英雄伝説 光雷の軌跡(仮題)(更新停止)   作:幻龍

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久しぶりの更新です。

閃の軌跡3の新たな情報が出てテンションが上がったので、書くことができました。新キャラも出ていましたがピンク髪のトンファ―の女の子が可愛いですね。

次話の更新は未定です。まだ、1割程しかできていないので……。


第五話

 実習二日目の朝になった。リィンはいつもより早めに起きて準備を済ませた。そして、自分とほぼ同時に起きたラウラと共に素振りをした後、まだ眠っていたアリサとエリオットを起こし全員で朝食を済ませると、すぐに渡された課題に取り掛かることにした。今日の夕方にはトリスタに戻る必要があるので、余裕を持って行動をした方がいいと、リィンが提案した為だ。

 

「今日の夕方にはトリスタに帰るから早めに終わらせておいた方がいい」

「そうね。何かアクシデントが起こるといけないしね」 

 

 アリサはリィンの意見に賛成し、4人はすぐに課題をこなす為に街へと繰り出した。

 幸い最終日とあって課題の数が少なかったので課題自体はあっさりと終わり、大市でいい物があればお土産で買っていこうかとみんなで雑談していたら、突如怒声が大市の方から響き渡った。

 

 大市に行くとそこでは、昨日店を開く場所で揉めていた二人組が物凄い剣幕で言い争っていた。その罵り合いは昨日の比ではなかった。

 両者は互いに起きた惨状を相手のせいにして、殴り合いになりそうになった。しかし、突然やってきた領邦軍の仲裁によって終了したのであった。最も喧嘩をしていた商人2人の落ち込み具合は半端ないが。

 

 商品盗難と店舗破壊事件は一応解決? を見たので野次馬も散って行き市は少し遅れて始まった。

 この場面で俺リィンがこの盗難事件の捜査をしないかとアリサ達に提案するのだが、俺はするつもりはない。何せルナリア自然公園に行けば帝国解放戦線のGが公園の主を操り盗賊を制圧した俺達を襲わせるからだ。

 無論今の実力なら簡単に倒せる魔獣だが、Gに実力を知られたくはないしリーダーであるCに報告されると無駄に警戒を抱かせることになる。この事件は元々鉄道憲兵隊の実力を計る為に起こしたものだ。つまり、リィン達の行動が想定外なのであって何もしなくても特に問題ない。寧ろ鉄道憲兵隊の面倒な取り調べを受けずに済む上、己の実力も隠すことができて早くトリスタに帰れる。つまり、ここで調査をしないだけで一石三鳥の成果を得ることができるというわけだ。

 

 だから、リィンはこの事件を調査してみようと提案しない。クレア大尉の能力なら無事に解決するだろうし、面倒事は回避するに越したことはない。正直言って国家権力に任せたいと思っていた。

 

「私達で調査してみない?」

 

 しかし、世の中そう簡単にいかなかった。

 何とアリサが変わりに事件の調査を提案してきた。

 

「私達で? しかし、今回の件は少し厄介だ。我らはそんなに力になれるとは思えないが……」

 

 ラウラはこの事件の裏をある程度察しているせいか、アリサの提案に対して少し難しい顔する。

 

「確かに何とかしてあげたいけど、何も手掛かりがないよ?」

「それに今日の夕方までに実習課題をやらないといけないしな」

 

 何せ今日の夕方には列車に乗ってトリスタに戻らなければならない。

 せめて実習の課題を終わってからでないと調査をすることはできない。

 

「うっ!? そ、それは……。で、でもほっておくわけにはいかないし……」

 

 ラウラ、エリオット、リィンの意見にアリサは言葉を詰まらせ気まずそうにする。しかし、彼女の他者を思い遣る優しい性格故か無視することはできないらしい。

 何とか調査をしたいアリサは何故かリィンを気にするように横目でチラチラ見てくる。

 どうやら誰が調査に一番乗り気ではないことを何となく察したらしい。そして、いつの間にかA班のリーダー的存在になっているリィンが調査に乗り出せば全員やる気になると感じたらしい。

 

 リィンは内心溜息が出そうになったが、それを飲み込み口を開く。

 

「……仕方がない。さっさと課題をやって調査してみるか」

「! あ、ありがとう」

 

 リィンがアリサの提案に賛成したことにアリサは顔を明るくした。その表情はとても年相応の少女で魅力的だった。 ラウラとエリオットは一番乗り気でなかったリィンがいきなり賛成を示したことに少し驚いていた。

 昨日元締めの話を聞いていたリィン達は領邦軍の今朝の行動をおかしいと結論し、領邦軍の詰所に今回の事件について話を聞くことにした。

 領邦軍の詰所に到着してすぐに兵士達に話を聞いてみたが、正直彼らはかなり怪しかった。最も犯人繋がる情報を聴き出すことは意外な伏兵エリオットの活躍によって成功したので、俺達は領邦軍や公爵家がこの事件に一枚噛んでいるのはほぼ間違いないという確証を得た。

 

「でも、証拠はないのよね……」

「悔しいがその通りだ」

 

 自分達はまだ学生であり社会的影響力もほぼ皆無な上、今回の事件を起こした犯人達が領邦軍と繋がっている証拠もないのでどうすることもできない。

何よりこれが計画的な犯行なら領邦軍は証拠を処理しているだろう。

 

 アリサが少し落ち込んでいる。一番気合いが入っていただけに悔しいのだろう。

 

「犯人を見つける為にもう少し手掛かりを見つけないとだめだな」

 

 ラウラの意見にみんなが頷く。

 

「ああ。じゃあ、俺は実習課題をやってくるから、みんな調査を続行してくれ」

「リィン。1人で本当に大丈夫なの?」

 

 リィンが1人で今日の課題をすることを心配してくれたのか、お人好しなアリサが少し心配な表情で見てきた。

 

「これぐらいは大丈夫さ。アリサ。心配してくれてありがとな」

「べ、別に仲間として当然の心配をしただけよ!」

 

 リィンのお礼の言葉にアリサは赤くなっている顔を横に逸らす。

 

「アリサ。リィンがここまで言うのだ。我らは我らの成すことをしよう」

「そ、そうね。じゃあ、頼んだわよ」

「難しそうだったら連絡入れてね」

「ああ。みんなありがとう」

 

 自分の心配をしてくれるアリサに礼を言い課題をこなすべく行動を開始した。

 

 

 

 

 誰も見ていないので普段よりも少しだけ実力を出してさっさと課題を終わらせた。魔獣退治は孤影斬で上半身と下半身で真っ二つにしたやった。当然魔獣の血が下半身から火山噴火のように噴き出して血の臭いが周囲に充満してした結果、それが新たな魔獣を呼び寄せてしまい思いのほか時間がかかってしまった。

 

「むう。次からは気を付けないといけないな」

 

 リィンは自分のミスを反省しつつ課題を全て終えてオットー元締め宅を訪ねた。

 俺が元締めに依頼完了を報告した後、オットー元締めはアリサ達から俺宛ての伝言を伝えてきた。

 何でもルナリア自然公園に今回の犯人が潜伏している可能性が高いらしく、それを確認する為に3人でそこへ向かったそうだ。

 最初リィンの帰りを待った方がいいとエリオットは言ったらしいが、自分達が事件を調査をしていることを恐らく繋がっている領邦軍に聞けば逃走する可能性もあるというアリサが言い、ラウラもアリサの意見に賛同した結果、オットー元締めに伝言を頼んで向かったそうだ。

 オットー元締めが言うには大して時間が経っていないらしい。つまり、今から追えば追いつくことは可能。

 リィンは全速力でルナリア自然公園へと向かった。

 

 

 

 

 リィンがルナリア自然公園に向かう少し前。

 アリサ達はルナリア自然公園に向かいその入り口で、盗まれたブレスレットが落ちていたを見つけていた。

 何故ルナリア自然公園に向かったかというと、ルナリア自然公園方面の入口にその場所を管理・維持していた元管理人が酔っ払っているのを見つけてその人から有力な情報を手に入れることに成功し、犯人グループがルナリア自然公園に潜んでいる可能性が高いと判断した。

 

 自然公園の奥の少し広いスペースに盗んだ商品と犯人達を見つけることに成功した。

 こちらの人数が犯人グループより少ないので制圧はリィンがこちらに駆けつけるまで待つことも検討されたが、「彼等がいつまでもここに滞在するとは限らないから制圧するべきだ」というラウラの意見が通り、奇襲を仕掛けて一気にけりをつけることになった。

 

 ラウラが突撃すると同時にアリサとエリオットがアーツを撃ちこんだ。

 突然の奇襲に犯人達は完全に不意を突かれたのかまともな反撃を行えず、学生でありながらかなりの腕を持つラウラの剣術であっという間に2人が戦闘不能になった。

残った2人が近くにいるラウラへ銃口を向けたがアリサが放った矢が腕に突き刺さり、痛みで怯んだ犯人の隙をラウラは見逃さずアルゼイドの剣技鉄砕刃を振るい残りの者を戦闘不能にした。

 

 

 

 

「あっけなかったな」

「そうね。リィンは犯人を3人で捕獲するのなら奇襲した方がいいと言ってたけど、その通りだったわね」

 

 アリサ達はダウンしているコソ泥達を見張りながら、リィンが来るのを待っていた。犯人を取り押さえる少し前に直リィンから通信が入り、ここに向かっていると報告してきたからである。

 

 リィンは自分が来るまで見張ることを望んだが、犯人がいつ動くかわからないので証拠を隠滅される前に証拠を取り押さえるべきだというラウラの意見が通ることになり、リィンは止めることは難しいと判断し、奇襲を仕掛けて一気にコソ泥達を制圧する策を提案したのだ。

 

 案の定コソ泥達はあっさりと捕まり、連行されるのを待つだけになっている。3人はしばらく雑談をして待っていたらリィンが森の奥からやって来た。 

 

「こいつらが犯人ね……。これで後は街の人達の前に連行するだけだな」

「街の人達に騒ぎを起こしたことを謝罪するのだぞ」

 

 リィンとラウラが犯人グループを連行しようとしたその時、耳に不思議な音色が聞こえてきた。ギデオンがここの魔獣の主を操って襲わせる策を開始したようだ。

 案の定魔獣の雄叫びが自然公園に響き渡り、大型の魔獣特有の大きな足音がこちらに近づいてきた。

 

「この声って!?」

「魔獣だな。それも大型の……」

 

 アリサは突然の響いた雄たけびに驚き、リィンは大型の魔獣の走る音が聞こえる方を睨みながら刀を抜き構える。

  

「ガアアアアアーーーーー!!」

 

 リィン達の目の前に現れたゴリラが巨大化した様な魔獣が森から飛び出そうとした――が急に何かが大爆発して、その際発生した爆炎と衝撃をまともに受けた。

 

「ガアアアアアーーーーー!?」

 

 巨大魔獣が出てきた瞬間いきなり爆発が起こったことにリィンが除く全員が驚く。

 煙が晴れた時すでに魔獣は大ダメージを受けており、洗脳が解けたかどうかは不明だが結局何もせずに森の奥に引き返していった。

 

「……何しに来たんだろ?」

「さあ? 魔獣の心を人間が理解できれば別だけどな」

 

 エリオットが魔獣が去っていった方を見ながらリィンの方を向きながらそう言う。リィンも意味がわからないと演技をしながら適当に言葉を返す。

 

「それよりもさっさと連中を引き渡しにいこう。あんまり遅いと州軍が連中の口封じをする恐れがあるしな」

「そ、そうね。取り合えず魔獣と戦わずに済んだんだし」

 

 リィンとアリサは腰を抜かしている盗人連中の元に歩き出す。エリオットも慌てて後を追い、ラウラだけはリィンを無言で見詰めていたが、リィンがラウラの方に向くと慌てて視線を逸らした。

 リィンはラウラの行動と思考に検討がついたが、自分から言わなくてもいいかと思い、領邦軍と鉄道憲兵隊が来るのを待つのであった。

 

 数十分後領邦軍と鉄道憲兵隊が到着して第一回目の実習は無事に終了した。




アリサ「それにしても何であの魔獣爆発したのかしら?」
エリオット「そうだね。何でだろう? リィンわかる?」
リィン「わからない。自分が出す技に失敗でもしたんじゃない?」
ラウラ「その様な感じには見えなかったが……」
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