ボーダー隊員は帰郷を目指し 作:ボーダー技術開発室職員
なので、今日も今日とて朝一で
「……というわけで、連れてきたんですがどうします?」
――――手ごろな縄で、腕ごと胴を縛り上げた桃色髪の女子・
「うあぁああーーー! うらぎりものーーー!!」
「いや……事情を聴いたうえでよくよく考えたら、抜け出した時点で問題じゃないですか」
「そこは、こっそり反省部屋に帰すとか、どこかに逃がすとか……」
「そもそも、自分は被害を受けてることをそのままにするつもりはありません」
「知らないでーす!!」
……無自覚なのか? 食料的な意味でも、エネルギー適な意味でも被害があったんだけども?
比較的高い『トリオン』能力をもつオレでも、緊急時の消費を考慮すると一日あたり遠征艇に補充できる量は全体量に比べれば微々たるものだったりする。それが大半消費されてしまってたんだが? なんで?
「……なにがあったのよ」
眉間にしわを寄せた早瀬さんの声に、オレと黒崎さんは一旦言い合いを止めてから顔を見合わせてから答える。
「昨晩、自分のところの
「トランプとか、ゲームで一緒に遊びました」
早瀬さんがこめかみをおさえた。……ツッコミたい気持ちはわかるけれど、事実だから、オレからは何も言えない。
最初こそ目的を探りながら接してたんだけど、結局「よっぽど暇だったんだなー」とか「……友達作るの苦手で、あんまりいないのかな?」とかどうでもいいこと考えながら遊んでしまっていた。今更だけど少し反省しよう。
「それから、今まではなにしてたの?」
何って言っても、さっき言ったことで九割話しおわってしまってるんだけど。あと言うべきことといえば……?
「
「そーなんですよ!? 一緒に朝ごはん食べた後に、気付いたらグルグル巻きにされて抱えられてーっ!」
「それでこうなった、と」
肩ごと大きく動くほどのため息をはきながら、早瀬さん。
「セキュリティのレベルも上げておいたし、C&Cの協力もあって、監視のすべてをすり抜けて外には出れないのはわかってたから……それにしたって、今回はいつもとは違って中々捕まらないとは思ってたけど、そんなことになってたなんて」
「いつもって……捕まっている回数自体も多いってことですか? この人が何をしたのかについても色々と言いたいところですけど、再発防止とか対策とかどうなってるんですか」
聞きなれない言葉が気になりつつも、疑問を投げかける珍しく目をそらしていた
まぁ、
「でも確かに、早瀬さんの立場としては、次の日のこととか考えたら徹夜とかせずにロボットとかセキュリティに任せるのは当然ですよね」
「そもそもあなたのところにいたのがわかれば、それもしなくて済んだ話なんだけど」
「なにか慌ただしさがあったのは知ってましたけど、まさかその騒ぎが謹慎中の生徒の脱走のせいで、自分の
実際、
要約すると「先輩に怒られて反省部屋に入れられてたけど、退屈になったからどこかの爆発騒ぎに乗じて脱出したんです。でも、いつもみたいに、捕まえられて連れ戻されるのも嫌だから隠れ場所を探してたら、初めて見る変な乗り物があって
そんなことを少し思い返しながらも、オレは「それに……」と言葉を続ける。
「早瀬さんが自分に言ってこなかったのは、何か理由があったんじゃないですか?」
「あぁ……でも、何かあったっていうなら、少しくらい連絡してくれればっ。いえ、結局は、詳しくは言えない部分はあっても……こっちが一言だけでも言ってればよかったといえばその通りなのよね」
頭を抱え、ブツブツをつぶやく早瀬さんを横目に見つつ、抱えていた黒崎さんをおろし、縛ったままではあるけど手近にあった椅子に座らせる。
やはりというべきか、事情があったんだろう。
その事情っていうのは、おそらくは黒崎さん自身だろう。常識がなってないとかそういう意味じゃなく
……にしては、黒崎さんの反応や、早瀬さんの対応やこれまでの対策について聞いている限りでは、なんというかこう違和感を感じるんだけどね。
「で? この子は何をしちゃった?」
いつの間にか復活していた早瀬さんが、スンスン泣いている黒崎さんを指さしながらオレに問いかけてきた。
「携帯食料ほか、とっておいた故郷のお菓子を食べ散らかしたのと、貯めていた艇のエネルギー浪費です」
「それは、あなたにとっては結構な痛手でしょうね」
そうなのだ。食べ物のほうはある程度どうにかなるとは思うから、見逃してもよかったんだが、エネルギーの方はそう簡単に補填することができない。賠償も難しいから、せめて、なんとかして再度同じようなことが起きないようにしておいてほしいのだ。
「ん?」
……? どうかしたのか?
「ちょっと訊きたいんだけど、あなたの一時滞在って、もといたところに帰るための準備――飛んできたあの乗り物のメンテナンスと補給のためって話だったでしょ?」
「はい」
実際には、それに加えて「
「さっき、貯めていたエネルギーって言ってたけど……燃料とか電気が必要って話を聞いてないのよね」
「してませんね」
「まさか……」
ジトーっとした視線を向けられてしまい、頭には疑問符が浮かんでしまう。
……ん? よくよく考えてみると、今のオレは電気や燃料といったメジャーなエネルギーの提供をミレニアムから受けることなく艇にエネルギーを貯めているっている、はたから見ればおかしな状況なのか!!
で、そんな中で早瀬さんがオレにこんな視線を向けてくる理由といえば……!?
「いやっ! 盗んだりはしてませんからね!?」
「本当かしら?」
「ただ……」
「ただ?」
オウム返ししながら少し首をかしげる早瀬さんを前に、オレは苦笑いを浮かべてしまう。
「どこまで言ったものかなぁと」
そう、そこなのだ。
「初めてここに来た時に、自分が『ボーダー』って組織に所属しててそこのでの活動について簡単にですけど話をしましたよね」
「ええ、おぼえてるわ」
「はじめて聞きました! なんですか、それ?」
頷いてくれた早瀬さんとは別の方から、いつのまにか泣き止んでいた黒崎さんは、こちらにキラキラした目を向けてきていた。
そういえば、あの時に黒崎さんの姿を見た覚えはない。おそらくはその場にはいなかったんだろう。もしかしたら、あのころからすでに反省部屋に入れられたりしていたのかもしれない。
あくまで話をしてきたのは早瀬さんとだけれど、ここで黒崎さんを無視して話を続けるのは少し気が引ける気がする。なので、疑問に対して簡単に答えながらその流れから
「黒崎さん。『ボーダー』というのは……すごく簡単にいうと、
むこうの学校なんかで生徒が話していてもおかしくない程度の内容で簡潔に説明をすると、黒崎さんは「ほー」と本当に理解しているかはいまいちわかりにくい反応を示しながら話を聞いてくれている。
「……で、自分はその
「ということは、ホンゴーさんは異世界人!?」
「オレからすれば、黒崎さんが異世界人だよ」
つい素で返してしまい、一旦軽く咳ばらいをする。
「コホンッ 話を少し戻しますけど、自分はそういう組織に所属してるんです。となると、組織内の情報や技術――内部情報や物品……あの
最後は黒崎さんではなく早瀬さんに視線を向けて確認をするように言う。すると、特に不満もなさそうに「当然よね」という小さな呟きと共に頷いてくれた。……やっぱり、オレへの仕事の振り分けとか、昨日黒崎さんのことを言わなかったり今も詳しくは話さない点など、
まぁこっちは、実際のところあの艇は、他の星のヤツを鹵獲して改造したものだから、正確には『ボーダー』製じゃあないから微妙なところ。けど、根本の技術は一緒だから嘘ではないといえばない。
……とっ。最後に感情面について触れて話をしめる。
「ですが、いろいろと融通をきかせてもらっている以上、立場的にも可能な限りは話したいんですけど……さて、緊急時とはいえ、どこまでいいものなのかと」
「事情は分かったから、その話は一旦ここまでにしましょう。コユキがしたことについてはなにかしらの形で補償するつもりだから、決まったら伝えるわね」
そう言った早瀬さんは、椅子に座っている黒崎さんを引き上げ立ち上がらせ「この子の処分も決めないといけないわね」と引っ張って部屋を出ていく。
連れていかれる黒崎さんは止まっていた涙がまたあふれ出してて――「ホンゴーさーーn」――扉が閉まって聞こえなくなったが、助けを呼ばれた気もするが、踏み込めないので今回は聞こえなかったふりをする。
……とりあえず、おとなしく待っておくか。
にしても、今後のことを思うと、自分の持っている『ボーダー』関連の情報については本当に考えないといけないよなぁ。
確実に大丈夫なのは、今話した「
……でも、ちょっと考えてしまう部分もある。
『ボーダー』に入隊してから、
あとは、
さて、どうしたものかなぁ……?
――――――――――――
「アレひとつで太陽光発電以上のことができる技術がある、あるいはどれでもない私も知らないエネルギーがあってそれを扱える……あたりかしら」
「ぐすっ……ユウカ先輩?」
「情報はポロポロこぼすし、侵入してたコユキをすぐ受け入れたり、大分くだけた調子を見せたり、キッチリカッチリ厳しそうに見えてなんかなんだか甘いのよね……少し心配になるわ」
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期限:次の投稿まで
結果は、勝敗や話の流れに影響があります。
次のタイミングで使用されるトリガー構成の方向性
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銃なんてなかった攻撃手(アタッカー)
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郷に従え銃手(ガンナー)
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驚かせようぜ射手(シューター)
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元本職の狙撃手(スナイパー)
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欲張りセット万能手(オールラウンダー)