レオ閣下の宣戦布告の放送が終わり、蒼真達は城内の広場にいた
蒼真:宝剣を懸賞にって…宝剣は国の代表証なんだよね、簡単に懸賞にして大丈夫なの?
リコ:もちろんそうでありますが、国と国の友好の証として一時的に貸し出したりは時々あるのであります…
ユキカゼ:民衆は今回もそんなノリだと思っているようでござるが…どうやら、ちと様子が違うようでござる…
同刻、ミルヒもエクレ、ロラン、ダルキアン、そしてビスコッティの元老達と今後のことについて話していた
元老1:本当に、レオ閣下はどうされてしまったのか…
元老2:これではまるで本気で我がビスコッティを侵略する気としか…
元老3:それはないと、思いたいがのぅ…
ロラン:しかし現に、ビスコッティの宝剣を懸賞に差し出すよう提案されています、アメリタ、届けられた布告書を
アメリタ:はい
〜パラッ〜
アメリタはガレットから届けられた布告書を読み始める
アメリタ:宣戦布告書には宝剣の預かり期間は最長でも60日と記されていますが…展示や使用目的については、両国の審議のもと不義無きように扱い、期間内の変換を制約するとしか…
元老2:つまりは、期間内にはどう使おうが自由ということ…
元老3:断れるものかのぅ…!
ダルキアン:しかし、先の会見で両国の民の心はしっかり掴まれてしまっておりますゆえな
エクレ:こちらが宝剣を出せないとすれば、我々の非という形になってしまいますから…
ロラン:個展のためには、かなりの持ち出しが必要になります
元老1:うぅどうするかのぅ、どうするかのぅ…
元老3:困ったのぅ…!
その頃蒼真達は
蒼真:なにかできることってないのかなぁ…
リコ:政治的なお話でありますから…
ユキカゼ:姫様や騎士団長達の決断を待つしかないでござる…
エミリオ:君!
蒼真達:?
蒼真達は声が聞こえてきた方向を見るとそこには誰かを囲んでいるエミリオと騎士が数名いた
エミリオ:何故こんなところに?
???:あぁいやぁ見つかってもうたぁ…!
エミリオ:まさか…戦に先駆けての密偵行為か…!
エミリオ達が腰の剣に手をかける
ジョーヌ:ちゃうちゃう、そんなんちゃうて!
蒼真:あれ?あの子確か…!
忍び込んだのはガレットのジョーヌだった
〜ザッザッザッザッ〜
蒼真達はエミリオ達の元に向かって走る
ユキカゼ:エミリオ!どうしたでござるか!
エミリオ:パネトーネ筆頭!あいえ、ガレットの密偵が騎士団に化けて…
ジョーヌ:密偵ちゃうて!
ジョーヌは懐から手紙のような物を出す
ジョーヌ:ウチはあるお方から…あっ!
ジョーヌは蒼真を見つけると蒼真に指を指す
ジョーヌ:勇者蒼真宛の秘密のメッセージを持ってきただけや!
蒼真:えっ?僕宛のメッセージ…?
〜数分後〜
蒼真はメッセージを受け取って読み、その後ジョーヌの案内で城の近くの森にセルクルに乗ってやってきた
ガウル:…来たか
そこには青いフードを被りセルクルに乗ったガウルがいた
蒼真:ガウル、どうしたの急に?
ガウル:決まってんだろ、今回の戦のことさ…俺やゴドウィンはこの戦に反対なんだ、どうにも納得いかねぇことが多い…
蒼真:こっちでもガレットは本気でビスコッティを侵略する気なんじゃないかって…
ガウル:いくら姉上でもそれはねぇ…ビスコッティとガレットは友好国として何代も前からずっと支え合ってきた、それを更侵略なんぞ道義も立たなきゃ意味もねぇ、告知されて民が楽しみにしちまってる以上戦はもう避けられねぇ、俺はギリギリまで懸賞に出される宝剣の扱いをはっきりするよう姉上に具申してみる
蒼真:うん…
ガウル:だが、そいつが叶わずに姉上の目的がはっきりしねぇ時は…どうにかして、お前らが勝ってくれ
蒼真:ガウル、どうしてそこまで
ガウル:俺はビスコッティって国が普通に好きでよ、飯はうまいし人も景色も気に入っている姫様も優しいしな…それによ、フロニャルドの戦は楽しい興行じゃなきゃいけねぇんだ、参加者・支援者・見学者、それに戦に関わりのねぇ国民、勝っても負けてもみんなが楽しくなきゃいけねぇ、大変な思いをしていいのは王族だけさ…今回の戦、そこんとこの筋が通らねぇ可能性がある…そんだけさ
〜ギュッ〜
ガウルはセルクルについている手綱を強く握りしめる
ガウル:話は以上だ、姫や騎士団の連中には俺がこんな話をしたって言うなよ
蒼真:ありがとう、ガウル!
ガウル:あぁ、色々頼んだぜ、蒼真!
蒼真:あっガウル!最後に一つだけ!うちの姫様とレオ閣下って昔は仲良しだったって聞いてるけど?
ガウル:わりぃ俺もよくはわからねぇ、ただ、2人のことならアメリタに聞けぇ、あいつが1番詳しい!
蒼真:わかった!ありがとう!
ガウルとジョーヌがガレット領に帰っていくの蒼真は見送るのであった
『バンネット城』
バナード:ガウル殿下が動かれたようです
レオ:よい、好きにさせておけ…今回に限っては奴とゴドウィンの働きは期待しておらん
バナード:ゴドウィンはガウル殿下に心酔しておりますからね
レオ:忠臣厚き臣下を得られるのは良いことじゃ、奴の将来の為にもな
『フィリアンノ城』
その後蒼真はアメリタにミルヒとレオの関係について話を聞きに来ていた
アメリタ:両国の先代領主が旅立たれる前、レオ閣下は姫さまをとても大切に扱ってくださいました
アメリタは部屋に置かれていた写真立てに手を添える
アメリタ:その様子はまるで、生まれついての姉妹のようでもありました、「幼い頃から臣下と民を思いやる心をお持ちだった姫様」と「武術と紋章術にとても秀でていらしたレオ閣下」お二人は互いに足りない所を補い合い大切なことを教え合っていました、お二人が領主となられてからも目立った波乱も無く、会う機会は減っても公式・非公式問わず、ずっと仲良くされていたのですが…半年ほど前のことでしょうか
蒼真:え?
アメリタ:レオ閣下が急に姫様の身の回りや我々騎士団のことを気遣ってくれるようになって…
蒼真:気遣う…?
アメリタ:ビスコッティの軍備増強を提案したり、姫様が危険な目に合うような興行を避けるように姫様にきちんと護衛をつけるようにですとか、それはもう一生懸命に…ですが3月ほど前からは、まるで人が変わられたように冷たくなられて
蒼真:ッ!
アメリタ:姫様との交流もパッタリと、姫様は個人と領主の両面から心を痛めていらっしゃいます、姉妹のように思っていた幼馴染の心変わりと交流を続けてきた隣国との関係具合、その上ビスコッティの宝である、宝剣までも奪われたら…
表情を曇られながら話すアメリタの姿を見て、蒼真は何も言えず、ただ話を聞くことしかできなかった…
それから時間が経ち、フィリアンノ城には今回の戦についての発表を聞く為に大勢のビスコッティの国民達が集まっていた、その中にはカメラマンも複数いる
〜キュイン!〜
国民達:オォォォォォォ!
すると宙に浮かんでいた映像版に映像が流れ始めた
元老1:良いのかのぅ、ほんとに良いのかのぅ
ダルキアン:姫様のご命じになったことでござる、我々も覚悟を決めるでござるよ
すると、城からミルヒが国民達の前に現れ、それに気づいた国民達は大盛り上がりだ
ミルヒ《こ〜んにちは〜!》
国民達:オォォォォォォ!!
ミルヒが国民達に挨拶すると国民達はさらに盛り上がる
ミルヒ《さてみなさん、今朝のニュースはご覧になられましたよね?レオ閣下からのいきなりの宣戦布告、急な話でしたので、私達もビックリしちゃいました、元老院のみんななんて驚いて椅子から落っこちゃったくらいで…あ、でも怪我はありませんでしたのでご心配なく!》
国民達:あははははは!
蒼真:ダルキアン卿、ユッキー!
ユキカゼ:勇者殿、アメリタ!
ミルヒがスピーチをしている途中で蒼真とアメリタがダルキアンとユキカゼと合流した
ミルヒ《私が領主になって以来、ガレットには沢山敗戦してしまいました、戦自体は楽しめても、皆に勝利を味わってもらうことが中々出来なくて…でもビスコッティは決して弱い国ではありません、これまでの敗戦は一重に十分な戦支度を整えられなかった私の力不足です》
国民達:そんなことないですよ!姫〜!!
国民達はミルヒにそんなことないと励ましの言葉をかける、その言葉を聞き、ミルヒに笑みが浮かぶ
ミルヒ《…ありがとうみんな、でもですね、だからこそこれ以上負けないようにこの半年、しっかり準備を整えてきました!フィリアンノ商工会が武器と装備を揃えてくれました!若い騎士、見習い達も訓練を重ねて強くなってくれました!ですから…ビスコッティはガレットからの宣戦布告を喜んでお受けします!!》
〜ヒュルルル…パン!パパン!〜
ミルヒがそう宣言すると、何発もの花火が空に打ち上がる
ミルヒ《勿論、聖剣エクセリードと神剣パラディオンも賭けるのも受けて立ちます!何故なら…私達は負けないからです!この戦に勝利しましょう!勝って、楽しい明日を掴みましょう!》
国民達:オォォォォォォ!!!
ミルヒの力強い言葉を聞いた国民達は大盛り上がりの声を響かせた
蒼真:姫様…!(僕も戦う…姫様やビスコッティのみんなの笑顔のために!
蒼真はミルヒとビスコッティのみんなのために戦うことをさらに強く決心したのであった!
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