、親友が摘むように持った空き缶をしげしげと眺めていると、何処からともなく粘度の高い液体が泡立つ様な鈍い音が聞こえ……

 

『お゛ッ お゛ぉ゛お゛──!』

 

 そんな呻き声の様なものが聞こえた──かと思えば、ハナの手元にある空き缶の飲み口から鋭い爪を生やした手の様な物がにゅうっと這い出て来て。気付けば黒いヘドロの様な何かがワサワサと蠢かせ、カメレオンを彷彿させる異類異形としての全貌を現した“ヤバい奴”が、ハナに大口を開けていた。

 

「ッ!? は、ハナっ! それ直ぐに──」

──ヴヴゥゥ

 捨てて。そう言おうとした瞬間、空き缶の中から出てきた“ヤバい奴”がいきなり姿を消した。“ヤバい奴”が消えた事に驚いた私は対象物を指し損ねた左手が宙を泳ぎ、洋太徹ハナの三者(と小刻みに震える蚕蛾一匹)は突如上がった大声で一斉に此方を見る。

 

「………捨てた、方が良いよ? やばい菌とか付いてるから、たぶん」

 

「う、うん。それはいいけど……急に大声出さないでよみこっ、ビックリしたじゃん!」

 

「ごめんごめん」

 

「…………ねぇ、徹。なんか、変な臭いしない?」

 

「んあっ? ……いや、しねぇけど」

 

「あ、そうなの……どっかの誰かがオナラしたんかな?」

 

 食べたハンバーガーで頬を膨らませてぷりぷり怒るハナに軽く謝罪した私は、さっき目撃した筈の“ヤバい奴”が唐突に消え去った事に疑問を浮かべていたが……

 直後、低音で重たい羽音の様な騒音が空気を震わせ、地面に大きな黒い影を映し出した事に気付いて、思わず音の発生源であろう上の方角へと目を向ける。

 

──ヴヴヴヴヴヴヴ!

『お゛ッ お゛ッ お゛ッ』

 

(……なんか、トンボみたいなのに食べられてる……)

 

 本来なら手足に当たる部分と横腹から伸びる計6つある筋骨隆々な男性の腕で、空き缶に潜んでたであろう“ヤバい奴”を抱え頭から貪る“それ”……蛇腹の剣を模したデカい尻尾を生やし、出目金の様に飛び出た眼球から血涙を流した、2メートル程の化け物。

 昆虫の“トンボ”を成人男性に擬人化させた様な姿をした化け物は、頸付近から生えた二対の翅をはためかせてホバリングをしながら、やがて“ヤバい奴”を啜り飲み込んで完食した。

 

『──もっと たべたぁいッ』

 

 アレはなに? なんでトンボ? 身の毛がよだつ光景に気が動転しているのを他所に。トンボの化け物はフライドポテトを食べるハナを血走った目でギョロッと見つめ、目にも止まらぬ速度で大口をガチガチ開閉させた直後──気色の悪い歯茎を覗かせた口内が、ハナのすぐ目前までに迫ろうとしていた。

 

「ハナっ、口にソース付いてる!」

 

 突然の事ながらも咄嗟に出たその言葉と共に、ハナの頬を掴み引っ張って自分の方へ引き寄せ。迫り来る危機から何とか彼女を庇うべく、化け物の進行経路上に立ち塞がる。

 

『──グルゥアッ!』

 

 トンボの化け物から放たれる強烈な圧迫感で息を呑んだ瞬間、右手首のミサンガから白っぽいのが飛び出て。背後で大きな斬撃音が響き渡ると、左右それぞれの視界から気持ち悪くなりそうな断面図を描いた化け物が通り過ぎる。

 縦に両断されたトンボの化け物は道路上に墜落。二等分された化け物のスプラッタな遺体は、腕を少しの間ピクピク痙攣させた後、徐々に飛び散った液体諸共黒い霧となって空気に消え、やがて跡形もなく消え去った。

 

(……あっっっぶなぁっ! なにアレなにアレ⁉︎ めちゃくちゃキモいし、確実にハナ狙ってたし!洋太の白い狼いなかったら、絶対ヤバかった……!)

 

「……ねぇ、みこ? いつまでこうしてるの……? 手もこんな力強く握りしめて……あたしの事好きなのは分かってるけど、流石にちょっと恥ずかしいよ〜」

 

「ン゛ン゛ッ。ゲッ、ゲホッ!」

 

「おい、大丈夫か? チキンが気管にでも入ったか?」

 

「……ンへッ、大丈夫」

 

 隣ではチキンを食べてた洋太が咳き込んでいるが。何はともあれ、化け物がいなくなった事を確認すると、赤らめた頬を掴まれているハナが無事であった事に安堵。ホッと胸を撫で下ろした。

 

──ヴヴヴヴヴヴヴ!

──ヴヴヴヴヴヴヴ!

──ヴヴヴヴヴヴヴ!

 

 そんな和やかな気持ちは、背後から聴こえる白い狼のだと思われる唸り声と、上から降り注ぐ複数の羽音によって掻き消される。

 ベンチに座り直す定で振り返ると、大型犬の姿になった白い狼は牙をむき出しにし、剃刀みたいな眼光をギラギラ光らせて見上げており。酷く怯えた様子の蚕蛾の子が徹君にしがみ付いて、洋太の方に近付いて身を守ろうとしているのが、横からチラッと見えた。

 

『…… おいしそう おいしそう』

『ヨコセヨ ヨコセヨ ヨコセヨ』

『くわせろ くわせろ くわせろ』

 

 白い狼の視線の先に居るであろう場所からは、十数もの羽音やガチガチと歯を叩き合う歯軋り音、延々と繰り返される図太い声が──さっき真っ二つにされた化け物と同じ奴らが、よだれをだらだらと垂らした狂相を露わにし。うわ言を吐き捨てながら、私達の周囲を飛び回っていた。

 “奴ら”は洋太から放たれている光を警戒してか、今の所すぐ襲って来る気配はない……が、それでも一向に立ち去ろうとしないのを見るに、牙を剥いて来るのも時間の問題なのかも知れない。

 

『──あなた みえて るのぉ?』

 

 その中でも特に、3メートルを軽く超える大きな図体で、他の化け物達よりもトンボらしい姿をした“そいつ”は……複数の顔が密集して出来た複眼を備えた頭部と、骨太な高齢女性をイメージさせる腕を計六本生やした胸部を持ち。先端に笹葉の形をした平たい刃(笹穂)を生やす、背骨を彷彿させる形状をした腹部はまるで一本の槍……正に凶器そのものだった。

 

『みんなぁ なかよく わけるのよぉ』

 

 化け物のボスっぽい奴が言っていた言葉に戦慄していた私は、ビルの壁にしがみ付く“そいつ”が言い放った言霊により他の化け物達が、獲物……もといハナと私自身へと一斉に狙いを定め始めたのを見て、顔面蒼白になっていくのを感じる。

 真っ白なった脳の処理が完了する前に、約四体の化け物達が今まさに襲いかかろうと急降下して来る。

 それを妨げる様に白い狼が前へ躍り出ると、『キンッ』という斬撃音が響き渡り。羽音を響かせていた何体かのヤバい化け物が、一気に四体も切り裂かれ。数秒遅れて、仲間をやられた事を理解した化け物達の金切り声と羽音が、耳障りな騒音となって鼓膜を激しく揺らす。

 

(………護ってくれるのは嬉しいけど……贅沢言えば、飛沫についても考えて欲しかったなぁ……)

 

 一方、本来なら見えぬであろう飛散した血液や粘液をモロに浴びた私は、死んだ目で抹茶シェイクを飲む事しか出来なかった。時間が経てば自然と消えていくからまだ良かったけど……危うく、しもむらに寄らなきゃいけない所だった。

 

「ゔお゛ぉ゛げェ゛ッ! オ゛ェッ。ゲホゲホ……ッ!」

 

「ッ!?」

 

「よ、洋太くん⁉︎ 大丈夫!?」

 

「うぉおっ⁉︎ 急激に悪化した二日酔い!?」

 

 だが凄まじい異音と共に聞こえた呻き声に、慌てて思わずそちらへ目を向ける。

 そこには、同じく血液粘液を浴びていた洋太が飲んでいたシェイクを噴き出したのか、口や鼻から薄茶色っぽい液体を垂れ流し、涙目で激しくえずいていた。

 辛うじて胃に入ってたモノは出てこなかったみたいだが、口に含んでいた方は悲惨な末路を辿っていた。

 

「だっ、大丈夫なの洋太……!?」

 

「だ、だいじょ……エほっ……な、なんごれ……タダでさえ頭痛いのに、鼻がひん曲がりそうで究極苦痛(マジキツ)いんだけど……」

 

「……ちなみに、どんな臭いがするの?」

 

「腐ったイカとチーズのドブ煮込み〜加齢臭を添えて〜って感じの臭い」

 

「何だそのクソみたいな料理!? ジャイアンシチューのがまだ料理として成立してるだろ」

 

「いうて食ったら気絶する様な劇物じゃあ『五老聖ヒャダイン』じゃん……アレ?『50キロ?100キロ☆』だっけ?」

 

「『五十歩百歩』な? しれっと“カロリーの力”行使してるし」

 

「なんてこった、ちょっと太りすぎたゾ。“ヘルシーの力”で相殺しなきゃ」

 

「……もしかして洋太くん、案外大丈夫そう?」

 

ビギビギ(お前ら)ビギャグギャリャ(臭いの話は何処行ったよ)

 

 驚愕をあらわにしつつも背をさする徹君、心配そうに目を丸くするハナとで、そんなやり取りをしている合間にも。白い狼は私達の周囲を縦横無尽に高速飛行する化け物達へ、俊敏な動きで肉薄。(私の方は、テッシュで洋太の汚れた顔を拭っていた。)

 鋭い爪で次々と斬り裂きながら、一匹、また一匹と、瞬く間に化け物の数を減らしていき。次々切り捨てられる化け物達の、何とも言い表し難い断末魔が空気を震わせる。私にしか聞こえてないけど。

 

『──やって くれたな……』

 

 やがて、トンボの化け物達が一番デカい奴を残して全て斬り伏せられた時。残って静視していた化け物は、バラバラになった仲間の骸が一面に散らばる地獄絵図を、白い狼を酷く恨めしそうに睨み付けていた。

 

『じゃまするな じゃまするな じゃまするな じゃまするな じゃまするなァァァ!!』

 

 翅を激しく震わせた化け物が、怒り狂った様に叫び散らかした直後。存在感を露わにしていた昆虫の巨体が突然、目の前から姿を消した──

 否。目にも止まらぬ速度で飛翔し、一瞬で白い狼の頭上まで移動したのだ。

 

「ゔぇ〜……コレ、なんの臭いなんだろ……みこちゃん分かる?」

 

「……………なんだろなー、ワカラナイナァ〜」

 

「みこさん、なんか棒読みじゃね?」

 

『……(あ゛)……ビッギャギャ(あ゛っ づい゛)……!』

 

 テッシュで作った鼻栓を突っ込んだ洋太にそう尋ねられるが、腹部の先に付いた刃で白い狼を刺し貫こうと何度も風切り音を鳴らす化け物の手前、正直に言う訳にもいかず。追及された私は適当に惚けて、その場をやり過ごす事しか出来なかった。あと徹君、ホントに申し訳ないんだけど言及して来ないでくれる?

 蚕蛾の子の方はというと、化け物から身を守る為に洋太を背にした結果、アイツの光に照らされて苦しそうに黒いモヤを放出させており。心成しか、白い狼の勝利を必死に祈ってる様に見えた。

 

「……うーん。ハンバーガーもポテトも食べたのに、まだ食べ足りないなぁ……なんかお腹も空いてきたし……」

 

「っ! はいハナっ、ハムカツサンドあったから食べていいよ!」

 

「わーいっ!ありがとみこ、だいすき〜!」

 

 お腹を鳴らし始めたハナへバッグに入れておいたハムカツを手渡した私は、少し背けていた白い狼と化け物の戦いへ、再び目を向ける。

 これまで見てきた戦い振りや、さっきまでトンボの化け物達を圧倒していた時と打って変わり、何度も放たれる一閃が掠りもしなくなっており。尚且つ、かつては私より頭ひとつ分程あった身体が、今は大型犬くらいのサイズに縮んでいるのも相まってか、化け物らのボス相手に防戦一方となってしまう白い狼。

 対する巨大なトンボの化け物は、さっきの化け物達とは比べ物にならない程のスピードで飛び回り。激しい羽音を立てつつも、不気味な顔がいくつも張り付いた大きな複眼で白い狼を捉えて離さず、白い狼に細かい傷を刻み続けていた。

 

(な、なんか段々追い詰められてる……っ⁈)

 

 その証拠として白い狼の呼吸が荒くなり、動きも徐々にぎこちないものへとなっていく事に気付いて、不安で動悸が早まるのを感じた。

 もしかしたら、このままだと負けてしまうのではないか?

 もしそうなったら、ハナに化け物の毒牙にかかってしまうのではないか?

 これ以上彼が戦ったら、洋太に何か影響を与えてしまうのではないか?……と。

 

(どっ、どうしよう、どうしようどうしよう……!)

 

 今の自分に出来る事は何なのか。そう考えていると、またもやお腹の鳴る音が隣から聞こえてくる。

 だが音の発生源は、ハムカツサンドを食べているハナではなく、「もの足りねぇ……」と呟きながら弱弱しい輝きを放つ幼馴染からだった。

 

「ねぇみこちゃん、僕にはなんか無いの?」

 

「な、なんかって言われても……」

 

 持ってた奴はさっきのハムカツサンドしかない。そう言おうと思ったが、もう1つ食べる物があった事を思い出し、すぐに鞄から包まれたアルミホイルを取り出す。

 

「今日授業で作った奴なんだけど……よかったら、食べる?」

 

 クシャクシャ音を立ててアルミホイルを広げ、中に入ってた物を披露する。洋太が覗き込んだ先には、今日の調理実習で作ったハンバーグが、赤茶のソースを全身に纏った状態でお目見えしていた。

 すると彼の薄っすらと疲弊した目色が、瞬く間に何時もの爛々とした輝きへと変わって、身体の輝きもちょっとだけ回復した。

 

「えっ、良いの⁉︎ めっちゃ美味しそーじゃんヤッター!」

 

「本当は、ウチに帰ってから温め直そうと思ってたけど……」

 

「いただきまーす!」

 

 私の言葉を待たず、洋太は手に持ってたハンバーグへ顔を急接近させて、豪快にかぶりつく。……美味しそうに食べてくれるのは嬉しいんだけど、出来ればもう少しゆっくりと食べて欲しかったなぁ。いや、お腹が空いてたのは分かるし、そもそもハンバーグのサイズが小ぶりだから仕方ないけど。

 夢中になってハンバーグを咀嚼していた洋太を眺めていると、先程よりも輝きが強くなった事を確認し……え待って、なんか思ってたより強くなってない? スゴい眩しいんだけど。

 

『あぎぎゃああぁぁぁぁ──っっ!?!?』

 

『……っ!』

 

 だが洋太から放たれた輝きは、トンボの化け物の眼を焼き焦がす程の光量だったらしく。苦痛の絶叫を響かせながら目を腕で覆い悶え、縦横無尽の高速飛行が打って変わってフラフラとした動きになっていた。

 それをチャンスと見たのか、化け物を討ち倒さんとすばしっこく動き回っていた白い狼が私達の前に降り立ち、フサフサな尻尾が洋太の顔に巻き付かれる。

 途端、洋太から力を取り込んでいる為か、尻尾から頭に向かって淡い輝きが脈打つ様に流れ、白い狼の身体がムクムクと大きく膨れ上がっていく。

 やがて身体の大きさが、初めて会った時と同じくらいになった所で、白い狼の開かれた大口が化け物に向けられ……

 

『───がぁッッ!』

 

『ぎゃあっ』

 

 咆哮と共に放たれた一筋の光線が化け物の頭部を焼き払い、異形の頭部を跡形もなく焼き尽くされて身体だけとなったそれは、気付けばあっという間に乱切りで斬り刻まれ。呆気なく地面に墜落した末、塵と化して消滅した。

 ……なんか、結構苦戦してた割に、終わりはスゴいあっさりだったね? 私としてはそっちの方がハラハラしなくて済むし、安心出来るんだけど。

 

「……うん、美味い! おかわり!!」

 

「洋太、それが最初で最後のハンバーグだよ」

 

「ッッッ!!????」

 

「よーし! 次はマリトッツォ食べに行こーとっ!」

 

「……俺はもう、ツッコまねぇぞ」

 

『……ビギッギャギャギャ(我、生きてる)……ッ!』

 

 取り敢えず今度、また洋太にハンバーグ作ってあげようかな。大型犬の大きさへ戻った白い狼がミサンガの中に戻っていくのを見てそう思いながら、横に置いたシェイクを手に取るのだった。




●影杉徹
今回はちょっと影がうすかったオタク系男子。洋太よりも普通に料理がうまい。
今日も今日とて徹の守護霊をしているオカイコ様だが、実は徹が中学一年生はじめの頃には、彼自身のコンプレックや過去のトラウマによる負の感情を取り込み尚且つ、憑いて以降ずっと自身よりも弱い霊や怪異をたらふく喰って来た所為で、いつの間にか黒いモスラである『バトルモスラ』を彷彿させる、1メートル近くあるかなり悍ましい巨体へと変貌していた……らしい。(と言っても精々二級呪霊程度の実力しかない)
だが洋太の登場(に伴って神の光を近くで浴びたコト)により、オカイコ様が保持していた“穢れ”が浄化され、今の両手で抱えられる程度の大きさと灰色っぽい姿へと戻った……とのコト。

●百合川ハナ
今回も怪異に垂れ流しの生命オーラを狙われた腹ペコ娘。きっとグルメ細胞持ち。
個人的な生命オーラ解釈としては、普通の人が『オイルランプ』だと仮定した場合、ハナちゃんの奴は『焚火台』とかそういう類だと思ってる。燃料(カロリー)をくべば一気に燃え上がるけど、オイルランプと違いカバーが付いていなくて炎が剥き出しの状態だから、外からの風や外敵等(怪異)の影響を受けやすい…って具合に。ちなみに紅乃一族の皆さんはガスコンロ、馬鹿猿は紫外線ランプ、というイメージで書いてる。
『他の人よりも代謝が良い』のもあるとは思うが、ご飯を食べた事による“多幸感”といった『想い』もまた、生命オーラの増幅に関わっているのではないかと思われる。まぁ『生命オーラ』(イコール)『生きるエネルギー』という事でもある筈だから、元気に溢れたハナちゃんがそういう力を持っているのは割と納得だよね☆ 原作における霊能力者達の反応からして、かなりの異常体質なのは変わらんけど。

●モグラバーガー
拙作オリジナルのハンバーガーチェーン店。ちょっとだけ……ちょっとだけね……
馬鹿猿が退院した後に父親&四谷家と立ち寄ったバーガーチェーン店も、このお店だったりする。とあるアニメ書き下ろしイラストで、ハナとユリアが食べてたハンバーガーとほぼ同じ大きさのハンバーガーが売ってる。
ネーミングの元ネタは『モスバーガー』。あとモグラアマゾン。

●特級怪異『姦姦龍蠅(かんかんりんよぅ)』、上級怪異『堕童龍蠅(だどうりんよぅ)・成蟲態』
ハナの生命オーラに誘われ、みこ達の下へ集団で出現した蜻蛉型の怪異。戦わなければ生き残れない。
ぶぉくら生命オーラムシャムシャくん!生命オーラ喰らうの大好きさ!今日はねぇ、あの屋敷から立ち去って自由を謳歌していた所、偶々見つけた小娘の生命オーラを喰らっていきたいと思います!まずは邪魔しにきた白い狼を他の奴らと協力して数の暴力で殺しにいきま……熱ッヅぅぅうううッ!!(眼を焼かれ、白狼に浄化される音)
元ネタは『仮面ライダー龍騎』のハイドラグーン、レイドラグーン。

●とある組織の報告書
20██年11月██日█曜日
先日、甲級職員・紅乃茜が保護した████の聴取によって、黒福家の現当主・黒福██の自宅捜索した後、拘束する事を決定。
青森県███市████。霊能職員、総勢7名(甲級職員2名、乙級職員5名)を派遣。
〜〜〜
職員:負傷者、5名。意識不明の重体、2名。
〜〜〜
黒福██:変死体で発見。死亡確認済。
使用人:全6名。(うち5名死亡、生存者1名)
生存者は事情聴取の為、現在拘束中。
〜〜〜
中級怪異:全108体、討伐済。
上級怪異:全28体。うち16体、討伐。残り12体、逃亡。現在、捜索中。
特級怪異:1体。上記の怪異12体を引き連れて逃亡。現在、捜索中。
〜〜〜
追記・特級怪異並びに上級怪異12体が、紅乃茜の御子息・見円洋太によって、██県████、午後4時52分に討伐された事が、彼を監視していた丙級職員・須藤梨子の報告で判明。捜索態勢を解除した。

●実写映画の感想
【映画未見勢は退け!ネタバレ注意だぞ!!】








実写映画では、みこちたちの通う女子校が『群馬県立茶臼山女子高等学校』って名前になっており。映画オリジナル設定とはいえ「あ、そんなネーミングだったんだ〜」と思いましたね……え、待って群馬県なの?!
あと善ちゃんせんせーが、原作と比べるとキョドってる感じの性格になっていたが、正直原作の善ちゃんよりも親しみやすいなと思ったのだ。(善ママの名前、典子って名前だったんだ……)
内容に関しては……うん。ハッキリ言って、ほぼほぼ原作の設定を借りて作った“ちょいホラー青春コメディ”って感じだったかな。
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