質問に答えたらポケモンの世界に来てました……帰る為に冒険しようと思います 作:ティファールは邪道
人生とは、何が起こるか分からない……
だからこそ、人は生きることに全力を出せるのである……
なんて事を言う人がいる……
そういう人達は、大抵が過去に大変な思いをして、乗り越えて行った経験を持っていることが多い……
病気だったり、親がいなくなったり、虐められていたことがあったり……
そういう経験を持っていることが多い……
なので、敢えて言わせてもらう……
「グマァァァァァッ!!!!」
「ぬぉおおおおぉおぉっ!!!!??」
「ブイィィィィッ!!!!??」
ポケモンから、別のポケモンと一緒に全力を持って逃げる、っと言う経験をしているのは、俺だけだろうなぁ……と
タイキは、全力疾走しながらそうおもうのであった……
数分前、穴に落ちていくなかで気を失っていた彼は、目覚めたら森の中にいた……
どうしようかと考えながら、取り敢えず此処が何処か手懸かりを探して歩いていたのだが、その先で信じられないものをみてしまったのである……
「ブ、イ……」
「……へ?」
それは、イタチを思わせるような姿をしていた……
大きさは大体50センチ…
イタチのようなフォルムで、体はオレンジ色……
顎から腹にかけてクリーム色になっており、目の上と背中にもクリーム色の模様がある……
特質すべきは首もとと、尻尾だろう……
前述には浮き袋のようなものが取り巻いており、後述に関しては、尻尾が2つあったのである……
それを見たタイキは、驚きのあまり固まってしまっていた……
だって、彼にとっては馴染み深い生き物だったのだから……
「ブ、ブイゼル……?」
そう、その生き物の名前はブイゼル……
タイキが先程までやっていたゲーム、"ポケットモンスター"に出てくる架空の生き物だったのだ
【ブイゼル うみいたちポケモン タイプ:水】
特に、彼にとってブイゼルは思い出深いポケモンの一つ、その驚きは計り知れないだろう……
-へ?嘘、まさか此処ってポケモンの世界……?……へぇ!?
驚き、混乱しそうになりながらもしっかりとブイゼルから視線を離さず、近づこうとするタイキ……
動物好きだからだろうか……?
モフりたいという気持ちに支配されかけていた
が、一度足を止めてしまう……
「?……あれ?」
改めて周りを見るタイキ……
自身の感じた違和感に間違いが無いことを再認識した彼は、呟く
「
そう呟くタイキ……
ブイゼル……分類名うみいたちポケモンと呼ばれるそのポケモンはその名の通り海……
又は海に繋がる川の下流域に生息するポケモンである……
ゲームでは、川の近くなんかにいるのが多いが、海から子育てなどのために上がってきたんだろう、と思えば納得がいくため疑問に思わなかったが、今タイキがいるのは森の中……
可笑しいだろう、色々と
-それに、遠目からだけどなんかあのブイゼル、汚れてるしかなり疲れてる?
そして、ブイゼルがやけに泥や砂で汚れている事と、疲れてるように見えること……
以上から踏まえると、考えられることは2つ……
-ガサガサっ!!
ブイゼルの近くの茂み……
そこから聞こえた音に、反応したタイキは近くに落ちていた石を拾って振りかぶる
2つの可能性……
一つ、密猟者から逃げている…
これは怪我が無いことから除外しても良い……
密猟者なら問答無用で攻撃するだろうから
二つ目は……
「ガァァァッ!!!」
強いポケモンの縄張りに入ってしまって、逃げている!!
茂みから出てきたそれがブイゼルに向けて右手の爪を振り落とそうとするのと、石を投げ付けるのは同時だった……
"バシッ!!"
「ブイ!?」
疲れていたせいで反応が遅れていたブイゼルに爪が無慈悲に襲い掛かることはなかった……
「グマッ!?」
タイキの投げた石が、運良く当たってくれたお陰で怯んでくれたからである……
「おい、こっちに来い!!」
それをみたタイキはブイゼルに声をかける……
それに対して、ブイゼルは自分が呼ばれていると認識したのだろう…
タイキの元に走っていく
「ブイゼルごめん、川のあるところまで案内して!!」
-そこにいけば、うまく行けば逃げきれるかも!!
それを聞いたブイゼルは、目を見開くと頷き、先導する形で走っていき、タイキもそれに着いていく……
「…………グルルルルルルっ!!!!」
それを見たそれは、タイキの事も敵と判断し、追いかけるのであった……
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「くっそ!!マジでしつこいなぁ!!」
全力疾走しながらそう叫ぶタイキ……
そんな中、先導していたブイゼルが何かに気付く
「!?……ブイ!!」
「!あった、川……!!」
ブイゼルの視線の先にある川…それを見たタイキはブイゼルをみて、追いかけてくるそれに目を向ける
「……ブイゼル、"ソニックブーム"か"みずでっぽう"使える!?前者が使えるなら短くないて!後者なら長く鳴いて!」
「!?……ブイ!!」
タイキの要望通りに鳴くブイゼル
「なら、俺の合図で自分の足元に"ソニックブーム"!煙が出た瞬間に……」
それを聞いて頷くブイゼル……
そして
「今だ!!」
その言葉と共に地面に衝撃波を放ち、生まれた煙の中に入るブイゼルとタイキ……
追いかけてきたそれも、それに驚き足を止める……
「グルゥ!!……グッ?」
そして、煙がなくなると二人もいなくなっていた……
いや、良く見ると川に不自然な波紋が出来ていた
「グルゥァァアッ!!!」
それを見たそれは、川に向けて右手を振り落とし、生まれた突風で水をたたく……
だが、反応がない……
「……グルゥ!!」
それを見たそれは、悔しそうに呻くともと来た道を離れるのであった……
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それがいなくなり、数分後……
「……もう平気みたいだな……?」
「ブイ」
ーガラガラガラッ!!
「「ふぅ(ブィ)……」」
その言葉と共に、川辺の砂利の中から出てくるタイキとブイゼル……
ソニックブームで出来た煙……その中で2人は副次的に出来た穴の中に入って、石を被って隠れたのである……
川に出来ていた不自然な波紋は、囮として隠れ間際に投げた石で出来たもの……
あれが野生のポケモンだったからこそ出きる芸当である
「助かった……」
「ブイ!!」
逃げきれたことに安心したタイキ……
そんな彼に、ブイゼルは声をかける
「ん?……あぁ、ありがとうね?助けてくれて?」
そう言いながら頭を撫でようとしたタイキだが……
「ブイ!!」
ぴょん♪と効果音が聞こえるようなジャンプで、撫でようしたタイキの手にヘディングしてきたことに驚いてしまった
「!……ふふっ」
そして、少し嬉しくなった彼は、頭を撫で始める……
「ブイィィィィ♪」
それに対して気持ち良さそうにするブイゼル……
小柄なのも相まって、とても可愛い…
「……」
「♪」
それを見たタイキはブイゼルを撫でるのをやめず、撫でられているブイゼルは気に入ったのかおとなしくされるがままであった……
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「ふぅ……堪能した……」
「ブイィィィィ~~♪」
数分後……撫で繰り、撫で繰られたタイキとブイゼルは、それぞれ満足した顔をしながら一息付いていた……
「……あ、そうだブイゼル、この辺りに人が住んでるところとか無い?」
「ブイ?」
タイキの問に、ブイゼルは首をかしげながらも右足を下流に向ける……
どうやら、川を下った先に人が住んでるらしい……
「あっちか……教えてくれてありがとうね?」
そう言うと、立ち上がり歩こうとするタイキだが……
「……」ジッ……
「…… 」
ブイゼルからの強い視線に気付き、足を止めてしまう……
そして
「……一緒に来る?」
「!……ブィッ!!」
タイキの言葉に、嬉しそうな顔でそう答えるのだった