訂正させて頂きました。
「なぁ、本当に良かったのか?」
ゲヘナの自治区から離れていく小鳥に、レンはそう問い掛けた。
「えぇ、あれで良かったのです。寧ろ、ありがとうございます。私の我儘に付き合ってくれて」
「おぉ、あれくらいだったら、問題ねぇ」
消えゆく世界線の最後。彼女が望んだのは、狂乱ちゃんとヒナとの最後のきっかけだった。
自分とヒナの好みのスイーツを選び、それをレンが神秘を用いて、こっそりとヒナが働く執務室に置くという、そんな些細なもの。
時止めの状態で、ヒナに一声かけ、そのまま退室する。神秘を解除した後、声の振動が動き出し、ヒナの耳に届く。
たった一言『ヒナ委員長』と。その一言があれば、彼女は気付いてくれるだろう。
後は全て彼女次第。
そのまま何事もなく業務をこなすも良し。特別牢を訪れるも良し。全ては彼女の……ヒナの選択に委ねた。
恐らく、レンならその結末を把握する事は出来ただろう。しかし、小鳥はレンに、彼女の選択を見ないようにと釘を刺した。
そしてレンもまた、小鳥が何を望んでいるのかを理解していたからこそ、敢えてその選択を見る事をしなかった。
後少しで、この世界は終わる。
視界に映る全てのものが、もうすぐ消えてなくなるのだ。
何の前触れもなく、自分達が消えた事にすら気付かないまま、蝋燭の火を吹き消すが如く、この世界は終わる。
それが分かってしまった。
レンの身体がピクリと反応する。
小鳥の服をギュッと掴み、その場に立ち止まると、レンは小鳥の顔を覗き込みながら口を開いた。
「目を瞑ってろ。悪酔いするぞ」
レンはそう言うと、小鳥の目を手で覆う。そして、世界が揺らぐ感覚と共に、2人は元の世界へと戻ってきた。
小鳥は、そっと目を開ける。目の前にはレンの顔があった。その顔には疲労の色が浮かんでいる。
「レンちゃん。大丈夫ですか?」
「おぉ、気にするな。でも、少し休むぞ」
「はい。ゆっくり休んでくださいね」
小鳥はそう言うと、レンの身体を抱き抱え、そのままベットに寝かせる。
「おぉ、悪ぃな」
レンはそう言うと、目を閉じてすぐに寝息を立て始めた。
小鳥はそんなレンに毛布を掛け、そのままレンの頭を撫でる。
「おやすみなさい」
小さな声でそう呟くと、部屋の電気を消して、静かに部屋を出て行った。
小鳥は、そのまま自室に戻り、ベットに横になった。そして、そっと目を閉じる。
瞼の裏に映るのは、先程までいた世界。しかし、もうあの世界はどこにもない。
枝分かれし、切り捨てられた世界の末路は、あまりにも呆気なく、そして残酷なものだった。
あの世界の出来事を、忘れてはいけない。あの世界で出会った人々の事を忘れてはいけない。小鳥はそう心に誓い、眠りについた。
あとがき
これにて、対策委員会編を終幕とします。
反省点として、もう少しアビドスの生徒達との交流を深掘りするべきでしたが、そこは私の文才が足りなかったと反省しています。
ただ、物語の主人公のように、全てが上手くみたいな展開は、小鳥らしくないというのもあり、アビドスの生徒達とは特に親睦を深める事なく、寧ろ、不審人物或いは信用するには好感度が足りないくらいがちょうど良いと思い、最終的にはホシノと敵対して、そのまま別れた次第です。
狂乱ちゃんとの戦闘も、普通の戦闘も視野に入れてましたが、今の小鳥ちゃんでは勝てないので、精神攻撃という形となりした。これも主人公補正が足りない彼女だからこその行動です。
頑張って舵取りをして、失敗の連続からの唯一の成功が、ヒナと狂乱ちゃんとの最後のやり取りが、今の小鳥ちゃんとレンちゃんの限界でした。
多分、先生だったら、もっと上手くやってました。それだけ先生と小鳥ちゃんとの間には補正が違うと思っています。
そして、狂乱ちゃんですが……また登場する機会があるかもしれません。それに関しては未定ですので、あくまでも『かも』の段階とさせて頂きます。
それでは、あとがきは此処までとして、次の章ですが……申し訳ありません。時計じかけの花のパヴァーヌ編やカルバノグの兎編よりも先にエデン条約編を書きたいと思っています。どうかご了承下さい。
此処まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
お盆休みの間は、ゆっくり出来るので、以前募集したリクエストにも取り掛かっておりますが、お盆までに全て投稿出来なかった時は……本当に申し訳ありません!!
長文となりましたが、対策委員会編を以上で終幕とさせて頂きます。
本当にありがとうございました。
感想ありがとうございます。
凄く励みになっています。