ボーダー隊員は帰郷を目指し 作:ボーダー技術開発室職員
今日、『キヴォトス』に来て初めて一日ちゃんと休みをもらうこととなった。
別に苦になってたわけじゃぁないけど、一日休みとなれば色々としてみたくもなるわけで……ちょっとした
なお、何故かは知らないが、一緒に来ようとしてたコユキさんは
何かおみやげを買って帰ろう。
それで、
途中で、なんか初めて見る制服にマスクで口元を隠した人たちが因縁つけてきたりもしたが、速攻で逃げて隠れてやり過ごした。
大事にするのも嫌だし、余計にトリオンを消費したり万が一『トリオン体』が欠損でもしてしまうのは避けたい事態だからね。そういう意味ではコユキさんはいなくて良かった。やっぱり一人の方が身軽で逃げたりしやすいし、コユキさんがよかれと思って何かしたりして大事になってしまいそうな気もするからね。
他にも、フルフェイスのヘルメットをかぶった一団なんかにも遭遇したりもしたが、それらも逃げてやり過ごした。
……『ミレニアムサイエンススクール』って平和だったことを知れたよ。『キヴォトス』では日常的に銃撃戦があるとは聞いてたし、実際にドンパチやってるのも見たことはあったし、したこともあるにはあるけど……場所によっては、単純に治安が悪いんだな。
なお、少し前から襲われたりはしていない。
というのも、今オレがいるのがさっきまでとは様子が変わっている。そこそこのビルがあったり一軒家程度の建物もあるのは、襲われたところとはそう違いは無いように思えるが明確に違う点――――街並みの
おそらくは、コレが襲ってくるようなヤツ含め、人がそういない原因なんだろう。
で、オレの目的地はココのはず。
そんなことを考えながら立ち止まってさっきから見ているのは、どう見ても無人になっていて人の気配のかけらもない一軒の二階建ての建物。
街の様子からして半分予想はしていたが……でも、いちおう周りも探してみようか?
「ねぇ、キミ」
声につられて、雑誌と建物とを行き来していた視線を左手の方へと目を向ける。
そこには、
「見ない顔だねぇ、こんなところにまで来てどうしたの?」
「こんにちは。あの、この店を探しているのですが、何か知りませんか」
最低限の礼儀を示しながらも目的を伝え、オレは手元の雑誌を眼前にいる女子に向けて正しく見えるように持ち直したうえで、差し出す。
「おぉ?ちょっと古いし……懐かしいねぇ。おじさんがアビドスに来た頃はまだやってたよ。今は見ての通りだけど」
そう言ってその人が目を向けたのは、さっきオレが「ここか?」とあたりを付けていた建物だった。まぁ、こうも砂だらけだったら人も来ないし、店の営業どころか普通に暮らすだけでも苦労がかかりそうだから、なくなるのにも納得できる。
と、それとは別に気になる言葉が耳に残る。
「あびどす?」
「そそ、『アビドス高等学校』。おじさんはそこの生徒、3年生の
「これはご丁寧に。自分は
ああ、なんだかちょっとムズムズするな。
好奇心がくすぐられるっていうのもあるけど、同時に「ダメ」とは言われてないけど、そんな遠くまで来てしまったことで
「ええぇ、アビドス校区って知らずに、よく来れたね」
……ん?
まぁ、いいか。
「雑誌の地図にも書いてあったあの大きい建物を目印に、方角と縮尺からなんとなく」
「この簡単に描かれてるヤツで?それはなんというか……すごいね」
ウソは言っていないみたいだけど、それはそれとして褒めているわけではないようだ。
「目は口ほどに物を言う」なんて言葉があるが、今まさにそれだ。こう、疑っているというか、なんか引いてるかもしれない感じがする。いや、むしろ可哀そうな物でも見るような……気のせいだと思いたい。
「にしても、珍しいねぇ。今時ネットで調べれば一発でわかるんじゃない? 店側がやめますって宣言をしてはいなくても情報が途切れたりなんたりしてさぁ」
「いや、なんというか、壊れちゃってるんですよ」
「ほら」と取り出したミレニアム印のケイタイの画面を
そこに移っているのは、見慣れた時間が刻まれてるだけのロック画面や、アプリの一覧が並んだものではなかった。オレが「二足歩行の動物の暮らす村に移住するゲーム」と聞いて思い浮かぶようなテイストの背景に2頭身程度の車椅子に乗ったキャラクターが画面下の方をチョロチョロ動いている。おまけに言うと、画面のどこをタッチしたりしても反応は示さなかったりする。
「……おじさんもそんな詳しくないけど、それでも普通じゃないことはわかるよ?」
「そうですか?」
「原因まではわからないけどねぇ」
「いえ、ソレに関してはなんとなくわってますので、問題ないです」
というのも、画面下にいたキャラクターがいわゆるデフォルメ化されてはいるもののその特徴からして、オレの知っている人だ。なんでこんなことをしてきたのかまではわからないが、イタズラか何か……あるいは、けっこう自由に動けるオレに対しての牽制なのかもしれない。
思い返してみれば、
意図はもちろんわからないが、さらに疑問はある。なぜ、自分を模したであろうキャラクターまでワザワザ画面に表示させているのだろう。犯行を自白しているようなものだ。いや、罪を擦り付けようとする真犯人の策の可能性もあるか。
――――改めまして、超天才清楚系病弱美少女ハッカーの
……あー、ただ単純に自己顕示欲が高いというか、お茶目っ気があっての可能性もあるかな?
「とりあえず、目星はついてるので今度会う時に聞いてみます」
そう言いながらオレはトリオン体の服に
トリオン体の構築の際にはトリオンが必要でその分消費するのだが、その必要量や時間といったコストというものは上下する。
この前のC&Cと戦った際のオレのように一部の破損後に修復するのか、トリオンの漏出多量・トリオン供給機関や伝達脳の破損などによるトリオン体完全破壊では、当然前者よりも後者の方がコストがかかる。そこに対象のトリオン総量も関わるが……今回はいいだろう。
他の要因として、トリオン体が複雑化するほどコストがかかってしまう点がある。例えば、トリオン体での服や靴など着脱は事前の設定で可不可が変わる。で、だ。わかりやすい言えば、人形焼などのように型に合わせて生成するのに比べ、その上にもう一層別の
なのに、わざわざ今のオレがトリオンの服にポケットを付けるのは、万が一に備えて遠征艇の外では常にトリオン体になっているので、ケイタイなどの物の持ち運びがポケット無しでは面倒だからだ。遠征艇の生身でケイタイをポケットにいれてても、トリオン体になったらケイタイは生身と共に格納されるため取り出せなくなるからね。
そんなわざわざ作ったポケットの中から、抗議するかのようにケイタイが震えた気がするが、今はどうでもいいや。
それよりも……
「ついでにもうひとつ。
「うへぇー、もしかして、ナンパされてる?」
……ふむ?
…………ナンパ?
「あー、えー……? いやっ、そんなんじゃ無くて、お世話になった半分、ちょっと今日のお昼を逃したくないから何か知ってないかなーってだけで、迷惑料とかお礼って感じにお昼代はダシマスヨーッテダケデ、ソノ、アノ、シタゴコロトカジャナクテダナ……!?」
ただ、いつも通りに考えていたことを言葉にして返す、だけだったはずだ。
けど、自分で言ってて、口調が崩れて、口が変に回ってしまって、頭がカッカッして、何か視線も定まらない……視界に入れてもいいのかな、
「あららー、想像してたのとは違うけど、いいかな」
「エッ、おしえてくれるのか?」
「ソレもオッケー。今日は元々オフだったし、なんか寝れる気がしなかったからブラブラしてたからね」
「学校の方もそんなに離れないならねぇ」と、少し気になる呟きが聞こえたが、それを聞くよりも先に、へらという擬音が似合う笑顔をコッチに向けてきた。
「何かあったらキミも手伝ってねーって、ヘイローも銃も無いから無理かな」
「あ、いや。これでも戦えるから、手を貸すけど」
「おおっ?それは頼もしいねぇ」
「よっろしくー」と気の抜けた声を投げかけながら、歩き出す
一瞬、はてと首をかしげかけたが、とりあえずはついていくことにした。
「そういえばさ」
「はい?」
「なんであのお店行ってみようって思ったの?
「まぁ好きですね」
「なら『
手元の雑誌のいちページ、その中の店の様子を写した写真へと目むけ……つぶやく。
「この外観がちょっと似てたんですよ、むこうで行きつけのお店に」
次回、お好み焼き屋等、ホームシック気味なホンゴウトワとおじさんとアビドス。
○
彼女はいたが幼稚園のころのことであるため、実際のところ恋愛経験ゼロ。
思春期なだけはあり、人並みには異性に興味はある……が、どっちかというと雰囲気とかシチュエーションに重きを置くロマンチスト。
しかし、『ボーダー』入隊後は諸事情によりランク戦に打ち込み半ば戦闘狂化しかけてソッチの願望は薄まっているそのうえ、時折発現してしまう『未来視』によって見たくもない未来やトロッコ問題的な問題に直面することが多々あるため、考えてられなくなっていた。
『ボーダー』内で一番仲が良かった(?)異性は、荒船隊のオペレーター・
※ワールドトリガー公式ファンブック(BBF)にある「異性の好み傾向グラフ」では、「おとなしい、落ち着いてる」のはじの、「性格がいい」の真ん中程度。「モテるキャラグラフ」では「モテない」の真ん中の、中央よりやや「べつにモテなくていい」より。昔は「モテたい」だった。
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期限:次の投稿まで
結果は、話の流れに影響があります。
ホンゴウトワの恋愛要素は?
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いらない
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いる(ワートリキャラ)(遠距離一方通行)
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いる(ブルアカキャラ)
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いる(ブルアカモブ)
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曇れ(ブルアカモブ被害)
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いる(女先生)