これはアーネット湖水上戦前のお話、ミオン砦の戦とミルヒのコンサートから一夜が明け、ビスコッティ領内に駐留していたガレット軍の戦士達も祖国へ撤退していった
そしてフィリアンノ城・謁見の間では、ビスコッティの騎士団や蒼真達、ミルヒが集まっていた
ミルヒ:ビスコッティ騎士のみんな、度重なる敗戦にもめげずに、今回の2連戦では本当によくやってくれました…ありがとう!
ミルヒがお礼を言うと、1人の老役が前に出てくる
老役:それでは報酬の授与を、騎士団長ロラン・マルティノッジ卿、御前に
ロラン:はっ!
名を呼ばれたロランはミルヒの前に移動し、ミルヒから報酬金を受け取る
老役:親衛隊長エクレール・マルティノッジ卿
エクレ:はっ!
次はエクレが呼ばれ、前に移動し、膝をつく
ミルヒ:エクレール、戦場働きに勇者様のお世話、本当にありがとう
エクレ:いぇ、そんな…
ミルヒ:ありがとう、エクレール♪
〜なでなで、なでなで〜
ミルヒはエクレの頭を撫でると、エクレは幸せそうに尻尾を振り始める
エクレ:きょ、恐悦至極に…ございます///
〜ふりふり、ふりふり〜
蒼真:エクレ幸せそうだね
リコ:姫様のなでなで天才的でありますから♪
ユキカゼ:幸せな気持ちになれるでござる♪
蒼真:へぇ〜そうなんだ♪
それから時は進みアーネット湖水上戦から数日が経過し、蒼真はリコと共に厨房に来ていた
おばちゃん:おや、勇者様にリコ、いらっしゃい!
蒼真:あはははは…
リコ:お邪魔するでありま〜す!
厨房のおばちゃんは食材の切り落としとパンを皿に移すと蒼真達に持ってくる
おばちゃん:はい、いつもの切り落とし、パンと挟んで食べてね
蒼真:ありがとうございます
おばちゃん2:あぁそれから、騎士団のみんなに差し入れがあるだけど、届けてもらっていいかしら?
蒼真:はい!
おばちゃん:2人の分もあるからね♪
蒼真&リコ:了解であります!
蒼真はリコの口癖がうつった
そして蒼真達は厨房から出ると、訓練場へ向けて移動を開始し、その途中でリコは差し替えの入ったバケットの匂いを嗅ぐ
リコ:この匂い、今日のおやつは花蜜のタルトでありますな~美味しそうであります♪
蒼真:リコというか女の子は甘いの好きだよね〜
リコ:リコは女の子な上に、頭も使うでありますからな〜甘みもいっぱい必要なのであります
そんな話をしながら2人は騎士団の訓練場に向かうのであった
〜騎士団の訓練場〜
ロラン:おお、勇者殿と主席自らお使いか、これはすまないな
蒼真:いえ!
ロラン:みんな!厨房からの差し入れだ、一息入れよう!
騎士達:はい!!
騎士達は休憩を始めると、リコはエクレを見つけると話しかける
リコ:エクレ~!おやつの差し入れでありますよ!
エクレ:あぁいや、私はいい
リコ:ほぇ?珍しいでありますな
エクレ:もう少し稽古をしたいだけだよ
蒼真:あ、それじゃあ僕が相手をしよっか?
ロラン:お、それはいい!勇者殿、また相手をしてやってくれるか?
蒼真:はい!
ロラン:みんな、よく見ておけよ!勇者殿と親衛隊長の戦いを!
騎士達:はい!
ロランは騎士達に2人の戦いを見て参考にするように伝える
エクレ:今日の武器は何にするんだ?
蒼真:今日はね…
蒼真は武器が置いてあるところから一本剣を取る
蒼真:剣でいくよ!
エクレ:そうか、なら私も…
エクレも近くにあった剣を手に取り蒼真の前に並び立つ
エクレ:さぁ、来い!
蒼真:おう!
両者は構える
エクレ:…はぁぁぁ!!
蒼真:はっ!
〜ガキン!〜
エクレは駆け出しながら剣を振るい、蒼真はそれを受け止める
エクレ:ふっ!たっ!やぁ!
蒼真:はっ!ふっ!せぇあ!
〜ガン!キン!ギャリン!〜
2人はお互いに剣を振い何度もぶつかり合う
リコ:エクレ、楽しそうでありますね
ロラン:妹誉めはなんだが…若い騎士らはなかなか相手になる者がいなかったからな、実力白昼の相手ができたのはエクレールにとっては良いことだな、歳も近いし、勇者殿をあれの婿に欲しいくらいだよ
リコ:あははっ♪
エクレ:やぁぁぁぁ!!
蒼真:はぁぁぁぁ!!
〜ガキィィィン!〜
2人の剣がぶつかると同時に剣が折れてまった
エクレ:今何か、もの凄い寒気と不吉な予感がした…
蒼真:えっ?僕は何も感じなかったけど?
蒼真はエクレの前まで移動すると右手でエクレの額に触れ、自身の額を合わせる
蒼真:う〜ん…風邪かなって思ったけど熱は無さそうだな
エクレ:〜〜〜!うわぁぁぁぁぁ!!///
〜ドゴン!!〜
蒼真:おごぉぉぉぉぉ!?
エクレは蒼真に、異性にいきなり触れられたから恥ずかしさと驚きが混じり蒼真の腹部に強烈なパンチを繰り出した!
蒼真:〜〜〜!!
エクレ:このアホ勇者が!勝手に騎士の額を触るなぁぁぁぁぁ!///
蒼真:あぁぁぁぁ!ごめんなさぁい!!!
エクレは地面に倒れている蒼真を何度も蹴りする
ロラン:実際、仲が良さそうだしな
リコ:う~ん、どうなのでありましょうね…(汗)
それから時間が経ち、蒼真はセルクルに乗り、自身の膝の上に隠密隊所属の隠密犬ホムラと隣には蒼真をビスコッティに招いた隠密犬タツマキと風月庵に向かっていた
蒼真:はぁ…酷い目にあった、まぁいきなりエクレに触れた僕が悪いんだけどさ
ホムラ:アオ〜ン
蒼真:ともかく気を取り直して、わんこ達、案内頼むよ〜
ホムラ:アン!
数分後、蒼真はホムラ達の案内で無事に風月庵に辿り着いた
蒼真:ユッキー!
ユキカゼ:お?
蒼真:こんにちは〜!
ホムラ:アゥン!
ユキカゼ:あ〜、勇者殿!
蒼真はセルクルから降りるとダルキアンと朔弥がいないことに気づく
蒼真:あれ?ユッキーダルキアン卿は?
ユキカゼ:親方様なら近くの川へ釣りに出かけられたでござるよ〜、拙者もこれから向かうのでござるが勇者殿もどうでござるか?
蒼真:もちろん!僕も行くよ!
ユキカゼ:では色々準備をするでござるよ
蒼真達は持っていく道具などを用意すると近くの川へ向かった、そして到着するとそこにはのんびり釣りを楽しむ2人の姿が視界に映る
ユキカゼ:お館様~!
ダルキアン:?
蒼真:ダルキアン卿、こんにちは
ダルキアン:おお、今日は釣り日和でござるよ
蒼真もダルキアンと一緒に釣りを始めると、ユキカゼは近くの場所でご飯の準備を始める
ユキカゼ:ビスコッティも慌ただしい時期かと思い、探し物を早めに切り上げて戻ったでござるが…心配無用でござったな、勇者殿やエクレが頑張ってくれてたでござる
ダルキアン:しかし勇者殿は、中々おもしろい御仁でござるな
蒼真:え?僕がですか?
ダルキアン:聞けばビスコッティに来てより未だ数日…なのに、騎士団やリコ達、場内の者達はすっかり心を許している
蒼真:あぁ〜…エクレにはよく殴られたり蹴られたりしてますが
ダルキアン:いやいや、気を許している証でござろう
蒼真:だといいんですが…
〜ぽちゃん〜
蒼真:お?
話している途中で蒼真の持つ釣竿の浮きが上下に動く
ダルキアン:お、あたりではござらぬか?
蒼真:本当です!おぉ、デカイデカイ!
ダルキアン:これは大物でござるな!
蒼真:ぐぬぬぬ…おりゃあぁぁぁ!!
〜ザッパーン!!〜
蒼真は力強く釣竿を振り上げると川から大きな魚が飛び出し、そのまま宙を舞うと
〜ドオーーン!〜
ユキカゼ:うわぁぁぁぁ!?
大きな魚は調理中のユキカゼの前に落ち、ユキカゼは驚きの声を出す
蒼真:ユッキーごめん!大丈夫!?
ユキカゼ:大丈夫でござるよ〜!
ダルキアン:そいつも調理を頼むでござるよ
ユキカゼ:心得てございます!
それから時間が経ち、釣りを終えた蒼真とダルキアンはユキカゼの作った昼食を食べていたのであった
ダルキアン:そう言えば、勇者殿は異世界からの客人でござったな
蒼真:そうです
ユキカゼ:では、いつかは故郷に戻ってしまうのでござるか?
ダルキアン:それともこちらに永住を?
蒼真:実は僕異世界を飛び越える方法があるんですけど、それを使って無理矢理帰ったら何が起こるからわからないから帰る方法が見つかるまではここにいようかなって思ってまして…ん?
蒼真は先ほどのユキカゼの発言に疑問を持つ
蒼真:ねぇユッキー、今なんて…?
ダルキアン:「召喚勇者は元の世界に戻る方法はない」というのがこの辺りで一般的でござるが、遠方の国では役目を終え帰郷したという話もあるでござるよ
蒼真:そうなんですか!
ユキカゼ:ん
蒼真:あ、ありがとう
蒼真はユキカゼから竹筒に入ったおにぎりを渡され受け取る
ユキカゼ:リコもその辺までは話が付いていると言っていたような…
蒼真:そうなんだ!
ダルキアン:勇者殿の故郷には、やはり御家族が?
蒼真:はい!友人や仲間も沢山います!!
ユキカゼ:そうでござるか〜
ホムラ:アウアンアン!
するとホムラが蒼真達に向けて何かを伝えるやつに吠える
ダルキアン:お、魚が焼けたようでござる
どうやら先ほどの大きな魚とその後の釣りで釣り上げた数匹の魚が焼けたようだ
ユキカゼ:取って参りますね!
蒼真:あ、僕も手伝うよ!
蒼真とユキカゼは2人で焼けた大きな魚を持ち上げ、運ぶのであった
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