これが実写広告の力ァ!
『週末ドキドキ〜?星座占い〜!』
日曜の朝。日課のランニングを終えて、シャワーを浴び終えた僕がリビングに戻って来ると、朝のテレビ番組で星座占いのコーナーが始まったらしく。
朝からテンションの高い女性アナウンサーが、もう1人のアシスタントを兼ねた男性アナウンサーと共に、明るくハイテンションに喋りながら占いの結果を読み上げていく。
「洋太氏、朝ごはんの用意が出来ました。お席にどうぞ」
テレビの画面をぼーっと眺めていた僕に、キッチンから出て来たエプロン姿の梨子さんから声がかかった。朝食を盛りつけた皿をダイニングテーブルに運んでそう告げられた僕は「ほいさー」と、彼女に促されるまま席に着く。
今日の朝ご飯は、ご飯と納豆、大根と油揚げの味噌汁、ほうれん草のおひたし、だし巻き卵に焼き鮭、ミックスナッツの和風サラダ等々。和食をメインにしたメニューが並んでいた。
『まず初めは、“下弦の週”〜! 11位は水瓶座の方っ!お仕事で色々と苦労するかもしれません。でもその内、本当に欲しいものが手に入るかも? ラッキーアイテムは“カメラ”です』
納豆のパックとフィルムを取って、付け合わせのタレを入れる事。からしは入れない、代わりに用意して貰った万能ネギを、ある程度混ぜた後に少々投入する。再びよくかき混ぜてから納豆の糸を引くと、それを控えめな温度になった白飯へかけて食する。うん、美味い!
よく納豆の匂いが苦手な人もいるってのは聞くけど、少なくとも僕は嫌いじゃない。
『8位は〜牡羊座の方!新しいお友達が出来る予感。しかし“親しき仲にも礼儀あり”、距離感には気をつけましょうね! ラッキーアイテムは“ゼリー”』
次に、三切れの卵焼きへ箸を伸ばす。しっかりと効いた出汁の味、ふわふわしっとりの食感は、これまで食べて来た卵焼きの中で上位クラスに位置する美味しさだと思われる。(ちなみにトップ1は思い出補正込みで、この間みこちゃんが恭介のお弁当にと作った時に味見で食べさせて貰った卵焼きである。)
『続きまして、“上弦の週”〜! 6位は双子座の方ッ! 人間関係が大きく変わる機転の到来⁉︎ たまには大胆になってみるのも良いかも! ラッキーアイテムは“肉まん”です』
「ところで洋太氏。今日は文化祭の本祭ですが、四谷氏もいらっしゃるので?」
おひたしを突いていると、向かいの椅子に座ってナッツサラダを食べ始めた梨子さんにそう尋ねられる。僕も彼女同様、サラダの入った器に手を付ける。
『3位は〜蟹座の方〜! 目に見えるものだけに限らず、その裏側にも眼を向けてみるのも一興。きっと素晴らしい発見があるはず! ラッキーアイテムは“うさぎ”』
「そだよー。ハナちゃんとユリア師匠も連れて来てくれる事になってんだ〜。ホントはお父さんにも、来て欲しかったんだけどね」
「太郎氏は現在、島根県の松江市に休日出張中でしたね。お忙しい御方ですが、もし時間の都合が付けば、来てくれるやもしれませんよ」
「だと良いんだけどね〜」
そんな会話を繰り広げながら、今度は薄い橙色の切り身に焼き色がついたシャケを口にする。
『1位と12位の星座は、さぁどっち〜〜? ……ざんねーん!天秤座の方。恐怖心、あなたの心に、恐怖心。黒と緑のヤツには気をつけましょう。ラッキーアイテムは“黒猫”です』
僕かお父さんが作った焼き鮭は基本的に、程よい歯応えが堪らぬものが出来上がるワケだが。梨子さんの焼いたシャケは身がふっくらとしおり、二つに分けるとホクホクとした肉質が蒸気を漂わせ。尚且つ、パリパリの皮からは芳ばしい香りが漂わせているのがわかる。
ハッキリ言って、僕らが作った焼き鮭よりも一段階ギアが上がったかの様な感覚だ。作り方が違うんだろうけど、何処がどう違うのかな?
『映えある第1位は〜〜獅子座の方ッ!! 心に輝く勇気を示せ!さすれば運命はあなたの手の中に! ラッキーアイテムは“スペードのエース”!』
……あっ。そういえば今日の占い、ちゃんと見てなかったな。
折角の文化祭2日目だから、今週のラッキーアイテム身に付けて気合い入れて行こう思ってたのに。やっちゃったZE☆
なんて下らないことを考えつつ、納豆ご飯や卵焼き、おひたしに焼き鮭をどんどん口の中へと放り込んで咀嚼。噛み締めた美味を喉から食道へと流して、胃の中へと落とし込むと、ふぅとひと息吐く。
「ごちそうさまでした!」
『それでは今日も元気に、善き週末を!!』
やがて味噌汁を飲み干した僕は手を合わせ、高らかに叫んだ後、デザートのバナナに在り付くのだった。
卍 卍 卍
11月の中頃、日曜日。時刻は午前11時少し前。
私こと四谷みこは、親友のハナや友達のユリアちゃんと一緒に、幼馴染である洋太が通っている男子校へと向かっていた。
その学校では、土曜から日曜にかけて文化祭が開催されており。1日目の学校内だけの『前夜祭』から一夜が明けた今日は、『本祭』という事で正式に一般公開日という事になってる。
前に彼から「ぜひ文化祭に来て欲しい」との誘いを受けた私は、折角だからと友達を連れて一緒に行く事にし。スマホのナビに導かれて、文化祭が催される学校へと到着した──筈なの、だが……
「……ねぇ、みこちゃん。ホントにここが目的地で合ってる?」
「……うん。一応、校銘板にも……そう書いてるし」
ユリアちゃんと目前に広がる光景と設置されたブロンズの銘板を見比べ、ぼやくようにそんな会話を交わし合う。
一方、目的地の正門に設置されている、カラフルなバルーンアートがポップに飾られたアーチ前で暫し押し黙っていたハナが、到着1分弱程経ってから遂に口を開いた。
「…………あたし、昨日からすごく楽しみにしてたんだよね〜。模擬店で色んなの食べたり、ステージのパフォーマンス見たり、クラスの出し物で遊んだり……洋太くんや徹くんとも、ワイワイと楽しい思い出を作れるんだろうな〜って」
「プルゥゥゥゥッッッッハァァァァアアアアッッッ!!ふっヒョッほほほほほ!」
「イヤッハァァーーー!汚物は消毒だァァァ〜〜!」
「つべこべ言わず働け鈍足豚野郎ェッ!オラッ!愛の鞭ッ!!」
「ブヒィィィィィィ!
「…………そう思っていた時期が、あたしにもありました……」
ハナが遠い目で、アーチの向こう側へと目を向ける。
そこには男子生徒のモノだと思われる声が数十人に渡って、なんとも度し難い叫びをあげている上、明らかに学生とは思えない格好をしていた。
制服を着崩しているだけならまだ良い方で。半裸の上に革ジャンを着たり、ゲーミングカラーのモヒカンヘアで棘の生えた肩パットを身に付けたりと、世紀末モノの漫画とかでしか見ないような格好をした男子達が何人も見受けられ。彼らは挙って三輪車に乗って走り回ったり、散布噴霧機を背負って何かを撒いたり、手に持った鞭でもうひとりの尻を叩いたりしていた。わけがわからないよ。
「……どうする? 来たばっかだけど、もう帰る?」
「……い、いやっ。せっかく洋太くんに誘われたんだから、行かなきゃ! それにきっと、楽しい事が始まる前触れかもしれないじゃん!?」
「………ユリアちゃんは?」
「……ま、まぁ? せっせっかく来たんだし。顔を出すくらいは、した方がいいかな〜〜……なんて」
そうは言いつつも、二人の顔は見るからに強張っている。まぁ、まさか文化祭でこんなヤバそうな光景を目にするなんて、思ってもなかったし。
だが此処で帰った場合、アイツ絶対拗ねるだろうからなぁ。そうなったら色々めんどくさいし、私個人としても行かないのはちょっと違う気がするし……しょーがない、行くか。
そう思いつつ、彼らに気付かれないようコッソリと、校舎内へ一歩を踏み出した時だった。
「──おいテメェらァ!
「なんだって⁉︎ それは
「しかも若ぇ女子だぜェ! こりゃあテンション爆上がりだなァ!?」
「ヒャッハッハッ!JKだーーーーっ!」
「“待”っていたぜェ!この“
「「「ひぇっ」」」
私達の姿にいち早く気付いた人物の一声を発端に、私たちを囲むようにして何人ものファンキーでクレイジーそうな男子達が近付いて来てしまう。
見るからにガラの悪い通り越して凶悪なヒト達に対し、二人から戸惑いや恐怖に満ちた悲鳴が漏れ出る。勿論私も例外では無い。正直もう帰りたい。
「お客さんよぉ〜! 俺らの作った焼きそば、喰ってくれよォ!なぁオイ!」
「ケケケー! いちご飴は美味いなぁ〜お前らも舐めてみないかぁ〜〜? 今ならたった200円で売るぜェ〜?」
「お嬢ちゃあん? オレ様が焼いたヤキトリでもいかが……あ、猫ちゃん猫ちゃん!」
「よぉうこそおいでくださいましたァお嬢さん方ッ!さぁさぁ是非とも見て行ってください! 我がオカルト研究部が誇る、世にも珍しい“河童のミイラ”ですよォ!」
「でゅふふ……なぁなぁ? おれのフランクフルト、しゃぶってくれよぉ……」
「え、ちょ、あの……!」
「ひっ……! み、みこぉ……っ」
「ぅ、ぉ……うぇあ……⁈」
私達の前にやって来るなり、ベラベラと捲し立てる様に喋りだす男子達。フランクフルト勧めてくる人に至っては、言い方がキモすぎて凄くきしょい……!
彼らに囲まれてしまった私達は縮こまって、互いの背中を押し付け合う様にして身体を寄せ合い。ハナに至っては小さな身体をプルプルと小刻みに震わせていて、今にも泣きそうな表情で口元を震わせている。
「まったく、あなた達。煩いですよぉ?」
“ヤバい奴”に絡まれた時とは別ベクトルの怖さを抱きつつ、この状況を打破するにはどうするべきかと頭をフル回転させていると、重量感のある足音が校舎の方から聞こえ。先程までの騒々しさから打って変わり、ザワザワとした空気が辺りに広がりだした。
「文化祭ではしゃぎたい気持ちは理解しますが……だからって浮かれ過ぎるのは、どうかと思いますがねぇ?」
(……なんか、凄くデカい人が出て来た)
やがて校舎の方から一人の男性が、ゆっくりと歩いて来る。
男性は身長2メートルを優に超える肥満体の巨体に、ウニの様にトゲトゲしたスパイクヘアと薄っすら生えた口髭が特徴な男子で。一瞬教員か校外の人かと思ったが、(サイズこそデカ過ぎるものの)ピッチピチの白無地Yシャツの上に、徹君がいつも着ているブレザーとほぼ同じデザインの制服を羽織っているのを見るに、どうやら彼もこの学校の生徒なのかもしれない。ハッキリ言って、そうは見えないけど。
そんな彼が一歩を踏みしめるたび、地面を僅かながら揺らし。また一歩を踏みしめるたび、私達の身体をも揺らす。
「あ、愛澤先輩……ッ!何故、貴方が此処に……?」
「いや、違うんすよ。俺らは客として接していただけで……」
「お黙りなさいッ!」
私達に絡んで来ていた男子がひとり、額に冷や汗を浮かべながら言い訳を述べようとするのに対し。愛澤と呼ばれた男性改め男子生徒はピシャリと一喝し、ざわめきで騒々しかったのが一気に静まり返る。
「接客というのは、お客様の事を第一に考えるのが常識!それを自分達の都合だけで呼び込みを行い、挙句に果てには淑女達に迷惑をかけて……恥を知りなさいッ!
御覧なさい、彼女達の顔を。こんなに怯えているでは無いですか」
彼らへ説教をする中で私達の方へ向き直ると、鋭利な目元をニコリと優しく歪めた。
「ご迷惑お掛けして申し訳ありません、お嬢さん達。折角の休日だというのに、嫌な思いをさせてしまいましたねぇ」
「………あ、いや。だっ、大丈夫です」
「えっと……あたし達、そんなに気にしていないので……あ、ありがとうございます……」
「そうですか、それは良かった……ブェッヘッヘッヘ」
(笑い方の癖よ)
口元をニチョォ…という擬音語が聞こえそうな三日月形に変え、一見野卑な顔付きで笑い掛ける。
だが言っている内容自体は、私達の返答に心から安堵した様子を滲ませて紳士的な雰囲気を浮かべている為、彼の容姿と言動から生み出された情報の齟齬で脳がバグりそうになる。ハナ達も情緒のバグった表情をしており、明らかに反応に困っていた。
「ふひぃ……しっかし、今日も随分と暑いですねぇ……おい、椅子」
「はっ!」
今秋だし、むしろ涼しいくらいだよ?なんてツッコミを入れられる筈もなく。ダラダラと汗を流す『愛澤』と呼ばれた男子は、後ろからついて来ていたであろう別の男子にそう命じた。
「どっこいしょっ!」
『いでえよぉ! いでえよォォ!!』
(なんか椅子に憑いてる⁉︎)
その人が背負って持ち歩いていた、無駄に華美な意匠が成されたクソデカい椅子には、黒い制服を着た長身細身の“ヤバい奴”がへばりついていた。
「ふっ、はっ、ふぅ……なんだか、体が重いですねェ……あ、ラムネどうも」
『いでえよォォォ!』
(
貰ったラムネを飲み始めた愛澤さんは、今座っている椅子に憑いていた“ヤバい奴”に背中をよじ登られており。“ヤバい奴”は首元に顔を近づけ、おんぶをしているかのようにのし掛かっていた。
「……じゃあ、私達はここで。ハナ、ユリアちゃん、早く行こっ」
「う、うん。そうだね」
さっさと此処を離れようと思った私は、愛澤さんに頭を下げて早々、ハナとユリアちゃんの手を取ってこの場から去ろうとする。
「そこを動くな!風紀委員会だッ!」
だが突如、再び鳴り響く足音と一喝に呼び止められてしまう。
そして一瞬足を止めている合間に、別の男子生徒達がまたゾロゾロと現れ、私達を取り囲み始める。
「えぇ⁉︎ 今度はなにっ!?」
「なんか、風紀委員って言っていたけど……」
周囲の男子達は「やべーぞ風紀委員だ!」「逃げろ!」などと騒ぎ立てながら蜘蛛の子を散らす様にして逃げだそうとするも、それより早く“風紀委員”と書かれた腕章を身に付けた男子達に逃げ道を防がれ。その場にいる全員が立ち往生する結果となっていた。
「──驚かせてすまない。この場に居る違反者供から話を聞く為、少しの合間だけ手荒な真似をさせて貰った」
やがて私達の正面に立った、十字架マークが刺繍された眼帯で左眼を隠している、軍服の様な黒いジャケットとショートパンツを着て、ミリタリーベレー帽の下にある黒髪をポニーテールにした女性?が落ち着いた声で話しかけて来た。
「………えーっと、大丈夫です。お気になさらず」
「ふふっ、そう言ってもらえると嬉しいよ。君達については、直ぐにでも解放するつもりだから、そこは安心してくれ」
身長はおそらく180cmはあるだろうか?その恵まれた長身と整った容姿から放たれる鋭い眼力が、地面に突き立てた竹刀と合わさって威圧感を出しており。だが私達に対しては、慈悲の込められた微笑みを向けていた。
それはそうとこの人、なんでコスプレみたいな格好してるんだろ。
「う、うはぁ……すっごいカッコいい美人来た……っ⁉︎」
「じょ、女子……? いや、でも此処、男子校……」
端麗な見た目から頬を赤らめて興奮したハナの言葉と、釈然としない表情になったユリアちゃんの懐疑な呟きが聞こえたのだろう。
その人は一瞬不思議そうな表情を見せたが、直ぐに疑問を瓦解させた面持ちになると、ハナ達の方へと向き直って笑みを浮かべた。
「……失礼、自己紹介が遅れたな。
我が校の風紀委員会所属、副委員長の賢道アザミ。現在2年生だ。
それと念の為、最初に言っておくが……わたしはれっきとした『男』だ」
「へぇ、そうなんで……えぇッ!? お、男の人⁉︎ あ、いや、男子校なんだから、それはそうか……」
間髪を容れずに合点がいったものの、女性的な顔立ちに加えて括れたウエストや、黒いニーハイソックスを履いたすらっと伸びる脚から、恐らく同性とばかり思っていたのだろうハナは目を白黒させて驚き。ユリアちゃんは驚き1割、氷解9割といった感じの表情となる。 かくいう私も最初は一瞬女性かと思ったから、兎や角言える筋合いは無いんだけど。
「ちなみにこの格好は──わたしの趣味だ!」
「急に何言ってるんですか?」
「これのコンセプトは『ドイツ軍人に男装する女性』をイメージして、私自ら製作を遂行したのだが。特にこのショートパンツがこだわりポイントで、風紀の問題で履けなかったスカートを彷彿させるデザインになる様、裾の部分が広くなっているのが特徴なんだ。そうなるとある意味女装している事になるんじゃない?と思っているかもしれないか、心配しないでくれ。寧ろ女装をするつもりで着ているから、何の問題無いのだよ。理解して頂けたかな、レディ?」
「堂々とぶっちゃけてる所ホントに申し訳ないんですけど、ずっと何を言ってるんですか⁉︎」
「それと余談だが。私は通常の活動時も、基本的にコレを着用している」
「あ、その姿って文化祭の時だけじゃないんですね」
一体何処に可笑しな所がある?とでも言うかように、なんの恥ずかしげも無く、真剣な表情で堂々と言いのける賢道さん。
その姿にハナも思わずツッコミを入れ。周りでガラの悪い男子達を一箇所に集めていた風紀委員達に至っては、こめかみを抑えて溜息をついていた。彼らの様子からして、常習的にああいう調子なんだろうか?
そんな事を思考している間にも「ゴホン」と咳を一つ入れた賢道さんは、先程のちょっと和んだ空気を一変させ、額から冷や汗を垂らして俯く男子達の前へと立つ。
「さて、と……我々が入手した情報では、一般参加者に対して客引き紛いの過度な呼び込みを行い、文化祭に支障をきたす振る舞いをしていたらしいが……返答次第によっては、貴様らの露店を畳む必要性も出て来るぞ?」
絶対零度の冷たい目を向けられた男子達は、竹刀の先端で思い切り地面を叩かれたのも相まってか、口を真一文字に結んで一斉に押し黙ってしまう。
姿格好こそアレだが。彼の立ち振る舞いは、まさに“武人”と呼ぶに相応しいもので。対象外である筈の私は無意識に姿勢を正し、ハナもユリアちゃんも緊張した面持ちで向き直った。
ひとりの尋問に反論の余地すら与えられない。そんな支配された静寂をいち早く打ち壊したのは、愛澤と呼ばれた男子ただ一人であった。
「まぁまぁ。そんなに怒らなくても良いじゃないですか、賢道クン。
確かに、可愛い後輩達が年に一度の文化祭で浮かれポンチになって、一般の方に迷惑をかけてしまったのは事実ですが……そこに悪気はなかったハズです。
そうですよねぇ、あなた達?」
慈悲の眼差しで話を振られた男子達は目をパチクリとさせ、お互いに顔を見合わせる。
その内のひとりが慌てて「も、モチロンっすよ先輩!」と首肯したのを皮切りにして、全員が肯定の意を示した事で、愛澤さんは満足したようにウンウンと頷いた。
「……さっきあたし達を気遣ってくれたのもそうだけど。やっぱりあの人、良い人だったりする?」
「そうかな……? そうかも……」
置いてきぼりにされた私達がコソコソ議論していると、愛澤さんは柔らかい物腰で視線を賢道さんの方へと向ける。
「そういう訳で、ここは私が代わりにキツく言っておきます。この場は一度、多目に見てあげてくれませんか?」
巧みな話術と柔らかな物腰で、張り詰めたこの場を収めようとする愛澤さん。
対する賢道さんは、困ったような顔色で小さな溜息をひとつ零し。それから、ゆっくりと口を開いた。
「……自分は関係ないって顔をしている所申し訳ないが、お前もまた、指導対象者のひとりだぞ。3年D組の
「……は、ハート様? ハート要素何処……?」
なんか凄い名前出て来たな、というツッコミと。某世紀末漫画の敵キャラみたいなあだ名ついてる⁉︎というツッコミ。それらが二つ同時に喉元まで押しかけに来るも、なんとか呑み込んだ。
元ネタをよく知らないであろうハナは、何故そんなあだ名が付けられているのか分かっておらず、ふと疑問を零していた。徹君か洋太だったら、何かしら反応するんだろうけど。
「はて? 私は別に、悪い事などしていませんが……」
目線を左側へ泳がせ、顎に手を添えて首を傾げる愛澤さん。確かに彼は一見、特に迷惑を働いていない様に見受けられる。
だが賢道さんは険しい表情のまま竹刀で肩を軽く叩き、変わらず鋭い目線で言い放つ。
「道の真ん中で、椅子に座って休むな。通行人の邪魔だ」
「………ぐうの音も出ません」
至極真っ当な正論を突き付けられ、先程まで座っていた椅子を仲間の男子に預けて、道の真ん中にあった巨体を端へ退かす。ついでにずっと『いでえよ〜〜!』の呻き声を上げていた“ヤバい奴”も彼から離れ、再び椅子にガッシリとしがみついた。
やがて彼はしばし思案した後、ゆっくりと口を開いて再び言葉を発した。
「……………今朝の分も含めて、これで二度目だ。次こそは、模擬店の撤去に加えて反省文も書いて貰う……私の言ったこと、しかと理解したか?」
「……もう既に一度目やらかしてたのね」
冷徹な瞳をしながらも、仕方なさそうに溜息をついて機会を与える賢道さん。
それを聞いていたガラの悪い男子らは、空気が震える程の大声で歓喜。中には感涙に咽び泣く者までいた。賢道さんの話とユリアちゃんの呟きを聞いたハナは、私達にしか聞こえない声で「前科者…?」と呟こうとしていたので、慌てて彼女の口を塞いだ。
愛澤さんはというと。後輩達から感謝の眼差しを受け取りながら、賢道さんに深々と「ありがとうございます」のお辞儀をした後、静かに垂れた額の汗を拭う。
「ぶひぃ〜……では私はそろそろ、いちご飴を買いに行くとしますか……っと、そうだそうだ」
今度はこちらに向き直って、ブレザーの内側から取り出した一枚の紙を手渡して来た。
恐らく汗で若干湿ったその紙は、シワが入りながらも綺麗に二つ折りされており。広げると、この学校で発表される文化祭メインステージのタイムスケジュールが……お笑い部や吹奏楽部、ダンス部に軽音部などといった様々なパフォーマンスが、体育館で行われる事を教えてくれた。
そして彼が突いた太い人差し指の先には、『14:00〜15:00 演劇部』と文字が書かれているのが確認できた。
「我等“演劇部”のお贈りする劇……『木魚マックス』が開演されるので、是非ご覧になってくださいね?」
「あ、そうなんです……えっ、演劇部だったんですか!?」
「ちなみに役は木魚マックスです。嵌まり役でしょ?」
そう言われて思わず、白く太った体と木魚の様な頭部をした姿で動いているのを想像する。あまりにシュールな姿とかなりピッタリな役柄に、私とユリアちゃんは思わず吹き出しそうになり、ハナは「スゴいハマり役ですねっ!」と率直な感想を述べた。
受け答えを聞いた愛澤さんは満足そうに頷くと、ペコリと軽く会釈をして踵を返し。他のガラが悪い男子達は「ハート様がウチの模擬店に来る…だと…⁉︎」「道草食ってる場合じゃねぇ!」といった風に、慌てて彼の後を追って行ったのだった。
「……よし、我々も見回りを再開するとしようか。他の所でも、悪ガキ供が何かしでかしているかもしれないからな」
愛澤さん達が居なくなった後、風紀委員会の面々にそう呼び掛ける。彼らは「はっ!」と一斉に頷いて巡回へと戻って行き、賢道さんは竹刀を腰に差し納めながら手をスッと上げる。
「では君達も、存分に楽しんでいってくれ。
そのまま背を向けて、風紀委員の人達が先に歩いて行った方向へと姿を消した。
「「「……その子と、一緒に?」」」
賢道さんが残した言葉の一部を復唱し、ハナとユリアちゃんの方へそれぞれ視線を合わせる。二人の表情はまるで示し合わせたかの様に、困惑と疑問で満ち溢れており。
暫く立ち尽くしながら、彼が残した言葉の意味を呑み込む為にボーッとしていると。「にゃあ」と足元から声が聞こえて、私達三人は揃って目を向ける。
「あ、ネコちゃんだ」
そこには一匹の猫が……前にも洋太と一緒に見た事のある黒猫が、私の脚に身体をゴロゴロと気持ちよさそうに擦り付け、黄色く光らせた目で見上げていた。
卍 卍 卍
校門付近で起きたアレコレから10分ほど経った後。校舎内の入り口付近で行われていた受付を終えたみこ達はまず始めに、いくつもの模擬店や屋台が設置されているという校内の中庭へ赴いていた。
中庭のスペースは意外と広く、屋台や模擬店が所狭しと立ち並んでいて。お好み焼きや焼きそば、いちご飴にチェロスなどを販売している模擬店では、先程彼女達にやや強引な呼び込みを行なっていた世紀末チンピラ集団が接客を行っていた。彼らの姿に色んな不安が過ったが、いざ食べてみると意外と美味しかったので、その辺りは安堵する結果となった。(愛澤はもう既にいちご飴を購入したのか、姿はなかった。)
そして(殆どハナが食べていたものの)一通り模擬店を周り終えた三人は再び校舎内に戻り、受け取ったパンフレット片手に一階の廊下を歩いていた。
「へぇ〜!中の方は、思ってたより人が多いね」
「まぁ中庭の方は、ヤバそうな格好をしていた人達が何人もいたし……それで多分、人がこっちに流れて来たんじゃないかな……?」
ユリアがそう推測すると、ハナは確かにと苦笑気味に納得して頷く。
「それより、良かったのかな……? この子を、学校の中に連れて来て」
「んなぁ」
そんな中、みこは腕の中で丸くなる黒猫の喉元を優しく撫でながら、成り行きで学校内に連れてきた事について、今更ながらに心配していた。
「んー、だいじょーぶじゃない? さっき会った先生に聞いた時も、大丈夫だって言ってたし!」
「その先生、明らかにやる気のなさそうな返事だったけど」
みこはそう返しながら、スリッパを履いてた最中に邂逅した、草臥れた格好でやる気のなさそうな教師(銅八先生)の姿を思い出し。ハナが「猫連れて回って良いですか!」と聞いた際、「あー、いいんじゃねーの?」とスマホ片手に頭をぽりぽり掻いてさっさと立ち去った姿を思い返したユリアも、「確かに」と同意した。
「それで、えーと。洋太くん達のクラスって何処だっけ?」
「みこちゃんの話だと、喫茶店やってるみたいだけど……(あっ。あの人、たぶん取り憑かれてる)」
「うん、確かG組って所で──」
そんなこんなで、一抹の不安を抱くみこは気持ち良さそうに喉を鳴らしている黒猫を抱え、下らない雑談を三人で交わして廊下を進み……
『オ ソ ウ ジ オ ソ ウ ジ シ ナ キ ャ』
突如。廊下の真ん中付近にある階段からズルッと、触角が緑と黒のまだら縞模様に肥大化したカタツムリを、ロイコクロリディウムに寄生された蝸牛を彷彿させる姿をした巨大な化け物が這い出てきた。
(う、うわぁ……絶対ヤバいのが出て来た)
此処にいる中で唯一“それ”を認識したみこは、サザエの様に突起が生えた巻貝を背負ってうぞうぞと脈動する触角を蠢かせる化け物に対し、強い忌避感で背筋がゾワゾワするのを感じながら。ズルズルとのんびり、それでいて確実に進行して来るヤバい奴に口をキュッとさせる。
(……なんか、急に雰囲気が変わった? もしかして何か──なッ⁉︎ 一般人の背後に憑いてた霊が、押し潰された!? まさか、あの霊をひと睨みで除霊したというの?!)
一方、パンフレットに夢中になっていたハナとは異なり、みこが浮かべた微細な表情の変化に気付いたユリアであったが。男性に憑いてる所為で逃げられぬ所を背後からやって来た化け物に押し潰され、じっくりとムシャムシャ貪られる場面を誤認した結果。みこのありもしないチカラに戦慄し、何時もの如く勘違いをしてた。
やがて廊下道を塞ぐ程の巨体を持つカタツムリの化け物はズルッズルッとゆっくり、触角の先端が向かう先に居るみこ達の元へと鈍足を歩ませる。しかし化け物が見えていない彼女らは気付かぬまま、カタツムリの化け物にどんどんと近付いていってしまう。
一応、相手が人ならざるものならば、そのまま進んでも大抵は何事もなくすり抜けられるので素通りする事が可能だが……
「……ふ、二人ともっ。こっ、こっちに気になるのあったから、行ってみようよ!」
「えっ、そうなの?」
「なんで急に……? あ、いや、別に良いんだけど……」
今回ばかりは流石に、すり抜けるには余りに生理的嫌悪が勝ってしまったみこは、二人にそう言いながら来た道を引き返そうとする。
ハナとユリアが特に疑う事なく後ろをついて行こうとするのを視界に捉えながら、追い付かれる前にと腕に抱える黒猫と一緒に遁走を試みる。
『エッホ エッホ オ ソ ウ ジ シ ナ キ ャ』
(もう一体来たぁ!?)
「……ねぇみこ、どしたの? お腹空いた?」
──が。背後の道からも同じ姿をしたカタツムリの化け物がもう一体、うぞうぞと触角を動かしながら接近してくるのを見て。みこは大いに目を剥いて、心配そうな顔をしたハナに気遣われていた。
目論見が外れ、逃路を塞がれた動揺で思わず足を止めた、そんな折。欠伸をかましていた黒猫がむくりと頭を上げ、スルッとみこの腕から離れたかと思うと、横にある半開きになった引き戸の隙間を通って中に入って行く。
一瞬呆気に取られながら扉の方に視線を彷徨わせると、そこには“1ーD 縁日”という文字が記されたチラシが貼られていた。
「……こ、此処入ろうか!ネコも入って行っちゃたし!」
「? うん、そうしよっか!」
我に返って「此処に避難すれば良いじゃん」と盲点を突き付けられたみこは戸を開き、気色の悪い化け物から逃げるが如く、友達二人と教室内部へと足を踏み入れた。
中に入るとそこでは輪ゴム射的、輪投げ、ヨーヨー釣りなどの縁日ゲームが行われており。ダンボールで出来た射的用の輪ゴム銃や四種のリング、釣り針がついたこよりなどを手にした一般の子供達が楽しそうに興じる様子を、みこ達は入り口付近から眺めていた。
「にぁあ」
『…………』
(……こっちもこっちでいるし)
それで先に中へ入って行ったし黒猫はというと、窓際に設置された白いワイヤーネットの陳列台に飾られた様々なお面──の前で立ち竦む、虚ろな顔をした学ランの男子生徒の霊に釘付けになっており、時折前足をちょいちょいと伸ばしては“ソイツ”を触ろうと試みている。
「いたいた! そこで何して……あ、ラムラビのお面もあるっ」
お面屋の前で黒猫を発見したハナは、そのついでに見つけたラムダラビットのお面を見てパッと目を輝かせ。よく見てみようと、ラムラビお面に鼻先まで接近させている霊に気づかぬまま駆け寄ろうとする。
親友を霊と接触させたくないみこは咄嗟に「ちょっと待ってハナ」と、彼女の歩み足を急停止させた。
「おっ、お面も良いけど。あっちの輪ゴム射的、景品でラムラビのルームライトが出てるみたいだよ!早くしないと、他の人に取られるかも!」
「えっ⁉︎ あっホントだ! しかも期間限定販売で、今はもう売られてない奴!!」
「そうなんだ」
みこは咄嗟にそう言ってハナを引き止めると、射的屋の景品台にあるラムラビグッズを指差す。それに目敏く反応したハナが即座にお面屋(の前にいるヤバい奴)から離れたのを確認し、安堵する。
「よーし!射的屋はあたしがやるから、二人は他見ててね!」
「うん、いってらっしゃい(よし、次はネコを……え、ユリアちゃん?)」
早速射的屋へとひとり挑戦しに向かったハナに手を振り、身体を丸めて霊を凝視する黒猫の回収をしようとするみこだが……今度はユリアが、お面屋前の霊へと近付いて行こうとする。
「ゆ、ユリアちゃん? どうしたの……」
「……」
まさかと思ったみこはユリアに声をかけるも、彼女はそれに応えず。死んだ魚の目をした霊から五歩離れた所に立って、此処でやっとみこの方を見遣る。
(わかってるわ、みこ……さっきの貴女みたいに、ワタシにも同じ事をしてみろってコトでしょ!)
見せつけられた凄まじい才能(勘違い)や植えつけられたトラウマ(事実陳列罪)による畏怖を与えられつつも、今も尚みこに対して僅かながらも対抗意識を滾らせるユリア。
何を勘違いしたのか、みこの方をチラッと見てサムズアップ。先の廊下で見せた眼力のみによる除霊の光景を脳裏に浮かべ、霊の除霊を試みようとしていた。
「……大丈夫。こういう時の為に、“九文護身法”っていうのを覚えて来たのよ。(ネットでだけど) 声だって抑えてやるつもりだし、ハナちゃんの為に距離も置かせた……安心して見てて」
「いや、そういう事じゃなくて……!」
みこが止める暇もなく、ユリアは真剣な表情で目の前に居る
(見てなさい……ワタシだって、この間みたいに……!)
過去に溜まり場のトンネル内で一度だけ霊の浄化に成功した(してない)事のあるユリアは、決意に燃えた瞳で霊に向かって印を結ぼうと構えた。
みこは彼女を締め落としてでも、霊が刺激される前に止めるべきかと──
「──彼はやめとけ。君の手には負えない」
「……え?」
思った刹那。みこの背後から聞こえた声に反応したユリアは印結びを中止し、振り返って声の主を視界に収めた。
背後に居たのは、みこ達よりも年上らしき青年で。黒髪をセンター分けにした学ランの男子生徒は、みことユリアの横を通って、やがて霊の前に立ち止まった。
「……あー、ゴホン。そこの君、ちょっとイイかな?」
『…………おっ おれの コト?』
「そう、君の事だ」
不意に声をかけられた男性の霊は振り返って、ノイズがかかった声でゆっくりとそう聞き返すも、男子生徒は特に怖気づく事無く。優しく、かつキッパリと言い放つ。
「君は確か……先生に呼ばれていた筈だ。行かなくて良いのかい?」
『……そう だっけ?』
「担任の先生が言ってたぞ。11時半までに、職員室へ来るようにってな。それで今は、11時22分だったな? 早くした方がいいぞ」
『…………そうか そうだった かも』
男子生徒の諭しを受けた霊は首をひねりながらも、歪な形状をした頭をひょこっと下げながら、すうっと教室内から姿を消した。
(っ! ヤバそうなのが、どっかいなくなった)
「れ、霊を……祓った……⁉︎」
「別に祓ってはいない。少し、別の場所へ『移動』して貰っただけだ」
話し合いで霊を消した事に驚きを隠せないユリアがそう漏らすと、男子生徒は至極真面目にそう返してみせた。
そして同じ光景を目にしたみこは、自分のように無視するでもなく、洋太みたいに浄化させるでもない、全く別の方法で霊を追い払った男子生徒をジロジロと観察する。
目付きには影があるも、顔立ちは意外と整っていて。年上な印象を受ける背丈の彼は、黒猫と目を合わせようとしゃがみ込んで、指先で猫の額をちょんちょんと掠らせる。
「──1989年。当時この学校で、突然空から降ってきた隕石によって校舎の崩落事故が起き、50人近くもの生徒教員が死亡した。
死んだ彼らは地縛霊となり、学校の外へと出る事も出来ず、30年以上もの間ずっと校内を彷徨い続けている。さっきいた彼も、その地縛霊のひとりだ」
淡々と語り始める男子生徒の昔話は、黒猫がみこの方へと駆け寄って行くまで続き。やがてみこ達の方を振り返って静かに、柔和な笑みを浮かべてみせる。
「もしかして、貴方も能力者なの……っ!」
「…………別に大したことない。1年G組の見円洋太みたいに、悪霊を強制浄化させる事も出来ないしな」
「………あ、貴方は一体……?」
霊を見るどころか懐柔を果たす事が出来、洋太の能力を認知しているであろう男子生徒に対して。ユリアは能力者なのではと辺りをつけ、彼の正体が気になったみこは思わずそう問いかける。
すると彼はふっと口許に薄ら笑いを浮かべ、面白そうに眼を細めた。
「
●四谷みこ
実写版の中だと一番原作に沿った姿になっている可哀想な子。キャスト:原菜乃華。
なんか原作と比べてメンタル弱めなイメージを抱いたが、よくよく考えたら原作みこちがミツエさんに「大したもんだよ」と言われるくらい肝っ玉強者なだけで、映画時空みこちも十分頑張った方だったでござる。まぁ劇中で出て来る怪異が基本的に人型な分、異形の化け物が出て来る事が多い原作よりかは負担少ないと思う(見えてる時点で五十歩百歩だよ)。
MBTIは『
●百合川ハナ
実写版ではショートヘアからお団子ヘアになった腹ペコ娘。キャスト:久間田琳加。
黄金の右手を所持しており、曰くクジやガシャポンなどの運に関わるあらゆる戦いで常に勝利を収めてきた(意訳)らしい。劇中で善ママに取り憑かれた上、生命オーラ吸われまくって病院送りになったりと、原作よりも酷い目にあっている。原作がインフレしているだけかもだが、多分生命オーラがナーフされている。
MBTIは『
●二暮堂ユリア
実写版に伴い漫画アニメよりも身長が高くなったロリっ子。キャスト:なえなの。
映画だと四歳くらいの歳に両親が既に故人になっているらしく、彼らと話をしていた所為で周囲から不審がられた過去がある。写真部に所属している他、カイチョーに色々と指導して貰っているお陰なのかは分からんが、原作ユリアちゃんよりも霊能力者っぽい事が出来ている。結果はお察し。
MBTIは『
●権藤昭生
映画オリジナルキャラクターである男子生徒兼カイチョー。キャスト:山下幸輝。
実写版ではみこち達が通っている学校に居る、ミステリアスな男子生徒として登場。断じてイケメン俳優のイメージビデオ提供の為ではない。そして拙作に於いては、洋太達が通う男子校の生徒会長として登場。
MBTIは『
●愛澤屯栗
トゲトゲした髪の毛が有るタイプのハート様、みてーな容姿をしたデブの三学年。ドングリじゃないよ。
ちなみに彼が愛用している椅子には、過去にいじめっ子によって拘束されて陰湿ないじめを受けていたいじめられっ子の霊が縛られており、座った人間の生命オーラを吸い取る存在となっている……が、愛澤パイセンの生命力が割と高すぎてそんなに支障は出ていない。むしろ無駄なカロリーを消費してくれるので、ある意味有難い存在と化している。
MBTIは『
●賢道アザミ
常に厳格だが何処か天然な性格をした、風紀委員会所属の副委員長。メス男子。
彼が着ているミリタリー制服は家で直々に作成したもので、ミニスカ軍服を着たドイツ軍人をイメージしたコルセットショートズボンとミリタリーロリィタ風ジャケットを装着している。ブルアカで出てくるゲヘナ学園の、万魔殿や風紀委員会に所属するキャラクターの格好とか、その辺をイメージしながら書いた。ただし天雨アコ、(格好がエ駄死過ぎるので)テメーはダメだ。
MBTIは『
●ガラの悪い男子生徒の皆さん
みこちはあえて言及しなかったけど、ほぼ『北斗の拳』のモヒカンヒャッハーみたいな姿と喋り方をした男子高校生供。ものの見事にバカしかいねぇ。
ちなみにこの後、来訪して来た美人のお姉さんにテンションと性欲が爆上がりした結果、滅茶苦茶反省文を書く羽目になった。
●中級怪異『セイソウイン』
ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリを彷彿させる異形の化け物。学校を“お片づけ”〜。
カタツムリがコンクリートやガードレールの表面についた藻を食べるみたいに、通り道にいる怪異やその残留物を食べて掃除するヤバい奴。元は男子校で働いていた清掃員で、死んで霊になった後は色々あって突然変異を起こし……結果こうなった。ロイコクロリディウム状態になっているのは、取り憑かれる様に仕事をしている〜みたいな暗示の為。あと単純にそっちの方がキショいと思ったから。
ウルトラQのゴーガあるいはシン・ウルトラマンの溶解禍威獣カイゲルを思い浮かべながら書いた。