英雄伝説 光雷の軌跡(仮題)(更新停止)   作:幻龍

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更新です。

閃の軌跡Ⅱ発売まで二日。はやくプレイしたいです。

サブタイトルは思いつかなかったので、思いつきしだい入れます。


第一話 

 七耀歴1203。リベール王国において、結社が空の至宝であるリベル・アークを手に入れるべく、彼の国を混乱の渦に叩きこんだ。特に導力停止現象が起こったリーベル王国との国境付近の村や街等は大混乱に陥ったのだった。

 事件は遊撃士とリベール王国軍の活躍により終結し、オリヴァルト皇子がリベールの高速巡洋艦アルセイユ号で帝都に帰還するなど大騒ぎがあった。

 リィンは無論この事件発生を予め知っていたので、これを利用して、莫大な資金を稼ぎ出した。そして、その稼ぎ出した金額を見た時、リィンは思わず高笑いをしてしまった。

 

 「順調だな。次の稼ぎ時を見逃さないようにしないとな」

 

 リィンはクロスベルで起きる教団事件でも、資金を稼ぎ出す計画を実行するつもりでいる。毟り取られる相手は堪ったものではないだろうが、その様な有象無象のことなど気にするつもりなどなかった。

 

 「貴族派の将兵を骨抜きにする工作もそろそろ開始するか。ついでに弱みを握っておこう。何かの役に立つはずだ」

 

 この日を境に、領邦軍将兵への工作が開始しされた。その結果、貴族派の将兵達は弱体化していくことになった。

 

 「ダミー会社も設立完了だ。これで少しは楽になるな」 

 

 リィンは更に会社を設立した。表向きは投資会社だが、情報収集や工作、新技術開発等を行う会社である。ちなみに社長は投資を行ってもらっている代理の代理を指名して、己の存在は隠す。無論代理の代理も傀儡であるので、裏切る心配はない。っというか裏切れないのだ。大元の資金源は俺なので、すぐに奴らの資産を取り押さえることができる。

 

 「あと、クロスベル自治州だな。クロスベル警察や警備隊にも工作を開始して、少し弱体化させておくか。零の至宝は特務支援課が何とかしてくれるだろうし」

 

 リィンは今日も裏工作に余念がなかった。

  

 

 

 

 リィンはある日、ユミルの山奥に密かに建設した、秘密基地件工廠に来ていた。  

 

 「順調か?」

 「いいえ。残念ながら。機甲兵の量産は難しいとしか言い様がありません」

 「サンプルがあってもか?」

 「はい。もっと設備が整った所なら可能ですが、ここでは無理です。だから、対機甲兵用の特殊兵器の開発にシフトしました」

 

 リィンは端末を操作している、作業員に話しかける。作業員はリィンに顔を向けて首を横に振った。

 彼がここに来ていた理由は、自前の高速巡洋戦艦を建造することと、貴族派が建造していた機工兵を自分の手駒として利用するための下準備の為だった。ちなみに、リィンは金を使い、貴族派の内部にシンパを作ったので、貴族派の内情は駄々漏れだった。証拠に貴族派の戦力である機甲兵が横流しされて、ここに鎮座していた。

 

 「それと高速巡洋艦に関してはやはり、この施設規模では難しいと言わざるを得ません。改造することなら可能ですが、やはり人員が足りません」

 「……わかった。高速巡洋艦の建造は諦めるしかないか。とりあえず、正規軍の物資とあれを生産することを最優先してくれ。そっちは余裕がある時でいい。それと生産に携わった者は、全ての作業が終わりしだい放逐してくれ。幸い、単純作業には猟兵崩れを利用しているから、他国に放置すれば問題ない。それと必要な作業が終わったらこの場所は廃棄する。資料のひとかけらも残すな」

 「わかりました」

 

 1回目の憑依の時に身に着けた、催眠系の術が役に立った。知能がある生物に関しては、これを使えば記憶の齟齬もなく、記憶を全て消し去ることも可能だ。これにより、ここで働いている技術者等も艦を運用する人間以外は、ここで働いていたことなど忘れることになる。彼らは気付いた時に、退職金が支払われていることに不思議に思ったが、大金の為にそのことを気にする者はいなかった。

 リィンは自分の部屋にあった書類等を全部燃やしたあと、この場を後にした。そして、一年後この秘密基地は生産した武器・弾薬等を置いた倉庫と、搬入路として使われた地下通路以外は全て廃棄されたのであった。

 

 

 

 半年後。遂にリィン・シュバルツァーはユン老師から免許皆伝を貰い、剣聖を名乗ることを許可された。

 しかし、リィンは自分が極めた型と皆伝について、老師に頼み込んで秘密にしてもらうことにした。

 

 「帝国解放戦線にマークされるとやっかいだからな」

 

 彼らはすでに水面下で活動を活発化させている。剣聖の称号を持った人物が邪魔等してきたら、かなり警戒されて、原作の物語が崩壊しかねない。そうなれば原作知識が役に立たなくなるので、その様な事態は避けたかったのだ。それとクロイス家から入手した資料を基に用意していた、クロスベルの零の秘宝に対するカウンターを用意していたが、発動させるかどうかは状況で判断することにしていた。

 

 「ユン老師は頷いてくれたから問題ない。知っているのは老師と父と母だけだ。二人には黙ってもらうように頼み込んだから漏れることはないと思いたいが……」

 

 リィンは両親にその旨を伝えた時、彼が微妙な表情をして理由を訊ねてきたことを思いだしながら呟いた。二人を誠心誠意説得して納得させるのに、一時間も掛かったことは今ではいい思い出だ。最も良心はかなり痛んだ。

 

 (いっそのこと、原作知識何て無かった方が楽だったかもしれないな。そうすれば、悩まずに済んだのに……)

 

 リィンはこれから、自らに降りかかる試練や問題に憂鬱になったが、それを振り払い士官学院への入学準備を進めるのであった。

 

 

 

 リィンの準備がほぼ完了したさらに半年後、彼は遂に士官学院入学の時を迎えた。同時に内戦勃発へのカウントダウンが始まった。

 

 「やるだけの準備はした。あとは己の力次第だな」

 

 リィンは内戦に対する対応策を記した作戦計画書を見ながら、出立の準備を行っていた。刀を袋にしまい、荷物にまとめる。

 士官学院から送られてきた、赤い制服に袖を通す。

 

 「それでは、行くとするか」

 

 彼は帝都へ行きの列車に乗るべく、実家を後にするのであった。 

  

 

 

 

 

 

 近郊都市トリスタ。帝都でクロイツェン行き列車に乗り換えたリィンは、トリスタに到着していた。駅から降りた直後、ライラの花に見惚れてしまい、金髪で同じ赤い制服を着た、お嬢様な雰囲気を出していた少女とぶつかってしまい彼女に尻餅をつかせてしまったので、彼女を起き上がらせる為に手を差し出して、彼女にぼけっと突っ立ていたことを謝罪した。彼女は自分にも非はあると言い、すぐに許してくれたので、思わずほっとしたリィンであった。

 

 (学生をしているときぐらいは、静かに学生生活を楽しみたいものだな。内戦になったら命懸けだし……)

 

 リィンは内戦が始まることに憂鬱になりそうだったが、萎える気持ちを奮い立たせた。 

 

 (この力に関しても、ほぼ制御ができた。完全ではないけどな……)

 

 自らの内に宿る力とこの後確実に起こる内戦に悩みつつも、これからの生活に思いを馳せながら、学院へ歩き出した。

 

 リィンは学院に到着すると、先輩? と思われる女学生と作業服をきた恰幅のいい男性に荷物を預け、入学式が行われる学院の講堂へと入っていった。

 

 講堂では学院長から激励をかけられた後、ハインリッヒ教頭からそれぞれの教室に移動するように言われて、学院生達はそれぞれの教室へと戻って行った。

 

 

 (若者よ、世の礎たれ。学院長も中々発破をかけるのがうまいことで)

 

 学院長は生徒達にやる気を出させるために、敢えて締めの言葉として、ドライケルス大帝の言葉を選んだのかもしれないと、リィンは推測した。

 なぜなら、名門学院の生徒になれたのだ。若干、浮かれている者もいるだろうからな。この帝国は未だに四大名門を始めとした貴族が幅を利かせている。立身出世するには軍人になるか、中央の役人になるしか方法がほとんどない。つまり、出世機会を掴む第一歩なので、気を緩める輩も現れるだろうから、気の引き締めを兼ねて、大帝の言葉を送ったのだろう。

 

 「うーん、いきなりハードルを上げられちゃった感じだね?」

 

 自分の隣の席にいた少年、エリオット・グレイグがリィンにそう声をかけてきた。

 

 「そうだな。ここまで言われたら、いい加減に学生生活を過ごすことなんてできないだろうしな」

 「あははは。確かにそうだね」

 

 リィンとエリオットは気さくに話し合っていた。何故かというと、すでにこの二人、入学式に始まる前に、色々と世間話等をして仲を深めていた。最も赤い制服を着ている生徒はほとんどいないせいだが。

 

 ほとんどの生徒が割り当てられた教室に向かったが、赤い制服を着ている生徒だけは講堂に残っていた。すると赤紫色の髪の女性教官が赤い制服を着ている生徒は、特別オリエンテーリングをするので、自分に付いてくるようにと言い、講堂を出て行った。赤い制服を着た他の生徒は、女性教官の後に続き、講堂から次々と出て行く。無論リィンもそれに続き、講堂を後にするのであった。

 

 

 

 リィン達が到着した場所は古めかしい建物の前であった。どうやら、特別オリエンテーリングはこの建物内で行うようだ。彼女が建物の鍵を開けて、中へと入っていった。リィンはそれに続き、他の生徒もそれに続く。若干戸惑っている人もいるようだが、女性教官の後をついていく。

 

 そして、広い部屋に到着して、女性教官が高台に上り自己紹介をした。

 

 「サラ・バレスタインよ。今日から君たち『Ⅶ組』の担任を務めさせてもらうわ。よろしくお願いするわね」

 

 サラ・バレスタイン。

 確か、帝国遊撃士協会でエースとして名高い『紫電』の二つ名を持つA級遊撃士。その様な人物が自分達の『Ⅶ』組の担任。実力に関しては文句なしだが、プライベートが酷過ぎて彼氏は未だになしという経歴を持つ女性だ。見た目は本当に美人なのにね。まあ、しぶいおじ様趣味さえなければ結婚できると思うけど。リィンはつくづくもったない美人だと思った。

 

 そして、何で彼女が士官学院にいるのだろうかと思ったが、帝国にあった遊撃士協会は、ほとんど潰れていることを思いだした。

 オズボーン宰相がある事件を利用して行った徹底的な遊撃士潰しは有名だ。しかし、宰相の考えもわかってしまう為に一概に悪いとは言えない政策だ。為政者にとって、独自の軍事力を持ち、国の言うことを聞かない、民間集団等邪魔でしかない。それどころか不安要素になりかねないからだろう。

 

 その後、Ⅶ組の説明や、文句のある者は、この特別オリエンテーリングが終わった後に受け付けると言い、不満があるマキアスを宥めた。彼は渋々沈黙した。

 

 「それじゃあ、特別オリエンテーリングを開始するわよ♪」

 

 サラ教官は後ろに下がり、何かを押した。

 その瞬間、急に床が傾いて穴が開いた。床が斜めになって穴へと他の面々は吸い込まれていくように落ちていく。

 俺は咄嗟に地面を蹴り、サラ教官がいる高台へとジャンプしてやり過ごした。銀髪の少女は何かを天井に刺して、そこに結わえつけてあるワイヤーを掴むことで穴に落ちることを回避したようだが、サラ教官に切られてしまい、穴へと落ちて行った。

 

 「リィン。あなたも行きなさい」

 「やっぱり、そうなりますか」

 

 サラ教官に穴に落ちろと言われ、リィンは仕方なく穴から下へ降りて行った。

 

 

 穴から落ちて辿り着いたそこには、入学式前に預けた刀と荷物があった。さっそく、荷物を回収した。そして、何か細工をされていないか確かめる。

 しばらく、調べてみたが特に異常がないことを確認してほっとした。刀も特に刃こぼれしていることもなく、綺麗な波紋を浮かべていた。

 

 そして、荷物といっしょに置いてあった、戦術オーブメントの説明をサラ教官から受けて、ARCUSにクオーツをセットする。

 改めて説明を聞いて思ったが、便利すぎるよな。大抵の機械の動力になるし、時間が経てばエネルギーを勝手に補充される。これが元の世界で普及すれば、資源輸出国は涙目になりそうだ。

 

 全員が己の武器と荷物を受け取り、サラ教官からの一通りの説明が終わったあと、広間の奥の扉が開いた。そして、地下から一階に無事に戻ってくることが、特別オリエンテーリングの内容と言い、サラ教官はオーブメントの通話を切った。

 

 (無茶なことをやらせるな……) 

 

 あなたは遊撃士ですから、この程度問題ないと思っていますが、入学生の中には武術をならっていない生徒もいるはず。それなのに、いきなり魔物と戦わせる実戦形式のオリエンテーリングをやらせるなんて、正直無茶過ぎる内容だ。

 俺はこの時の為に色々と備えていたから問題ないけど、普通の感性の持ち主なら、まず反対するだろう。最も、これからⅦ組が経験することを考えれば、こんなのはお遊びみたいなものだけど。

 

 (さて、こんな所にいつまでもいるわけには行かないし、さっさと行きますか)

 

 リィンは誰とも組まずに一人で出発した。周りは何人かとチームを組むことにしたようだが、誰にも自分の力を見せたくないので、一人でいく。地下一階の魔獣はそんなに強くないはずだから、一人でも充分だ。何せ『剣聖』の称号は伊達じゃないからな。

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