インフィニット・ストラトス ~緑翠の人魚姫~   作:夏梅ゆゆゆ

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なんか日刊に載っていたみたいですね(今更)

ご愛読、ありがとうございます(土下座)


懐古 重なる道、そして相克

昼休み。

食堂に集まったエメラダたちを待っていたのは、すでにラーメンを啜っている鈴であった。

 

「もぐ……よく、んぐっ来たわね、ずずっ一夏!」

「いや、いいから物を食べながら話すのやめろよ……」

 

そんな鈴をジト目で睨みつつ向かいの席に座る一夏、それに続き、エメラダと箒、セシリアが周りに座る。

 

「んぐっんぐっ……っぷはぁ! ここのラーメン良い仕事してるわねー!」

「おい、鈴……」

「わかってるわよ。で? あたしに聞きたいことがあるんでしょ?」

 

食事の手を止め、一夏の方を向く鈴。その行動で少し雰囲気が変わった事が分かったのか、一夏も真剣味を帯びた表情になる。

 

「……いつの間に代表候補になんてなったんだよ……ってかいつ帰ってきてたんだ?」

「んーまあ順を追って話すわね」

 

一方、エメラダたち三人は話す二人を置いて、ひそひそと質問していた。

 

「……あいつはいったい誰なんだ?」

「リンだよ。あたしとイチカが小5の時にやって来た中国からの転校生」

「にしても、帰って来たとは……?」

「ん……あたしたち、一時期ドイツに行ってたんだけど……そこから帰ると同時に、中国に帰っちゃったから……」

「千冬さんがドイツで教官をしていたという、あの時期か」

 

鈴はそんな三人を気にも留めず、流暢に話しすすめる。

 

「まあ、帰ってからしばらくは若干塞ぎ込んでたんだけど……でも、さ? あの時送ってくれた皆にあたしが元気にやってるって教えたくて……代表候補になったのよ。才能もあったみたいだしね」

「鈴……」

「そうしたら、世界初のISを操縦できる男が現れちゃったでしょ? それで、国からの命令で転入してきたってわけ」

 

あの時はホントに驚いたんだから、そう溌剌と笑う鈴に、痛ましげな顔を見せる一夏。

 

「ほら、そんな顔しないでよ……あ、そうだ! 今度の休日辺りに弾の店にでも連れてきなさいよ! エメラダも一緒に、数馬とかも呼んでさ!」

「……おう、そうだな!」

 

その後、雑談と呼べるような和やかな会話が続き、しばらくした後、会話の矛先がエメラダたちに向かってくる。

 

「……ところで、エメラダの隣の二人って誰? クラスメイト?」

「ん……ホウキとセシリア」

「篠ノ之箒だ、よろしく頼む」

「セシリア・オルコットですわ。よろしくお願いしますね、えーっと……」

「凰鈴音……鈴で良いわよ、箒、セシリア」

「まあ、それでは鈴さんとお呼びしますわね!」

「む……」

「ほらほら、箒さんも!」

「わ、わかった……鈴」

「あんた、難儀な性格してるわねー」

「う、うるさい……!」

 

わいわいきゃーきゃー、そんな喧騒を眺めて目を細める一夏。

 

「…………」

「……イチカ? どうしたの?」

「いや、なんだか懐かしいなって思ってさ……こうやって、鈴が居て皆で騒いでって本当に久しぶりだったから……」

「リンはムードメーカーだからね」

「そう、だったな……」

「……やっぱり、あのこと気にしてる?」

「そりゃ、まあ……鈴のお袋さんや親父さんにはホントに良くして貰ってたから、な」

「離婚……それで中国に行っちゃったんだよね、リン……」

「ああ、でも……それで、こうやって代表候補になんて成れるあいつは、ホント凄いと思う」

「……対抗戦、一筋縄では行きそうにないね」

「そう、だな……」

「───イチカ」

「……ん?」

 

エメラダは一夏の目を覗き込む。

 

「リンは確かに強敵……でも、イチカも十分強いよ」

「いや、俺なんて……」

「ネガティブは、駄目だよ」

 

そこで、一呼吸おいて、再び見つめる。

 

「リンは頑張ったんだと思う」

「…………」

「でも……イチカも頑張ってる」

「…………」

「だから、ぶつけ合うんだよ。二人の頑張りをぶつけ合うんだ」

「……ああ」

「会えなかった分まで、全部……全部ぶつけ合うんだ。そんなネガティブは、逆にリンに失礼だよ」

「そう、だな」

 

そこまで言うと、エメラダは悪戯っぽい笑みを浮かべる。

 

「……でも、あたしはイチカにかっこよく勝って欲しいけどね?」

「……ははっ、任せとけよ」

 

ガシガシとエメラダの髪を書き撫でる一夏。それに不満げな目を向けるが、一夏は笑う一方で全く止めようとしない。

 

「むー……」

「よしよし、そんな目すんなっての」

 

そんな二人を、いつの間にか会話を止めていた女子三人が固唾を飲んで見つめていた。

 

「……一つ、聞いても良いか?」

「……なによ」

「あいつらのアレは……昔からなのか?」

「……そうよ」

「そうか……大変だったな」

「はは……もう慣れたわよ」

「でも、諦めてはいないのだろう?」

「……当然よ。あんたもでしょ?」

「それこそ、当然だな」

「……まあ、こればっかりはあいつら二人とも朴念仁で助かったというところかしらね」

「……だな」

「(愉快なことになってきましたわね……一夏さんも大変ですわねー)」

 

───キーンコーンカーンコーン。

予鈴の音が食堂内に鳴り渡る。

 

「さて……一夏!」

「ん……なんだ?」

「次の対抗戦、絶対負けないからね!」

「……はっ、それはこっちのセリフだ!」

「良い度胸じゃない……それと───」

「……?」

「───あたしが勝ったら、あんたに言いたいことがあるから!」

「え? それって……」

「良い!? 絶対だからね!!」

 

そういって、鈴は全速力で食堂を飛び出していく。

 

「な、なんなんだ……?」

「さ、さあ……?」

 

「…………」

「あらあら……もしかするともしかするかもしれませんわね?」

「何故、こちらを向く」

「さあ? 何故でしょう?」

「……ふんっ」

「ちょ、ちょっと箒さん痛い痛い足踏んでる踏んでる小指踏むの止めあぁぁぁぁ!!?」

 

 

 

 




一夏が強化済みなおかげで訓練イベントが起きないからぐんぐん進みます

……酢豚? 約束? なにそれ、美味しいの?
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