やっと時間ができたので進めていきたいと思います。
僕は両親の記憶が曖昧だ。曖昧と言うのは、育て親の記憶はあると言うことだ。
今の両親である弥城夫妻は、僕が養子である僕のことを、本当の自分の子ように接してくれる。
でも、僕に曖昧だが本当の両親の記憶が微かに残っていることも理解してくれている。
本当に優しい両親だ。
そして、僕はとても幸せである。
「君が大和くんかい?」
「うん」
孤児院に一人でいる僕に、優しく話し掛けてきてくれたのは、人は驚いている僕を見ると
「突然声をかけてごめんね。僕は弥城博正と言うんだよ。」
更に、弥城という人のよこにいる女性が
「博正さん、脅かしちゃダメじゃない。私は弥城鈴音というの」
弥城博正という人は少し困った顔をして、何かを決意したように
「僕たちは、大和くんの家族になりたいんだ。」
と言った。
「え?!」
と僕はその時変な声を無意識のうちにあげていた。
なぜなら、この孤児院平安に残っているのは僕で最後だったからだ。
友達は、他の施設や新しい親のところへ行ってしまったからだ。
僕がなんとも言えない表情をしていると、女の人が
「迷惑だった?」
と悲しそうな顔で聞いてきた。
勿論、迷惑ではなくとても嬉しかった。突然のことで放心状態になってしまった。
僕の返事を弥城さんは待ってくれていた。
どのくらいたったかわからないが、僕は放心状態から戻り、泣きながら笑い
「行きたい。」
と言った。
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僕はそこで目を冷ました。そこはいつも見慣れている、自分の部屋だった。僕の目には涙が少したまっていた。
長い間見ていなかった、始めいて父さんと母さんにあった時の事を、夢で見た。僕のことを弥城夫妻が引き取ってくれたのは、今から16年前、ちょうど、僕が4歳になるかならないかぐらいの時だった。
そんなことを考えていると下から
「大和起きた?」
「今行きます。」
母さんの声が聞こえてきた。夢について考える時間が終わり、返事をした僕は、リビングへと降りて行く。この時の夢が自分の両親の夢になるなんて思っていなかった。
リビングには、朝ごはんの準備をしている、母さんの姿があった。僕は少し眠そうな顔で
「おはようございます。」
「はい、おはよう。」
「親父は?」
親父の姿が無いので、母さんに聞いてみた。
「まだ、寝ていると思うわ...。」
「僕が起こしてきます。」
「きっとまた書斎で寝ていると思うよ。」
「わかりました。」
僕は、すぐにリビングから父さんが寝ているであろう書斎むかった。母さんの後ろに何か恐ろしいものを見たからだ。父さんはよく仕事をしたまま、机の上で寝てしまうことがある。昨日も久しぶりに帰ってきたと思ったら夕飯を食べ、風呂に入ったら、すぐに書斎に籠ってしまった。きっとそのまま寝てしまったのだろう。
「はぁ~」
私はため息をついた。その理由は久しぶりに帰ってきたが、すぐに書斎に入ってしまったせいで母さんの機嫌がとても悪いのだ。その相手をひとりで相手をしながら機嫌を直すのに奮闘したからだ。まずは、文句の一つでも言わなければ私の気持ちがおさまらない。書斎の前に着いた私は昨日の恨みを込めて思いっきりドアを開けた。
「いつまで寝ているつもりですか?」
「うわぁ!?」
ドカァ!!
すごい音と共に椅子から親父が落ちた。ざまあみろ昨日の恨みだ。
「なんだ、大和か脅かすなよ。」
「なんだじゃありません。よくも昨日機嫌の悪い母さんの相手を一人でさせましたね。昨日だけで治らず今日も機嫌が悪いんです。」
「それほんと?」
親父は焦って聞き返してきた。少し顔が青ざめている気がするが知ったことではない、母さんの相手をしない親父の自業自得だ。
「ほんとです。」
「着替えてから行くと母さんに伝えてくれ。」
「わかりました。すぐに来てくださいよ。ちなみに親父のみかたはしませんから。」
そう言い残して、親父の書斎を後にした。
「ちょっと待ってぇぇ!」
親父の悲鳴が聞こえた気がしたが、気にしないでリビングに行き朝食を食べていると、ドアが急に開いて親父が慌ててリビングに入ってきた。そんなに慌てる必要はないと思うのだが。
「母さん、昨日は「昨日は何ですか、博正さん?」すいなせんでした。」
母さんの顔を見るなりすごい速さで土下座した。
「帰ってくるなり書斎に籠ったことですか?それとも何も話してくれないことですか?」
「はい、両方です。」
母さん笑いをこらえるのでやっとって顔してるよ。親父で遊んでるな、当の本人である親父は気付いてないけど面白いからいいか。
親父が助けを求めて僕のほうを見ている、そろそろ助けてもいいかな。十分面白かったし、休日の貴重な時間を潰したくないし。
「親父、何か渡すものがあったんじゃないの?」
「大和なんでしっているんだ?」
「部屋の隅に見たことない袋があったからだよ。」
さっき部屋に入った時見つけたもののことを助け舟として出してみた。
「なるほど、あれは大和へのプレゼントだよ。」
すると母さんも
「今日が何の日か覚えてる?」
今日?なんだっけ、全く覚えていない。
「お前と初めて家族になった日だよ。16年前の今日少し肌寒くなるこの季節にな。」
「あんなに小さかったのに元気に育ってくれて本当によかったわ。」
母さんと親父が言っていることを聞いて思い出した。一人だった僕を家族にしてくれた大切な日だった。ふと、思ったことを聞いてみた。
「今まで特に何もしてなかったのに突然なんで?」
少し懐かしくもさびしそうな顔で親父が
「お前の本当の両親は俺の姉さんと義兄さんだったんだよ。事情は知らないが、お前を養子にしてほしいと手紙が届いて君を引きとった。姉さんたちとは連絡はつかないけどな。」
親父の話を聞いて混乱している僕に母さんが一言
「大和あなた宛ての手紙もあるのよ。私たち宛ての手紙に、大和が20歳になる年の引き取った日に渡してほしいと書いてあるの。」
「親父が姉さんの家に行って昨日とってきた物だ中身は見ていない。お前が自分の目で確かめるんだ。まぁ、手紙は家にあったがな。」
親父の部屋にあった袋を僕の前に出してきた。僕はそれをゆっくりと丁寧に受け取った。中には小さな箱と二つの封筒が入っていた。
「俺たちは書斎にいるから、見終わって落ち着いたら呼んでくれ。行こう母さん。」
「そうね。」
「待って。」
部屋を出ようとした両親を無意識に呼びとめていた。
「部屋にいてほしい。」
部屋を出ようとしていた両親は、驚いた顔で僕の顔を見て納得してソファーに座った。僕も横のソファーに座り、二つの封筒と箱を机の上に出した。
本当の両親からの手紙を手に取り読み始めた。
{大和へ...