ボーダー隊員は帰郷を目指し   作:ボーダー技術開発室職員

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第13話

 

 

「ダメ?なんでですか?」

 

 

数日ぶりに一日お休みをもらえてたため、()()()()を実行しようとしたところに待ったがかかった。

 

しようとしていたことは、これまでの生活の中でなかなか見かけなくて()()()()()()()『ゲーム開発部』に顔を出しに行こうとしてた……というだけのこと。

 

 

部活なのだから部室があるはず。この学校の授業スタイルについてはいまいち詳しくは知らないが、訪ねてみていたら良し、いなければ待つなりなんなりと考えて動こうとしたオレに、まるで狙ったかのように現れた早瀬(ユウカ)さん。しかも、『ゲーム開発部』に関わろうとしてたことまでわかっている様子だ。

監視はされてなかったと思うけど……勘、か?あるいは、また、いつかみたいに明星(ヒマリ)さんがケイタイをハッキングして情報収集してたとか?

 

結局理由はわからないが、止められたのが事実。

とにかく、何故ダメなのか問うために言ったのが先ほどのオレの発言なんだけど――

 

 

「理由は大きく分けてふたつあるわ」

 

 

――2つ指を立てた早瀬(ユウカ)さんがその答えを示してくれるようだ。

 

「ひとつ、こないだ話した通り、『ゲーム開発部』は普段の活動はともかく結構過激だったりして危険性があること」

 

「まぁ、それは…」

 

オレは戦えるし、逃走はもちろん、C&Cのうち誰か2,3人と同程度の強さであるならば無力化も可能だとは言える。けれど、戦闘で周囲に被害がでるのは確実なので大事にはしたくないし、戦いの可能性はできる限り避けておくに越したことはない。……特に、このそう長くない時間ではあるが、学校の会計として頭を悩ませている早瀬(ユウカ)さんを近くで見てきた身としては、ね。

 

 

「ふたつ、『ゲーム開発部』が今、ちょっと特殊な状況だからこれ以上複雑にしたくないからなるべくあなたからの接触はしてほしくない」

 

「なるほど」

 

そういわれて思い浮かんだのは、先日「襲撃者」として『ゲーム開発部』のことが挙がったあの時だ。

あの時、『ゲーム開発部』に対し何かする前に「検討してから共有する」みたいなことを言っていた。てっきりアレは「前科はあるけど未来の襲撃者として確定したわけじゃないから、考えたり情報収集したりして裏付けを取りたい」って話かと思っていたが、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「あと……」

 

「え、みっつ目?」

 

「ある意味で一番の理由なんだけど……あなたが真面目にやってくれてるのは知ってるけれど、どうにもあの子たちに取り込まれる気がしてならないのよね。なにかと甘いし」

 

「えぇ…?」

 

「そんな理由で?」という気持ちがそのまま口に出してしまいそうになったが何とかの見込んだ。

 

「ついでに聞くけど、あなたってゲームはするほう?」

 

「『ボーダー』に入隊する前は人並みかそれ以上には。入隊してからは付き合い程度ですね」

 

自称・実力派エリートの迅さんにボーダー本部を中心に連れまわされていたオレは一方的に顔を知られていることが多くて、たまたまひとりでいたところをたまたま出会った先輩らしき隊員に捕まって……連れていかれた隊室で流れのまま数合わせでゲームをさせられたことがあり、それから連絡先を交換して呼ばれて暇があったら(時々先輩命令アリ)ゲームに参加するようになった。なんて話がある。

まぁ、その先輩――というかあの隊室の人たちが「A級1位」の太刀川隊の人たちだったことを後々知っていろんな意味で驚いた。そして、その後会った時にゲーム参加させられた分って言い訳じみた理由で押し切ってソロ戦の相手をしてもらった。もちろんボロ負けである。

 

そんなことを思い出していたんだけど、ふと目の前の早瀬(ユウカ)さんの目がジットリとしたものに変わっていることに気付く。

 

「……入り浸りそう」

 

「そん――

 

 

●■▼▼■●▲■

 

 

――ハァ?」

 

「え」

 

何が変わった?

オレが新しく知った人もそう増えてない。

見えた未来も()()()()()()()()()大筋は変わっていない。

これまでにも見えていた未来。

誰かがいなくなる未来。

砕けるヘイロー。

オレが死ぬ。

オレがころす。

変わりが無い。

変わりが無い……だが、大きくブレた。

 

違う未来が見えた?

分岐が細分化された?

 

だが、変わった。

いい方向に、いい方向が濃く

けど、だけど

 

■■■■■

 

『未来視』の終わりはより()()()()確定していく。

 

 

誰が変えた?何が変えた?

オレか?

ユウカさんか?

 

いや、オレが見るからって未来を変えるのは、なにもオレやその近くの人とも限らない。

誰かの行動が、考えが、発言が、大小異なるものの未来を動かす。

 

しかし、今回確かなのは、ほんの少しのかなりの影響が出ているだろうってこと。

今朝も相変わらず、これまでと大差のない未来が見えていた結末が、このほんの一瞬で大きく変わった。

何故?誰が?結末以外は未来は大筋変わっていないのに?

影響力?学校の生徒会やその会長――ミレニアムでいえば、ユウカさんやリオさんあたり――が真っ先に思いつくが、あまりに変わっていない未来の動向からどこかの学校ひとつの影響とも考えにくい。仮にミレニアムなら結末が()()はならない、よそならその学校の影が見えそうなものだ。

 

となると、ドコのダレが――――っているじゃんか。そんな人。

 

 

「な、なななっ!今、いまっ!何言って!?」

 

「ごめん!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

ユウカさんが何か言ってる声が聞こえたが、見えた未来で頭に入らない。

そして、すでに換装しているトリオン体で駆け出していく。

 

「ちょっ先生は今は――――」

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

 

駆けていく中で段々と頭の中が整理できてきて、少しずつ冷静さを取り戻してきた。

まだ熱さは残っているが、芯のあたりは冴えてきた、そんな感じに、だ。

 

 

『先生』とやらがいる場所というのは知っている。早瀬(ユウカ)さんが行くってことになった際に、万が一何かあれば駆け付けられるようにって調べておいたからだ。

 

ある意味で学園都市『キヴォトス』の中心ともいえる連邦生徒会の拠点から離れた一角にあるビルのほぼ丸ごとが『シャーレ』――正式には『連邦捜査部S.C.H.A.L.E』だったか――の機関の拠点だと聞いており、そこで『先生』は学校という枠組みを超えた活動をしているというのだ。

だから、ここにいるはず。あとづけてもなんでも、何かしら理由を付けて『先生』に会って、『未来視』で未来を見て、そこからこれからの行動を……と思ったのだが……

 

 

「留守、か」

 

まぁ、ありえることだろう。このシャーレの建物内での活動が主な仕事ということになってはいるが、先日聞いた早瀬(ユウカ)さんの話ではどうにもそれだけではないらしい。

各学校や部活などからあがってくる問題や相談、要請などに対応するのが主な仕事内容らしいのだが、書類上だけで対応できる内容(もの)以外にも実際に(おもむ)かなければならないこともあるそうだ。

 

だからといって、こんな重要そうな拠点に誰もいないってのもどうかと思うが……今日はたまたまそうなってしまっただけだろうか?

あるいは、いちおうは外部となる『ミレニアムサイエンススクール』から早瀬(ユウカ)さんを引っ張ってきて当番とやらの役職で協力してもらうなどしているから……もしかして、ほぼ『先生』のワンマンでカツカツでギリギリな状態なのかも?

 

 

「それはそれとして……どこの学校に行ってるんだ?」

 

あるいは、ちょっと離れているだけで、案外すぐそばにいたり?

例えば……

 

「『シャーレ(ココ)』の一階にあるコンビニとか?」

 

 

どうかはわからないが、今は行動に移すことになんの躊躇いも疑問もない――というか、見えた未来に対して何かしてないと、かえって落ち着かなくなってしまいそうで、動いてしまっていた。

 

 

「い、いらっしゃいませー」

 

「……どうも」

 

見た感じ、店内に先生…いや客自体が今はいそうになかった。

そして、店員らしき少女――たぶん、オレよりも年下だと思うくらい小柄な子――の緊張した感じの挨拶にちょっと困ったように返事をする。

というのも……

 

 

「あー……ちょっと『ヴァルキューレ』に通報する準備しておいた方がいいかも?」

 

「え?」

 

「よくわからないけど、強盗がくるっぽいから」

 

そう、見えてしまったのだ。どこかの生徒らしき人が、このコンビニに銃を持って突っ込んできて慌てふためく店員ちゃんが。

 

「ええっ!?」

 

 

「心当たりは?」

 

オレの問いに顔をこわばらせて必死に首を振る店員ちゃん。

 

そんなことをしていると、ガラス張りの扉のむこうに、一昔前のスケバンってやつっぽい恰好をした生徒たちが見え――その生徒たちの直近の未来が見え、確信に変わる。

 

 

「先公へのお礼参り、やってやる!」

「鬼の居ぬ間にってやつだ!」

「シャーレの下で店やってることを恨むんだなぁ!!」

 

 

そんな荒々しい声を聞きながら、()()()()()()()()()()。その行動が「コンビニ店内へ突っ込んでくる生徒」を、その先の見えた未来をわずかにだが確かに変えた。

 

左手にシールドモードの『レイガスト』を、右手に『散弾銃(ショットガン)』を展開し、怪訝な視線を向けてくる生徒たちへと構える。

 

 

安全処理(セーフティ)がきくのはわかってるから、悪いけど遠慮なくいくよ」

 




●わかりやすい次回予告
C&C>スケバンモブ

●ホンゴウトワの思考
単純に、普段は顔に出やすい。
『ボーダー』内でも付き合いがある人ほど読み取れた。『キヴォトス』ではノアとコユキが「なんとなくの思考の方向性がわかる」、ユウカが「だいたいわかって、その他情報から予測・確定させられる」程度。
なお、気を張った真面目モードではおおかた隠されるがなんか胡散臭くなる。



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期限:次の投稿まで
結果は、話の流れに影響があります

前回のアンケート結果が「アビドス」になったため、「その中で主となる部活・グループをアンケート」は開催せずに別のアンケートとなります。

ホンゴウトワと『ゲーム開発部』はパヴァーヌ編までに

  • 出会う
  • ゲーム上だけで出会う
  • モモイだけ
  • ミドリだけ
  • ユズだけ
  • 出会えない
  • (陣営的に)敵対するだろ
  • ユウカの予想通りに……
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