半兵衛side
稲葉山城を出発した私たち……私は馬を走らせてくれている龍君の後ろに乗せてもらってます。
「くすん、くすん。いつも乗せてもらってすいません」
「不思議だな。いつも合戦ではちゃんと乗れてるのにな」
私の謝罪に龍君は笑顔を浮かべながら気にするなと言ってくれますが、普段から戦場では普通にお馬さんに乗ってるので不思議そうに問いかけてきます。
「それは……龍君の後ろに……いえ大きいお馬さんは今でも少し苦手なんです」
「そうか」
龍君は私の見苦しい言い訳に納得してくれるとそのまま雷光さんを走らせてくれてます。
理由はちゃんと答えれませんでしたが、龍君に抱きつけるからです//龍君の背中……大きくて暖かくて……その……安心します//
菩提山城・・・
「着いたな」
「はい!お疲れ様でした龍君」
雷光さんを走らせて夕刻になると私が生まれたお城、菩提山城に到着しました。
「義龍!半兵衛!よく城に遊びに来てくれた!歓迎するぞ!!」
城の城門が開くと、私の父親である城主の竹中元重が出迎えてくれました。
手元を見ると文が持たれているので、恐らく三太夫ちゃんの指示で来ていただいた斎藤家の忍の方が伝えてくれたんでしょう。
「久しぶりだな。元重。世話になる」
「お久しぶりですお父さん。お世話になります」
「がはは。久しぶりだな。二人とも。ゆっくりしていってくれ。それよりも半兵衛、義龍。孫の顔はまだか?」
挨拶をするとお父さんは私と龍君の顔を交互に見ながら問いかける。
ちらっと龍君の表情を見ると不思議そうにしていて気づいてませんでした。
逆に私はお父さんの言葉の意味が分かってるので顔がとても熱いです。
「お父さん!?私たちはまだそういう関係では//」
「はははは!!"まだか"?」
「っ//くすんくすん!お父さんはもう行ってください!!」
私の言葉を強調しながら揶揄うお父さんの背中を押して早く行くように急かせます。
「おう。半兵衛、義龍。いや、婿殿!ゆっくりしていってくれ!」
「お父さん!!」
私は恥ずかしいので大きい声を出してお城の中にお父さんを追いやるとそのまま中に入って行きました。
「懐かしいな」
「はい」
私たちは過去に生活していた屋敷に移動します
目を閉じると昨日のように思い出せます。幸せな私と龍君との思い出の場所。
私を勧誘するために龍君が私の心を動かすために色々動いてくれてた。
「ふあー」
「ふふふ。お風呂を沸かしてきますね」
「ごめん。任せた……眠い……」
持ってきた荷物を置き、座って休憩すると、龍君は疲れから眠たそうに欠伸をかいてます。
それは仕方ないです。大軍を率いた今川義元の動きを確認するため桶狭間まで一人で行かれましたから。
「お湯沸きましたよ。お先にどうぞ」
「ありがとう。先に入るよ」
お湯が湧き上がるとお先に入ってもらいました。私の考えてる策略も知らず……
(桶狭間の戦いの歴史が変わった……)
義龍は頭を洗いながら目を閉じ織田信長が戦国大名として頭角を現した重大なイベントの一つ、桶狭間の戦いの出来事を考える。
「織田信長……信奈が勝つことは歴史通りなんだけど、今川義元が生存してる。どうせあいつが義元が美少女だから助けてやれって言っただろうな」
何となく悪友ならそうするだろうなと思っていると、小さな小動物が近づいてきたような足音が聞こえ、振り向くと、衣服を脱ぎ白く綺麗な肌をバスタオルを巻いて隠している銀髪の美少女が風呂場に入ってくる。
「半兵衛!?いや、俺がまだ入ってるんだけど!?」
「龍君も昔、私がお風呂に入っていた時に入ってきましたよね?」
「そうだけどな!?……わ、悪い!!すぐに出るから!!」
「い、いえそのままいてください!!お、お背中流しますね//」
慌てながら言う龍君に正論をぶつけると、龍君はすぐに風呂場から飛び出そうとするので手を掴んで引き止める。
今は龍君のお背中を洗ってさしあげてます。
「龍君……大きくなりましたね」
「そうか?」
「はい。初めて出会った時よりもずっと」
昔は小さかった背中、目の前にはいつの間にか、たくましく頼れる大きな背中へと成長した龍君。
どれだけの人を助けてきてくれたんだろう?
今回の大軍を率いてきた今川義元や戦国最強と呼ばれる武田信玄が襲来してきた戦い。
強敵たちから私たち家臣のみなさんや美濃国人々を守るために必死に戦ってきた。
私たちはそんな強くて優しい彼に恋をしてます。
「大きくか……半兵衛と出会って……あれから年月が経ったからな」
「ふふふ、ですね。私の事は最初お会いした時どう思われたんですか?」
「そうだな……こんな可愛い子が天才軍師なんだなって」
「か、可愛いですか?」
龍君の褒め言葉に頬が熱くなり、龍君は問いかけに答えてくれる。
「ああ。俺たちの時代で伝わってる戦国武将たちはみんな男で。竹中半兵衛は、かっこいい青年だ。だから半兵衛が美少女になってたから凄く驚いた」
私が男の子……余り違う性別というのは想像出来ないですが、龍君に、恋い焦がれる男の子に美少女と言われるのは凄く嬉しい。
「半兵衛は俺の事どう思ったんだ?」
「私がですか?そうですね……眩しい人ですかね……私を認めてくれた太陽のようなお方です」
最初にお会いした時眩しい人だなって。
率先して軍を率いてみんなを引っ張っていく。
私は書物に取り憑かれたうつけと呼ばれていたので、龍君に認めてもらえて嬉しかった。ああ、私が仕える主君はこのお方なんだなってすぐに分かりました。ですが斎藤道三にお仕えしていたので言えませんでしたが……
「龍君の勧誘を断りましたが、迷っていた私に義を示してくれた。だから私は貴方にお仕えしたいと思ったんです」
「そっか」
「はい!」
私の言葉を聞いて照れ臭そうに笑みを浮かべる龍君。
「背中流してくれてありがとな。次は俺が背中を流す番だ」
「へっ?」
「俺の義を見せてやる」
「くすん、くすん。い、いぢめないで//」
龍君は立ち上がると私を無理矢理椅子に座らせると身体を洗ってくれます。その後は二人で仲良くお風呂に浸かりました。
「さて寝るか」
しっかりと湯に浸かり温まった私たちはお風呂から出ると着替えて部屋に布団を敷きます。
「は、はい!あのう……龍君……そちらに行っても……良いですか?」
「ああ。大丈夫だよ」
私の申し出に龍君は快く受けてくれて、私は龍君が寝ているお布団にお邪魔させてもらいます。
「ふふふ。それでですね……龍君?」
一緒の布団で楽しく会話していて返事が返ってこないので隣を見ると気持ちよさそうに眠っている。
「龍君……本当にお疲れ様でした。愛してます//」
龍君の寝顔を見つめながらそっと頬に口づけをする。そして私も眠りにつきました。
今朝……
「う、ううん……龍君……!?」
日が昇り半兵衛が目を覚まし隣を確認すると、義龍の姿が見当たらない。
慌てて起き上がり確認すると義龍が朝食を作っていた。
※妄想※
「龍君、あーん」
「美味しいよ。半兵衛、アーン」
「……!?えへへへ//」
半兵衛は自分と義龍が家庭をきずきイチャイチャしていることを想像してニヤニヤとしていた。
「おはよう。もう少しで出来るから待っててくれ」
義龍が声をかけると、半兵衛は妄想から現実に引き戻される。
「龍君!ご、ごめんなさい!!私もすぐにお手伝いをします!!」
主君であり大切な男の子の義龍一人にご飯を作らせていたので慌てるが……
「気にするな。もうすぐ出来るから顔を洗ってきたら食べよう」
「は、はい」
義龍は軽く笑うと調理を続ける。半兵衛は気落ちしながらも支度していく。
半兵衛が顔を洗い支度を済ませると、美味しそうな朝食が並ぶ。ご飯、目玉焼き、味噌汁、漬物。
「やっぱり龍君の作るお料理美味しいです」
「ありがとう。嬉しいよ」
半兵衛は美味しそうに口に料理を運び食べると美味しさから感想を言うと、義龍は嬉しそうに笑う。
「毎日食べれたら良いのに」
「毎日は無理だな」
半兵衛の呟きに義龍は首を横に振り断りを入れる。
「ええ!?私の事が嫌いなんですか!?」
半兵衛は涙目になりながら大きな声をあげる。それは無理もないだろう、告白当然の言葉を思い人に断られてしまったのだから。
「冗談だよ。半兵衛が食べたい時に言ってくれたら何時でも作るよ」
「くすん、くすん。嫌われてなくてよかったです……ですが何も意味は伝わってないんですね」
義龍の言葉にほっと息を吐くが意味が全く伝わってない事に半兵衛は頬を可愛らしく膨らませる。
「半兵衛?」
「もう良いです……龍君の……とんちんかん。ふん!」
半兵衛は不機嫌そうにプイッと顔を背けながら朝食を口に運んでいく。義龍はそんな様子の半兵衛を見て不思議そうに首を傾げる。
後片付けを終わらせた私と龍君は振袖に着替えます。
私は桃色の振袖に髪には龍君から頂いた大切な桜色の簪を。
龍君は緑色の振袖に腰には鞘に納めてある虎御前と龍牙を装備しています。
「その簪……大事にしてくれたんだな」
「はい。大切な私の宝ですから」
龍君は私の髪の毛に付けてある簪に気づくと問いかけます。
当たり前です。龍君がくれた……私の……大切な物ですから。ずっと大切に箱に保管してありました。
「そっか……振袖も簪も似合ってるよ」
「嬉しい//ありがとうございます。龍君も……その……似合ってます//」
「ありがとう。じゃあ行こうぜ」
龍君に褒めて頂き嬉しいです。龍君も緑色の振袖とても似合ってます。
私と龍君は菩提山の町に歩いて行きます。
菩提山の町・・・
龍君が直に収めている稲葉山の町とは違いそこまでは人が多い訳ではないですが、今日は私たちの目的であるお祭りがあり賑わってます。
今川の大軍が上略する為に出陣したと噂があり祭は中止になると思いましたが、敗北した事でならなかったみたいです。
「人が多いな」
「はい。やはり今川が大軍を率いて来なくなったからです」
色んな人たちがお祭りを楽しんでます。戦に明け暮れるこの戦国の世。普段では考えられない事です。
「半兵衛。逸れたら大変だから手を繋ごうか」
「は、はい//お、お願いします」
私は差し伸ばされた龍君の手を握ります……あ、温かいです//
「この食べ物美味しいな」
「はい!何処の国の物なんでしょう?」
私たちは美味しい食べ物を一緒に食べながら楽しむ。
「あれは……ごめん欲しいのがあるから少し離れる」
「は、はい!分かりました!」
龍君は何かお目当ての物を見つけたのか一度離れることにしました。
数分後……
「これ半兵衛に似合いそうだな……!?半兵衛!!」
「は、離してください!!」
「俺と遊ぼうぜ嬢ちゃん」
義龍が何かを購入し戻ると半兵衛の肩を掴んで連れ去ろうとする柄の悪い男がいた。
「半兵衛からその汚い手を離せ」
「いててて!?」
半兵衛を掴む手を掴み力を入れると男は痛がり離す。
「大丈夫か?」
「ありがとうございます!!」
半兵衛は義龍の側に寄ると安心したように笑みを浮かべて礼を言う。
「てめえ邪魔するんじゃねえよ!!」
「龍君!?」
半兵衛の心配する声。義龍が視線を外した隙に男は殴りかかるのであった。
「大丈夫。任せろ」
心配は無用で男が義龍に殴りかかるが簡単に受け止められてしまい逆に殴られてしまう。
「いつつつ……てめえ!!よくもやりやがったな!!….!?」
男は殴られた顔を押さえると逆上し腰に装備された鞘から刀を抜こうとするが突然の寒気が襲い動きを止める。
「そいつを抜いたら手加減は出来ないぞ」
どうやら義龍が睨みをきかせて男に殺気を放ったようだ。
「今回は見逃してやる。もし次に半兵衛を怖がせたらぜってえ許さねえ」
ひいっと男は情けない声を上げて走り去っていく。
「龍君……」
「ごめん怖い思いさせたな」
「い、いえありがとうございます!!」
「おう。じゃあ祭りを楽しもうぜ」
「はい!!」
義龍は手を差し伸べ、半兵衛はしっかりと握って祭りを楽しむ。
「ありがとう。世話になったな」
「お父さん。ありがとうございました!」
「おう!また半兵衛と一緒に来いよ!」
義龍と半兵衛は祭りが終わり城に戻ってから支度を済ませると元重に挨拶をして別れを告げる。
「龍君……私のお願いを聞いてもらってありがとうございました!」
雷光を走らせ途中で休憩していると半兵衛が頭を下げて礼を言う。
「礼を言うのは俺の方だ。いつも俺を支えてくれてありがとう」
「龍君……」
「これ。半兵衛に似合うと思って」
義龍は振袖の袂から水色のリボンを取り出す。
「あ、ありがとうございます//出来れば龍君に私の髪に付けてほしいです//」
「おう」
義龍が半兵衛の髪に付けると、半兵衛は嬉しそうに可愛らしく微笑む。
「半兵衛……これからもよろしくな」
「はい!!こちらこそよろしくお願いします!!我が殿」
義龍と半兵衛は稲葉山城に帰って行く。
少しの日数が過ぎて義龍が十兵衛たちのお願いを聞き終わると……
義龍が座る目の前には半兵衛が座り、周りには十兵衛、義龍四天王が座っていた。義龍は深刻そうに口を開くと半兵衛に話しかける。
「道三を超えるにはお前の……半兵衛の力がいる……半兵衛……俺の物になれ」
「くすんくすん!はい♪竹中半兵衛!喜んで斎藤義龍様の奥さんになりますね!♪」
半兵衛は嬉しそうにしている。
「龍様に言わせるなんてずるいですよ!!」
「当然の権利です!!私これから龍君に謀反しないといけないんですよ!!十兵衛さん変わってください!!」
悔しそうにする十兵衛は異議を唱えるが半兵衛も譲らない。
「ふふふ。私はこれから先ずっと龍様といるですぅー!半兵衛はそのまま豊臣なんとかに仕官すればいいですぅ〜」
「ず、ずるいです!!天下の謀反人の癖に!!」
「なっ!?私は龍様を裏切らないですぅ!!」
売り言葉に買い言葉二人の口論は続く。そんな二人の喧嘩を横目に見ながら。
(良晴……豊臣秀吉の役割を引き継いだお前ならこれからどうする?……イベント発生だぞ)
義龍は尾張の大名に仕官した悪友の事を考えながらこれからの事を予想していた。
尾張国……
「俺のイベント発生だぜ!!」
「いべんと?猿語分からない」
「良晴さん。私たちに分かる言葉で言ってほしいみゃー」
その後酒に溺れ悪名が広がった義龍に愛想を尽かして竹中半兵衛は出奔した。相良良晴が勧誘しにいく。
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