諏訪大戦にでんせつポケモンが参戦するそうです   作:タニコウ

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思い立ったが吉日。対戦よろしくお願いします。



でんせつ、東方世界に転生す
でんせつ、神代に舞い降りる


 

 

 はいどーもー、ボクはそこら辺にいる転生者でーす。いやー、ビックリましたね。寝て、目が覚めたら似非伝説のポケモンことでんせつポケモンのウインディになっていたんですよ。あっはっは!

 

「ガウッ……(身体中いたいです……)」

 

 まぁ、笑っていられるのも今のうちと言いますか、今際の際際であがきましょうと言いますか何と言いますか。……今現在、ボクってば瀕死の大ピンチでございます。原因は、目の前にいる神様の一匹。

 

「パルゥ……」

 

 そう、空間の神様のパルキアことバカヤローさんですね。まぁ、皆さん見ての通り、チート転生者の意地と言いますか、ボクのど根性で奴の片腕と片目を持っていったんですよね。スゴいでしょう?ふふん!

 因みに、腕を味見……って言うか一口分食べちゃったんですけど、めっっっちゃ不味かったです。洞窟に1ヶ月遭難した時に食べた金属の味みたいだったんですよね。まぁ、固かったから燃やして溶かして飲み込んだんですけども。因みに、肩にあるピンクっぽい水晶みたいなところを食べました!もしかしたら、腕は普通においしいのかも?あ、そう考えたらおいしそうに見えてきました。じゅるり。

 あ、でも目玉は結構おいしかったんですよ?ブニブニっとした食感でしたけど、オボンの実にすこし酸味を加えた感じの味でした。もう片方の目も食べたいなぁ……じゅるり。

 

「パルキュルルゥン……!」

「え?何でパルキアがモンスターボールに?って!?ウインディ!?大丈夫っ!?」

「がうっ……(あっ……)」

 

 あらら、ディアルガに向けてヒカリちゃんが投げたモンスターボールにパルキアが入っちゃいました。何でパルキア、自分から捕まりに行ったんですかね?これじゃ、食べられないですよ。しょぼーんです……。

 

「酷いケガ……!今治療するからじっとしてて!」

「ガウッ(分かりました)」

 

 ヒカリちゃんに言われるままにボクが地面に横たわると、ヒカリちゃんはポーチから『まんたんのくすり』を取り出すとボクの傷に向けて吹き掛けてくれました。あれ?そう言えば、ディアルガはどうなったんでしょうか?え?ディアルガも捕まえたんですか?そうですか、流石主人公ですね。あ、

 

「ギャウッ(痛いっ)……!」

「あ、ごめん!優しくするから、もうちょっと我慢してね!」

「ガウッ(お願いしますよ)!」

 

 痛ててそこは『あくうせつだん』で切られたところなんでゆっくりお願いしますね。いやー、あの時はひやひやしましたよ。危うくウイ/ンディになるところだったんですからね。『しんそく』使って抜け出さなかったら普通に死んでましたよ。

 まぁ、この一撃があったお陰でチートで授かったうちの1つである特性『もうか』が発動して勝てたんですけどね。因みに、ボクってば特性1つじゃないんですよ?スゴいでしょう、ボク。ふふん、誉めてくれてもいいんですよ♪

 

 

 

 

「よし!これで大丈夫そう!」

「ガウッ(ありがとうございます)♪」

「でも、やっぱりポケモンセンターで見て貰った方がいいと思うんだけど……」

「ガウッ(いえいえ)」

 

 そこまでお世話になる訳にはいきません。何てったって、ボクは()()()()()()()()()()()()()()()()()()からね。因みに、誰のポケモンでもないです。

 理由は、モンスターボールに入りたくないからですね。生殺与奪の権をトレーナーに与えるようなものじゃないですか。そんなの、イヤですよ。どこぞの冨岡さんだって言ってたじゃないですか。

 まぁ、でもヒカリちゃんの側はなかなかに心地良いですからね。何時かは彼女のポケモンになることを考えてもいいかもしれません。今は、付いてくだけ付いていって、ピンチになったら助け船を出すメロエッタ枠に甘んじておきましょう。

 さてと、身体もある程度治ったところでそろそろ帰りましょうか。――っ!?こ、この気配は!?これは不味いですよ!ヒカリちゃんの命の危険です!!

 

「ホーック!」

「え、ムクホーク?」

「ガウガウッ(ヒカリちゃんを連れて逃げてください、ボクは残って相手をします)!」

「……(こくん)」

「へ?きゃ、きゃぁぁあっ!」

 

 ボクがヒカリちゃんのスカートにぶら下がってるムクホークのモンスターボールから彼を出し、警告を出てきたムクホークに飛ばす。ムクホークも、やりのはしらから漂う並々ならぬ気配に気付いたのか、1つ頷いてヒカリちゃんを足で掴むと翼を羽ばたかせて遠くへ消えていった。ボクはそれを見届けると身体から炎を吹き出させながら警戒する。

 

『私の僕が打ち倒されたのを感じて出てきてみれば、犬を残して全て逃げましたか。まぁ、あの娘が死ぬまでの数十年程度であれば、世界に影響は出ないのでこのまま放置でいいでしょう』

 

 やりのはしらの中央に光と共に現れた白いポケモン。その名もアルセウス。罪なき少年少女を拉致して過去の殺伐世界へぶっ飛ばす邪神です。でも、どうやらヒカリちゃんのことは見逃してくれるみたいですね。よかったです。

 まぁ、このボクに向けられたパルキアのよりも数十倍強いプレッシャーからすると、どうやらボクに関してはそう簡単にはいかして貰えないみたいですね。

 アルセウスの特性ってプレッシャーじゃないはずなんですけど……そこは流石に創造神ってところでしょうか?それとも、ボクみたいに複数の特性持ちなんでしょうか?正直、どちらにせよ、ヒカリちゃんのポケモン達では相手にならなかったでしょうね。逃がして正解でした。

 

「グルルゥ(ボクのこと犬って呼んだな)……!ガウガウッ(訂正しろ、このクソ邪神が)!ワンワンッ(その欠けた舵輪みたいな金ぴか輪っか喰ってやる)!!」

『娘の方は問題ないですが、貴方は別ですよ、特異点(世界のバグ)。貴方はこの世界を乱す存在だ。故に、この世界から消えて貰います』

 

 何でボクが転生者ってバレてるんですかね?創造神だからですね、分かります。どうやら、禅問答と言いますか戦闘前の会話はここまでらしいですね。アルセウスが『はかいこうせん』の準備をしています。……来るッ!

 

――アルセウスの『はかいこうせん』

――ウインディの『こうそくいどう』

 

 アルセウスが口元に溜め込んだエネルギーをボクへ向けて解き放つ。それに対して、ボクは自慢の脚力をさらに『こうそくいどう』を使うことによって強化して回避する。

 

 因みに、ボクことウインディは1日で10000kmは走れるんです。つまり、1日中走ると言う単純計算でも時速416kmです。新幹線よりも速いんですよ!そこから『こうそくいどう』でのすばやさ二段階強化なので倍率2倍を掛けると大体時速800kmくらいです。身近なもので言えば旅客機くらいの速さですかね?

 まぁ、飽くまで24時間走る前提の計算なので、それでも最低値です。しかも、まだ『こうそくいどう』一積みですからね!つまり、ボクの速さにはもっともっと上があると言うことです!!どうです?スゴいでしょう?これだけで、なんちゃって伝説のポケモンと言う汚名を払拭出来そうじゃないですか!?

 

 ボクは空に君臨し、まるで神様であるかのように卑睨するアルセウス(邪神)を地に堕とす為に口内に熱を溜め込み、熱線として放出する。ボクの出したその熱線は高温故に()()なっていた。

 

――ウインディの『あおいほのお』

『その技は、真実の英雄のもの……やはり、貴方はここで消さないといけないようですね。我が裁き、その身を持って贖え』

――アルセウスの『さばきのつぶて』

 

 アルセウスがまるで遠吠えをするかのように天を仰ぐと同時に全身から神々しい光が放たれる。その光は、空中に霧散し、それと同時に空から、否、宇宙からボクへと向けて無数の光の弾丸が降り注ぐ。1つ、また1つとボクの『あおいほのお』にぶつかっては爆発を伴って消えていく。でも、その爆発1つが蒼炎を徐々に押し返していく。ちりも積もればなんとやら、やがてボクの蒼炎は口元近くまで押し返され、『さばきのつぶて』は今もボクの存在を消そうと襲い掛かる。

 

「ギャンッ(痛ったい)!?」

 

 大きな爆発と共に蒼炎は打ち消され、残りの光の弾丸がボクの身体を強く打ち付け、地面を何度も撥ね飛ばされ叩き付けられる。ボクの身体はまるで自分のものではなくなったかのように動けなくなる。一発で瀕死。これが、創造神の力。パルキアなんて雑魚にも見えるほどに強大な力。

 

『特異点とは言えど、所詮はこの程度ですか。……長引かせるのも何ですし、そろそろ幕ひきといきましょう』

 

――タイプ変更『いわタイプ』

――アルセウスの『さばきのつぶて』

 

 体の色が茶色っぽくなり、舵輪っぽい物の色も変わった上で放たれる『さばきのつぶて』。ボクはそれを見ると同時に、1つの希望が見えました。そう、この『さばきのつぶて』はいわタイプなのです。そして、ボクの弱点タイプです。

 でも、幸いなことにボクは第一世代のポケモン。第一世代と言うことはつまり、いわタイプのわざは全て物理わざになるんです!例え、『さばきのつぶて』が特殊わざだったとしても、それがいわタイプであれば物理わざなんです!(暴論)

 そして、物理わざであるならば、それは実体を持ち触れると言うこと。つまり、

 

 足場になる!ならば、やることは決まってます。震える身体に鞭を打ち立ち上がる。ここで、何も出来ずに死ぬのはチート転生者の名折れです。だから、最後の死力を尽くしてでもあの邪智暴虐なる世界の王に一矢報いてやるのです。

 

『なんですか?まだ、立ちあがる余力が残っていたのですか?』

「アォォォォンッ(これが、ボクの全力ッ)!!」

 

――ウインディの『こうそくいどう』×2

――ウインディの『ニトロチャージ』

 

 そして、仕上げはこれ。ボクの代名詞とも言えるこのわざ。

 

 

――ウインディの『しんそく』!!

 

 

 その瞬間、周りの世界がスローモーションになったかのようにゆっくりと動く。ボクは、地面を蹴って空中へと身を投げる。その時、地が爆ぜた。まず一歩。

 次に、降り注ぐ岩の塊に着地、そして跳躍。今のボクの速さはマッハを余裕で超えていると言うのに、それでも足場は壊れない。ウインディの軽やかさが故に。二歩目、加速。

 三歩目、加速。四歩目、加速。五歩目、六歩目、加速。

 

 そして、七歩目で限界を超え、光を捨て去り。そして、八歩目でボクはこの世界の頂点に手が届いた。

 

「ガウッ(食らえっ)!」

――ウインディの『ほのおのキバ』!

 

 特性『もうか』が発動して、タイプ一致、更に光速を超えた速度に、『ニトロチャージ』の火力を加えた致命の一撃。それが、創造神の黄金の舵輪に届いたのだ。バキッと音を立てて黄金が崩壊する。

 

 ボクは、地面に向かって落ちながら、今咥えている戦利品を顎に力を込めて砕く。

 

「わふわふっ(あ、芋けんぴだ。うまうま)」

 

 創造神は意外と旨かった。

 

『な、私でも見えなかった、ですかっ』

「ガウッ(どんなもんだ)!」

『やはり、貴方は危険です。その魂がこの世界に存在し、輪廻転生することすら危険です』

 

――アルセウスの『じゅうりょく』

 

「ギャウッ(ぐえっ)……」

 

 アルセウスは、そう言うと天に向かって嘶いた。すると、地面へと落ちるボクの身体がグンッと加速して叩き付けられ、クレーターを作る。

 満身創痍で動きづらいボクの身体は重力が増したこの空間で完全に動きを止めた。それを見たアルセウス自身も地面へと降り立ち、クレーターの上からボクを見下ろす。

 

『裁きは決しました。処分を言い渡しましょう。貴方をこの世界から永久に追放とします』

 

――アルセウスの『ときのほうこう』

――アルセウスの『あくうせつだん』

 

 ボクの背後で世界が割れる音がしました。ボクは抵抗するように地面に爪を突き立てるけど、それでもズリズリじわじわと世界の狭間へと引き込まれていく。

 もう少しなのに……アルセウスは地に降り立ったのに、その少しの距離感が途轍もなく遠く感じる。

 

 もっと近ければ――

 

 もっと近ければ――

 

 

 もっと、もっと――

 

 

 

 そうだ――

 

 

 

 

 遠いのなら――

 

 

 

 

 距離を縮めれば良いんだ――

 

 

 

 

 

――ウインディの『亜◼️切◼️』

 ボクとキミ(アルセウス)の距離が縮んだ。

 

 

 

 

 

 

『何ですっ!?』

 

 

 あぁ、やっと追い詰めました。

 

 

 

――ウインディの『オーバーヒート』

――アルセウスの『ハイドロポンプ』

 

 

 ボクの全身から劫火が暴れ出る。アルセウスは焦ったように迎え撃つ。でも、ボクの攻撃からは逃れられない。

 

――ウインディの『噛み砕く』

 

 ボクは、アルセウスの足に噛みついてあぐあぐする。

 

『は、離れなさい!』

「ガウッ(そうしてあげますッ)!」

 

――ウインディの『もえつきる』!!

 

 バリッ!と言う砕ける音と共に、アルセウスの四本ある足のうち1つが粉々に砕ける。文字通り燃え尽きたボクは、地面に崩れ落ちながら――

 

「ガ、ウッ(ボクの負け、ですね)……」

 

 世界の狭間に呑み込まれ、ボクは意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 チュンチュン

 コケコッコ~

 ケーンケーン

 

 鳥の鳴き声や、穏やかなそよ風に包まれながらボクは目を覚ましました。

 

「あ、れ……」

 

 ボクは……生きてるん、ですかね。それにしても、ここは何処でしょうか?見たところ、森みたいですね。青い空がキレイですね。確か、ボクはアルセウスと戦ってそれで世界の外に――もしかして、

 

「また異世界ですか――え?」

 

 ボクの口から出た言葉は、わんこの鳴き声に近いウインディの鳴き声から変わって、ボクが人間の頃に使っていたそれへと戻っていました。しかも、何処か可愛らしくて高い声のような気がします。可笑しいと思って手を目の前に持ってくると、そこにはキレイで小さな手が映りました。イヤな予感を抱えたまま、手を胸へと持っていくと案の定ふにふにとした心地よい感触。……間違いないですね。

 

「もしかして……ボク、女の子になっちゃいました?」

 

 確かに、ガーディ、ウインディ時代もメスでしたが、まさか人間になっても女の子のままとは……。まぁ、いいでしょう。人間もポケモンも大して変わりませんし。

 

「うぅんっ……はぁ、空気が澄んでて気持ちいいですね」

 

 ボクは寝転がっていた身体を起こして伸びを1つする。ざわざわと風で揺れる木葉の音が4つの耳から入って――ん?4つの耳ですか?

 

 側頭部を触る。やはり、人間の耳が付いています。そのまま、徐々に上へと持っていけばサラサラな髪とはまた別のもふもふとしたナニかがボクの指を柔らかく刺激する。もふもふとしたナニかは、ぱたぱたと揺れている。そう、まるでウインディだった頃の耳みたいに。

 

「もしかして……」

 

 ボクは、お尻の上、俗に言う尾てい骨の辺りに指を沿わします。そこには、予想通りふわふわもふもふのキレイな白い尻尾がありました。そして、極め付きには――

 

「けぷっ……やっぱり、出ますよね……。まぁ、嫌どころか、今のボクには頼もしい武器なんですけど」

 

 ボクの口から出たものは、最近は使わなかった『ひのこ』。そして、そんな『ひのこ』がお遊びに感じるほどの炎がボクの体内で渦巻いているのを感じます。ここまで揃えば嫌でも分かります。

 

「……なる、ほど」

 

 顔が見えないので何とも言えませんが……どうやら、ボクは――

 

 

 ――ウインディから擬人化して美少女受肉してしまったようです。

 

 

 

 

 

 さて、一先ず現状を把握したところで行動を始めましょうか。取り敢えず、ここがどこら辺なのかとか、人里がどこら辺にあるのかとか、文明の発展具合なども知っておきたいところですね。そもそも、人が存在しない可能性もありますし。

 

「うーん、取り敢えず……木登りしますか」

 

 天辺から見れば何か分かるかもしれないので、ボクは久しぶりに二足で立ち上がって、これまた久しぶりな屈伸をします。そう言えば、服も必要ですね。今は、ワンピースに近い襤褸きれ一枚纏ってるだけですから。

 

「よいしょっと」

 

 ボクがぴょんっと曲げた膝を伸ばすと同時に地面を蹴ると、容易く空高く舞う身体。どうやら、身体能力も据え置きみたいですね。ありがたいです。

 そのまま、ピョンピョンっと枝を蹴って跳ねながら上へ上へと登っていく。やがて、枝葉に遮られていた視界が開けて世界が全貌を現す。

 

「……ぁっ、きれい……」

 

 木の天辺から眺めたボクの心を一瞬で掴んだ景色。それは、見渡す限りの青々とした木々が連なる山々が囲んだ盆地。山の麓には川が流れ、その付近に見える小さな小さな村と思われる人工物の群れ。遠くには、鳥のようなものが――あれ、本当に鳥ですかね?何か、手足が生えてるように見えるんですけど?まぁ、気のせいでしょう。そして最後に、川を辿った先に見える大きな湖。

 

「あれ?そう言えば、ボクはこの景色を何処かで……」

 

 何処だっただろうか。二度目の人生であるシンオウの大地ではないのは確か。つまり、一度目の人生である地球での生のことだと思われます。

 

 一体なんなんだろうか?と、ボクが薄くなっている古い記憶を掘り起こしていると――

 

 ガサガサ

「こ……へ……も……どな……」

 

 ボクのいn……こほん、ウインディ耳から入り込んだ小さな小さな草を掻き分ける音と子どもみたいな可愛らしい声。不意に聞こえてきた音だったから、詳しく聞こえなかったけど、どうやら子どもは何かを探しているみたいです。

 

「うーん?」

 

 どうしましょうか?降りて探し物を手伝ってもいいのですけど、この格好を見られて化け物だと襲い掛かられたら流石に困ってしまいますし。……いえ、確か声は子どもの声でしたし、きっとその問題は考えなくてもいいですね。最悪、この山の精霊とでも言っておけば騙せますよ。

 

 そうと決まれば降りましょうか。

 

「よっ、とっ」

 

 ボクは、木から飛び降りて、行きと逆に枝を踏んで飛び降りるのを繰り返す。こんな数百メートル程度の高さから飛び降りた程度のダメージではボクには無いに等しいのですが、下にいる子どもを下敷きにしてしまったら目も当てられないですからね。念のためと言うやつです。

 

「あーうー、見つからないなー。妖力感じたのって、多分、ここら辺だったと思うんだけどなー」

「何か探しものですか、そこのか、た……」

 

 ボクが下に降りて何か探しているように、ガサガサと藪をひっくり返している少女に声を掛けようとして、その途中で言葉が止まってしまいました。

 突如、ボクの脳裏に蘇る心当たりしかない記憶。地球、日本、長野、盆地、湖、御神渡り、そして――

 

 ――諏訪大社。めくるめく飛び出てくる単語達が、目の前の金色の髪を持った幻想的な少女と重なり、点と点を結ぶように繋がっていく。

 ショートボブの金髪、青みがかった紫と白の壺装束に、何故この文明レベルであるのか分からない白のニーソとローファーらしき革靴。そして、トレードマークのカエルの目玉こそ付いてないが一女笠を被った髪と同じ色のぱっちりとした大きな瞳を持った少女。

 

 何故、ボクは彼女のことを忘れていたのだろうか。ボクが人間として生きていた頃、ポケモンと同じくらい好きだったコンテンツ――東方Project。そのコンテンツでの最推しこそが彼女だったと言うのに。

 

「あ!見つけたっ!私の領地を荒らすなんて良い度胸だね。覚悟はしてるかな?妖怪」

 

 曰く、土着神の頂点にして祟り神を統べる王でもある

 曰く、大地を産み出す力を持っている

 曰く、最強の軍神と戦争をした

 

 そんな様々な神話を持つ彼女が、ボクに向けてその力を向けてくる。洩矢神社の主にして諏訪大国の王、彼女の名は――

 

 ――洩矢諏訪子。やがてボクのご主人となる神様です。

 

「ボク、生まれたてなんですけどー!?」

 

 まぁ、この窮地を抜け出さない限り、土台無理な話なんですけどね。

 





ウインディくんちゃん……アルセウス直々に潰しに来るレベルの世界のバグ。生まれ持った時から複数の特性を持ち、ほのおタイプ限定ではあるが全てのわざを使えたチート持ち。最後の戦いで味見やら誤食してしまった特級呪物達は今も彼女の中に眠って覚醒するのを待っているらしい。

第一世代……第三世代であるRSEまではタイプによって、物理特殊が分かれていた。いわタイプは物理、ほのおタイプは特殊わざ。

あおいほのお……イッシュ地方に伝わる伝説のポケモンが使う専用わざ。ほのおタイプの特殊わざ

ポケモン世界……ゲーム基準のため、ポケモンが使えるわざは伝説のポケモンであろうと例外なく4つのみ(バグと創造神を除く)。バグによる被害が空間の神様の腕と目、創造神の複製体の一部だけで済んでにっこり。



続(く)か(分から)ない。
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