勇儀戦決着です。1日で一万字近く書いて疲れました。
あと、評価感想ありがとうございます。お陰様で評価に色が付きました。ありがとうございます。
感想は、ちょっと疲れたので朝に返します。ごめんなさい。
気絶していたボクが、目を覚ますのとアドレナリンが切れたことによる激痛が襲ってきたのは同時でした。ですが、痛みに喘ぐ余裕なんてありません。ボクは、勇儀さんに勝たないといけないのですから。
とは言え、鼻や口が血で散々なことになってますし、手や足の骨だって皹が入っているのか、最悪折れているっぽく凄い痛いです。左腕なんて力が全然入らないです。
っ、目覚めたばかりなのに躊躇なさすぎじゃないですかね!?ボクは、勇儀さんがボクが気絶から覚醒したのを察して、動いたのを感じ取りました。どうやら、結構な時間待たせてしまったみたいですね。
当然、このまま無抵抗でボッコボコのボコにされるという選択肢はありません。でしたら、まずはこの一撃を凌ぐことしか選択肢はないでしょう。防御?ムリムリ、今の身体では勇儀さんの攻撃を防いで反撃する余裕なんてありません。
であれば、必然的に回避一択になるわけですね。さてと。
ファイナルラウンド開幕です。
――『高速移動』×3
――『神速』
いつぞやの創造神と戦った時のように、世界がゆっくりとスローモーションに変わります。ボクは普通に手をついて起き上がり、重たい身体を引き摺って走ります。ボクが移動を終えて、勇儀さんの方を向くとボクがいた場所に向かって、足を振り上げているところでした。
嘘ですよね?思いっきり、ストンプしてるじゃないですか。ボクのこと殺すつもりですか?今回の闘いってそういう感じじゃないですよね?ほら、床にクモの巣状のヒビが入ってるじゃないですか。ですが、鬼は怒りっぽいらしいですからね、きっとボクが、待ち草臥れてしまったのでしょう。
では、最後くらい全力を見せて上げましょうか。とは言え、条件揃ったのが今だからってだけなんですけどね。
ゆっくりとこちらを見た勇儀さんと目が合います。目と目が合ったらバトル。常識ですね。
「すみません。待たせてしまったみたいですね」
「ああ、待ち草臥れちまったよ!颯希ッ!」
あぁ、腕が痛いです。頭もガンガンと響いてる感じがしますし、何なら全身痛いです。巫女服も悲惨な状況になってますね。白衣が膝上まで無かったら、危うくパンツ丸出しの痴女になっているところでした。
右手は骨が皹だらけになっているので、握るのすらキツイです。それでも、ボクに残っているのはこれだけ。ですから、歯を食い縛ってでも握り拳を作ります。
「そうでしたか……では、待たせてしまった分の埋め合わせをしないとですね」
――『燃え尽きる』
全身の炎を全て出し尽くす勢いで放出します。ボクから出る熱量が多すぎて、陽炎が揺らめいて見えます。ボクは、最後の攻撃を敢行するために腰を落として、足を引きます。全身の骨という骨が悲鳴を上げていますが、そんなことは知りません。どうせ、この一撃で決着が付くのですから。
勇儀さんも、ボクが放つ文字通り今賭けられる全てを賭けた攻撃であると理解したようで、今日一番の妖力が放たれます。
――特性発動『猛火』
――『怪力乱神』
ボクと勇儀さんの丁度中間点で炎と妖力がぶつかり合って、世界が軋むような音が聞こえてきます。勇儀さんが繰り出すのはきっと、最後に相応しい奥義を撃ってくる筈です。であれば、ボクもそれに相応しい威力まで技を引き上げなければいけません。
ボクが最後に使うのは、『ブラストバーン』です。ブラストバーンは特殊技じゃないのかって?知りません、そんなこと。纏わせて殴れば、それは物理技になるんです。
そして、これは飽くまでベース。ここから更に、他の技を掛け合わせていきます。ここで重要なのは、シナジーを考えることです。雑な技を選択してしまうと、却って悲惨な結末になってしまいます。
ボクが選ぶ技は全部で まずは、先ほど使ったまま効果の残っている『神速』と『燃え尽きる』、そして『フレアドライブ』に『炎のパンチ』、『ギガインパクト』それと最後に、『Vジェネレート』です。何か、スッゴい身体に反動が来そうな技構成していますね。
まぁ、いいでしょう。最後の切り札なのですから。出来れば、ここに『起死回生』とかも入れたかったのですが、そうすると、ボクが爆散してしまいますから泣く泣く断念しました。
では、ボクも勇儀さんも準備が出来たので、決着を付けにいきましょうか。
――『フレアドライブ』
――四天王奥義「三歩必殺」開始
――『炎のパンチ』
ボクが炎を全身に纏わせ、走り出します。勇儀さんが一歩、地響きがするほどの音をさせて踏み出しました。その直後に、炎がボクの拳に集まってきます。
――特性発動『フレアスキン』
――『ギガインパクト』
勇儀さんが大地を割る勢いで二歩目を行くのと同時に、ボクの全身に深紅のオーラが纏わりつき、更に加速します。
――『Vジェネレート』
勇儀さんが世界が割れるほどの勢いで、大気すらも震わせて最後の三歩目を踏み込みます。拳には、勇儀さんの妖力で白い光が煌々と輝いています。
そして、ボクはV字の炎がボクの額に現れますが、それを捩じ伏せてボクの拳に無理矢理合わせます。ミチミチぶちぶちバキバキとボクの手にある筋繊維やら骨やらが悲鳴を上げていますが、気にしません。
そして、ボクと勇儀さんは同じタイミングで右拳を振り上げます。
「世界に畏れられた炎……見せてあげます」
――『ブラストバーン』
最後のピースが揃ったことで、先ほどまでボクの身体を壊さんという勢いで暴れ狂っていた力の奔流は治まり、まるで1つの芸術品であるかのような輝きを放ちながら燃え盛ります。これが、文字通りボクの死力を尽くした最後の一撃。折角ですし、この奥義の名前でも付けましょうか。
――奥義『ブラストバーン・壊』
――完成・四天王奥義「三歩必殺」
「これでっ!」
「おしまいですっ!」
ボクと勇儀さんは雄叫びを上げながら、互いの拳を振り下ろします。白の光を纏った最強の鬼の拳が、ボクの極限まで高められた極炎宿す拳が――
――互いの身体に命中し、爆発と共に世界に極光が迸った。
――――――――――
「どうなった?」
「分からないわ、二人ともあり得ない威力の攻撃だったもの。当たり所によっては、両者死亡とかも全然あり得るわ」
「しぼっ……颯季さん!」
酒臭い鬼――萃香さんと、桃色の優しい鬼――華扇さんの会話を聞いて、わたしは居ても立っても居られずに颯季さんの元へ駆け寄ろうと思って立ち上がりました。ですが、
「待ちなさい。まだ、勝敗は着いてないわ」
「でも……」
華扇さんに腕を掴まれて止められてしまいました。ですが、このままでは颯季さんが!
「アナタは、あの神獣が勇儀に勝つって信じられないの?」
「そんなことは!」
「じゃあ、黙って座ってなさい」
「……分かりました」
わたしは華扇さんに諭されて、大人しく座って颯季さんの勝利を、無事を祈って待ちます。やがて、爆発のせいで発生した煙も晴れ始め、二人の姿が見えるようになってきました。
煙が晴れて見えるようになったそこに立っていたのは――
「両者戦闘不能、ね。勝負はどちらが先に起き上がるかで変わるわ」
「確か、こうなったらひっくっ……先に寸止めした方の勝ちでしょ?」
「そうなるわ」
颯季さんは肩に、一本角の怖い鬼――勇儀さんも身体の真ん中に大きな穴を開けて倒れていました。わたしは今すぐにでも駆け寄ろうとしましたが、華扇さんも萃香さんも静観を決め込んでいました。考えてみたら、人間でしたら、この傷は間違いなく即死級の負傷ですが、お二人とも人間ではないヒトです。それも、上位の存在に位置する方々。このくらいでは死に直結しないのでしょう。
「うっ……あっ。くそっ……」
先に、目が覚めたのは勇儀さんでした。悪態を吐きながらよろよろと立ち上がり、倒れた颯季さんの顔を見てゆっくりと穴の空いた部分を抑えながら颯季さんの方へと歩いていきます。
勇儀さんは一歩、二歩とゆっくりと進み徐々に、ですが確実に颯季さんとの距離を詰めていきます。そして、颯季さんの手前で立ち止まると、手を震わせながら振りかぶります。
「颯季さん!」
思わず、わたしは叫んでしまいます。それと同時に、勇儀さんの拳が振り下ろされました。ですが――
――パシッ。
「え?」
誰かの声がこの部屋に響きます。それが、萃香さんなのか華扇さんなのかわたしなのか、はたまた張本人である勇儀さんなのかは分かりません。ただ、分かるのは、
「颯季……お前、起きてたのか、よ……」
「このとおり、みぎうでしか、うごかせませんが…ね…」
地に伏せていた颯季さんが、勇儀さんの拳を先ほどの技の反動で形がぐちゃぐちゃになった右手で受け止めていました。
「やっぱ、お前、最高だわ……」
「ふふっ……こうえい、です」
今のやり取りで力尽きたのか、再びドサリと倒れる勇儀さん。
「次も、やろうな」
「とりあえず、きずをいやしてから、かんがえましょうか」
「ああ、そうだな」
ただ、今度は二人とも意識がハッキリとしているのかこちらを置いて雑談をしています。この場合って、勝敗はどうなるのでしょうか?
「ううん、悩むわね。勇儀のトドメは神獣に防がれたから無効として、このまま引き分けというのもつまらないのよね」
「あー?そんなの、後で再戦してまた決めればいいだろ。今回は、結果持ち越しでいいじゃないか」
「やっぱり、それが妥当よね」
華扇さんと萃香さんで話し合った結果、今回は持ち越し、言い換えると引き分けになりました。二人の傷が完治した後にもう一度再戦するそうです。
「そう言う訳だから、二人とも今日はここに泊まって休んでいきなさい。勇儀も萃香も構わないでしょう?」
「ああ、颯季とは色々話したいしな」
「おう!私は問題ない!」
「すみません……おせわに、なります……」
「お世話になります」
こうして、わたしと颯季さんは、少しの間妖怪の山で面倒を見て貰うことになりました。
後日、勇儀さんと颯季さんが再戦したのですが、前回よりも短時間で颯季さんが負けてしまいました。
決着をどう着けようか悩みましたが、今回はこういう形にさせて貰いました。正直、今の颯季で勇儀さんに勝たせたくない。でも、話の都合上負けは宜しくないし、ボクは勝ち負けはきっちり着けたい派だし。
と、悩んだ結果、シキちゃんを賭けた闘いは引き分けにして、その後のお遊び的な闘いで、颯季が負けるという風に二段階に分けました。こうすれば、颯季に乗ってるバフのお陰で闘いが成立していたように見せられますし、シキちゃんを助けられるし、現在の力関係がうっすらと見えるという一石三鳥なんですよね。不満がある方は申し訳ないです。次は颯季ちゃんが結構成長してくれるので、多分、こうはならないと思います。
次回からは、何話か鬼の四天王と交流させたり、シキちゃんパパを弔ったりと色々する予定です。そこで一段落ついたら次の章にいきます。
本当に、余談なのですがチート産の特性である『フレアスキン』なんですけど、どうして『しんそく』使ってる時に発動しないのか気になっている人もいると思います。これは、颯季は基本的に『しんそく』単体で攻撃しないし、何なら加速手段としてしか使ってないからです。どっちかと言えば、1ターン限定の変化技という風に捉えていただいたら分かりやすいと思います。
つまり変化技だから、フレアスキンが発動しなかった、ということです。
次回 タイトル未定
何なら、一文字も書いてません。日が変わるまてに投稿出来るのでしょうか?