インフィニット・ストラトス ~緑翠の人魚姫~ 作:夏梅ゆゆゆ
今回は短めです。
そして前話に差し込み忘れたので、ここでメモ書き
・指弾
その名の通り指から気の弾的なものを打ち出す技……のはずなのだが、何故か原作で機体に乗った状態でこの技を使うと、両手を前に掲げ、某亀仙流奥義のような極太ビームをぶっぱする。作者は吹いた。
本作ではエーテルをぶっぱしてるだけ。エメラダみたいな事象を引き起こす繊細さは一夏にありませんでした。
・ヴェルトールV(ヴァイス)
原作の主人公機、ヴェルトールを黒(というか黒っぽい青?)から白にマイナーチェンジしただけのオリジナル機体。原作とは違い、本作では一夏君の都合上、刀装備。
詳しい機能は後々作中で描写する予定。
───カンッ、カンッ───
薄暗い室内、一人作業を続ける男───顎髭の生えた老人は、ふと何かに気づいたかのように顔を上げる。
「……なんじゃ、駄兎か」
「───駄兎とは開口一番に酷い言い草だねクソジジイ」
そう言って突如として室内に現れた女性に、老人は驚きの一つも見せず迷惑げに彼女を見据える。
「今度は何だ? いきなり機体を作れ、その次は刀を作らせろ……我儘も大概にせんと社長もそろそろ怒るやも知れんぞ?」
「うぐっ……ま、まあそこはジジイが上手い言い訳を……」
「するか馬鹿者」
深く嘆息する老人。しかし、しばらく目を伏せた後、開かれた目には先ほどは無かった真剣な色が宿っていた。
「───それで、何の用なんだ……束」
その目を見るや否や、彼女───束は一つのモニターを見せる。
「これが彼女と彼の稼働データだよ」
「ふむ……やはり、驚異的な数値じゃな」
「そういう感想は良いから、そっちの進境はどうなってるの?」
「さっぱりだ……解剖しても、何がどうなってあのような『現象』を引き起こすエネルギーを生み出せるのか……結局、実稼働した例は、そっくりそのまま材質やらなにやらまで模倣したものだけだな」
「このデータを見ても何か分かりそうなことは無い?」
「……残念だが、な」
「そう…………」
束は何かを考えるそぶりを見せながらモニターを消す。
「にしても、随分と入れ込むな? あの少年や少女にも、この機構にも」
「…………」
「まあ、少年については納得のいくところではある……まさか、ISコアを手ずから持ってきてこれで作れ、などと言われるとは思わんかったが」
「五月蝿いなぁ、ここしか私が頼めるような場所が無いんだから仕方ないでしょ? 報酬は払ったよ?」
「だから、その件に関しては納得しておると言った。お前の要望には少々時間が掛かったがな」
「おやおや? かのアイザック・バルタザール博士ともあろうお方があれしきのことでそんなに手こずっちゃったのかなー?」
「……茶番は良い。それよりも、あの少女とこの機構についてだ」
そうして、二人は傍らにある機構……エーテル機関と称しているものを仰ぎ見る。
「ISが体内から精製? 未知のエネルギー? ……こうして実物を見なければ到底信じられん与太話だな」
「その与太話に私ほどの『天災』も手を焼いているんだけど…………」
束は持ち前のうさ耳をぴょんっと立てるとアイザックと呼ばれた老人に向き直る。
「前者は、確証こそ無いけど仮説は立ったよ。かなり信憑性は高いと思う……それが本当だった場合、私でも惜しいと言える損失があったことになるけどね」
「ほう……? それほどのものだったのか?」
「まあ、ね。そして、後者の方は確信があるよ」
「確信? 確証では無く?」
「証拠も何もない、でも……絶対にこれだと言える確信がある」
ふわり、そうドレスの裾を翻らせると老人に背中を向ける。
「ジジイの意見も聞けてある程度は考えが纏まった……これからも一応、解析は続けておいてね? ───アイザックお爺ちゃん」
そう告げた次の瞬間には、その室内に彼女の姿は無かった。
「まったく……あのような手の掛かる兎を孫に持った覚えは無いのだがな……」
そう言って、彼はまた作業に没頭していく。
しかし、彼───シェバト社技術部
メモ書き
アイザック・バルタザール
名字の表す通り、二コラとマリアの血縁。
原作では二コラの祖父、マリアの曽祖父なのだが、流石に現代社会に置き換えると余りにも元気なお爺さんになってしまうので本作では二コラの父、マリアの祖父という扱い。
機械工学の天才。本作ではシェバトの機械部門を一手に引き受けていた大ベテランでもあり、IS関連の一件で束、千冬共に面識がある。
何故かツンデレっぽい属性が生えた。