その夜、蒼真はロランに呼ばれ外で話していた
ロラン:勇者殿、話はあらかたエクレールから聞いたよ…ありがとう、君のおかげで大事に至らずにすんだ
蒼真:いえ、僕だけの力じゃありません…エクレやみんなの力があったからこそ、姫様を助けることができたんです
ロラン:そうか…
蒼真:フロニャルドって平和な世界だと思ってましたけど、やっぱりどの世界にも魔物のような存在はいるんですね…
ロラン:そうだな…あれだけ大きな魔物は私も初めて見た、だが聞いてるだろ?守護地域を一歩出れば危険なことはそれなりにある、我々が日々行っている戦も「そんな脅威と戦うための力を忘れてしまわないように」という意味もあるんだよ
蒼真:そうだったんですね…
ロラン:傷つける力を振るうのは良いことではないが、戦わず蹂躙されるばかりでは大切な物を守ることもできないからね
蒼真:…はい!
エクレ:兄上!
蒼真とロランの元にエクレがやってきた
エクレ:お話中申し訳ありません、現場警備についてスタッフが相談をしたいと
ロラン:あぁわかった、ではまた後でな…勇者殿
蒼真:はい!
ロランはスタッフの元まで移動していく
エクレ:…勇者
蒼真:ん?なに?
エクレ:食事は済ませたか?
蒼真:えっまだだよ?
エクレ:向こうに露店が出ている…食べに行くか?
蒼真:本当!なら早速行こう!
蒼真はエクレと共に露店に向かっていく…
???:ほぉ〜♪
そんな2人をこっそり見ていた2人がいた
リコッタ:何やら興味深げな展開でありますよ〜♪
ユキカゼ:ござる〜♪(もぐもぐ
リコとユキカゼは蒼真とエクレも誘おうと探していたところ、このような現場に遭遇したのでこっそり跡をつけることにした
〜ジュ〜…!〜
蒼真とエクレが向かった場所で様々な露店が出ていて、蒼真は2人分の飲み物を買って、近くのベンチにそれを置く
〜スッ〜
エクレ:ほら
蒼真:ん?
エクレは蒼真に買ってきた物を渡す
蒼真:ありがとう!これは?
エクレ:ココナツッカだ、気軽に食べられるし栄養もある
蒼真:へぇ〜、いただきま〜す♪
蒼真は早速ココナツッカを食べる
蒼真:う〜ん、おいしい!
エクレ:それはよかった…♪
〜ジュ〜…!〜
リコッタ:うぅ…!
店員:ん?
リコッタ:エクレが男の子を食事に誘えるようになるとは…リコッタ、感激でありますよ〜!!
ユキカゼ:雰囲気も悪くないでござるよ〜♪
露店で買った食べ物を頬張りながら様子を見る2人であった
エクレ:お前には、言わねばならぬことがあった…
蒼真:ん?
エクレ:私1人では姫様を助け出すことは叶わなかった…お前の勇気と健闘にビスコッティ騎士団親衛隊長として敬意を表する
蒼真:光栄であります、親衛隊長…でも、エクレも1人だったら1人だったできっとなんとかしてたよ
エクレ:…?
蒼真:僕よりずっと前から姫様を守ってた、親衛達だもん
エクレ:!…勇者…
ユキカゼ:よ〜しそこでござる、もっと…ぐぐっと…!
リコッタ:ぐぅ〜っと!
〜トン〜
リコッタ:ほぇ?
〜トン〜
ユキカゼ:お?
リコ達が2人の様子に釘付けになっていると後ろから肩を突かれ、後ろを振り向くと
ジョーヌ:は〜い♪
ベール:みんな揃って何されてるんですか?
ノワール:やっほ〜…
リコッタ&ユキカゼ:あぁぁぁ!
そこにはジョーヌ、ベール、ノワールのジェノワーズの3人がいた
???:よぉ〜!
リコッタ達:ん?
リコ達は突如聞こえてきた声の方向に振り向くと
ガウル:蒼真、タレ耳!
蒼真:あれ?
エクレ:ガウル殿下!
ガウルが蒼真達に話しかけていて、その後リコ達も蒼真と合流しみんなで食事を始めた
ガウル:あむ!
〜ミチチ!〜
ガウルは手に持っていた骨付き肉にかぶりつく
ガウル:しっかしお前ら、2人で大した活躍しやがったな〜?
エクレ:いぇ…
蒼真:まぁ色々ありました…(汗)
ガウル:それに魔物騒動の会見の後、うちの姉上憑き物が落ちたみてぇにさっぱりしちまってなぁ…詳しい事情はまだ聞いてねぇけど後で俺にも教えてくれるってさ
蒼真:そうなんだ
ガウルは食べ終えた骨付き肉の骨に齧り付きながら続きを話す
ガウル:後バナードに聞いたんだけど、戦興行も元のペースに戻すらしいぜ
エクレ:それはなにより!
ジョーヌ:まぁ戦も終わってゴタゴタも片付いて…
ノワール:魔物も退治されて…
ベール:ビスコッティとガレット両国に再び平和がってことで♪
ユキカゼ:そうなれば何よりでござるな
リコッタ:ほんとであります♪
ガウル:戦は中途半端に終わっちまったがまぁ今回は結果的に良しってこった
蒼真:だね、本当によかった♪
みんなが和気藹々と話していると…
〜トン〜
リコッタ:お?手紙でありますか?
リコッタは違和感を感じ振り向くと、そこには隠密の犬がリコの服を咥えて引っ張っていて、首のスカーフには連絡の巻物が挟んでいた
リコッタ:なになに?
〜ペラ〜
リコは早速巻物を読み始める
リコッタ:……!(こ、これは…!?)
〜ザッ〜
リコは巻物を読み終えるとその場から立ち上がる
エクレ:リコ、どうかしたか?
リコッタ:あぁ、学院のみんなが緊急で連絡を欲しいとのことで…
ベール:あら…
リコッタ:勇者様、ガウル殿下、自分はちょっと野暮用で出るであります
蒼真:は〜い!
ガウル:おう行ってこい!
〜ダッダッダッダッ!〜
リコッタは蒼真とガウルにそう言うとみんなに見送られながらその場を離れていった
時を同じくして、ミルヒとレオは2人で話していた
レオ:すまんな、忙しい合間に…
ミルヒ:いえ…
レオ:今回は本当に悪いことをした
ミルヒ:!いえ、そんな…
レオ:お前を危険な目にあわせた事、戦興行を台無しにした事、いずれ改めて謝罪をする…
ミルヒ:……
ミルヒはレオの話を静かに聞いていた
レオ:それに、ここ半年辛い目にあわせた
ミルヒ:いいえ、戦の日々や今回の事で私は領主として大事な事をたくさん学ばせていただきました…戦や危険に備える事、国民を守り、導く事の難しさと大切さ、レオ様のおかげで私はもっともっと立派な領主にならねばならないと心に深く誓う事ができました…だから、ありがとうです、レオ様…!
レオ:…!
ミルヒ:それに何より、ここ最近のレオ様のなされていた事は私の身を案じての事だと…
レオ:ま、まて!?誰に聞いた!?
ミルヒが自分のしていた事を知っていたことに驚きレオは思わず質問する
ミルヒ:ビオレとルージュに
レオ:あの…バカども…
レオは思わず頭に手を当てる
ミルヒ:あ、お2人を叱らないでくださいね!私が無理に聞き出したんです…
レオ:なんという…わざわざ舞台前のおまえを呼び出したのはその話をするためであったというのに…
ミルヒ:ご、ごめんなさい…
ミルヒはそんなレオの様子を見て思わず謝ってしまった
ミルヒ:でもね、そのお話を聞いた時本当に嬉しかったのですが…今の私はちょっと怒ってもおります
ミルヒはそう言いながら立ち上がると、レオも立ち上がる
ミルヒ:「未来は自らの手で決める物ゆえ、占いや星詠み踊らされるなど愚かしい事」とレオ様はおっしゃいました
レオ:…その気持ちは変わらん
ミルヒ:なのに…星詠みばかり気にされて、私には本当の事を告げずに、私を守ろうとしてくださいました…!
レオ:じゃから…それは…
あまりのミルヒの気迫にレオは引き気味だった
ミルヒ:レオ様に守っていただいてばかりだった小さなミルヒも今ではそれなりに大人になっています…信頼する臣下や友人もいます、ですからレオ様はご自分を殺してまで私を守ろうとなど…されなくていいんです!
レオ:いいや…おまえはわかっておらぬ…!幼い頃よりワシを見守り慈しんでくれたおまえの事…おまえがワシにくれた優しさが…どれだけワシを支えておるか…おまえにいなくなられたら…おまえがいない世界など…!
レオの声がだんだん弱々しくなっていく、するとミルヒは左手をレオの頬に添える
ミルヒ:ごめんなさいレオ様、ミルヒはいなくなったり致しませんから
ミルヒ達の近くに2つの影、ロランとアメリタが2人の様子を見守っていた
ロラン:レオ様も領主として立派にやっておられるとはいえ、まだお若い…我らも配慮が足りなかったかもしれないね…
アメリタ:はい…やはり騎士団長にバナード将軍と密にご連絡を取っていただけると
ロラン:あぁ、君にも手伝ってもらえるとありがたい
アメリタ:はい…!
レオ:ひ、久しぶりに恥ずかしいところを見せた…(照)
ミルヒ:恥ずかしくないですよ…(苦笑)
〜姫様〜?〜
ミルヒ&レオ:?
2人はミルヒを呼ぶ声の方向を見ると、そこにはミルヒを探しているスタッフやメイド達がいた
メイド:すみませ〜ん、もうすぐリハーサルが…
レオ:すまん、時間を取らせた
ミルヒ:いいえ
レオ:久しぶりにおまえの歌を聴きたい、聴いていっても良いか?
ミルヒ:!はい!一生懸命歌います!
ミルヒは笑顔でレオに告げた
〜数分後〜
ステージ前には大勢のお客さんが集まっており、蒼真達もステージに来ておりダルキアンと合流した、ちなみにジェノワーズの3人はなぜかダンスをしていた
〜ガチャン!〜
蒼真達:ん?
〜ガチャン!ガチャン!〜
蒼真:ライトが…
〜キラキラ…!〜
突如周りのライトが次々と消え始め、その時蒼真は空中に浮かぶ四角い光を放つ物体を見つけ、別の場所にいたレオ達もそれに気づいた、物体はステージ前まで移動する
〜キュルルンキュイン!〜
物体に変化が起き、ステージ前を隠していた壁が動き出した!
〜ドン!ドォン!ドーーン!〜
物体が大きくなっていくと最後は破裂し中から無数の光の線がステージから溢れ出し空などに飛んでいき、音楽が流れ始める!
観客達:わぁぁぁぁぁ!!
ステージのスクリーンらしき物にはミルヒが映し出され、その中から衣装を着たミルヒが現れ、スタッフに手を持ってもらいながら階段を降りていく
〜キュイン!〜
ミルヒ:〜〜〜〜♪
今度はバックダンサーが4人ゲートから現れ、それと同時にミルヒも歌い始める
ミルヒの曲に合わせてビオレとルージュは身体を揺らし、レオはじっとミルヒを見ていた
ミルヒ:〜〜〜〜♪
ユキカゼは子狐を抱っこしながら身体を揺らしダルキアンは手拍子し、蒼真とエクレはじっと見ていた
ジェノワーズの3人は曲に合わせながら踊っており、それをガウルはやれやれといった感じで見ていた
ミルヒ:〜〜〜〜♪
ミルヒの歌が中盤に差し掛かったその時、ミルヒは衣装の左胸に付いていた金具を外す
〜キュイン!〜
布らしきものが宙に上がるとミルヒの衣装が先程とは違うものに変わっていた!
〜キュイン!〜
さらにミルヒはマイクを花の蕾のような物に変えるとバックダンサーも同じ物を持っていて見る日立は同時に投げる
〜パパパン!〜
空中で蕾が花開くとそこから光のシャワーが流れ始めた!
ミルヒ:〜〜〜〜♪
観客達:わぁぁぁぁぁ!!
観客達はその演出に驚きの声をあげていた!
蒼真:わぁぁぁ…!すごいねエクレ!…?
エクレ:………///
蒼真がそう言いながらエクレに振り向くと、顔を赤くしたエクレが蒼真を見ていた
蒼真:?……あ!
どうやら蒼真は無意識にエクレの左腕を掴んでいたようだ
蒼真:ご、ごめん…!///
エクレ:き、気にするな…///
2人はぎこちないがミルヒのライブを見るのを再開する
ミルヒ:〜〜〜〜♪
ユキカゼ:見えるでござるか?あのお方はおまえを救い、母君を悲しみから解き放ってくれた姫様にござるよ
子狐:………
ユキカゼは子狐にミルヒのことが子狐にとってどういった人物が教えていた…すると
〜ピカァァァァ…〜
蒼真&ユキカゼ:え?
子狐:コォォォォ…!
蒼真:あっ…!
突如子狐の身体が光り始め、会場には大きな光草木が生え始めた!!
観客達:おぉぉぉぉぉ!?
ミルヒ:〜〜〜〜♪(こ、これはいったい…!?)
観客達はもちろん、ミルヒもこれには驚いていたが歌い続けていた
ダルキアン:これは…!
ノワール:もしかしてその子狐の力?
ユキカゼ:それもあろうが、それだけではござらんな…
ミルヒ:〜〜〜〜♪(あ、あれは…!)
ミルヒは大きな草木に半透明の母狐がいることに気がついた
母狐はミルヒを見ると、身体を優しい光に包み込みながらその場から空に駆け出していき、その姿を蒼真達も見ていた
蒼真:い、今のって…?
ダルキアン:おそらく母狐でござろうな
エクレ:子狐を助けてくれたお礼ということですね
ユキカゼ:そうでござろうな…
蒼真達は再びミルヒのライブを見始める
リコッタ:………うぅ…(こんなのって…あんまりであります…)
そんな中、リコが暗い森の中で1人、巻物を手に握りしめたまま縮こまっていた
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