小6vs世界   作:ツーカーさん

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1発ネタ。

お前小6じゃないだろうというツッコミは小5の出木杉君が消し去ります。




この歳で世界相手とかふざけんな…助けてドラえもん!!!!

 

 

 大体2週間くらい前か…晴れてこの小学校から卒業して、そのまま卒業パーティなんてのを金持ちの友達の家で開き、涙ながら遠くへ引っ越してしまう友達に別れを告げて、どこにいたって俺たちは友達だぜ!と小学生っぽく最高の青春を終えて、まだ残っている友人と一緒に新たな桜を拝もうと近所の中学校に足を踏み入れた時だった。

 

 「………なんか、違くね?」

 

 今しがたその雄大に見えた校舎は掻き消え、代わりに現れたのは6年間も通い続けた見慣れた母校。

 ……友人達と自分は学ランではなく、私服の姿に戻っておりランドセルを背負っていた。

 そして、友人達はなんの疑問も驚きの声も出さず、そのまま生徒の玄関口へと談笑しながら歩いて行った。

 

 ………神さま、私は何か悪いことでもしたでしょうか。

 

 荷物を落としたお婆ちゃんが居れば荷物を拾って目的地まで一緒に付いてってあげたり、道に困ったおじいさんが居れば道案内をし、道端で出会った可愛い女の子が困った顔をしていれば、助け舟を出すくらいには善性に重きを置いて過ごしていた筈です。

 

 ……神さま、お願いです答えてください。

 

 「俺なんか悪いことしました?」

 

 「何いってるのさ兄さん?今日は僕が折角早起きしたんだから、早く教室に行こうよ」

 

 「いや、ごめん。何でもない…ウンそうだね。行こうか…」

 

 …俺の弟は神様じゃったか。今は君のその無邪気で優しそうな表情が俺の癒しだよ。

 

 頭が狂いそうになりながらも、また思い出深い母校に足を運んで行った。

 

 

 

 

 

 ○月×日

 

 今日のこの混乱を忘れないように日記をつける事にした。来年を迎えた時にまた同じことが同じ日に起きていないか確認するためでもある。

 

 最も信頼のある後輩の出木杉に今日が西暦何年何月何日かと聞いてみれば、返ってきた答えは2000年4月6日だった。序でに平成12年とまで言ってきた。

 ……西暦が変わっていないことに驚き、何度問い質してもその答えが帰ってきた。

 クラスメイトに聞いても全員当たり前だろ、とでも言った感じで同じ答えを返してきた。

 

 恐怖である。

 発狂しなかった小6の俺を誰か褒めてくれ。この前出会った女の子でもいいから。

 ついでに時計屋に行っても設定されている年の表示が去年と変えられて居らず、さらに絶望した。

 

 ……丁度4ヶ月前にしっかり年越しは終えた筈だ。地球にいなかったと言い回るために友達と年越しジャンプをやっていたのだから。それに、次の日の朝のニュースにしっかりと2001年と表示されている日付時刻表を見たのを覚えている。

 

 国を挙げて俺個人へのドッキリと言われれば是非言ってほしい。もうお茶の間爆笑のリアクションを披露するからさ。勘弁してくれよ。こういう正体不明の摩訶不思議現象が一番怖いんだって。

 

 泣いていいか?泣くぞごら!

 

 

 

 ○月+日

 

 なんてこった…弟の勉強机から青いタヌキが出てきた。あと、序でに弟の孫の孫であるセワシという少年も。

 

 彼の名前はドラえもん。

 22世紀の未来からやってきた子守用の猫型ロボット。タヌキというと怒ったので今後はちゃんと猫として扱う。……案外可愛いかもしれない。何だろう、凄くこの丸っとしたフォームに癒される。ずっとそばに居てくれ。

 身長体重共に129.3cm(kg)。

 四次元ポケットなる不思議なポケットからタケコプターという道具を取り出し、俺と弟を空へと飛ばしてみせた。

 

 空の旅は実に痛快。まさか、未来ではこうも簡単に空を飛ぶことが出来るなんて…領空権がどんなことになっているのかとても気になる。

 まあ細かい事を捨てていうと、空の旅はとてつもなく楽しいという事だ。自由に空を飛べたらという子供の願いを叶えてくれたドラえもんにはとても好印象を抱いている。空の旅と行きたくなったらまた頼もう。

 

 そして、彼らが来た理由についてだが。

 

 俺の弟は()()()()成長して大人になり*1会社を立てて起業したらしいが、会社の創立パーティ中に花火をして大火事になり大赤字となった。借金は150年後の孫の孫の代まで続いて好きなものもロクに買えないような状態でお年玉も50円しか貰えないほど酷いという。(その割にはドラえもんという子守用ロボットを買っていて余裕ありそうだな。(詳しく聞くと落ちこぼれだったドラえもんを偶然間違ってほぼ無料で落札したらしい。ドラえもんはちょっと拗ねてた。可愛い))

 

 俺はセワシの大叔父に当たり、大おじいちゃんと呼ばれた。小6なので不思議な感じ。殆ど同年代からの大おじいちゃん呼びは新感覚で何かに目覚めそうだ。

 弟ののび太と違って1万円程のお年玉を俺の息子から貰っているらしく、いつもありがとうと手を握ってくれたほどだ。……なんか目覚めそう。いい子いい子してあげたくなるなウチの弟の孫の孫。

 

 ちょっとズレたが。要はセワシ君とドラえもんは過去の改変に来たという事だ。その任をドラえもんは任されたという。

 どの様な改変かと聞いてみれば、ウチの弟を駄目人間から真人間にして、結婚相手をジャイ子さんから静香さんに変えるというものだった。

 

 ……俺も一応のび太のダメな部分は矯正しようと頑張っていたんだ…それでも無理だったんだなぁ…。我が弟ながら恐ろしい駄目人間っぷりだ…。最近はテストの平均が10点台に入り始めていたので喜んでいたのだが…それでも足りなかったようだ。残念。

 

 結婚相手を変えるのはまあ、お互い望むなら文句はない。というか、以前からのび太は静香さんの事が好きだったのは分かっていたからね。顔と行動に出過ぎなんだよね。分かりやすくて個人的に好きだよ。弟のそういう素直なところ。

 

 あと、セワシ君から結婚相手を変えるのは大丈夫なのか、君の存在は消えたりしないかと質問したところ。大阪理論で大丈夫だと答えてくれた。

 大阪理論とは、目的地が大阪で色んな乗り物を乗りながら行ったとしても、進むべき方角さえ合っていれば、大阪に着くから問題ないという理論である。つまり、のび太が結婚する事でセワシ君が生まれるのは確定するので、後は借金地獄のジャイ子さんと結婚するより明るい未来が待ってる静香さんと結婚した方が良いという事だ。

 

 未来って結構簡単に変えられちゃうのね。

 

 因みに、俺のお嫁さんについても聞いたのだが、何故だかはぐらかされた。

 「大おじいちゃんのお嫁さん()はちょっと…言っていいか判断に困るなぁ…」って。

 

 『達』って何、『達』って。俺の結婚生活どうなってるの?未来の日本で重婚化OKされてたりする?

 え、俺そんなに女の子引っ掛けてた事ないと思うんだけど。女っ気なんて今まで無かったんですけど。どうなるんですか?教えてくれよセワシ君…。俺はいったい何人と結婚してしまうんだ…?

 最後に、ドラえもん達に『ループ現象』*2について聞いてみた。

 だが、ドラえもんとセワシ君に聞いても「?」と返されるだけだった。

 

 明らかに君たちだろ!?なんかしたろ!?それしかないんだって時期的にも絶対!と言っても「今日は色々なことがあって疲れてるんだね大おじいちゃん…」セワシ君に心配され「詳しい話は明日ドラえもんに聞いて、それじゃ僕は帰るから」と言ってセワシ君はドラえもんを置いて未来に帰ってしまった。

 

 俺たちにはドラえもんという新しい家族が増えた。

 

 …ええい、こうなったらお前(ドラえもん)の身体に抱きついてめいいっぱい甘えてやるぞ。子守用ロボットなんだろ?泣かせろ!

 

 

 ○月±日

 

 ドラえもんに甘える瞬間は最高でした。あの子守用ロボット声が可愛い過ぎる。照れた時の声なんかお前女か?と思うほどだった。あざといぜドラえもん。

 

 僕は男の子だぞ!と怒っていたけど、男の娘の間違いじゃないかい?俺男でもいける気がしてきた。ありがとうドラえもん。

 怒った声も可愛かった。俺の天使。どら焼きが好きだというので早速小遣い叩いてどら焼きを3個買ってきた。ご機嫌取りとも言う。

 幸せぇ〜。とどら焼きを食べながら頬を緩ませる姿に俺の目は焼けた。

 ウチの新しい家族が可愛すぎる。俺もうドラえもんでいいよ。

 

 と、そんな和む空間に泣きながら入ってきた我が弟、野比のび太。

 俺は条件反射でそんなのび太の為に温かいお茶と暖かく濡れたタオル。そしてティッシュと座布団を用意した。

 

 まず座布団に座り、ティッシュで流れ出ている涙や鼻水を拭いてから、暖かく濡れた清潔タオルで顔を拭きさっぱりさせ、暖かいお茶で一息いれる。俺ののび太専用落ち着かせコンボである。

 

 一度落ち着いてから、のび太は事情を話し出した。

 

 どうやら、新学期早々やる復習テストで0点を取ったらしく。スネ夫とジャイアン達に馬鹿にされて俺とドラえもん頼りにここまで来たようだ。

 …それにしては随分帰りが遅かったな。

 

 聞いてみると、テストの点数が低かった罰ゲームとしてジャイアン達のランドセルやらバッグを持って各自の家に届けていたようだ。

 

 相変わらずのガキ大将ぶりに彼のお母様を呼ぶ準備をしなくては…と使命感に駆られるが、ドラえもんが待ったをかけた。

 

 ドラえもんが取り出した秘密道具は『暗記パン』。なんでも、本の類の文面にパンを押し付けると書いてあることが記録され、それを食べることで記録した書体の文面部分を完璧に記憶出来るパンのようだ。一枚につき丸々片面1ページ分。

 覚えられる量はそこまで多くはないがのび太としてはとても有り難い道具の様だ。この学校は異様に小テストの量が多いからな…。

 

 片面1ページ分覚えるのにそんな苦労が必要か?という質問を我が弟にするのはナンセンスだ。弟は20文字以上の説明はこんがらがって分からなくなるのだ。

 

 試しに暗記した部分について問題形式で出題してみると、のび太ではあり得ない速度で回答してきた。しかも全問正解である。

 …コレが未来の秘密道具か…すごいな。

 

 コレでジャイアンとか言う奴にも馬鹿にされないだろう。とドラえもんは言っていたが。

 

 彼の姿を思い浮かべると、良い点になって有頂天になっているのび太にムカついて殴ってきそうだ。

 

 それを伝えるとのび太もそうなりそうだ…と不安をこぼした所、ドラえもんは『透明マント』というマントを出した。

 

 コレを被っている間は相手から自分が見えなくなる様だ。

 

 試しに俺が透明マントを被ってみると、本当にのび太達から見えなくなった。

 悪戯で小突いたりすると『ちょっとやめてよー!兄さん!』と言ってくるが、完全にこちらに気づいた様子はない。

 

 光学迷彩というのを実感した。未来の技術は素晴らしい。

 

 しかし、触れ過ぎると流石にこちらの位置を特定できる。それに、消えているのはマントを被っている自分自身だけで、それ以外の物体は消えない。マントの中に一緒に入り込むと消えて見えなくなる。

 

 一通り透明マントの性質を理解した俺は透明マントをドラえもんに返した。ちょっとのび太に小言を言われたが気にしない気にしない。可愛い悪戯なので許してほしい。

 

 明日ののび太がどうなるのか気になるなぁ。早く明日にならないかな。

 

 

 

 ○月÷日

 

 のび太はボコボコになって帰ってきた。えっ何事。

 

 暗記パンによりテストで高得点を取ったのはいいが、案の定ジャイアンとかスネ夫がその状況を気に入らず、殴りかかってきたのだという。

 そこで透明マントを被って隠れたのはいいが。

 

 我が弟はその状況で完全に調子に乗ってしまった様だ。

 逃げるならまだしも、今までの仕返しとしてジャイアンとスネ夫を懲らしめていたのだが、途中木の枝か何かにマントが引っかかり、姿が見えるようになってしまい、結局ジャイアンとスネ夫に見つかりボコボコにされたそうだ。

 

 うん…なんだろうな。

 調子に乗ると失敗する癖が全く治ってないな。

 

 すごく…俺の弟らしいです…。

 

 ドラえもんが…おーヨシヨシ。と泣くのび太をあやしている姿が、過去の俺と重なった。

 …やっぱりドラえもんと俺は一心同体のパーペキ夫婦なのでは?

 

 因みに、透明マントの上位互換で石ころぼうしというのがあり、そちらは触れても存在を認知されないらしい。

 なにそれ凄い。気配を石ころにするって何だよ。ゼル伝か?

 

 あと下位互換のモーテン星というのもある。効果はつけてから1時間と性能も制限時間もちょっと頼りなく人を選ぶ。

 使い分けだろうか。石ころぼうし一つでいい気がしてきたが…どうやら石ころぼうしは二つと比べると値段が高いらしい。そりゃそうか。

 

 

 P.S 大事な事を書き忘れていた。ドラえもんに甘えている最中に聞いた事だが、本当にループ現象については知らないようで、ちゃんと時は進んでいるとの事、じゃないとドラえもんやセワシ君の存在がおかしい事になるからだ。それに、わざわざ一年後の未来にタイムマシンで連れてって貰い、中学生になっている自分を見てきた。正直、謎は深まるばかりだが、たしかに時は進んでいる。現在進行形でもそうだ。「だから、心配いらないよ」とにこやかに笑って俺に手を差し伸べてきたドラえもんの姿が脳裏に焼き付いて離さない。

 やっぱり俺男もいけるかもしれない。それかドラえもん、今からでも遅くはないから女の子になろうよ。俺、立派なお婿さんになるから。

 

 

 

 ×月@日

 

 誰にも縛られない場所は何処か、とのび太が俺に相談してきた。

 俺は「そんな場所は存在しないが、強いて言えば空」と応えると「それじゃあどうすればいいんだ!僕はもうおしまいだー!」と泣き叫んだ。すぐさまティッシュと温かい茶を用意した。

 

 何事かと聞いてみれば、ジャイアン達と遊んでいる最中工事やらなにやら、まあともかく大人の都合とやらで、遊ぶ場所が少なくなり、何故か新しい遊び場を探す役目をのび太が押し付けられ、ジャイアン達が新しい遊び場を見つけてこないとぶん殴るぞ。と脅されたのだという。

 …ジャイアン改め武くんさぁ……。すぐ暴力で解決しようとするのやめようぜ?

 

 因みに、そんな俺たちの話を聞いていたドラえもんは「それじゃあ!雲の上を遊び場にしよう!」と提案してきた。

 

 取り出した秘密道具は『雲かためガス』。このガスを雲に吹き付けると雲が固まり、その上を立って活動が出来るのだという。…未来ってすげぇ。

 

 のび太、スネ夫、静香さん、ジャイアン、ドラえもん、俺とその他のび太や俺のクラスメイトは雲の上の天国で遊び呆けた。どんどん豪勢になって遊び場が増えていったのも全てドラえもんのお陰だ。彼は本当に子供に夢を与えるのが得意な様だ。

 

 雲が流されるのをドラえもんが忘れてて帰るのはちょっと大変だったけど。

 

 

 ×月=日

 

 ぶははははははは!!!

 

 ジャイアンが素っ裸でスネ夫を追いかけている所を見かけて思わず爆笑してしまった。

 

 後で事情を聞いてみれば、ドラえもんがのび太に『着せ替えカメラ』という、服を書いた絵を差し込みその状態で人に向けて写真を撮ることで、瞬時に着替えが出来るという便利な道具を貸していたようだ。

 

 ところが、のび太が調子に乗って女の子ものの服をジャイアンとスネ夫に着せてしまい、2人を怒らせ、着せ替えカメラを奪われてしまったようだ。

 その事を聞いたドラえもんは2人がクラスの女子達の前でファッションショーをやるという事を聞きつけ、邪魔した結果がアレらしい。

 

 ファッションショーをどう邪魔したら素っ裸ジャイアンが生まれるというのか。

 

 久しぶりに大きく笑った。ドラえもんが来てから毎日が飽きなく楽しいな。

 

 

 

 ☆月〒日

 

 何日かして。

 のび太は俺よりもドラえもんを頼りにし始めた。寂しいが。ドラえもんに頼った方が面白いし、手取り早いからな。毎回痛い目に合ってるけど。そして、のび太がドラえもんの道具のせいだ!と言いがかりをつける光景にも慣れてきた。2人の仲が段々と良くなっているようで兄としてとても嬉しい。

 最近、俺もあれば良いなという秘密道具があるので、ドラえもんに相談してみた。

 

 珍しいね、良いよー!僕に任せて!と意気揚々とポケットを弄る姿は可愛らしかった。頼れる男に惚れそう。

 

 俺のお願いとはエスパー忍者になってみたいという願いだ。

 ……本当は他にもある。ぶっちゃけそっちが本命で、今回はその過程だ。今は地道かつ時短で出来る特訓から。

 

 ドラえもんに出してもらったのは、『E.S.P訓練ボックス』と『ニンニン修行セット』、どちらも過去にのび太が挑戦して結局失敗したか諦めた道具だ。

 そして、俺が序でにお願いして出してもらったのは『エイコーノトビラ』と『ケッシンコンクリート』『時門』だ。

 

 まあ、ここまで揃えば何とかなるだろう。ちょっと他所様に迷惑になってしまうが、なるべく早く終わらせるつもりだ。何より、エイコーノトビラは中が精神と時の部屋の様に時間軸がこことは異なるので問題ない筈。本来であれば2ヶ月はダイエット期間が必要な量をウチの母親は見事10分くらいで成功させていたからな。

 

 ケッシンコンクリートでE.S.P訓練ボックスとニンニン修行セットの両方を完璧にマスターすると、決心してから、エイコーノトビラに宣言して扉に入る。外ではドラえもんが時門によって少し時の流れを遅くしているので、…計算では現実時間3時間後、時門があれば実際に流れた時間の30分後にエイコーノトビラから出れる計算だ。

 

 本当にやるの?と引き気味に聞いてきたドラえもんには悪いがケッシンコンクリートを飲んでしまった以上やり切らなければならない。

 

 ちょっとした憧れへの挑戦さ。なに、大丈夫。ちょっと夢を叶えに行くだけ……。

 

 

 

 

 

 

 超疲れた。

 

 ドラえもんちょっと抱きしめさせて…そうそう、すぅぅぅぅぅぅぅぅう。

 

 

 

 

 ☆月☆日

 

 E.S.P訓練ボックスの訓練がやはり一番長くなってしまった。ニンニン修行セットの方は割と早めに終わったが、それでも1年はかかった。

 水上歩行の術は…一番最初に覚えたし、なんならエスパー訓練と併用して道具無しで出来るようになってしまった。一番最初に覚えたのにあまり意味がなかったのがちょっと心に辛かった。

 次は、天狗飛昇の術。屋根より高く飛べる脚力どころか、その二倍の推定20mの高さなら楽々と飛べるようになった。……ケッシンの力って凄いんだね。あと、ロボットツリーはまだ成長出来そうなので、跳躍力は更に上がると思われる。

 忍者の最後は、疾風百里行の術。風のように早く走れる修行で、確かに早くなった。エイコーノトビラの師匠が計測した結果。50mを1.59秒で走れるようになっていた。亀仙流の修行に付いていけるかもしれない。毎度修行する時は尻尾の長い褌一丁になるので、エイコーノトビラ内でやっていて本当に良かった。流石にアレは恥ずかしい。

 

 E.S.P訓練ボックスで訓練することは、『念力』、『透視』、『瞬間移動』だ。

 

 まず念力、これは非常に便利で自身の身体を浮かせることも可能な為タケコプターいらずとなった。まあ、ずっと使うと流石に疲れるので要使い分け。あと、これのおかげで水上歩行の意味がなくなった。くそぅ。

 透視はそのままの意味だ。…エッチな事に使う予定は……多分ない。今のところ使う用途が思いつかないが習得していて損はないだろう。ドラえもんに使ってみたら中身が複雑すぎてダメだった。エッチじゃなかった…。

 瞬間移動、コレもとても便利だ。自分が一度行った事ある場所ならばそこへ瞬間移動出来るし、視界内ならいつでも。ドラえもんに目がとても良くなる目薬なんてあったらもっと瞬間移動範囲が増えるかもしれない。この街で俺から逃げられる奴は居なくなった。

 

 単純な身体能力の強化とエスパーの習得。後はコレを日常的にしていって、完成だ。あと出来れば、腕力が欲しいな。正直脚力は十分過ぎる程に育った。これ以上やると筋肉が骨格の成長に悪影響を及ぼすかもしれないから適度に維持していく感じで良いだろう。

 

 昨日は書き忘れていたが、ドラえもんからは『凄い!凄いよ!君はあの辛い修行をやり切ったんだ!!凪くん!!』と言われたので俺は思わず顔を赤くしてしまったぜ。ドラえもん、褒める才能ありすぎ、俺そこまで褒められると照れちゃう。

 

 今更だが俺の名前は『野比凪』である。凪という字の如く、穏やかに育っていって欲しいという両親の願いの込められた大切な名前である。初お披露目だったね。

 

 因みに中で三年過ごした筈だが、肉体年齢は全く変わっていなかった。

 ちっとも身長が伸びていないので、もしかしたらエイコーノトビラはそこら辺の時空間の調節はきちんとしているのかもしれない。もし、成長していたらタイムふろしきに包まれて3年前に戻るつもりだったんだけどもしかしたら今まで修行した事がパーになっていた可能性があるので、助かった。

 

 俺の変わりようを見たのび太は自分だって!と意気揚々と同じことをしようとしたが、俺が必死に止めた。超頑張って止めた。ケッシンコンクリート飲む前に止めた。

 

 アレは飽き性なのび太にとって辛過ぎる…ケッシンコンクリートを飲んでも辛いだけだと思う。

 だから必死に止めた。アレは俺の様に夢や目標があるから成せる事だ…。

 

 

 

 

 ☆月-日

 

 家の前にジャイアンとスネ夫が来たかと思えば、野球のお誘いだった。

 のび太を呼んでいたが、のび太はまたエラーを出して僕が殴られるんだと野球に消極的だ。

 そこでドラえもんが出したのが『ガッチリグローブ』という、球が勝手に吸い付いて絶対にエラーしないというグローブだ。

 

 未来は多種多様な状況の子供に合わせて秘密道具を作っている様だが……そのゲームって楽しいか?まあ、のび太的には楽しんでいるし、こういう子供に必要な物なんだろう。需要があるから販売しているんだし。

 

 あと、人数が足りないようなので俺も野球に参加させてもらった。唯一の先輩枠だ。

 鍛えた体を試すチャンスでもあるので、存分に楽しもうと思う。

 

 

 やりすぎちゃった。

 

 俺の投げた球はジャイアンですら取ることが出来ず、俺がかっ飛ばした球は空き地の範囲を軽く飛び越え、おフランス製である野球ボールは何処かに行ってしまった。スネ夫君には申し訳なかったので、貯金の3000円を渡しておいた。

 

 せ、先輩から受け取れないですよ!と言われたものの、紛失してしまったのは俺なので弁償すべき立場である。それに、確か前にのび太が素っ裸になったきっかけでもある『フエール銀行』に10円を入れて1週間経ったので、既に約9000万円ある筈だ、少し下ろしたところで問題ない。…未来はハイパーインフレでも起こってるんだろうか。

 

 因みに「是非我がジャイアンズのレギュラーとして出場して欲しい!」とジャイアンから誘われてしまった。本当だったらのび太がエラーせずに野球をして名誉挽回という…狙いだったのだが…なんかごめん。

 

 と思ったら「ふぅ〜。これで殴られずに済むよ。ありがとう兄さん!」と感謝を述べられてしまった。

 

 …偶にのび太がアウトドアになったりインドアになったりちょっとよく分からないよ…俺。

 

 

 〒月£日

 

 ドラえもんに、が、ガール、ふれ、ふれ、ふれふれ、ふれんど????

 

 終わった、俺のアイドルが女狐ならぬ、雌猫に取られた。いや泥棒猫か。

 うっそだろ。マジで?本当に?もうループ現象とか言ってる場合じゃねえよ。

 

 ループ現象よりドラえもんのガールフレンド何処だゴラァ。

 

 ……やっぱりよそう。ハナっから無理だったんだ。俺は男で人間。ドラえもんは猫型ロボットの可愛いアイドルで男の娘。…天と地ほどの差があったんだワ。

 

 のび太、聞いてくれよ。ドラえもんにガールフレンドが出来たんだってよ…。慰めてくれよのび太。

 

 ~ンアァァ。猫になりてぇ〜。

 

 

 〒月…日

 

 元気が出ない。ドラえもんはミーちゃんとかいう雌猫にご執心だ。今日も鰹節を届けに行くのだという。

 大丈夫ドラえもんソレ?鰹節詐欺にあったりしてない?鰹節を毎日望んで徐々に望むもののハードルを高くして特上マグロまで行っちゃう詐欺なんだけど。ンな詐欺ねぇよ。しかも猫は詐欺なんてしねぇよ。馬鹿か俺。

 

 今日はドラえもんから借りた『鉛の傘』というただただ重い鉛で出来た傘を素振りしながらミーちゃんに叩きつける妄想特訓をした。気分は晴れなかった。

 

 ループ現象に関することでも考えようかと思ったが全く解決策なんて浮かばないし、現状それを確かめる術はない。タイムマシンで一年後に行っても俺が中学生になっているのは確定しているのだから。気長にまた一年経つのを待つしかないのである。

 

 

 

 

 

 ¥月+日

 

 スネ夫に自慢され、のび太が嫉妬し、何かしらドラえもんに頼むというのも定番になってきた。

 

 スネ夫の奴、どうしてそこまで自慢したがるんだろうか。22世紀のロボットと対抗して虚しくならないんだろうか。

 今日は世界三大珍味を自慢されたらしい。

 

 のび太がドラえもんに頼った末に出てきたのは…というより既に俺と2人で楽しんでいたのだが。(食べていたのは新作の抹茶どら焼きである)

 『味見スプーン』という、写真にある食材にスプーンを突っ込んですくうと一口だけその写真の食べ物が食べられるという物である。

 『グルメテーブル掛け』の完全下位互換に思えるが、『味見』という部分が重要だ。先に食材の味を知ることは大切だからな。美味いと判断したらグルメテーブルかけで注文したら良いし、不味かったら注文しなくていい。頼んでも不味くて食べられませんでした、じゃ、勿体無いからな。『味見スプーン』は『グルメテーブル掛け』とセット運用するものなのかも知れない。

 

 ……未来は何に困っているというのだろう?

 ドラえもんから時空犯罪者の話を聞いたことがあるが、彼らは何が満たされないんだ?金はフエール銀行でほぼ無限に、食事はグルメテーブル掛け一つで全て解決するというのに。…値段もそこまで高くなかったし。

 

 

 話を戻して、実際に味見スプーンで世界三大珍味を食べてみての感想だが…『珍味』であって、『美味』では無かった。どちらかというと『微味』。キャビアは小学生の舌じゃしょっぱ過ぎるし、フォアグラは舌が鋭くないというのもあるがあん肝に似ていて判別がつかない。トリュフは…ごめん。なんか味があんまりしなかった。

 

 ドラえもん、俺、のび太、ジャイアン、静香さんの出した結論は『大したことない』という結果に落ち着いた。

 その後、世界一臭いと言われるシュールストレミングを開封する場面に立ち会い、吐きかけた。……くさやとどっちが臭いんだろうか?なんて考えながら昇天しかけた。

 

 その後皆んなでスネ夫にちょっとした悪戯を仕掛けることにして、シュールストレミングを食べさせた。

 結果は大成功、スネ夫はギャグの様にぶっ倒れた。南無三。

 

 

 

 %月∽日

 

 ジャイアンのリサイタルというものに興味があったため参加してみた。

 ドラえもんは一度参加したことがあるらしく、辞めといた方が良いと言われ、のび太もなんども誘われている為か、絶対に来ない方が良いとまで言われた。

 

 ……逆に気になる。

 去年はそこまで接点もなかったのび太の友達だが、ドラえもんが加わってからほとんど毎日の様に会っているし、何かしら珍事件が起きている気がする。そんな彼らの1人ジャイアンの晴れ舞台?が気になる俺は、空き地へと制止を振り切って向かった。

 

 のび太とドラえもんの足取りは非常に重い。本当に嫌そうだ。

 何がそこまで嫌なのか逆に気になる。

 この様子では絶対に歌など上手くないのだろうが…音痴であったとしても、単に暇な時間が流れてしまうだけでは?と考えている今日この頃。

 

 

 

 

 

 

 ……認識が甘かった。

 あれは怪音波と言われても仕方ない。空間が震えているのを目視出来たぞ。なんだ彼は超能力者か?

 そして錯覚からか、地面が揺れている様にも感じ、途中気絶する者も現れた。

 

 …スネ夫がいつだかジャイアンの歌の事を公害と呼んでいたが…確かにその通りかも…というかそうだろう。騒音被害で訴えられてもおかしくないぞ。神成さんはよく訴えないな…。

 

 

 %月:日

 

 ドラえもんの住んでいる襖の中に色々と写真が増えてきた。俺たちとの思い出であったり*3、何か未来の世界のポスターであろう紙。そして中には、伊藤翼や丸井マリ、星野スミレといった人気のアイド…………どらえもん?

 

 ……人間もアリなのか?

 

 アリなんだよなぁ!?!?

 

 

 

 ¥月•••日

 

 今日もまたもやスネ夫の自慢から始まった様だ。

 ティラノサウルスの爪の化石をスネ夫から見せられたらしいのだが…どういうわけか…のび太は丸々ティラノの全身の化石を見せてやると啖呵を切ったらしい。

 

 なんでも、のび太にだけその爪の化石を見せなかった様だ。……なんであの子はのび太だけそんなに意地悪をするのだろうか…。結構ドラえもんの道具で懲らしめられてる筈なんだけど…。俺からも超能力の念力で振り回されたりして大変なのに…。(ジャイアンも同様)

 

 まあ、その結果飛び火するのがドラえもんだ。

 

 流石にアメリカが生息地であるティラノの化石を出すことなんて不可能に近く、ドラえもんものび太になんでそんな無茶をいつも押し付けてくるんだよぉ!っと、怒っていた。

 のび太はどうしても悔しいらしく、自分で探す!!と叫んで何処かに走り去って行ってしまった。

 

 やれやれと言った感じで俺とドラえもんが見つめ合うのはいつものことだ。ヤダ…なんか目が合うとキュンってする。

 

 

 

 

 …そしてのび太は、恐竜の卵を見つけた。

 

*1
ココ重要

*2
今の時間停止にも似た現象をそう名付けた。

*3
超ほっこりする




クレヨンしんちゃんの劇場版にもお邪魔する主人公書きたいね。


オリ主not転生者。なので原作知識など無い。

もしものび太にお兄ちゃんが居たらという、いつぞやののび太が作ったIFワールドである。尚、本人はサザエさん時空に気づいた模様。

因みに急に人並み外れた力を手に入れようとした理由は割と子供っぽくて単純だけど、本人にとっては重要な事。

女性のタイプは甘えられる包容力のある人。

ヒロインレースで現在ドラえもんがトップ。声はわさドラ想定。のぶドラ声だったとしても多分主人公はドラえもんにメロメロ。

ノラミャー子さんの存在を知れば完全に脳が焼ける。

ドラミちゃんが来たら多分毎日脳が焼かれてる。
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