インフィニット・ストラトス ~緑翠の人魚姫~ 作:夏梅ゆゆゆ
PSストアでゼノギアスを買ってしまい、久々にプレイ。結果、ヤバいと思ったが執筆欲を抑えきれずに無謀にも投稿。
ゼノギアスを知らない人でも楽しめるようにしたい…
プロローグ
──とある研究所の一室。
そこに、一人の男がモニターの光に照らされながらキーボードを叩いている。
「……きた、か」
そして、男はどこか満ち足りているようで、くたびれた様にも見える顔でモニターを見つめ続ける………そしてその時、突然、室内に少女の声が鳴り響いた。
『…へぇー、束さんを捕らえられるような奴がこの世にいるなんて思わなかったよ?』
モニターに映し出されたのは…ウサギの耳を頭につけた、不思議の国にでも迷い込みそうな服装をした少女だ。
「いや…そんな大したもんじゃない。この研究所が例の計画を進め始めた時には君がここを嗅ぎつけるだろうことは分かっていた…かの『天災』の目から逃れられるほど、俺らは優秀じゃないからな。網を張っていれば、いつかは探りに来た所を捕まえられる、と思っただけだよ…」
『ふーん…で?君は私に何の用なのかな?まさか、こんな通信回線だけで私に何かできるとは思っていないよね?』
「ああ、もちろんだ…君に頼みたいことがあって、連絡を取ろうと思ったんだ」
『へぇ…?いいよ、束さんを捕まえられたご褒美に聞くだけ聞いてあげても』
「…感謝する」
そう言うや否や、後ろの巨大なカプセル状の容器を前に動かし、それにかかったフィルターを取り除く。そうして、出てきたのは………翠色の髪を持つ、少女だった。
『これは…?』
「…ナノマシン適合型
そう言って、男は愛おし気にその少女を見つめる。
『…理解できないね、色々と』
……そう、少女──篠ノ之束には理解不能な思考であった…この研究所の行く末が、天災にとっての禁忌に手を出したが故の破滅だと分かっていて保身を考えないのも、兵器として生み出された
「ああ、意味不明な人間なのは自覚している…ただ、そう、自分の娘に幸せになってほしくない親なんかいない…つまり、そういうことなんだよ」
『……………』
「…それに、自分たちが犯した罪は自分たちで清算する…そんなこともできないで、胸を張ってこの子に父親を名乗れない、だろ?」
『そう…それが君の…いや、あなたの覚悟なんだね?………よし、いいよ、責任を持ってその子を幸せにすることを誓うよ』
──ここに、普段の彼女を知る者がいたならば大層驚いたことだろう。なにせ、初対面の男に
「ああ…ありがとう。では、決まった時刻になったらこの部屋に被害が及ばないように研究所を爆破する…そのあとのことは頼んだよ?」
『おーけー…っとそう言えば、あなたとその子の名前を聞いていなかったね?』
「ん?…ああ、俺の名はキム。そして、この子の名は─────」
説明メモ書き
・キム
原作では超古代文明に生きた医者兼生科学者。自らが作った、人造の命である娘を何よりも大切に思っており、誰よりも彼女の誕生を待ち望んでいた。
本作では束に娘を託し、研究所と共に爆発の中に飲み込まれていった。