一匹狼だった少女   作:桜水月

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0日目・穴だらけの契約

ー桜木葵視点ー

この砂浜は暑い。

長くいるのは得策では無い。

星之宮「桜木さーーん」

手をブンブンとふりながらこちらへ来る星之宮先生。

真島「おい、星之宮…」

星之宮「もうそんな目で見ないでよぉ。こっちはちゃんと仕事だよ」

こっちはって…Dの方に何かしにいってたのかな?茶柱先生とはライバル(?)みたいな関係そうだし、敵情視察でもしてたのかな?

桜木「星之宮先生、どうしましたか?」

星之宮「少しこっちに来てもらって良いかな?」

そしてAクラスの皆んなから少し離れる

星之宮「これくらいで良いかな。桜木さん、ルール説明はしっかり聞いてたよね。それでなんだけど、無理しないでね?いくら毒が効かないからってそこら辺にある物何でも食べたりしたらダメだからね!」

桜木「はい。分かりました。でも、毒についてもこの気候辺りで生えるものについては勉強しておいたので大丈夫ですよ」

星之宮「そっ、そうなのね!それじゃあ頑張ってね!」

去って行く星之宮先生を見て、私はクラスに戻って行く。すると、少しだけ奥に入った所で葛城君と龍園君が話し合っていた。どうやら龍園君が葛城君に交渉を持ちかけているようだ。

葛城「桜木、戻っていたのか。少しこっちで話に加わってもらって良いか?」

桜木「大丈夫だよ」

葛城「この契約どう思う?」

 

1、Cクラスは200sポイント分の物資をAクラスに譲渡する。購入する物資はAクラスが自由に指定出来る。

2、CクラスはBとDクラスのリーダーが誰であるかを探り、得た情報を全てAクラスに伝える。

3、1と2を遂行した後、Aクラス生徒全員が龍園翔に毎月2万プライベートポイントを譲渡する。本契約は、本校の卒業まで継続する。

 

1と3には特に問題は無い。問題は2かな。Cクラスを陥れても良いし、BとDを負けさせる事も出来る。綾小路君が動くなら、Cを陥れた方が全体的なクラスポイントの増加量が大きいかな。ごめんね、龍園君…

桜木「罰則が無いね」

龍園「チッ」

葛城「どういう事だ?」

桜木「間違えた時に、Cクラスはゼロポイントだからダメージが無いけど、私達はマイナス50ポイントされるから、Cクラスにも誤った情報を伝えたら損になるようにするか、合っていたらプラスになるようにしないと」

葛城「っっ」

龍園「なら月の譲渡ポイントで考えようぜ」

葛城「当てていたら1人五千ポイントずつ上げる、間違えていたら下げるのでどうだ?」

龍園「まぁ良いだろう」

桜木「じゃあ書き足すね」

 

4、もし誤ったリーダーを伝えた際、龍園翔に毎月支払うポイントを五千ポイント下げる。

5、リーダーをしっかりと当てた際、龍園翔に毎月支払うポイントを五千ポイント上げる

 

龍園「おい葛城。随分と譲歩させられた手前、此方からも要求がある」

葛城「…なんだ。それに譲歩というが、こちらは当然の要求をしている。応える義務はない」

龍園「義務はないが…義理はあるだろ?こっちはお前らAクラスの地位を盤石にしてやる手助けをしてやったわけだ。我儘の1つ2つくらい聞いてくれても悪くねえだろ」

葛城「…言うだけ言ってみろ。呑むかどうかは、それから決める」

龍園「なぁに、この試験ではSPそのものの譲渡が出来ねえから物資を渡す形でそちらに援助をくれてやる訳だが、俺達が指定する予定の拠点は砂浜。つまり俺達が使わねぇ物資を汗水垂らしてAクラスまで運ばなきゃいけないのは酷いと思わねぇか?」

葛城「つまり、運送はこちらでやれという事か?」

龍園「いや、1人で良い。人員を寄越せ」

1人?1人で何が出来るのか?

桜木「何をさせるつもりなの?」

龍園「何もさせねぇよ。いや、料理でも作って貰おうか。更暴力行為を疑っているみたいだが、暴力行為なんてしたらつまらないだろ。更に、こちらのクラスだって全員が納得する訳じゃ無い。そのためにAクラスから1人寄越して働かせるくらいさせても悪かねぇだろ?そして勿論来るAクラスの奴にはCクラスの情報漏洩を禁止させる。これくらいしてもらわねぇと割に合わないよな?」

何もさせない。その言葉に嘘は無いし、暴力を振う感じも無い。言葉の通りなのか?それともAクラスの戦力を少しでも削ろうとしてる?でも戦力を削ぐのはメリットが全くと言って良いほど無い。なら何が目的だ?クラスを納得させるような人物?そんな人は居ないはず…Cクラスのメリットになるような人物…いや、そもそも…

葛城「分かった」

私が悩んでいる内に葛城君は決断した。

その言葉を聞き龍園君はニヤリと笑う。その様子はイタズラが成功した子供のようだった。

龍園「くくっ…葵書いてくれ」

 

1、Cクラスは200sポイント分の物資をAクラスに譲渡する。購入する物資はAクラスが自由に指定出来る。

2、CクラスはBとDクラスのリーダーが誰であるかを探り、得た情報を全てAクラスに伝える。

3、1と2を遂行した後、Aクラス生徒全員が龍園翔に毎月2万プライベートポイントを譲渡する。本契約は、本校の卒業まで継続する。

4、もし誤ったリーダーを伝えた際、龍園翔に毎月支払うポイントを五千ポイント下げる。

5、リーダーをしっかりと当てた際、龍園翔に毎月支払うポイントを五千ポイント上げる

6、運送中にAクラスから1人Cクラスで作業をする。その際、Aクラスとの接触および情報漏洩を禁止する。運送作業中に点呼が来た場合は、Cクラス監督の元点呼のみを行う。情報を漏らしたりした場合、その者は試験をリタイヤする。

7、この契約に署名をした者(坂柳有栖除くAクラスの全生徒と龍園翔)は、上項すべてに同意したものとする。

 

全員が署名をして、先生に見てもらう。

龍園「契約成立だ。それじゃあ200ポイント分物資を選べ。俺も選ばせてもらおうか。といっても、決めてあるんだがな」

こちらに目をやる龍園君。

なるほど、私か…

なぜ私なのかは分からないが…

まぁこの機会にCクラスの人のことを知るのも良いかな。私が居なくても葛城君なら上手くやれるでしょ…最悪、空回りしてしまったとしても、彼の0ポイント作戦の関係上3日目にはAクラスに戻れるから問題は無い。

葛城「それでは選ばせてもらう」

葛城君はそう言いみんなの方に歩き出す。

葛城「桜木?どうした?」

龍園「そうだよなぁ。お前は今さっきので気づくよなぁ」

葛城「どう言うことだ!?」

龍園「つまり、俺が選ぶのはコイツなんだよ」

そう言い、ポンと私の肩に手を置く。

葛城「つっ……なぜだ」

それは私も同感だ

龍園「理由なんて必要無いだろ?ほら、さっさと物資を選びな」

龍園君はそう言い私の背中を押しながら浜辺の方に向かって行った

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