一匹狼だった少女   作:桜水月

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感想もそうですが、しっかりと読んでくださる人がいるんだ!!
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それでは本編へ!


手の温もり

ー佐倉愛里視点ー

明日は多くの人の前で証言をしなくちゃいけない。そう思うと体が震え出して、今にも逃げ出したくなる。しなくちゃいけないのは分かっている。けど、どう話せば良いのか、もし失敗したら…そう思ってしまう。ふと、葵ちゃんの顔が浮かんだ。瞳の奥が力強くて、でもどこか儚げで今にも壊れてしまいそうなそんな人。こんな夜遅くに電話したら迷惑かな。でも…

桜木『どうしたの?』

佐倉『明日、休んでも良いのかな?』

桜木『私は最初に愛里の自由って言ったよね。その選択ももちろんありだと思う。更に言えば、その選択を誰も咎める事は出来ない』

佐倉『でも…でも…』

桜木『無理に証言をしても逆効果になる可能性だってある。だから降りるのも悪くは無い…けどそうだなぁ…誰かの為、そんな考え方は捨てたらどうかな?』

佐倉『えっ…?全部…捨てる?』

桜木『明日証言をするのは、事件を目撃したという真実を話す自分自身の為。本当のことを自分のために話す。その結果で須藤君達が救われる。それで十分だよ』

佐倉『…ありがとう、葵ちゃん』

葵ちゃんと話して良かった。まだ、怖いけど…怖いけど、頑張れる。本当に…ありがとうね。

そして日は上り、ついに審議の日になった。早く起きてしまったので、早めに登校する。暗い表情をしていた私にグループの皆んなは声をかけてくれる。入学当初では考えれ無かった光景だ。更に、もう私の仮面はバレてしまったのだろう、池君や山内君がそんな目を向けてくる。少し怖いけど、大丈夫。

私は1人じゃ無いから…

やがて、放課後となった。波瑠加ちゃん達から見送られ清隆と堀北さんと須藤君と職員室に行った。

星之宮「やっほ〜。Dクラスの皆さんこんにちは〜。なんか凄い事になってるんだってね」

茶柱「また何をやっているんだお前は」

星之宮「ありゃ、もう見つかっちゃったか」

茶柱「お前がコソコソ出て行く時は、大体私に後ろめたい事がある時だからな」

星之宮「私も参加しちゃダメかな」

茶柱「ダメに決まっているだろう。部外者が参加できないのは知っての通りだ」

星之宮「残念。まあいいか、1時間もしたら結果も出てるだろうしね」

茶柱先生は星之宮先生を職員室の中に戻した。さあ行こうとした時

桜木「あっ、良かった。ここに居たんだ」

堀北「何の用かしら、桜木さん?」

桜木「少しだけね」

そうして私に近づいてくる葵ちゃん。そして身長差があるから当然だけど上目づかいで、そして私の両手を優しく包み込む様に握る。暖かくてまるでこちらの心まであったまっていくよう…

桜木「昨日言った事、忘れないでね。それじゃあ、頑張ってね」

やっぱり、葵ちゃんは不思議な人だ。

 

ー綾小路清隆視点ー

結論から言うと、再審にした。愛里がいつもと少し違い自信を持って話した事により須藤への罰は小さくなった。が、俺が堀北を焚き付けて再審になるようにさせた。もう堀北は気づいているはずだ、この状況、Cクラスに訴えを取り下げるしか無い、その為の方法を。堀北は足早にその場を去り、須藤が去り、そしてCクラスが去る。その時にCクラスの奴らが愛里を嘘つきだとこちらに聞こえるように言った。愛里は少し不安そうな表情をしていたが、少し深呼吸をして落ち着いた。佐倉が以前よりも成長しているのを見て、葵の姿が目に浮かぶ。あいつはどうしてここまで他人に関与するのか?その目に底知れない闇を抱えてながら、なぜ人の為に動くのか?彼女を理解すれば、俺は変われるのだろうか…

そんな事を考えながら、俺と愛里も去ろうと出た瞬間

堀北「まだいたのか」

橘書記は鍵を手に戸締りを始めた

堀北「それでどうするつもりだ?」

綾小路「どうする、とは?」

堀北「今日この場に鈴音と共に現れた時には、何か策を見せると思っていたが」

綾小路 「オレは諸葛孔明でもなければ、黒田官兵衛でもないですよ。策なんてありません」

堀北「完全無罪と言い放ったのは、、鈴音の暴走というわけか」

綾小路「絵空事ですね。そう思いませんか」

堀北「そうだな、それから佐倉と言ったな。目撃証言と写真の証拠は、審議に出すだけの証拠能力は確かにあった。しかし覚えておくことだ。その証拠をどう評価しどこまで信用するかは証明力で決まる。それはお前がDクラスの生徒であることでどうしても下がってしまうものだ。どれだけ 事件当時のことを克明に語っても、100%を受け入れることは出来ない。今回、お前の証言が『真実』として認識される事は無いだろう」

それは、愛里が嘘つきである、と言っているも同然だった。

佐倉「そうですね。けれど私は…背中を押してくれた人が信じた私を信じます」

堀北「良い友を持ったな。けれど証明をしなければ戯言に過ぎない」

綾小路「その証明はあんたの妹がやってくれるだろうさ。誰もが納得する方法でな」

出来るはずが無いという風に微かに堀北生徒会長は笑い、橘書記と帰って行った。

そして俺と愛里は下駄箱に向かった。

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