今日中にもう一話上げたいところさん。あと一話でこの闘いも終わりますし。区切りがいいんですよね。
やっぱり、戦闘描写は難しいですね。古代スタート東方二次を書いた宿命みたいなところはありますね。
諏訪子様の出番無くてかなちぃ
「こっからは全力だッ!ついてこいよ、颯季ッ!」
――『怪力乱神』
ブワッと、ボクの前髪が持ち上がるほどの迫力を放ちながら、ボクへ向かって一直線に突っ込んでくる勇儀さん。迎え撃つボクは、元から身体に纏わせていた炎をより熱く、酸素を多く回す為に呼吸も多くする。
――『蒼い炎』
酸素を多く取り込んだことで、体内の燃焼効率が高まります。そして、徐々に炎が青く蒼く変わっていく。それに比例して、体温が更に高まっていき、血流が早くなることで運動性能が向上します。そうです、これは、ワン○ースで言うところの所謂ギア2ですね。名付けるならば、
――『蒼炎纏』
ですかね?ボクには余り厨二センスのあるネーミングは出来ないので、こうシンプルになってしまいましたが、分かりやすくていいのではないでしょうか?
「こちらこそ、全力でお相手させていただきます!」
――『インファイト・蒼』
ボクは、蒼き炎を纏った右拳を突き出します。勇儀さんも、ボクの右拳に合わせるようにして右拳を繰り出します。ガツンッっと骨に響くような衝撃を受けますが、ボクも勇儀さんも止まるような愚行はしません。すぐに、突き合わせた拳を引いて、ボクは勇儀さんの正中線に向けて限界まで引き絞った左拳を突き出します。
ですが、ボクの拳は勇儀さんの手によって弾かれ、力を右の方に流されて大きく体勢を崩し、隙を晒します。丸出しになったボクの脇腹に、勇儀さんが拳を振り下ろしました。
――『守護る』
刹那のうちにボクの周りを囲った薄く虹色に輝く結界が、勇儀さんの拳からボクを守りました。び、びっくりしました。守護るの結界がぐんにゃりと歪みましたよ。恐ろしや、山の四天王。
「颯希、お前結界術まで使えるのか!」
――力業『大江山嵐』
「はい、ボクには勇儀さんや諏訪子様みたいに再生能力はないので、余りダメージを受けたくないですから。お嫌いでしたか?」
――『火炎放射・蒼』
「いーや、自分で出来る全てを正面から出し切ってこその闘いだ!正面きっての闘いなら、卑怯もクソもねぇ!」
ボクと勇儀さんは守護るの結界ごと弾き飛ばされたボクが、距離を詰めながら問答を行い、勇儀さんは妖力を使った巨大な弾幕を幾つも展開し、ボクはボクに当たりそうな弾幕だけを丸々飲み込むように蒼い火炎放射で相殺しました。相殺したことで、大爆発が起こります。
――特性進化『もらいび』→『炎熱支配』
ボクは、そのまま爆発に突っ込んで、爆炎を吸収して自分の力に変えます。このチー特性を簡単に説明すると、『ほのお』と『こおり』タイプのわざを全部無効化させて、その上、体力回復と食らった攻撃が炎であれば『こうげき』、氷であれば『ぼうぎょ』が一段階上昇します。
距離が再び近くなったボクと勇儀さんは、近接格闘を再開します。
――『ブレイズキック・蒼』
ボクは、ここまで走ったスピードを活かして手前で前に跳んで縦回転を加えた回し蹴りを繰り出します。勿論、蒼い炎を纏わせたままです。勇儀さんは、にぃっと鬼のように――まぁ、勇儀さんは鬼なのですが――獰猛な笑みを浮かべて上段蹴りをして、鍔迫り合いをするかのように空中で膠着しました。
踵と脚のぶつかり合いなのにも関わらず、ガリガリと凄まじい大きな何かが削れるような音が響き渡りました。衝突で生まれた衝撃波が、床に敷かれた畳を捲り上げて、どこかへ飛んでいってしまいます。
「ははっ!もっとだ!もっと、楽しもうぜ!颯希ッ!」
「お断りです!ボクは、シキちゃんと2人で村に帰りますので!」
「そうか!じゃあ、私に勝ってみせな!」
「そんなこと、分かってますよ!」
――『神速』
ボクと勇儀さんは、蹴りの反動で互いに離れた一瞬での掛け合いを終わらせ、ボクは着地後すぐに残像が残るほどの速度で移動し、勇儀さんの目の前に現れます。神速と呼ばれる天狗のスピード、それすらも越す――地上限定ですけど――ボクの速さに目を剝いた勇儀さん。ですが、先程までの油断は微塵もなく、同じようなミスをするヒトではありません。
――『フレアドライブ・蒼』
神速を解いたボクが、そのままの勢いを載せて蒼い炎を噴出させて、身体全部を使って勇儀さん目掛けて殴ります。そして、ニヤリと嗤った勇儀さんと目が合います。次の瞬間、ボクは。
「かふっ……!」
何が起こったのか、全く理解できないまま身体が宙にありました。そして、流れる視界の中心に映ったのはこちらに向かって既に離された距離が縮んでいる勇儀さんの振りかぶられた拳。気付いた時には既に手遅れ。ボクは、空中では致命的なまでに何もできない。精々が身体から炎を出すだけ。それも、既に間に合わない。防御も間に合わない。
「おらよッ!」
「ごッふ……!」
ボクのノーガードだった顔に、勇儀さんの、最強の鬼の拳が突き刺さり、床を何度もバウンドしたボクの意識は白に包まれました。
――――――――――
目の前に、颯希の拳が迫る。さっき、私がへました時よりも数倍速いその攻撃に、私はただ一歩だけ左前に力強く踏み込んで、丁度いい位置に来た颯希の顔をぶん殴る。今の一瞬の攻防を説明するとたったこれだけだが、実際にはもっと幾つもの駆け引きのもと、私は賭けをすることにした。そして、
そもそも、私が想定している以上の速度を出された時点でこの賭けには私が負けて、颯希に遠慮なく顔面をぶち抜かれていただろう。颯希が一歩でもズレた位置にいても、また同じ結果になっていた。この結果を手に入れるには、それこそ今の攻防の1つしか無かった。
何故、私は今の賭けに勝てたのか?それは、ただ一つ。颯希が颯希だからだ。戦えば分かる。颯希は最速で最強の一撃を放とうとした。であれば、右利きの颯希が私の顔面を一番殴りやすい位置に来ることぐらいすぐに分かるだろう?そういうことだ。
そして、出来るだけ手加減を加えた一撃が颯希をぶっ飛ばす。そこで、私は颯希に意趣返しの意味も込めて、吹っ飛んだ颯希に追いつき、私の拳を全力で顔面にお見舞いしてやった。流石の私でも、全力で殴り飛ばした奴に追いつく速さはない。だから、この渾身の二撃目を当てるために、敢えて一発目を軽くした。
私の拳を2回も顔面で受けた颯希は凄まじい勢いで、地面を転がり一寸たりとも動かなくなった。
「ひっくっ……これで終わりか?」
「颯希さんっ……」
「終わったんじゃないの?勇儀の攻撃をあんだけ喰らったんだもの」
「……」
動かなくなった颯希を見て、萃香がそんな声を出す。天狗が連れて来た小娘――シキっつったか?そいつが、颯希を心配するような声を出す。そして、華扇もそれに追随した。私は、何も言わない。
だが、誰も動こうとしない。誰も、
――ぴくっ。
颯希の指が動いた。それを見た私の顔が、獰猛な笑みを浮かべているのが伝わってくる。それと同時に、私の身体は無意識の内に動き出していた。倒れた颯希の頭を踏み潰すように、足を上げ、そのまま思いっきり振り下ろす。
地が震えるような衝撃と、床が割れたことによる畳の破片が飛び散るが、そこには颯希のものと思われる感触は一切無かった。
「すみません。待たせてしまったみたいですね」
「ああ、待ち草臥れちまったよ!颯希ッ!」
「大して待ってないでしょ」という、華扇の無粋な言葉は聞かないことにして、私は腰を落として拳を構える。
私の視線の先には、満身創痍の颯季が立っていた。颯季が着ていた巫女服は、既にボロボロで色々なところが露出している。袴に至っては、帯が切れたのか脱げていた。服が破れたことで見えた左肩からは血が流れ出ていて、左腕はもう動かせないのかだらんと垂れている。鼻や口からも切ったのか血を流している。身体中に擦り傷や打撲痕が見える。普通なら、既に動けないほどの負傷。だが、
「そうでしたか……では、待たせてしまった分の埋め合わせをしないとですね」
颯季の目は未だ闘志に溢れていた。刹那、文字通り世界が揺れた。颯希の身体から猛る炎が、最初赤かった炎は、蒼くなり、そして再び紅となる。世界そのものを燃やすのではないかと思う程の熱を放つ颯希が、腰を落として残った右腕だけで構えを取る。
私は、直感した。ここで、この一撃で決着が着くと。私は、全ての妖力をこの一撃に注ぎ込む。
――特性発動『猛火』
――『怪力乱神』
「世界に畏れられた炎……見せてあげます」
――『ブラストバーン』
――四天王奥義「三歩必殺」
チー特性『炎熱支配』……もらいびとは違って、炎と熱を吸収します。後は、支配の通りに温度をある程度自由に変えられます。
つまり、炎と氷、後は雷とかの熱が関わる攻撃なんかは軽減されたり無効化出来ます。
氷は下手したら水になって弱点になったりと、色々気遣わないといけませんが、熱を吸収したら身体が再生したり、体力回復したりもします。メラメラの実とヒエヒエの実のハイブリットって考えるとそれっぽくなります。
一応、周囲の熱を吸収して回復も出来ますが、周りが氷の大地になって、地上戦限定の颯季にはデメリットの方が上回るので基本使いません。
次回 でんせつ、伝説との闘い決着す
勇儀さんとの闘いが終わります。今日中に投稿予定。遅くとも、明朝までには出します。