風紀の狂犬   作:モノクロさん

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誤字報告ありがとうございます。
訂正させて頂きました。


準備万端

「お待たせしました。レンさん」

 

「おぉ〜待ったぞぉ〜」

 

 黒服に連絡を取ってから数十分。車でマンション前まで迎えに来た黒服は、襲撃されたマンションの有様に暫し呆然とした後、レンに乗車するよう促した。

 

「流石に、私が此処にいる状況で襲われる事はないでしょうが、用心するに越した事は有りません。どうぞ、お乗り下さい」

 

 黒服はそう言って車の扉を開いたが、レンは半壊したマンションを指差して口を開いた。

 

「ちょっとよぉ、荷物が沢山あるから、それも運んでくれねぇか〜」

 

「荷物……あぁ、成程。ですが……まぁ、必要な荷物でしたら、仕方がありませんね」

 

 レンの頼みを聞くと、黒服は観念したように軽く息を吐いてからそう言った。それを受けて、レンは満足そうに頷く。

 

「おぉ〜頼んだぜぇ〜共犯者〜」

 

 そう言って、小鳥が愛用していたキャリーバックを車の中に運んでは車内で何かを取り出し、再びキャリーケースを手にマンションの中へと入る。

 

 それを繰り返す事、数回。マンションから出た時には、車の中に負傷したアリウス分校の生徒達が乗せられていた。

 

 襲撃班のやり口から考えて、監視している部隊がいてもおかしくなはい。負傷したアリウス分校の生徒達をそのまま放置していたら、彼女達の身に危険が及ぶだろう。

 

 しかし、普通に車内に運んでしまえば、再びマダムから難癖をつけられるのは目に見えている。その為、キャリーケースに彼女達を収容し、車内で取り出すという、手間の掛かる方法で運搬した。

 

「ありがとなぁ〜」

 

 レンは満足げに車内で寛ぐと、その様子を見ていた黒服は再び息を吐いてから運転席に腰を下ろした。

 

「今回の件は此方にも非がありますからね。ですが、そう長くは保護する事は出来ません。ご了承下さい」

 

「おぉ〜そだな〜」

 

「それで、貴女は何処まで視たのですか?」

 

「……それがよぉ、マダムってやつぁ、私の神秘に干渉してやがんだ。だから、頑張ってもよぉ、薄らとしか視れねぇんだ」

 

 レンの言葉に、黒服は小さく息を吐いた。マダムが提供されたデータを基にレンの神秘を妨害する理由に大凡の見当がついたのだ。

 

 マダムは……いや、ベアトリーチェは、小鳥やレンだけでなく、自分達ゲマトリアにさえも見られたくない実験を秘密裏に行おうとしているのだろう。

 

 過去と未来を行き来出来るレンの神秘を封じるとはそういう事だ。

 

 今回行われるであろう実験は、恐らくゲマトリア内では許容出来ない範疇の実験なのだろう。だからこそ、ベアトリーチェは黒服と協力関係にあるレンの神秘を封じている。

 

 果たしてそれが、自分達に対する牽制の為か、或いはベアトリーチェの個人的な利益を考慮にいれてか。

 

 そこまで考えた所で、黒服の肩を、レンがちょんちょんと小突いた。

 

「そこでよぉ〜黒服ぅ〜私から提案があるんだけどよぉ〜聞いてくれ〜」

 

 レンがそう言って、黒服に耳打ちする。レンから話を聞いた後、暫し考えた後、黒服は小さく口を開いた。

 

「それは、取引と捉えて良いのですか?」

 

「おぉ〜そだな〜取引だぁ。そしてな、今なら小鳥達によぉ、最強クラスの戦力が加わるんだぜぇ〜どうする〜?」

 

「最強クラス……ですか?」

 

「おぉ〜てかなぁ、恐らくそいつがいねぇと、高確率で失敗するぜぇ」

 

「……それは、小鳥さんにお伝えしたのですか?」

 

「いやぁ、言ったら小鳥は絶対断るからなぁ〜でもよぉ、アレはヤバい。小鳥じゃ勝てねぇ」

 

「…………」

 

 レンの言葉を聞いて、黒服は暫く考え込むように沈黙した後、口を開いた。

 

「分かりました。その取引に応じましょう」

 

 黒服は、レンの助言を加味した策に乗る事にした。その選択が吉となるか凶となるかは分からないが、今は、レンの言葉を信じるしかない。

 

 黒服はそう考えを纏めると、ハンドルを握りアクセルを踏み込み、車を出発させた。

 

 

 

 

 レンと負傷したアリウス分校の生徒達を黒服が保護したのを遠目に確認した後、小鳥達4人は、銃と弾薬の確保の為、レンがお勧めした店へと足を運んだ。

 

 店内に入ると、様々な種類の銃が並んでおり、サオリ達が所持していた銃火器も直ぐに見つかった。

 

「凄いですね。此処まで種類が豊富な店は中々ないですよ」

 

 店によっては、目的の銃火器が見つからない店もある為、1つの店舗で目的のものが全て見つかる事は殆ど稀だ。

 

 流石はレンの神秘の応用といった所か?

 

 これで救出の時間は大幅に短縮出来る筈だ。小鳥がそんな事を考えていると、サオリが声を掛けた。

 

「必要な物資は揃った。そろそろ行こう」

 

「そうですね。時間が短縮されたとはいえ、悠長な事は言っていられません」

 

 サオリにそう返すと、小鳥は店の奥で商品の受け渡しを行っているミサキに目を向けた。彼女は銃器を受け取った後、その銃に弾を込めている。

 

 ミサキは小鳥の視線に気づいたように、小さく頷いた。どうやら準備は整ったようだ。

 

 小鳥は会計を済ませると、サオリ達と共に店を後にし、 アツコを救出すべく、アリウス分校の拠点に向かった。




おまけ
レン:どうだぁ小鳥。チーパオ姿の私だぜぇ

小鳥:おぉ……すみません。抱きしめても良いですか?

レン:残念だけどよぉ、お触り禁止だぜぇ。てかよぉ、これ、なんかスースーして変な感じだな。

小鳥:そのチーパオ、スリットが深めですからね。知ってましたかレンちゃん。チーパオって下着履いたらダメなんですよ。

レン:いや、流石に履くぜ。このスリットでノーパンはアウトだろ?

小鳥:全く、我儘ですね。まぁいいでしょう。写メ撮ってクロノスさんに見せますのでポーズとってください。

レン:子猫のポーズだったかぁ……度し難い変態だぜぇ。

小鳥:良いですねぇ。では、今度は仰向けで……そうそう、あ、下着は見えないように気を付けて……あー良いですねぇ、そうそう、スリットとはそう使うのですよ。

レン:あのよぉ、なすがままにされてっけどよぉ、結構恐怖を感じてんだぞ。今の小鳥はよぉ、クロノス以下だぜ。

小鳥:すみません、気が昂ってしまいました。後、クロノスより変態扱いはやめて下さい。

レン:どっちも変わんないぜぇ……てかよぉ、子猫のポーズとかとってっけど、こういうのって猫耳やら尻尾やらが定番じゃ……

小鳥:それはダメです(迫真)

レン:んぉ……なんだよ、クロノスまでおこじゃんかよ。

小鳥:今回はポーズをとらせてますが、実際は自然体が1番なのです。付属品は、レンちゃんの価値を下げてしまいますゆえ。

レン:はぁ……難しいんだなぁ

小鳥:そうですね、実際に、レンちゃんの自然体も撮影するとしましょう。今日は遅いので、その格好で寝てください。

レン:……まじか?





 起床と共に目を擦りながら四つん這いになり、猫のポーズを取りながらの伸びをする。

 ペキペキと関節の鳴る音を心地良さげに感じながら喉を鳴らした後、レンは朗らかな笑みを浮かべた。

小鳥:レンちゃん、それが自然体です。

レン:んぉう!! 小鳥かぁ、おめ……ビックリしたぞ。

小鳥:それが自然体なのですよレンちゃん。その格好でその姿勢こそが、真の猫のポーズなのです。

レン:力説してるとこ悪りぃんだけどよぉ、盗撮だぜそれ。もしもしワルキューレ案件だかんな。

小鳥:今回は特例です。ほら、クロノスさんにも見せてあげてください。これがレンちゃんの自然体です。

レン:あのなぁ、流石にクロノs……クロノス?

小鳥:ん、どうしましたレンちゃん?

レン:クロノスの気配が……消えた。




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