インフィニット・ストラトス ~緑翠の人魚姫~   作:夏梅ゆゆゆ

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色々あって遅くなりました!

お許しください!読者様!


相違 二人の違い 前編

ドイツに来てから半年も過ぎたころ。

エメラダは学校帰りにシェバトに顔を出しては演習を行う毎日を過ごしていた。

そして、今日もシェバト専属の他パイロットとの模擬戦を行っていた。

 

『───準備はいいかい?』

 

「……当然」

「いつでも行けます!!」

 

『なら……試合開始!!』

 

試合が開始された……直後、エメラダの駆るクレスケンスがもう一体の黒いIS……ゼプツェンと呼ばれる重装機体に向かって突っ込む。

そして、そのまま勢いに身を任せて蹴りかかる。

 

「───疾ッ!」

「甘いです、よ!」

 

だが、相手もそれを読んでいたのかマイクロミサイルポッドに武装を換装、迎撃を試みる……が、エメラダはそれを難なく回避する。

 

「……本当に、速い機体っ!」

「そっちが遅いだ、けっ!!」

 

単純な攻撃では近づけないことを把握し、エアッドを分離、そして実質三機での波状攻撃を仕掛け始めるエメラダ。

だが、流石の重装甲というべきかちょくちょく攻撃は当たっているものの、余り効いているようには見えない。

 

「そんな軽い攻撃ではこのゼプツェンを沈めることなど出来ませんよ!」

 

瞬間、一斉にミサイルポッドから数十ものミサイルを射出、同時に指部分の装甲からも射出口が現れて小型のミサイルを逃げ場を無くすように撃ち込む。

その結果、都合2~30発のミサイルがクレスケンスに殺到することになる。ただ、それを黙って見ているほどエメラダは馬鹿ではなかった。

 

「だったら……重い攻撃を加えるだけっ!!!」

 

そうして、エメラダはミサイル群に向かって突進する。

 

「なっ……ミサイルに突っ込むつもりですか!?」

 

エメラダの突然の奇行とも言える行動に動揺を見せる相手……しかし、相手が思っているようなことにはならなかった。

 

「光………!?」

 

突如、クレスケンスが青白い光を纏いだし……それに触れたミサイルはエメラダに直撃する前に光に当たって爆散、その爆風の衝撃すらも光のせいで和らげられているようだった。

 

「───もらったっ!!」

「───しまっ!?」

 

その光景に動揺を隠せなかった相手はエメラダの接近を許し、その勢いのまま光に弾き飛ばされて壁まで吹き飛ばされる。

そして、エメラダの追撃の手も緩まない。光を解除しつつ、手と足にグローブとブーツがそれぞれブースターと合体したような見た目の武装を拡張領域(バススロット)から呼び出して、その装備のブースターが起動したことにより、さらに上がったスピードで同じくミサイルからの被害を免れた二機のエアッドとともにさながら流星の如く突進した。

 

「これで……終わりっ!!」

「くっ……あぁ!!」

 

超スピードからの剛蹴、さらにはエアッドによる連続攻撃のダメージも加わった結果……勝者を告げる声がフィールドに鳴り響いた。

 

『ゼプツェンのシールドエネルギーの枯渇を確認。よって、勝者……エメラダ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──お疲れさまでした!エメラダさん!!」

「……うん、こっちもありがとう」

 

試合後、ISのピットには先ほど戦っていた二人が会話を交わしていた。

以前から偶に模擬戦の相手をして貰っている、エメラダとは別のシェバト専属ISパイロット……マリア・バルタザールは一通り話し終わると、整備中のクレスケンスとゼプツェンに顔を向ける。

 

「しかし、本当にクレスケンスは速いですね……以前だったらまだ絶対に捉えきれないほどではなかったし、攻撃もそこまで痛くはなかったんですけど……正直、新武装の【レイカウント】に【トルネードハンド】が加わると手が付けられません……」

 

小型の装置が防御性能の高い光を発生させる……物理攻撃が主となるクレスケンスに関しては攻撃にも転用可能な【レイカウント】に、ブースターを内蔵することによって姿勢制御の更なる安定とスピードの向上も行うことのできる打撃用武装の【トルネードハンド】…………どちらも、クレスケンスの持つエーテルと言う存在を利用して作られた武装であり、この戦いはその武装のテスト的要素も含んでいたのだ。

 

「それはお互い様。ゼプツェンの一撃は重すぎるから怖い」

 

第三世代型試作重装IS……そんなゼプツェンとの戦いではスピード以外にも総合的なスペックの高いクレスケンスであったとしても、クレスケンスを圧倒的に上回る機体自体のパワーや弾幕とも言える量のミサイルを前にしては、一度当たっただけでもかなりのダメージを受けることが請け合いである。

そんな時、ピットに一人の男……ニコラが来て、そのままエメラダの元へと行き、いい笑顔でエメラダへ笑いかける。

 

「お疲れ様、二人とも」

「ニコラも、お疲れさま」

「父さ……主任もお疲れ様です!」

 

「ところで、新武装は気に入ってくれたかな?」

「うん、凄く使いやすい」

「それは良かった……因みに、あと一つの武装のチェックがまだなんだけど……ちょっと強力に作り過ぎたから、模擬戦とかじゃないチェック自体は終わってるし、それの試運転はもう大丈夫だよ」

「ん……了解」

「あ、それともう一つ……明日ちょっと用事を頼みたいんだけど大丈夫かい?」

「……?休みの日だから別にいいけど……」

 

「大丈夫だよ────本当、ちょっとしたことだから、ね?」

 

 

 




メモ書き

・マリア・バルタザール
銀がかった髪を持つ少女。エメラダよりも気持ち年上。
原作でもシェバトに仕えるものとして登場し、乗機・ゼプツェンと共に強力な味方となってくれた。
原作での、エメラダと並ぶ貴重なロリ枠。

・ゼプツェン
超重量かつ重火力の塊たる機体。
原作では、スピードが無い代わりに比類ない硬さと強力な攻撃で味方の中でもかなり強力な期待として登場した。
今回登場したミサイルは、弾切れの心配が無いように数百もの弾薬が拡張領域にぶち込まれてるため、無尽蔵に湧いてくる仕様。

・クレスケンスの武装二種
どちらも原作ではエメラダ自身の超必殺技名として使われているとこらから引用。
その効果や形状については完全にオリジナルだったり。




あと、余談ですが、この小説の世界には原作の世界よりもクロス先の都合上、有能な科学者・技術者が多いので、第三世代型の開発など色々な面で原作よりも技術面の進みが速いです。
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