風紀の狂犬   作:モノクロさん

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誤字報告ありがとうございます。
訂正させて頂きました。


最強の2人

「……そうか、来るのか。まぁ、そうだよなぁ」

 

 歴史を弄り、改竄し、継ぎ接ぎだらけの世界を無理矢理正史に定着させる傍らで、レン・テラーはシャーレに近付く小鳥達を捉えていた。

 

「……連絡、しないとなぁ」

 

 レン・テラーは動けない。切り離された世界線を無理矢理正史と結び付ける事に力の大半を消費している為、まともに動く事が出来ないのだ。

 

 だからこそ、彼女は2人を味方にする手段を選んだのだ。

 

 ホシノとヒナ。キヴォトスにおいて、最強格の2人がいれば、この世界線の脅威に対処出来る。

 

 ヒナとは直ぐに連絡がついた。ホシノは……少し時間がかかった。

 

 少し野暮用で出掛けていたらしい。

 

 娯楽施設?

 

 オプション増し増し延長コース?

 

 接客業の子がユメ先輩に似てた?

 

 ちょっとよく分からないけど、大事な事だから来てくれと催促したら少し悲しげな顔でお店を出てくれた。後で上手く歴史を改竄してホシノの預金に別途でお金を送金しておこう。

 

 兎に角、これで守りは完璧だ。この2人を味方にすれば、どんな相手が来ても怖くない。

 

「何を考えているかは分からないけど、小鳥に出来る事は何もないぞ。その事は私自身が分かっている筈なのになぁ」

 

 無意味な事をと思いながらも、警戒は強めるに越した事はない。

 

 少なくとも、小鳥は一度、切り離された世界線で自身より格上の相手を言葉だけで切り抜けたのだ。それだけで、十分に警戒するに値する。

 

 しかし、レン・テラーが警戒しているのは小鳥だけではない。

 

「ヒフミも……怖いんだよなぁ。何考えてんだか分からないし、他にも不穏な動きしている生徒もいるし。無理矢理繋ぎ止めたから、それだけ反動がデカいんだよなぁ。それでも、やるしかないんだけどなぁ」

 

 歴史の改竄の影響で、本来動く筈のない人物が動いている。ヒフミや他の生徒……リオがその代表格だ。

 

 それでも、今のレン・テラーが戦うべきは小鳥のみ。2人の事は暫く静観で良いだろう。

 

 キヴォトス解放戦線も、全人類アバンギャルド化計画も、特に後者は意味が分からないけど、放置しておいていいと判断する。

 

 何か起こった時だけ対応すればいいのだ。最悪、歴史を改竄して調整すれば良い。

 

「なぁ、小鳥。お前には無理だぜ。2人に勝てなかったお前に、私を止める事は出来ない」

 

 そう呟きながら、レン・テラーは再び世界線を繋ぎ合わせ始めた。

 

 

 

 

・報告書

 全人類アバンギャルド化計画は順調である。

 

 既に各学園にアバンギャルドを浸透させ、1人ずつ、確実に計画に組み込んでいる。

 

 ゲヘナでは〇〇と〇〇が、トリニティでは〇〇と〇〇が、ミレニアムでは〇〇と〇〇、そして〇〇が計画に組み込まれている。

 

 しかし、この計画に不穏な影がちらついている。

 

 キヴォトス解放戦線。ファウストなる人物の信奉者を多く確認した。

 

 彼女達の結束は硬く、そして取り入るには相応の労力を要するだろう。

 

 成程、いつの時代も宗教は人の心の拠り所となる。

 

 だが理解できぬ。非合理的と言えるだろう。

 

 不確かなものより確実なものこそが合理的というのに、何故彼女達はそれを理解しないのか。

 

 それも致し方ない。人類全てが合理的に生きていれば、争いそのものが生まれる筈がなかったのだから。

 

 人は生きながらに誰かと争い続けている。その負の連鎖を断ち切る事こそ。アバンギャルドの求める最終目標なのだ。

 

 恐らくキヴォトス解放戦線とは最終的に争う事となるだろう。立場故の争い。本来それは、私達が忌避するものに他ならない。

 

 しかし、それでも尚、私達は争いという手段でしか解決出来ないというのなら、この戦いを最後に、我々は人々の歴史から争いを根絶する事を証明してみせる。

 

 必ず、必ずだ。




・敵対する2人
空崎 ヒナ
レン・テラーの呼び掛けにより、小鳥を迎え討つ準備をするヒナ。
しかし、相方のホシノが遅い事に疑問を感じる。
遅い、何かあった時は直ぐに駆けつけて来る筈なのに。
その理由が、彼女の理解の外にあるものとは知らずに。

小鳥遊 ホシノ
レン・テラーの呼び掛けにより、小鳥を迎え討つ準備をする。
しかし、イメクラにゃんにゃんパラダイスでヒヨリんとお楽しみの最中に呼び出され少しシュンとしている。尚、ヒヨリんからは飽きられたのではという不安を生むきっかけとなったし、役目を終えた後、回らないお寿司をねだられる原因にもなった。

感想ありがとうございます。
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