イミテーション・ミュートス   作:芳村修環輝

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森の先にあるもの

私の名はベノラ。興味本位で入ってみると色んな生き物に出くわし、襲われたのだが、現在同行している者に助けられて、自分でもどうやったのかはわからないが敵を何とか倒すことが出来たようなのだ。そうして同行者と一緒に逃げている途中だ。

 

 

 

そしてその同行者の名がクリム。小さく輝く白いスライムのようだ。本で読んで知ったのか、スライムという単語が浮かび上がってきた。スライムというのは種族名なのかもしれない。

そして名前は私が付けたものだが、その名が良かったのか、体を震わせてさらに声を上げて喜んでいる。

 

「キュルルル〜!!」

 

喜んでくれて嬉しく、感慨を得た思いだ・・・

 

「キュルルッ、キュルルッ、キュピーン!」

 

だが今は、他の生き物が襲ってくるかもしれないし、走っている状態だからいつクリムを落としてしまうかわからない。流石に今は少し落ち着いて貰いたい。

 

 

「クリム、喜んでくれるのは嬉しいけど、今は大人しくして貰える?」

 

「キュッ!」

 

そう言うとクリムは私の体を駆け上がり私の頭に乗っかり留まった。 

 

すると、クリムは目の前不自然にある切り株に乗ると右にあるけもの道にある方向に体を向けた。

 

「もしかして、そっちに出口があるの?」

 

「キュッ!」

 

そう言うと、クリムは再び私の頭に乗った。クリムはこの森について詳しいのかも知れない。

 

そう私はクリムを信じてそのけもの道を進んで見ると、向こう側に光が見えてきた。

 

その光の先に行ってみると、そこに見えた景色を見て私は固まって動けなかった。

 

機工的に作られたものではない本物の明るさがそこにあったのだ。とても眩しい。目に感じるその眩しさが本物なのだと改めて気付かされたのだ。これが本物の光なのだと、自分に教えてくれるように感じた。そうだ、変わらないものが今そこにあったのだ。

 

とても喜ばしい半面、私は不思議に思っていた。何故先程からこんなにも感動をしているのか。これは当たり前のものばかりのはず。自然だったり、この機工的ではない明るさだったりと、これは普通に存在するものばかりのはず。それらが記憶を失う前の私はそれを知らない環境で生きていたと言うのか・・・・・・

かつての私は一体、何者だったのか?

 

 

 

 

 

「キャーー、誰か助けて〜!」

 

考えに耽っていると、そこに誰かの叫び声が聞こえてきた。助けを求めている声だ。

 

「クリム、行こう!!」

 

「キュッ!」

 

私達は声がする方へ行くと、そこにいたのは巨大な楕円形の形をしたトカゲと私と同じ身長ぐらいの人間が一人いた。

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