内容は読者の方が好きなヒロインとヒロインの見てみたい話です。よろしくお願いします。
道三を追放し、聖徳寺から稲葉山城に帰還する俺と十兵衛。
城の中にある<評定の間>には昔から俺に仕えてくれてる俺の家臣、半兵衛たち五人、そして道三を見切り、俺についてきてくれた、佐々木元太。菩提山城城主、竹中重元。美濃三人衆、安藤守就、稲葉一鉄、氏家ト全。それ以外にも大勢の家臣たちが新たな美濃の当主となった俺に忠誠を誓い、膝をつき頭を下げる。
「頭を上げてくれ。まずは親父殿、斎藤道三じゃなく俺についてくれてありがとう!」
俺の言葉に先頭に座る男三人が話す。
「安藤守就」
「稲葉一鉄」
「氏家ト全」
「我ら美濃三人衆、義龍様に命を捧げます!」
道三が育てた美濃三人衆と呼ばれ、斎藤家の重要な戦力の一つが俺に忠誠を証明する為にもう一度頭を下げた。ちなみに安藤守就は半兵衛の叔父さんだ。
「ああ。頼りにしてる」
「はっ!あり難きお言葉!」
俺の言葉に美濃三人衆は気合いの入った返事を返す。視線を半兵衛の父親、竹中重元に移す。
「久しぶりだな。重元」
「おう! 久しぶりだな! 義龍様、半兵衛から活躍は聞いてるぜ……っと、斎藤義龍さま。半兵衛共々よろしくお願いします」
フランクに話しかける重元。途中で今の状況に気づき態度を改める。
「ああ。よろしくな。俺が当主になったからって態度を変えなくて良いよ。今まで通りでいいぞ」
「そうか助かるぜ。そうだ! 義龍様、いつ俺の孫が見れるんだよ?」
「えっ?」
俺と半兵衛ってそんな関係じゃないよな? 疑問に思ってると龍興たちと座っていた、半兵衛が立ち上がり、普段では考えられない大声で父親である重元に怒鳴る。
「お父さん!? た、た、龍様//お父さん疲れたようなので先に帰らせますね!?」
「半兵衛、俺は疲れてないぞ」
「お父さんは黙ってて!!」
「まあいいや先に帰るぜ、孫楽しみにしてるからな」
「お父さん!? では、龍君//お父さんは私が外までお送りします!!」
「分かった。重元、これからも半兵衛共々よろしく頼む」
顔を赤くし動揺した半兵衛が慌てて俺に断りを入れて父親を引きずっていく。重元は手を上げて評定の間を後にする。半兵衛、俺と夫婦と間違われて顔を赤くするぐらい怒ってたな……後でフォロー入れとかないとな……
次に視線を移す。半兵衛勧誘の時に争った、佐々木元太と話す。
「お久しぶりです。佐々木元太です」
「おう。久しぶりだな。俺についてきてくれてありがとう」
「いいえ。私は貴方には恩もありますし、貴方の家臣になりたいと思ってましたから……佐々木元太……斎藤義龍様に忠誠を誓い頑張ります」
「ああ。期待してる」
他の家臣たちにも声を掛けて話していく。
部屋の中・・・
龍興side
私たちは道三の住んでいた部屋で座りお話をしながらお兄ちゃんが帰って来るのを待ってます。お兄ちゃんはついてくれた家臣のみなさんに声掛けをしているので遅くなるみたいです。
しばらくすると……お兄ちゃんが部屋に戻ってきて半兵衛ちゃんに話しかける。
「お疲れ半兵衛。さっきは重元に夫婦と間違われてごめんな、嫌だったろ?」
「ありがとうございます。龍君もお疲れ様です。い、いえ……私夫婦と間違われて嬉しかったです//」
どうやらお兄ちゃんは、半兵衛ちゃんが顔を赤くしながら重元さんに怒鳴ってたので怒ってると勘違いしてるようだ。半兵衛ちゃんは間違われた事に照れてるだけで本心は嬉しいと思ってるはずなんだけどな~最後の方は声が小さくて聞こえなかったけど……私、妹として鈍感なお兄ちゃんの未来が心配だよ。
「全く半兵衛は人の旦那様に馴れ馴れしいデスね~」
「誰が旦那ですか! それに十兵衛さんはいつまで龍君に抱きついてるつもりですか!?」
いつの間にか十兵衛さんがお兄ちゃんの腕に抱きついていたので半兵衛ちゃんはご立腹のようだ。
「そうデスか?」
十兵衛さんは惚ける。お兄ちゃんも顔を見ると満更ではなさそうだ。どうやら聖徳寺の会見でお兄ちゃんと十兵衛さん、お互いの気持ちが近づいたようだ。
(ずるい……私の居場所だったのに)
「……なら私も龍君に抱きつきます!!」
「こら!! 半兵衛、私の旦那様に近づくなデス!?」
お兄ちゃんの反応を見た半兵衛ちゃんは悔しそうにしながらも、十兵衛さんが抱きつく反対の腕に抱きつく。十兵衛さんは怒鳴るが、半兵衛ちゃんは平然な態度で言い返す。
「くすん、くすん。違います。私のダーリンです」
「だーりん?」
「えっと未来の言葉で旦那さんのようなものです」
十兵衛さんは未来の言葉を話す半兵衛さんの言葉の意味を私に問いかけるので答えると、顔を赤くさせて怒鳴る
「未来の言葉で言われても譲らねえデスよ!?」
お兄ちゃんの腕を引っ張り合いながら愛しい人を取り合う半兵衛ちゃんと十兵衛さん。
「副将殿と軍師殿たちには困ったな なぁ? 左近」
(羨ましいぜ、軍師殿と副将殿)
「うふふ! ならばわたくしも」
「左近!? ならアタシもだ!」
左近さんは背後から抱きつき、高虎さんも対抗して正面から抱きつく。これだけみんなに想いを寄せられて気持ちが分からないなんて鈍感を通りこして病気だよね……医者に診てもらった方が良いよね? 今度探してみようと。
「流石に重い……」
「あのう、みなさん! 義龍様が困って」
「「「「一豊(さん)は黙ってろ!(デス)(って下さい)」」」」
「すいません」
困っているお兄ちゃんを助けようと一豊君が声を掛けるが、半兵衛ちゃんたちのドロっとした視線と言葉に後ずさる一豊君。あの穏やかな半兵衛ちゃんでさえこの有様である。
「あはは、どんまい、一豊君」
「お嬢様!!」
「うん頑張ったね! えらい、えらい」
お兄ちゃん以外のみんなから責められて、泣きながら私に抱きつく一豊君。私が背中を優しく撫でると、お兄ちゃんを除く半兵衛ちゃんたちの視線が痛くなる。しかしそれよりも……
「一豊君……ナニしてるのカナ?」
「千代……え、えっと違うんだ」
「うふふ。浮気、それも主君、義龍様の妹君と……お話……しようか?」
一豊君は偶然部屋に様子を見に来た奥さんの千代ちゃんに悲鳴を上げながら引きずられていく。そんな後ろ姿を見て、半兵衛ちゃんたちはみなザマァみろと視線で訴えていた。
「義龍様」
「ああ。悪い」
天井から報告に来た不機嫌そうな三太夫さんが現れ、義龍に抱きついていた半兵衛ちゃんたちを睨みつける。お兄ちゃんが半兵衛ちゃんたちから脱出して離れると、残念そうな顔の半兵衛ちゃんたち。ずっと思ってたけどもしかして三太夫さんもお兄ちゃんの事が好きなのかな?
「命令通り織田信奈を観察していた報告を……織田信勝謀反……織田信奈軍末森城を囲み鎮圧……信勝は切腹」
織田信勝。織田信奈の弟でうつけと呼ばれる信奈とは正反対で器量良しで先に生まれたら確実に織田家の後継者になってたかもしれない。実際今もうつけのフリをしている信奈より信勝を推している家臣たちが多い。
「そっか……やっぱり第六天魔王になるか……織田家を滅ぼす時が来たか」
小競り合いは何度かあったがお兄ちゃんが本気で領地を奪おうとか滅ぼそうとするのは初めて聞いた。
「を命じ斬ろうとした所、織田家の猿が織田信奈を諫めて止めました。」
(あの猿風情が……行きてやがったデスね……)
「そっか……良晴がな……良かった。ありがとう三太夫。引き継き織田家の監視を頼むぞ」
「……!? はっ!」
三太夫の報告を聞いた十兵衛は聖徳寺で邪魔をした良晴を斬りつけ殺したはずだが、良晴が生きていた事に怒りを覚える。義龍は安心すると不機嫌な三太夫の頭を撫でる。三太夫は嬉しそうに笑みを浮かべるが、すぐに無表情に変え返事を返して闇に消えていく。
「じゃあ鍛錬でも行ってくるか」
お兄ちゃんはそのまま城の外に出て行く。
「あのう龍興ちゃん……もしかして織田信奈が、龍君が前に言っていた天下を揺るがす浮雲児ですか?」
「はい。多分そうです。お兄ちゃんがずっと待ってた織田信長の代わりなんだと思います」
私が斎藤家に初めて来たときに言っていた事を半兵衛ちゃんは覚えていて、お兄ちゃんが気にかけてるので織田信奈の事を感づいたようだ。
「あの女が……龍様が待ってた人デスカ……それに未来から来た猿。名前は相良良晴とか言ってたデス!」
「私たちと同じ未来から……それに猿ですか……多分その人も歴史上欠かせない豊臣秀吉の代わりですね」
豊臣秀吉……教科書にも載るほど有名で、織田信長と同じぐらい有名です。それに代わりが未来人ですか……
「へえーそんな凄い奴が織田家にいるんだな」
十兵衛さんからお猿さんの情報を聞き、私が知る未来の知識を教えると高虎さんが嬉しそうにしているが、その反対に十兵衛さんは不機嫌そうに眉を歪める。
「あいつは、猿は、義龍様を愚弄したデス」
「十兵衛ちゃん、その猿は何と言っていたのですか」
悔しそうに拳を握る姿を見て左近さんが問いかけると呟く。
「道三を説得する時、アンタは自分の息子が馬を引く事になると思ってると」
「へえそれは愉快な事を言うじゃねえか!」
「うふふ……そのお猿さん人間の言葉を話すとは偉いですわね」
十兵衛さんの言葉に高虎さんは豪快に笑うが目は笑ってない、左近さんは美しく微笑みながら猿さんを褒めるが目は笑ってない。二人はお兄ちゃんに仕え主君として尊敬をし、心を惹かれてる男を馬鹿にされて怒ってる。私も戦国時代に飛ばされて泣いていた私を助け、優しく義理の妹として迎えてくれたお兄ちゃんを馬鹿にされてそのお猿さんには良い気持ちはしない。
「何処に行くの一豊君」
立ち上がり城を出ようとする一豊君に問いかけると無表情で答える。
「お嬢様、少し尾張に行って猿を斬ってきます……今日のご飯は皆で猿鍋にしましょう」
「だ、駄目だよ!!」
必死に止めるが歩みを止めない。普段は私が言ったら必ず止まってくれるのに。
「一豊さん止まってください」
「半兵衛殿!! しかし!?」
「恨みや怒りで立ち向かうのは得策ではありません」
「半兵衛殿は悔しくないんですか!?」
「それを龍君とずっと隣にいた私に言うのですか?」
一豊さんが半兵衛さんを見るとぎゅっと小さな手を握り俯きながら我慢をしていた。いくら歴史上の仕方ない事だとしても、ずっと隣でお兄ちゃんが美濃を守るために必死に戦場で戦う姿を見てきたんだから嫌な気持ちになるよね。燃え上がる激しい怒りの炎を心の内に抑え込んで必死に我慢していた。その小さな女の子の姿を見て冷静さを取り戻した一豊君は謝罪する。
「すいません。半兵衛殿。一番貴女が辛い筈であるはずなのに取り乱して」
「いいえ、一豊さんの気持ちはみなさん同じです。約束します……もし織田家と戦になるならば、私が龍君の軍師として必ず勝利に導き織田家のお猿さんの首をお渡しします」
力強く宣言する半兵衛ちゃん格好いい。これが天才軍師……竹中半兵衛……かっこいい半兵衛ちゃんの姿に見惚れました。
「軍師殿!! 流石だぜ!! 」
「うふふ……わたくし、半兵衛ちゃんの事信頼してますわ」
「半兵衛殿! その時はみんなで頑張りましょう」
義龍四天王の高虎さんは半兵衛さんを褒め、左近さんは信頼を伝え、一豊君は半兵衛ちゃんにみんなで頑張ろうとやる気を見せる。
慌てた様子で元太さんが入ってくる
「大変だ!? 今川義元上洛! 大勢の軍で尾張に向かってる!!」
「遂に来ましたか……噂では来ると思ってましたが……」
半兵衛ちゃんは情勢を知っていて予想していたのか慌てる様子を見せない。織田信長を語る上で欠かせない有名な戦い……桶狭間の戦い……
「もう一つ……義龍様……一人で尾張に向かいました!!」
「龍様なにしてるデスか!?」
「くすん、くすん。龍君……」
「軍師殿が倒れたぞ!?」
……お兄ちゃん!? 何してるの!? 桶狭間の戦いに一人向かうって馬鹿じゃないの!?私たちの叫びが稲葉山城中に響く。半兵衛ちゃんは心配しすぎて倒れてしまう。
少し前……
義龍side
「ありがとうございました!」
「おう。強くなったな元太」
「義龍様にそう言ってもらえると嬉しいですね」
元太との手合わせが終わり話していると三太夫が報告に来る。
「義龍様、大変……部下が報告してきた……今川義元上洛……尾張に向けて進軍」
珍しく表情を崩して報告する三太夫。今川義元……遂に来たか……
「元太は半兵衛たちにこの事を報告してくれ!」
「は、はい!! 義龍様は?」
元太に指示をすると元太が問いかけるので答える。
「俺は情報を得るために尾張に向かう、三太夫は報告するのに必要だから俺に着いてこい!」
「御意」
「分かりました。……はぁ!? アンタ何考えてんだ!? 当主が単騎で出陣するなんて聞いた事ねえぞ!?」
動揺した元太は敬語ではなくなり、ため口になりながら俺に怒鳴りかかる。
「お前、義龍様の言うこと聞けないの? それに無礼……ここで死ぬ?」
「お前こそ従者なら、従者らしく義龍様を止めろ……危険だろうが!!」
「落ち着け。三太夫、元太。半兵衛たちこの事を伝えておいてくれ」
三太夫は元太の背後に回り込みクナイを首元に近づけ警告し、半兵衛勧誘時に揉めた時より成長し強くなった元太は後ろ向きで抜いた刀の刃を腹に当てる。殺気立つ二人に声を掛けて落ち着かせる。
「わ、分かりました。お気を付けて義龍様」
「ああ。こっちは頼んだぞ。行くぞ三太夫。」
「御意……何処までも義龍様の側に」
新しく手に入れた愛馬、雷光に乗り、三太夫を後ろに座らせて尾張に向けて駆けらせていく。
良晴が悪いように書いてますがそんな事はないです。良晴は聖徳寺の会見では時は信奈と道三を争わせないように必死でしたし、
次は桶狭間の戦いに義龍と三太夫を乱入させようと思います。
好きなヒロインと見てみたいヒロインの話
-
竹中半兵衛
-
明智光秀
-
島左近
-
藤堂高虎
-
斎藤龍興