舞園「超高校級のヌケーター?」   作:ゼフィガルド

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 最終防衛学園買いました! まだ35日目ですが、これからどんな風になるだろうかと楽しみにしています! プレイしながらしょうもないネタを幾つか思い浮かんだりしつつ。

その1:「俺の名前は『澄野 拓海』。コイツは弟のタクヤ(48)」タクヤ「ウッス。よろしくッス」
その2:拓海「戦うことが罪だっていうなら! 俺が背負ってやる!」
その3:カルア「たっくん。その女の子たちは?」

 まだハーメルンは最終防衛学園が未開拓だから、皆もどんどん投稿して欲しいけれど100通りのエンディング見るのが大変そうな


126時間目:はい! いつもの!

 調子が出ない。と言うことで、赤松は早々に練習を切り上げて、最原達と共に地下1階へと来ていた。本を読む気分でも無かったので、AVルームへと訪れると、多数の生徒が詰めかけていた。そのメンツの中にいた王馬が喜びながら、駆け寄って来た。

 

「最原ちゃーん! 俺達、今から上映会やるんだけど、一緒に見て行かない?」

「なんの映画見るんだよ?」

 

 最原の代りに入間が答えた。すると、王馬に負けず劣らずのテンションで白銀がパッケージをブンブンと振っていた。

 

「見てよ! イルブリードだよ! あの、局所的有名作品だよ!」

「聞いたこと無いんだけど……」

 

 同行していた赤松も困り顔をしていたが、隣にいた入間はちょっと引いていた。最原も嫌そうな顔をしていた。こんなイカれた上映会に参加しているメンバーを確認するべく周囲を見渡した。

 

「最原君達も一緒に見ようよ! ゴン太。こうして、皆で一緒に何かをするなんて初めてだから、とっても楽しみなんだ! 王馬君! 誘ってくれて、ありがとう!」

 

 心の底から嬉しそうに笑うゴン太の笑顔があまりに眩しかった。最原が王馬の肩を叩いて、首を横に振っていた。そりゃ酷いよ。と。

 

「最原ちゃん。大切なのは皆でやることだよ。痛みも、傷も。皆となら思い出に変えていけるから!」

「コレ。見るのに、そんな決意が必要なモンなのか?」

 

 不穏に思った入間がパッケージを見ている傍ら、赤松は意外な人物が出席していることに驚いていた。

 

「真宮寺君もこういうのを見るんだ」

「僕はこういうのを見ないと思っていた? そんなことは無いヨ。ホラー映画の元になっている話は民俗学も多い。特に、この映画は主演女優が自ら恐怖体験の理解を深めるために現地のいわくつきの場所にまで足を運んでいるというからネ。とても興味深いヨ!」

「なぁ、コレの元ネタってゲームじゃねぇのか?」

 

 ぶっ飛んでいる入間でさえ正気に戻るレベルなのだから『-×-』がプラスになるという、計算式の存在は認めざるを得ないだろう。

 

「ゲームでも現地に取材に行くことも多いし、これはその一環だよ! 実写映画なんて、クオリティの低い俳優未満の何かがお遊戯会やっているだけだと思っていたけれど、これは全然違うからね! 最近は面白い物も増えているけれど!!!」

 

 オタク特有の熱量とマシンガントークは全員を引かせるには十分すぎる物だったし、申し訳程度に付け足した補足はさておき、ここまで推されたら気になるのも人情だった。

 

「そんなに言うなら、ちょっと見てみようかな」

「何、言ってんの!?」

 

 赤松が割とノリノリだったので、入間が悲鳴を上げていた。王馬が驚いた素振りを見せていた。

 

「アレ? 入間ちゃん。こういうの好きじゃないの?」

「やめろよぅ。私はディズニーとかジブリみたいな優しい話が好きなんだよぉ。バカ松、行こうぜ」

 

 入間が摂取していたであろう優しさは、普段の言動には皆目見当たらないが、意外と芯の部分は乙女なのかもしれない。ただ、赤松は触発されたらしく。

 

「え。私は見て行くけれど。じゃあ、入間さんとは一旦ここでお別れに」

「研究所(ラボ)ねぇから、籠れないだろうがぁああ!! お前以外の誰が構ってくれるんだよ!!」

「えー……」

 

 恥も外聞も捨てた渾身の懇願だったが、それでもなお。赤松は動きそうになかった。なので、仕方なく入間も同席することになり、連帯的に最原も一緒に上映会に参加することになった。

 

「な、なぁ、偽ショタボーイ。もっと他の映画見ない?」

「入間ちゃん。見てよ、このビデオ棚。そりゃ『トトロ』や『白雪姫』もあるけれど、イルブリードのナンバリングがこんなにあるんだよ」

 

 有名なビデオアニメのタイトルもあるが、それを押しのけてイルブリードのナンバリングが並んでいる光景に、入間と最原はゾッとしていた。

 

「きっと、これだけ並べているからには何か意味があるんだよ。私と王馬君はそれを調査する目的もあるんだから」

 

 さっきまで早口トークをしていた白銀が体裁を整えた所で無駄でしかないのだが、上映は始まった。

 いつものグロ、いつものナンセンス、いつもの無駄エロ。不条理なエッセンスだけで作られたトンチキの集合体。最終恐怖遊園地(イルブリード)。

 

「凄いよ、この音楽。もう、このシーンの為に作られたことが分かる位のフィット感!!」

「流石、超高校級のピアニスト! なんでも主演の女優が自分でBGMやSEまで選び抜いたらしいよ! なんなら、作ったんだって!!」

 

 赤松と白銀がはしゃぎ合う。二郎系ラーメンを三ツ星シェフに作らせたが如き暴挙でも随所に見える、超一流の仕事が超高校級の琴線に触れていた。

 

「素晴らしいヨ! この元ネタとなったホラーの伝承は、アメリカに伝わる現地の古代文献を紐解かなければ出て来ないというのに! それを見事に映画向けに調整しているヨ!」

「でも、ホラー映画として退屈なつくりになっていないんだ!」

 

 真宮寺と王馬と言う、属性がまるで噛み合わない2人も意気投合する程のクオリティ。如何に、ミステリアスな2人でも、やはり年頃の男子なのだ。

 

「うわぁあああ!! なんなのこれは!!」

「ひぃいいいい!! 最原ぁあああああ!」

 

 一方、まるで耐性の無かった入間とゴン太は最原に抱き着いていた。あまりにきつく抱きしめられた。

 他4人のバカ共が盛り上がって周りも見えていない様だったので、最原はコッソリと2人を連れ出して、上映会から抜け出していた。

 

「あ、あんな恐ろしい物を見てはいけないよ! 心がおかしくなっちゃうよ!」

 

 抜け出して、一息吐いたゴン太が極当たり前のことを言っていた。入間は産まれたての小鹿のように震えていた。

 

「さ、最原。手握っていて……」

 

 急にヒロイン度を上げて来たので、最原も戸惑っていた。こうなってはどうした物かと困っていると、慌てた様子で図書室から東条が出て来た。

 

「どうしたの?」

「東条さん! 実は……」

 

 ゴン太が先程までの悪夢を語っていた。緊張していた東条の顔は、やがて呆れた物に変わって行った。

 

「悪戯にしては行き過ぎているわ。戻ったら、温かいココアを淹れて上げる」

「ありがひょぉ」

 

 碌でもない物を見た後にこそ、人の優しさは染みわたる物だ。東条が入間を慰めている間に、最原が入れ替わりで図書室に入った。

 中では、天海が奥の書架で考え込むような仕草をしていた。同じ様に最原も本棚を確認して、とある違和感に気付いた。

 

「最原君も気付きました?」

 

 頷いた。この図書室は棚の上や床にまで本が積まれており、機能性も何かも無視して所狭し、と詰め込まれている。だというのに、2人がいる目の前の本棚の上には何も積まれていない。

 さらに視線を落とすと、床には何か引き摺った様な跡があった。2人が弾き出した答えは同じだった様で、件の本棚を調べ始めた。答えは直ぐに出た。2人が本棚の奥に手を差し込んだ時、何かの装置を押し込んだ。

 

「当たりだったみたいっすね」

 

 ゴゴゴと大きな音を立てて、本棚が移動した。背後からは分厚い金庫の様な扉が現れた。当然のように鍵は掛かっていたが。

 

「天海君。今の音は」

 

 引き返して来た東条が言葉を失っていた。仕掛け本棚の後ろに隠れていた扉。なんて物があれば、奥に何があるかも気にはなるが。

 

「ダメっすね。入るには何かしらのカードキーが必要みたいっすね。最原君、エグイサルを吹っ飛ばした時みたいにこの扉も……」

 

 天海的には冗談のつもりで言ったのだろう。だが、最原は周辺に散らかっていた本を寄せて、助走を付ける為の道筋を作っていた。

 すかさず、東条は『超高校級のメイド』に恥じぬ手際の良さで、最原が助走を付けるだけのコースを作り上げていた。

 図書室の床を蹴り上げる。マナーの全てを無視するかのような蛮行と共に、分厚い扉に激突するかと思われた最原だったが、まるでスポンジに洗剤が沁み込んで行くように扉の中へと消えて行った。

 

~~

 

「マッタク。君は本当にグリッチが好きだなぁ」

 

 通り抜けた先には部屋があった。周囲にはゴミ箱もない。王座の様な場所でモノクマは溜息を吐いていた。

 

「そう、驚かないで。ここは終盤でしか来られない場所だよ。ここには黒幕はいないんだけれどね!」

 

 ズルして来ても、攻略には結びつかないことを嘲笑う様にモノクマは笑っていた。

 

「今までのコロシアイは違いましたが、今回はボクから提案しましょう! 最原君。ボク達と手を組みませんか?」

 

 最原は首を横に振った。コロシアイを企てる人間と手を組むなんて冗談ではない。そもそも、裏切らない保証もない。

 

「ここだけの話をします。前にも言ったけれどね、ここにいる連中はね。君以外は死んでもいい奴ばっかりなんだよ」

 

 最原は思い返していた。実の所、彼も怪しい人間は何人かいると睨んでいたが、全員がそれだけの罪科を背負っているとは思えなかった。

 

「その秘密はオマエラが勝手に調べれば良いさ。ただね、探偵の君だから分かる、ボクらの別名を教えて上げるよ。――『犯罪被害者救済委員会』って、聞いたことあるでしょ?」

 

 最原は目を伏せた。この世界における探偵達にとって、決して切り離すことのできない組織の名前だ。

 

「世界の絶望は終わっちゃいない。終わっていませんよ。それでも、貴方は。彼らを助けたいですか?」

 

 最原は迷った挙句、小さく頷いた。それはきっと、彼の本心から。という訳ではなく、彼が探偵であるが故の使命感と責任感がそうさせていたのだろう。

 

「うぷぷぷぷ。じゃあ、今回は見ごたえのあるコロシアイ学園生活になりそうだね! あ、帰りは自分の能力で帰ってね。ここに何人も来られたら迷惑だから!」

 

 これ以上、モノクマから吐き出させる情報が無いと踏んだのか、最原は大人しく図書館の方へと引き返していた。

 

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