パラディオン外伝 騎士と耳と尻尾の物語!   作:ウルトラ38

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〜前回のあらすじ〜
蒼真が元の世界に帰る方法がついに判明!しかしその代償に蒼真はフロニャルドに関する記憶など失ってしまうことが判明…果たして記憶を無くさない方法は見つかるのだろうか…?


約束 前編(少しセリフ変更)

〜チュンチュン〜

 

ガウル:がぁ〜…がぁ〜…

 

ベール:うぅん…

 

ジョーヌ:もう食べられへん…

 

ノワール:すぅ…すぅ…

 

蒼真:……

 

フロニャルド滞在最終日の早朝、蒼真の部屋には泊まりに来ていたガウル達が寝ており、蒼真は部屋の窓から外を見ていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

蒼真はミルヒと朝の散歩に出掛けていた

 

ミルヒ:夏休みって何日後くらいなんですか?

 

蒼真:えっと地球換算だと、今日は4月4日だから…100日ちょっとくらいかな

 

ミルヒ:100日ですか…そんなに会えないと寂しいですね…

 

蒼真:でも2、3日の滞在なら連休もあるし、緊急の時ならいつでもお呼ばれするから!

 

ミルヒ:はい、ありがとう蒼真

 

蒼真:ところで姫様、今日の式典って本当にやらなきゃダメ…?

 

ミルヒ:ダメですよ〜蒼真は勇者様なんですから、お見送りの式典はちゃんとしないとです!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

元老1:ビスコッティの勇者蒼真は召喚の役目をひとまず終え、本日故郷へと帰還される

 

ミルヒとの散歩を終えた蒼真はお見送りのための式典に参加していた

 

元老1:勇者の剣、神剣パラディオンを召喚主ミルヒオーレ姫へ

 

〜スッ〜

 

ミルヒは立ち上がると蒼真の元まで歩き、蒼真から指輪の状態のパラディオンを取る

 

『図書館』

 

〜カリカリカリカリ〜

 

リコッタは式典に参加せず図書館に篭って涙を浮かべながら蒼真が記憶を無くさない方法を探していた

 

リコッタ(まだもう少し…あともう少し…もうちょっとだけ待ってほしいであります…!勇者様と悲しいお別れをしなくて済む方法、このページをめくれば、次の資料を探せば…見つかるかもしれないのであります…だから、まだ…)

 

〜コッコッコッ〜

 

???:リコ

 

リコッタ:っ!?

 

名を呼ばれたリコッタは顔を上げると、そこにはフロニャルドに来た時に着ていた私服に着替えた蒼真がいた

 

リコッタ:っ!……ごめんなさい…ごめんなさいであります!

 

蒼真:リコ…

 

リコッタ:見つけられなかったであります、自分はやっぱり…ダメだったであります…

 

蒼真:……

 

〜スッ〜

 

リコッタ:?

 

蒼真はそっとリコッタの頬に手を当てる

 

蒼真:そんなことないよ、リコ…こんなに頑張ってくれた、僕は思い出も何も持ち帰れないのかもしれないけど…だけど、それでも絶対に忘れないしきっと思い出すから…!

 

リコッタ:勇者様…

 

蒼真:あっそうだ!リコにプレゼントがあるんだ…コレ

 

〜カチャ〜

 

蒼真は机の上に4色ボールペン1本とポータブルスピーカー2つを置いた

 

蒼真:4色ボールペンとあとポータブルスピーカー、流石にスマホはダメだけど…コレなら分解して遊べるんじゃないかなって思って

 

〜カチャ〜

 

リコッタは机の上に置かれた3つを手に取る

 

リコッタ:分解とかは…しないであります、大事に預かっておくであります…ずっと、ず〜っと…!

 

〜なでなで、なでなで〜

 

蒼真:ありがとう、リコ

 

蒼真はリコッタの頭を撫でながら感謝の気持ちを伝えた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜ザッザッザッザ〜

 

リコッタとのお別れを終えた蒼真はセルクルに乗り、引率のエクレと共に召喚台のある場所に向かっていた

 

エクレ:まったく、最後まで貴様のお守りとはなぁ

 

蒼真:そう言わないでよ、見送ってくれるのがエクレで僕は嬉しいよ

 

エクレ:っ…!///

 

エクレは蒼真に嬉しいと言われ少し顔が赤くなる

 

エクレ:姫様はもう召喚台で送還の準備をしておられる、我々もあんまりのんびりしておれん

 

蒼真:うん…あっそれでねエクレ!

 

エクレ:?

 

蒼真はエクレの隣にセルクルを並ばせると、左手首につけていたリストバンドを見せる

 

蒼真:お古で悪いんだけど…良かったらコレ貰ってくれないかな?

 

エクレ:っ!…まぁ預かっておく…

 

エクレは照れながら蒼真からリストバンドを受け取る

 

蒼真:ありがとう

 

エクレ:そういえば何やらみんなにも配っていたな?

 

蒼真:うん、ダルキアン卿や騎士団長には財布に入れてた記念コインを1個ずつ、ユッキーにはスマホに付けてたストラップ、あとは…

 

エクレ:形見分けのようで…

 

蒼真:ん?

 

エクレ:あまり感心しないな

 

蒼真:そうかな〜?

 

エクレ:そうだ

 

蒼真:むぅ…

 

2人の間に少し沈黙が訪れる

 

エクレ:…やはり、送還されたらもうフロニャルドには来られないのか?

 

蒼真:えっ……うん

 

蒼真はエクレの発言に驚き、小さな声で返事をする

 

蒼真:記憶も無くなっちゃうみたいでさ、こっちで過ごした日々のこと……いつ気づいたの?

 

エクレ:リコの様子を見ていれば誰でもわかる

 

蒼真:そっか…

 

エクレ:しかし、来る時は簡単だったと聞いているが、帰る時にはそんなことになるとはな…馬鹿げた話だ…

 

蒼真:まぁ忘れないけどね、フロニャルドで起きたことも、みんなと会ったことも…怒りっぽくてすぐ蹴るけど強くてまっすぐな親衛隊長のエクレールと一緒にいたこと…

 

エクレ:……私は

 

蒼真:?

 

エクレ:貴様のことなど覚えている自信はないなぁ…訓練に戦に外交に私も日々忙しい

 

蒼真:寂しいなぁ…

 

蒼真がそう言うと同時にエクレが前に出る

 

エクレ:忘れられて寂しいなら…忘れてほしくないなら、何があろうと貴様も我々を忘れるな…!

 

蒼真:っ!

 

エクレ:それから…割と早めに帰ってこい

 

蒼真:うん、きっと

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

召喚台前の階段でミルヒと蒼真をフロニャルドに招いたタツマキが待っていた

 

タツマキ:…ワン?ワオ〜ン

 

ミルヒ:!蒼真…

 

タツマキが何かに気づきミルヒに吠えると、目の前には荷物を持った蒼真がいた

 

蒼真:…姫様!

 

ミルヒは蒼真の姿を確認すると隣にいたタツマキが蒼真に向かって走り出す

 

蒼真:なんだタツマキ〜おまえも来てたの?

 

ミルヒ:はい、お見送りをしたいって

 

蒼真:そっか、お?

 

〜ペロ〜

 

蒼真:うわぁ!?あっははは

 

蒼真はタツマキに顔を舐められる

 

ミルヒ:送還の時には私と蒼真しかこの場にいられませんからタツマキ、今の内に蒼真にご挨拶を

 

タツマキ:ワン

 

〜スッ〜

 

蒼真:ん?

 

タツマキが蒼真に向かって右前足を挙げ、蒼真が左手を出すとその上に乗せた

 

蒼真:うん、タツマキもありがと

 

ミルヒ:待ってる間に儀式の準備も済ませてあります、時間が来たら来た時とは逆にここから蒼真は空に登って元の世界に帰ることができます

 

蒼真:そう…

 

蒼真はミルヒを見ると悲しい表情をしていることに気づく、そして2人は階段を登り送還の陣の前に立つ

 

ミルヒ:来てもらったのはついこの間のことのはずなのに…なんだかもうずいぶん昔のことみたいです

 

蒼真:うん…

 

ミルヒ:ここで蒼真と会って、勇者になってもらって、いろんなことがありましたけど…でも何より、蒼真が来てくれて…蒼真といられて…楽しかったです…!すごく…すっごく!

 

蒼真:っ……!

 

ミルヒの目から涙が流れ、それを見た蒼真はミルヒに近づき涙を指で拭った

 

蒼真:姫様…

 

ミルヒ:蒼真…

 

蒼真:僕も…僕だって楽しかったよ…

 

ミルヒ:うん…

 

蒼真:ビスコッティに呼んでもらって…

 

ミルヒ:うんうん…

 

蒼真:姫様と出会って…でも大丈夫、今度はきっと夏休みにさ、絶対にまた来られるから!

 

ミルヒ:うん…!

 

蒼真:今度は…きっと…もっと、もっと楽しいから!

 

ミルヒ:蒼真…

 

ミルヒは蒼真の頬に手を当てる

 

ミルヒ:約束です…!絶対絶対…また空いましょう…!私達はもちろん、蒼真だって…私達のこと忘れたりしないんですから…!!

 

〜ギュッ〜

 

蒼真は自身に触れているミルヒの手を握る

 

蒼真:忘れないよ…絶対絶対、忘れない!

 

〜キュイィィ…!〜

 

蒼真&ミルヒ:っ!

 

すると蒼真の背後の送還の陣が輝き始めた

 

〜コッコッコッ〜

 

蒼真はミルヒの肩に手を置き、後ろに下がらせ自身は陣の中に入っていく

 

ミルヒ:………

 

蒼真:………

 

〜キュイィィン…!〜

 

光が強くなり、描かれな陣が回り始めた

 

蒼真:じゃあ…姫様!

 

ミルヒ:っ……

 

〜つぅ……〜

 

ミルヒの目から涙が流れている

 

〜キュウゥゥゥゥン!〜

 

送還の陣から光の粒子が放出されそれを浴びた蒼真はピンク色の光に発光し始める

 

〜スゥゥゥゥ…!〜

 

すると光に包まれた蒼真と荷物は宙に浮き始める

 

ミルヒ:っ!蒼真…蒼真、蒼真!!

 

〜タっタッタッタッ!〜

 

するとミルヒが蒼真に向かって手を伸ばして走り出し、蒼真の左手を両手で掴む

 

ミルヒ:いやです…帰っちゃいやです!

 

蒼真:姫様…

 

ミルヒ:もっとずっと…ずっとずっと、蒼真と一緒にいたいです!!

 

蒼真:っ…そんなの僕も、僕だって!姫様やみんなと…!!

 

〜グググ…〜

 

送還の陣の力によって蒼真の手がミルヒの両手の中から抜けようとしている

 

ミルヒ:大好きです…蒼真、私は…ミルヒは蒼真のことずっとずっと大好きです!!

 

蒼真:姫様…僕は…!

 

蒼真もミルヒに自身の気持ちを伝えようとしたその時

 

〜ブウゥゥゥゥ!〜

 

蒼真:ぐっ…!?

 

〜シュル…!〜

 

ミルヒ:っ!!

 

陣の力が強くなりミルヒの手から蒼真の手が離れてしまった

 

蒼真:姫様!

 

ミルヒ:蒼真!

 

蒼真:姫様!僕だって大好きだ…!!だから絶対…絶対また来るから!会いに来るから…約束するからぁ!!

 

〜キュイィィン…シュイン!!〜

 

上空に上がった蒼真は光に包み込まれ、空の彼方へ消えていった

 

〜ドサッ…〜

 

ミルヒ:うっう…う…うぅ…!




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