パラディオン外伝 騎士と耳と尻尾の物語!   作:ウルトラ38

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〜前回のあらすじ〜
見事ミルヒを助け出した蒼真達、小狐に刺さっていた禍太刀もダルキアンとユキカゼのおかげで無事に封印でき、その後のミルヒのコンサートで盛り上がったのだが…そんな時リコッタが悲しそうな顔をしていたのであった


4つの条件 前編

リコッタ『グラナ盆地で行われた姫様のコンサートは本当にすごい盛り上がりとなりました、もちろん会場だけでなく中継先でもみんなは同じように楽しい時間を過ごすことができて』

 

ミルヒ:みんな〜〜!今夜はありがと〜〜う!!

 

リコッタ『みんなの笑顔と鳴り止まない拍手の中コンサートは終わりを迎えました、そして夜明けと共にガレット陣営はガレットの領地、ビスコッティ陣営はビスコッティの領地へとそれぞれ戻りました』

 

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〜ワァァァァァァ!〜

 

翌日、蒼真達がビスコッティの領地に戻ると、街には帰りを待っていた国民の人達が大勢いた

 

蒼真:わぁ〜すごい歓迎!

 

ユキカゼ:ほんとでござる〜!

 

リコッタ:勇者様、ユッキー…!

 

リコッタが2人に声をかける

 

リコッタ:自分はここで抜けて学院に顔を出すであります…!

 

蒼真:あ、本当?

 

ユキカゼ:ではみなに伝えておくでござるよ!

 

リコッタ:よろしくでありま〜〜す!

 

リコッタは自身の乗っていたセルクルと共に学院に向かっていく

 

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〜キィィィィィ…!〜

 

リコッタ:みんな…ただいまであります

 

リコッタはそう言いながら学院の扉を開けると中の研究員達が一斉に振り向く

 

学院研究員1:!主席、おかえりなさい!

 

リコッタ:どうでありますか、送還術式の件…

 

学院研究員1:それが…儀式方程式は今朝までに全て解析しました、準備が整えば今すぐにでも送還を行えるんですが…

 

リコッタは机に広げられた送還術式の書かれた文を読み上げる

 

リコッタ:送還の条件…召喚の儀によって召喚された勇者が元の世界に戻る条件は以下の通り…一つ、召喚主自身が送還の儀を行うこと…一つ、召喚から送還までの期間が16日以内であること…一つ、送還される勇者はフロニャルドで得た物、手にした物を何一つ持ち去ることはできない…一つ、一度元の世界に送還された勇者は二度とフロニャルドを訪れることはできない…この事、他の皆様には?

 

学院研究員2:まだ誰にも…

 

リコッタ:送還の期限は…三日後

 

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蒼真:ふぅ〜疲れた〜!

 

蒼真は先ほどまでのパレードなどを終えて自室のベットで寝転がっていた

 

〜コンコン〜

 

突如自室の扉が叩かれ蒼真は起き上がる

 

蒼真:はい?

 

リコッタ:こんばんは…であります…!

 

〜キィィィィ…!〜

 

蒼真:あれ?リコどうしたの?

 

リコッタ:……勇者様のご帰還方法、判明したのであります

 

蒼真:えっ!?

 

蒼真はリコッタから帰還方法についての説明を受けていた

 

リコッタ:予定通り三日後の朝に勇者様は元の世界に帰れるであります…

 

蒼真:よかった…って言いたいところなんだけど、何かまずいことでも

 

リコッタ:一度送還された勇者は…二度とフロニャルドに来られないという条件があるのであります

 

蒼真:っ!……そうなんだ…

 

リコッタ:それから、フロニャルドで得たものは何も持ち帰れないという条件もあって…これは、品物だけではなく知識や経験も該当するのであります…

 

リコッタは目に涙を浮かべながらも説明を続ける

 

リコッタ:フロニャルドで過ごした日々の記憶も…送還の際に消えてしまうと…

 

蒼真:そうか…それでリコは昨日から元気なかったんだ…

 

〜ギュウゥ…!〜

 

リコッタは自身のスカートを強く握りしめる

 

リコッタ:王立研究員主席として、自分は不甲斐ないであります…自分はきっと軽く考えていたのであります…難しくてもなんとかできる、こんな悲しいことにはきっとならないって…!

 

蒼真:リコ…リコが悪いんじゃないよ、前向き思考はリコのすごい良い所なんだし

 

リコッタ:でも、でも…勇者様、姫様やみんなと仲良くなって自分ともたくさん一緒にいてくれて…こんなに仲良くなれたのに…こんな結末は…嫌であります!

 

蒼真:リコ……!

 

〜スゥ〜

 

リコッタは座っていたベットから立ち上がる

 

リコッタ:勇者様にフロニャルドこと、みんなのこと、忘れてほしくないであります!ずっと…ずっと一緒にいたいであります!!

 

リコッタは泣きながらも自分の思いを蒼真にぶつけた

 

蒼真:…たしかに、二度と会えないのも忘れちゃうのもすごく辛いでもさ、なんとなくだけどさ、元の世界に帰ってもみんなのことを忘れたりしないし、きっとまたここに来られるような気がするんだ

 

リコッタ:勇者様…

 

〜なでなで、なでなで〜

 

蒼真はリコッタに安心できるように笑顔を見せ、さらに頭を撫でて気持ちを落ち着かせる

 

蒼真:リコ、この話したの僕が最初?

 

リコッタ:はい…研究員のみんな以外には

 

蒼真:そう、なら良かった

 

〜カチャカチャ〜

 

蒼真はそう言いながら先ほどリコッタが訪れた際に持ってきた紅茶を用意する

 

蒼真:じゃあ、一つお願い聞いてくれる?

 

リコッタ:………?

 

蒼真はリコッタに紅茶を入れたティーカップを渡すと再びベットの上に座る

 

蒼真:もう来られないかもとか記憶を無くしちゃうかもとか…その辺のことみんなには内緒にしておいてくれないかな

 

リコッタ:えっ?

 

リコッタが困惑する中蒼真は紅茶を一口飲む

 

蒼真:お別れが悲しいのはなんだか寂しいしさ、もう会えないって別れ方したらそれがそのまま本当になっちゃう気がして

 

リコッタ:でもっ…

 

蒼真は人差し指を立ててリコッタを静止させる

 

蒼真:だから、きっとまたいつでも会えるって気持ちで帰りたいんだ

 

蒼真はリコッタの頭の上に手を乗せてそう答えた

 

リコッタ:勇者様…

 

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同刻、ミルヒの自室ではミルヒがリゼルと1人のメイドに髪を整えてもらっていた

 

リゼル:姫様、ご機嫌でいらっしゃいますね♪

 

ミルヒ:はい!コンサートはみんな喜んでくれたし、レオ様とも仲直りできましたし、それに明日も蒼真と一緒に朝のお散歩しようって!

 

メイド1:まぁ!それは楽しみですね〜♪

 

ミルヒ:はい♪

 

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エミリオ:親衛隊長、勇者殿明日はこちらの訓練にいらっしゃるのでしょまうか?

 

同じく騎士団の集会場でエミリオがエクレに明日の訓練に蒼真が来るか尋ねていた

 

エクレ:知らん!なぜ私に聞く?

 

エミリオ:親衛隊長は勇者殿といつも仲良しでいらっしゃいますゆえ

 

エクレ:っ!?誰が仲良しだ!誰と誰が!!///

 

〜ふっははははは!〜

 

その光景を見ていた騎士団の数名が笑っていた

 

エクレ:昼からは風月庵にいくと言っていた、来るなら午前中だろうよ///

 

エミリオ:はい!了解です!

 

エクレ:むぅぅぅぅ…!///

 

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『風月庵』

 

エイカ:勇者様、明日いらっしゃるんですよね?

 

風月庵の使用人であるエイカが2人に尋ねる

 

ユキカゼ:お昼頃に来るそうでござるよ

 

ダルキアン:この子に会いに来て、それから拙者と少々剣の稽古をなどを

 

エイカ:まぁ!それならお昼をたくさん用意しておかないとですね〜!

 

エイカはそう言いながら明日のお昼の食材の準備を進める

 

ユキカゼ:水菓子も井戸で冷やしておくでござる〜!

 

エイカ:は〜い!

 

ダルキアン:うむ、諸々良きようはからってくれ

 

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『ガレット・ヴァンネット城』

 

ガウル:あっそういや姉上

 

レオ:ん?なんじゃ?

 

ガウル:俺明日出かけても良い?三馬鹿連れて蒼真とこ

 

レオ:まぁ好きにせい、明後日ならわしもビスコッティを訪ねるが…むぅ

 

レオがガウルの話を聞きながらストレッチをしていると、ペットの子ライオンのアルムがレオの顔を舐める

 

レオ:これアルムやめんか〜

 

ガウル:あぁ!そんな俺向こうに泊めてもらうわ!

 

レオ:うん、あまり迷惑をかけるでないぞ

 

ガウル:へ〜い!

 

〜ガチャ!バタン!〜

 

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視点は再びミルヒの自室に戻り、リコッタはミルヒに送還の儀のことを伝えていた

 

ミルヒ:そう、蒼真が帰る方法見つかったんですね!

 

リコッタ:はい!なので姫様には三日後の朝に送還の儀をお願いしたいであります

 

ミルヒ:わかりました!…でもきっとまたすぐに来てくれるとはいえ、蒼真が帰っちゃうの寂しいですね

 

リコッタ:…はい、自分も寂しいであります…




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