訂正させて頂きました。
小鳥ちゃんのプロフィールを公開しました。
小鳥ちゃんの立ち絵が実装です。是非とも閲覧して頂けると凄く嬉しいです。
マスクを外し、素顔を露わにした小鳥に、ミカは不思議そうな表情を浮かべた。
「えっと……初めまして……だね。その羽、正義実現委員会かな? でも、それだと何でアリウスと一緒に……」
「ははは、私服の時、時々言われますよ。この羽を見た人は私の事を正義実現委員会のメンバーかって……残念ながら、真逆の立場の者ですけどね」
腰の付け根から生えた黒い羽。知らない人が見れば、正義実現委員会の生徒と間違えられるだろう。
しかし、その真逆の立場という言葉で、小鳥が何処に所属しているのか、ミカは察した。
「そっか、貴女はゲヘナの」
「はい、『元』が付きますが、風紀委員会に所属していました」
「ふぅん、ゲヘナの生徒がアリウスと一緒に此処で何をしているのかな?」
「ちょっとした野暮用ですよ。そうそう、これはあくまで個人的な活動ですし、私は『元』風紀委員ですので、風紀委員会は今回の事に一切関わりが無い事はご理解下さい」
言葉を紡ぐ毎に、口の中から鉄の香りが広がり続け、思わず吐き出しそうになるも、小鳥は平静を装って言葉で時間を稼ぐ。
あの状況で、サオリを庇ったのは咄嗟の判断だ。その結果、深手を負ったが背に腹は変えられない。
今回のアツコ救出の要はサオリだ。どのような形であれ、此処でミカにサオリがやられるような事があれば、全てがご破産となる。
最悪の場合は、自分がミカを抑える。それが小鳥の考えだった。
視線を一瞬だけミサキとヒヨリに向け、直ぐに戻す。直接的な被害を受けたのは自分だけのようだ。
サオリも他の2人と同じく、吹き飛ばされはしたが、作戦行動自体に不備はないように見える。
後はミカの出方次第といった所か?
そして、暫くの間、何かを考えるように沈黙していたミカだったが、やがて溜息を吐きながら、小鳥達に近付いた。
「時間稼ぎのつもりかもしれないけど、それだけでどうにかなる程、甘くはないんじゃないかな?」
「っ」
「流石に分かるよ。だって、グーパンした時の感触からして、貴女、お腹の中身がグチャグチャでしょ?」
ミカの言葉に、サオリは小鳥を見て、顔を青ざめさせた。小鳥も思わず内心で舌打ちを漏らす。
図星だ。致命傷とは自分で言ったが、本当に致命傷になるレベルで殴られた事は、流石に初めてだ。
常人ならば、喋る事すら叶わず、地面をのたうち回って血反吐を吐いていた事だろう。
なまじ頑丈な分、なんとか意地を張れているだけだ。
本当なら喋る事も立ち上がる事すらままならない激痛に苛まれている。それでも尚、立つ事を選択した以上、意地は通してみせる。
「えぇ、まぁ、大分酷い事にはなっていますね。ですが、この通り。まだ、やれますよ」
「……ふぅん。そっか⭐︎」
小鳥は腹部を撫でながら、ミカにそう返す。その答えに何を思ったのか、ミカは嬉しそうに微笑んだ。
「それじゃあ、遠慮なくやれるね⭐︎」
次の瞬間、ミカが動き出した。圧倒的な速さで肉薄したミカは、拳を小鳥の顔面目掛けて放ち、小鳥もそれを、咄嗟に身を捻って回避した。
激痛が走るが、それでも動ける程度には回復した。ミカも、小鳥の異常なまでの回復力に、少しだけ驚きつつも、直ぐに次なる攻撃を加えようと拳を振るう。
しかし、その攻撃は、ミカの足元に向かって放たれたRLの攻撃による爆発で中断された。
爆風と熱波が、ミカの肌を撫で、思わず後退る。
その間に、爆風を利用してミカとの間合いを離す事に成功した小鳥は、他のアリウスのメンバーと同様、ミカに背中を向け、全速力で駆け出した。
「カタコンベまで走るぞ!! 小鳥、大丈夫か?」
「問題ありません。走る程度なら、十分回復しましたから……」
「……分かった」
正直、走るのもキツイが、此処で弱音を吐くわけにもいかない。ミカというイレギュラーは予想外だったが、まだ時間はある。
何処かで身体を休めれば、直ぐにでも復帰できる。小鳥がミサキとヒヨリに視線を向ける。2人もそれを察し、頷いた。
背後からミカの足音が聞こえてくるが問題ない。
マダムは小鳥達がアリウス自治区に来る事を知っている。入り口付近にアリウスの生徒達を配置していたのが何よりの証拠だ。
その生徒達から定期的な連絡が途絶えたとしたら、当然、増援を寄越す。
増援をミカに押し付け、その隙に自治区内に侵入する。それが最善の策だろう。
案の定、正面からアリウスの生徒達が、小鳥達を迎え撃つ形で銃を構える。そんなアリウスの生徒達の正面に、ミサキはRLを放ち視界を塞いだ。爆炎と共に黒煙が舞い上がり、アリウスの生徒と小鳥達を隔てる壁になる。
「こっちだ、ついてこい!!」
黒煙に乗じて、サオリは小鳥の手を引き、進路を変え、それにミサキ達が続く。サオリの声は爆発音に紛れてアリウスの生徒達には聞こえなかったのだろう。彼女達の攻撃は、先程まで小鳥達が走っていたルートに向けられる。
丁度、小鳥達を追いかけてきたミカに、アリウスの生徒達の弾幕が襲い掛かり、数発の銃弾がミカを捉え、ミカの意識が、アリウスの生徒達へと向けられた。
「あぁ、もう……痛いじゃん」
「聖園 ミカ……貴様、何故此処に?」
黒煙が晴れると、そこには小鳥達の姿はなく、アリウスの生徒達とミカが向かい合って立っていた。
「待て、撃つな。聖園 ミカは私達の自治区を支援していた。君が何故、此処にいるのかは今は不問とする。今すぐ此処から消えてくれたら此方から手は出さないでおいてやる」
アリウスの生徒達は、銃を降ろし、ミカの反応を伺う。対してミカは、そんな彼女達の態度に、フッと笑みを浮かべた。
「え、何かなその上から目線の態度。それに面白い事を言うね。脅しているつもりかな? たった数十人程度の戦力で、私に勝てると思っているの?」
ミカの言葉に、アリウスの生徒達はピクリと反応する。それでも、ミカの実力をある程度知る者は、なるべく穏便に済ませるべく、言葉を選びながらミカに話しかけた。
「落ち着け。私達の目的はアリウスを裏切ったスクワッドだ。彼女達を処分するのが任務だから、そこに貴女は含まれていない」
「……ちょっと待って。何を言ってるの? 裏切った? スクワッドが?」
「そうだ。だから私達と貴女が争う意味がない。そこをどいてくr……」
説得を試みたアリウスの生徒に、ミカの銃弾が放たれた。胸を撃たれ、ゆっくりと倒れる生徒を見て、ミカは……笑った。
撃たれた生徒が倒れた瞬間、他の生徒達が引き金を引き銃弾の雨がミカに殺到する。それを意に介する事無く1人1人狙いを定めて撃ち倒すミカに、アリウスの生徒達は恐怖し、後退りをする。
「そうなんだ。味方に捨てられちゃったんだね☆そっか、狩りに失敗した猟犬は用済みって事なんだ。でもね……」
バタバタと倒れていく中、1人残されたアリウスの生徒は、空になった銃を手から滑り落とし、恐怖に震えながら膝をついた。
そんな彼女に、ミカはゆっくりと近付きながら続ける。
「スクワッドは私のものだよ。誰にも渡さない」
「ハァ……ハァ……ハァ……ま、待て、待ってくれ」
恐怖で過呼吸になりながら、アリウスの生徒達は制止の言葉を投げかける。
しかし、ミカはそんな彼女達の言葉を無視するように歩み寄り、そして……
「うん、待ってあげるね。その代わり、スクワッドに何があったか、教えてくれるかな☆」
ミカは、凶気の孕んだ満面の笑みでそう言った。
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