貞操逆転世界で俺はチョロ可愛いをしてるらしい 作:黒鉄48号
流れ流れて時は放課後。
午後のIS整備授業は箒さんが馬鹿力でねじ穴を
ちなみに前者については途中でネジが一向に外れないことに業を煮やした彼女が、持ち前の馬鹿力で強引にパネルを引っぺがそうとした瞬間に千冬先生の出席簿が炸裂。その後に「放課後に私のところに来い、いいな」の一言で幕を閉じた。
今頃は原稿用紙を前に唸っているはずである、合掌。
それはさておき、己が生み出した劇物をその身を持って味わったセシリアさんはそれはもうやる気満々であった。
「勇さん! 厨房の使用許可を頂いて参りましたわ!」
「はやっ!? 俺、これから山田先生のとこに取りに行くつもりだったんですけど……」
「善は急げと申しますでしょう? あと、『火を扱う時は必ず二人以上でやってくださいね』とのお達しです。それと、本日のアリーナ利用枠も返上しておきましたわ!!」
エッヘン、と妙に自信満々に胸を張る彼女に思わず乾いた笑いが漏れる。とはいえ代表候補生が訓練を自分から蹴るなんざ、明日はきっと槍の雨でも降るのではなかろうか。まあともかく、あの一切れはそれだけ悔しい代物だったようだ。
というわけで、寮の共用キッチンには俺とセシリアさんを筆頭に昼飯の時のメンバーが集合していた。ただし箒さんは未だ反省文が書き終わってないので除く。
「べ、別にあたしは暇だったから来ただけよ? 味見役が足りなくなったら困るでしょ、どうせ」
「はいはい。まあお前の舌は頼りになるしな、アレンジさえ控えりゃなおいいけど」
「うっさい!」
ぷいっとそっぽを向く鈴の傍らでは、シャルルが所在なさげに壁際の椅子へ腰を下ろして相変わらずの困り顔を浮かべていた。
「僕は見学だけでいいかな……料理の腕は、その、最近あんまやってないからさ。邪魔になっても悪いし」
「いえ、無理に手伝ってもらうのもあれですから。ところで同室の人には話を通してあります?」
「あ、えっと。
視線を落として苦笑いする彼に、それ以上は聞かないでおく。転入して日が浅いどころではないのだ、そういう距離感になるのも仕方ない……ということにしておこう。
そんな話をしているうちに、廊下の向こうからガサガサと袋の擦れる音が近づいてきた。
「悪ぃ、遅くなった!」
そんな言葉と共にやって来たのは一夏で、両手にはパンパンに膨らんだ色とりどりのビニール袋が掲げられており、島内の店を何軒かはしごしてあれやこれやと食材を買い揃えてきてくれたのだ。
「ベーコンはスライスと厚切りの両方で、レタスにトマト、卵、バターとマヨネーズ。あと比較用でバゲットと食パン。他にも使えそうなの適当に入れといたぞ」
「いやぁ、助かるぜ本当。全くいつも抜かりないラインナップだ……」
「あと箒なんだけど、今は原稿用紙5枚目だってさ。『必ず後で行くぞ!』って言ってたから、何か取っておいてやろうぜ」
ごく自然にそう付け加えて袋を作業台に置く一夏を見て、心の内でこいつの幼馴染さんを不憫に感じた。こんなナチュラルボーンたらしが朴念仁も併発してるとか最悪だぜ。
ともあれ、なんだかんだこれで材料も人手も揃ったわけだ。俺は袖を捲り上げ、改めてセシリアさんへ向き直る。
「それじゃ、始めましょうか」
「はいっ! よろしくお願い致しますわ、勇さ──先生!」
「はは、先生なんて程じゃないですから」
思った以上の気恥ずかしさを感じつつ、事前に見繕っておいたエプロンや三角巾を彼女にポンと渡す。それをしゅばばと装着したセシリアさんだったが……どうにも頭の方が収まりが悪い。
長い金髪が三角巾の端からドカンとはみ出して、肩口にそれはもう優雅に零れていた。これが漫画とからな絵になる構図なんだが、残念ながら今は異物混入を全力で阻止しなければならない状況なのだ。
「ぐぬぬ……入りきりそうにありませんわ……!?」
「あー、ちょっと失礼しますね。鈴、余りのゴムある?」
見かねて彼女の背後にまわり、無言で投げ渡されたヘアゴムでささっとポニーテールに仕立てる。余った毛先は上手いこと布の中へぐいっと押し込めば、ひとまず安心だ。
「あら、案外似合うじゃないそれも」
「そ、そうですの? ……勇さんは、どう思われます?」
「ん? いいと思いますよ、すごく作業しやすそうで」
「そ、そこはもっとこう別の褒め方をしてくださいまし!」
おっと失礼。だって普段から可愛いっつーか綺麗だから、今さら褒めても焼き直しですんで……。
なんて言い訳をこっそり浮かべておきながら、俺も同じくエプロンと三角巾を装着。五反田食堂の着慣れたそれと比べると若干カラフル寄りで、嫌な予感がしたので鈴の方を振り返ってみれば。
「に、似合いすぎでしょ勇! 料理番組に出たら視聴率20%はかたいわよ!!」
「……『かっこいい』からだよな? そう言ってくれるよな?」
「可愛いから」
「即答じゃねえかこんちきしょう!」
全くこれだからこの脳内万年ピンクは、と嘆く俺の肩を同じくエプロン姿の一夏がぽんと叩いた。もしや今度こそと思えば「大丈夫だ、勇。様になってるぞ」と真顔でサムズアップをかましてくる。
たぶん本人は慰めてくれてるつもりなんだろうが、並ぶと身長差で親子連れになるからこれはこれでもどかしい。
さて、気を取り直して……と思った矢先。セシリアさんは卵パックへと一直線に手を伸ばし──それをぽふっと手のひらで受け止めつつ、自然と俺の口は開いていた。
「はいストップ。まずは手洗いからですよ」
「いえ、手であれば既にお手洗いの方で……」
「厨房に立ってるんですから、もっとしっかりやらないと」
きょとんとしたままの彼女を蛇口まで誘導すれば、セシリアさんは戸惑ったままちょろっと必要最小限の水で手を濡らす感じで。自分で雑に作って自分で食う時ならそれでもいいんだが、なんて俺が悩んでいれば。
見かねた鈴が真横に滑り込んで「こうよ、こう! 爪の間から手首までガッツリ洗いなさい!」と手本を見せつけるように泡を量産していく。そして少し離れた場所ではいつの間にか一夏がタオルで水を拭う所まで進んでいた。
(手慣れてんなぁこの2人は……ま、片や料理屋の一人娘、片や家事の化身だもんな)
「あ、えー……長さの目安、とかは?」
「石鹼で10秒、流水で15秒ぐらいです。んで、これを2回繰り返したうえで水気を別々のタオルで取って、最後にアルコール消毒です」
戸惑うセシリアさんの目の前で秒数を数えながら実演すれば、俺の横で彼女もそれに倣うように動く。
ただ……こうして手を洗い終えたところで新たな問題が1つ。彼女が少しでも動くたびに、石鹼の爽やかな匂いをかき消す勢いで上品な花の香りがふわりと漂っていることだ。
「そのー、セシリアさん。もしかして香水、つけ直してたりします?」
「あら、流石ですわね勇さん! 勿論これは淑女の嗜みですし使っているのだって最高級の──」
「申し訳ないんですけど、ハンカチで首元拭いておいてもらえますかね。サンドイッチとかだと匂いが薄いから、食べる時にあんまり美味しくなくなっちゃうんで」
「なっ……くっ、いや、はい。かしこまりましたわ」
一瞬面食らいつつも、教えを受ける立場とあってか彼女は素直に首筋を拭いはじめた。その姿にほっと一息ついて──そして久方ぶりに、前世の断片的な記憶が芋づる式に浮かび上がる。
料理に香りづけとして香水をぶちまけるセシリアさんに、加熱の手間を省こうとブルー・ティアーズのレーザーで鍋を炙る
どれもこれも前後の時系列すらよく分からないぼんやりとしたものなのが救いであり、さりとて起こりかねない説得力を供えているのが恐怖でもあった。
(今さら思い出すのかよ俺ェ……しゃあねえし、とにかく対策だけしておくか)
というわけで手始めに「念の為にISを外しておいてくださいね」と全員に指示を出しておく。キョトンとした顔で「キッチンでISを展開する方などいらっしゃいますの?」と返されたが、恐ろしい事にいるんですよ……俺の記憶の中だけど。
さて、そんなこんなで料理に入るまでだいぶ長引いてしまったので気を取り直して。まずはお手本として諸々の仕込みを素早く済ませる。
レタスはさっと洗って氷水に放し、パンに塗るバターは常温に戻すためにこの段階で取り出しておいて。トマトは包丁の根本でヘタをくり抜いてからパパっと輪切りにし、ベーコンは厚切りとスライスで分けて並べる。あと一夏に並行でパンや細々した道具の用意を頼んでおく。
そこから改めて、俺は壁際に備えられたまぁ随分と立派な調味料棚に手を伸ばす。共用キッチン故か誰かが買い込んだであろうタバスコだのデスソースだの、やけに赤い瓶がずらりと並んでいた。
……そういや、記憶じゃあの人って赤みを増すためだけにタバスコを山ほどぶち込んでたりしたっけ。いや、それどころか体育祭の昼にとんでもなく辛い唐辛子入りのスープを、誰かに食わせてたような──。
これ以上深く考えると料理どころじゃなくなりそうなので、ひとまず赤い瓶の類は全部最上段に放り込んでおく。セシリアさんでも背伸びしてギリギリ届かない高さだから、取りに行こうものならすぐに気づけるはずだ。
「相変わらず人間の動きじゃないわね。……で、なんでそんな劇物ばっか上にずらしてんの?」
「速い上に正確……! まるでビットの同時制御のようですわ!」
「案外近いのかもしれませんね。頭の中でやる事を決めておいたら、あとは素早くそれを実行するだけなんで。あぁ、そんでこれを」
鈴の言葉はわざと無視しつつ、仕上げにキッチンへ来るまでの空き時間に作っておいたメモをセシリアさんへ渡す。材料と分量をまとめた簡易レシピみたいなものだ。彼女はそれを受け取るなり、穴が空きそうなほどにじっと見つめ始めた。
「分量が全て数字ですし、大さじ小さじの変換が一番上に置いてあるのは好感が持てますわ。……ですが、この『塩少々』というのは?」
「味見をして自分好みに調整してねってことです。薄かったら、あー、親指と人差し指で摘まんだぐらいを、1回入れてみる感じで」
「味を、見て……つまんで…………」
彼女は自身の指先をじっと見つめ、それから何故か俺を見ながら何かを小さく呟き始める。
「わたくしの、舌で……」
「ナニ考えてんのよ色ボケ貴族様」
「ひょあっ、鈴さん!? いや、決してわたくしの舌と指で勇さんを味見だなんて──」
「オルコット?」
「あっごめんなさい許してくださいその目は勘弁してください!」
……何を言ってるのかマジで聞き取れなかったけど、一夏がハイライトオフしてるあたり大概なことなんだろうな。
そんな騒ぎをよそに、セシリアさんはなおも眉をひそめてメモの裏表をひっくり返していた。
「ゆ、勇さん……完成写真は、どちらに?」
「あー、それはわざと付けてないです」
「わざと!?」
「写真があると、どうしてもそっちに寄せたくなっちゃうでしょう? 今日は見た目より舌で覚えてほしいんで」
「で、ですがそれでは焼き色の目安が──」
そう言いかけたところで彼女の右手が、すっとエプロンのポケットへと伸びる。布越しに何かを確かめるような手つきであり、一瞬だけ触れるとすぐさま離れた。
……五反田食堂で、手癖の悪い新人がまったく同じ動きをしてたのを思い出してほんの少し頭痛を覚える。
「ところでセシリアさん。そのポケットって何か入れてます?」
「なな、何もッ? ハンカチですわハンカチ!」
「へぇ、あんたがさっき首拭いてたやつがあそこにあるってのに?」
「…………」
俺と鈴の挟み撃ちに耐えきれず、セシリアさんはぐっと押し黙り。そして観念したかのように取り出したのは、目が痛くなるような黄色が詰まった小瓶だ。
「……食紅、ですわ」
「あんたま~~だ懲りてないの!?」
「ね、念の為でしてよ! 今日はクリームを使いませんから白っぽくならないとは思いますが……もしもの時の保険と言いますか……!」
わーぎゃー言い争う女子2人をどうしようか言葉を選んでいる最中、そのすぐ隣で一夏がぽんと手を打って。
「そういや鈴も中学の自由研究とかで、食紅入れまくった卵焼き作ってたよな。やたら黄色いやつをさ」
「なっ、なんで今それ言うのよ一夏ァ!?」
……せっかく昼は吞み込んでおいたというのに、このノンデリ朴念仁ときたら。
顔を真っ赤に染めながらKY野郎の脛を蹴りにいく鈴を横目に、俺は居心地悪そうなセシリアさんから小瓶をそっと渡された。
「そ、その。これは一旦、勇さんに預かってもらえますでしょうか?」
「……言っちゃ悪いですけど、デスソースとかと一緒に棚へ投げ込んでおくか考えていたところでしたよ」
「も、申し訳ありません! ……ですが、その。色が合わなかったら、どうしますの?」
「卵の色ってのは焼け具合のサインですからね。後から弄ると火を入れ過ぎてくすんでるかどうか分からなくなるんで」
中学時代にもっぱら家のキッチンに立っていた身から言わせてもらえば、料理の色ってのは腕前ひとつでどうにかするもんだ──なんて根性論は、この食紅と一緒にしまっておこう。
……にしても、香水を拭かせてISを外させて、やばい調味料を棚の上部に追いやって、とどめに食紅の預かり。我ながら厳戒態勢もいいとこだな。それでもまぁ、脳裏をよぎる起き得た惨劇の数々に比べりゃまだマシかもしれない。
というわけで、本当に随分と時間がかかったものの、ようやく本番である。
セシリアさんはおずおずとボウルに卵を割り入れる……のだが、それだけなのに失敗=居残りの実験室みたいな空気が漂っていた。うっかり入った殻を濡らした箸で慎重に取り出し、メモと現実を交互に指差し確認して、菜箸を構える角度までピタッと決めている。
「白身を切るように、でしたわね」
「そうそう。プルンってしてるやつを持ち上げて千切ってく感じです」
「ふむふむ……」
「んで、一塊じゃなくなったら卵液から箸先を出さず、ボウルの端と端に叩きつけるように──」
「こう、ですのね!」
しゃかしゃかしゃかと小気味いい音が響く。手つき自体は悪くないどころか、初心者にしてはかなり筋がイイまである。そもそもこの人、昨日の時点でこういう手順はしっかり守ってたんだよな。……裁量を与えられると大惨事になるだけで。
メモ通りに塩をひとつまみ少なめに入れた卵液が出来上がったところで、今度は卵焼き器にバターと少量の油を引いて焼きはじめる。じゅわっと広がった香りに、思わず鈴が鼻をひくつかせた。
火加減は俺が真横で見張り、巻き方とかについては体格が一番近い一夏が身振りで教えていく。
いつになく真剣な顔で「手首だぞオルコット、手首を上手く使うんだ」と繰り返す親友の姿は、正直いって写真に撮っておきたいほどに面白いものだ。
そうして出来上がったのは、ちょっぴり歪でほんのり焼き目がついてしまった卵焼き。見た目は昨日ほど鮮やかではないが焦げてもいないし、切り口からはほわっと湯気が立ち上っている。
「……地味、ですわね」
「こういうのは“美味しそう”って言ってあげてください。じゃ、端っこ切って──」
すぱっと切り落としたソレを俺の口へ運ぼうとして、ぴたりと手が止まる。エプロンの裾がくいっと引かれていたからだ。
視線を落とせば、セシリアさんの細い指先がその端をきゅっと摘まんでいる。……こりゃ、何か言いたいことがあるな。
「あの、勇さん。お昼に仰いましたわよね、味見は引き受けてくださると」
「えぇ、言いましたね」
「では、もし勇さんが『ちょっと塩が薄い』と言いましたら……わたくしはそれを何グラム足せばよろしいのかしら?」
……あ。
思わず固まった俺の目の前で、彼女はメモの『塩少々』の文字を指先でトントンと叩く。
「勇さんの『ちょっと』が、わたくしの『ちょっと』と同じとは限りませんもの。物差しが他人の舌にある限り、わたくしは毎回勇さんをお呼びしないと調整できない……ということになりますわよね?」
────自分で辿り着いちまったよ、この人。
味の講評をしたあとに言おうと思ってた理屈をそっくりそのまま持っていかれて、悔しいどころかいっそ清々しい。流石はあの奇々怪々なBT兵器を操るエリートだ。
とはいえ、セシリアさんの表情はまだ晴れない。視線は卵焼きの端っこに釘付けで、頭の中ではカロリー計算をぶん回しているのが手に取るように分かった。
「……ですがやはり、予定外の食事というのは」
「じゃ、ちょっと待っててくださいね」
俺はスマホを取り出して、学食のアプリを開く。メニューごとの栄養表示から朝定食でよく選ぶ『だし巻き卵(2切れ)』のページを選び、彼女に画面を向けた。
「これが一皿で大体50キロカロリーちょい。で、セシリアさんが食べようとしてるのは、一切れの半分未満じゃないですか」
「半分より……つまり、10キロカロリーに届くかどうかでしょうか?」
「訓練前のストレッチをちょっと長めにすれば消えちゃいますよ」
「……誤差、ですわね」
数字で表した瞬間、彼女の肩からすとんと力が抜け落ちる。明確な論理で納得できさえすれば、この人はもう迷わないのだ。
セシリアさんは小さく息を吸い、俺から受け取った卵焼きの端を摘み上げ──ほんの一瞬だけ目を閉じて、それを口へ運んだ。
もぐ、もぐと……昼にはもはや死ぬか生きるかの瀬戸際みたいな勢いで咀嚼していたのが嘘かのように、ゆっくりと味わいながら噛んでいく。その場の全員がなんとなく息を潜めていた。
「……」
「ど、どうなのよ?」
「…………美味しい、ですわ」
ぽつりと零した声には、いつもの自信満々な張りなんて欠片もない。だからこそ、それが噓偽りない本心なんだとすぐに分かった。
「わたくしが作ったものなのに、ちゃんと……卵の味が、しますのね」
当たり前のことを、まるで世紀の大発見が如く呟くわけで。俺は思わず噴き出しそうになって慌てて口元を押さえるし、一夏もシャルルもわずかに肩が揺れていた。なんなら鈴なんて思わず「ぷっ」と漏らしながら顔を背ける始末だ。
……もっとも、これで終わらないのがセシリアさんなわけで。彼女は小首を傾げながら呟く。
「ただ、その……少々、物足りないような?」
「ふーん?」
にゅっと、横から伸びてきた手が卵焼きの切れ端をもひとつ攫っていく。もぐもぐと咀嚼した鈴は、しばし天井を見上げたのち──にんまりと、それはもう悪い顔で笑った。
「だったら、私にいい考えがあるわ!」
そうしてぐっと控えめな胸を張るツインテールの姿を見て……俺と一夏だけは、猛烈に嫌な予感を抱くしかなった。
相も変わらず学業とバイトとプロット大爆発に振り回される日々を送っています。とはいえ割と時間をかけずに書けたので、褒めてもらえると嬉しいです。
ちなみに白状すると、作者は中程度の卵アレルギーで今回出て来た料理を食べたことないです。
感想・評価、ならびにここすき頂けると励みになります!
ムフフなif、読みたいですか?
-
いる
-
いらない
-
そんな物より本編優先して♪