原作主人公ことサンラクが勇魚と戯れている裏で行われていることは、そう!!!!!
「で、僕に役割があるってことはなにか作戦があるってことですか?」
「いややっぱこわいよお前……」
何故キリキリ舞いさんはドン引きしているのだろうと少し首を傾げながら、話を進めることにする。
「あぁ、えっと、そうだな。このルルイアスの四隅にある封塔を攻略しないと、最後のクターニッド戦が地獄になるんだよ。それぞれの塔にいるボスはそれぞれ魔法や近接が効かないから、それにあったメンバーを送り込まないといけない」
……まぁだいたい想像通りかな。
つまり僕は近接に強いであろうボスを倒す役割、と。
「他のプレイヤーとは協力するんですよね? 先に合流と行動方針のすり合わせをするべきでは?」
「いやおめーがいきなり変態行為に走ったからそれができてねーんだよ今から探しに行く」
「……………?」
「ただ、今回のクターニッド戦のメンバーを強さで並べると、キリキリ舞いさん、シュテルメア君、パーティーで来てるプレイヤーのリーダーをしている臥竜点睛さんの順になるんだよ」
「あんたは?」
「僕はライブラリの考察班だからな……」
「戦闘員ですらないと」
「一応錬金術師だからサポートはできるけどな」
錬金術師! 会ったことのないタイプのプレイヤーだ。自分の戦闘方法を決めるために調べたときの最終候補の一つだけど、前準備に時間がかかるのは僕の目的に反してるってことで辞めたんだったか。
……今の論点はそこじゃない。
「で? それとメンバーを集めることになんの関係が?」
僕が強い方として数えられていることは理解不能だけど、それを置いてもこの話が今からの行動に意味をなすとは思えない。
「……あんたら以外のメンバーを集めても封将攻略の結果に変化があるか分からない、ってことだよ」
「……あぁ……。とはいえクターニッドには数が必要だろ。先に戦い方の把握ができている方が都合がいい」
「それはそうだが、たとえば同士討ちになるぐらいなら捨て置くべき駒もあるだろって話だ」
…………あまり人の年齢にとやかく言えるほど長生きしているわけではないのだが、なんというか……ライブラリからの監視役(プレイヤーネームはシロミ魚というらしい)は、若さ故の未熟さが透けて見えてしまう。
おそらく彼は能力があって、なおかつ能力のある人間ばかり近くに集まって生きてきたのだろう。そういう人間の薄っすらとした見下しが言動から透けて見える。本人に自覚はないようだし、様子を見るつもりではあるが……
違うな、ただ僕等以外の数名のプレイヤーを嫌いな人間に分類してるのかも。出港のときかなり萎縮してたし。
「それでも、頭数を優先するべきだと思いますよ〜僕は」
ミレィさんの話し方を意識して、ひらひらと手を振りながら話す。認めたくはないが、彼の中の僕の印象は今、少なくとも良くはないはずだ。能力はある人間だと思わせることで話を通じるようにしておく必要はある。
彼の中で優秀という分類に入っているであろうミレィさんをなぞることで、僕のことも無意識に優秀そうだと思わせる。ミレィさんの優秀具合を知らないけれど、うまくいくと信じたい。頼むぞミレィさん。
「まぁ……そうかもな」
「おう、じゃあまぁこの街を探索するところからだな。一週間あるし」
「それと、クターニッドに挑むタイミングや封将に挑むタイミングも考えないといけないだろ?」
うむ、うむ。考えることは多い。別に嫌というわけではないが、面倒になってきた。
うん? いいな、よし、良さそうだ。話も一応一回まとまったわけだし。
・31回目
クリオネちゃん!!!!! 好きです!!!!
突撃。装備をしまってからだったので普通に触手に貫かれた。無念。
「よしリフレッシュ。じゃあ僕ちょっと友達にメール送ってきます」
「うん……その……それ辞めてくれ……おもろくなってきた。いつか笑っちまいそうだ」
「どれ?」
「評価に迷う人だな……」
「なにが???」
コイツまじで分かってないなら頭おかしいみたいな顔された。わかってはいるよでも僕はクリオネちゃんが最高過ぎるのが悪いと思う。僕は常識人だ。
「まぁいいや……とっとと連絡送ってこい」
「いえっさー」
ピシッと敬礼。
少し離れた所で彼等が連携の確認をしながら雑魚を蹴散らし始めたのを横目に、ミレィさんにメールを送る。
「んーーーーー」
無事クリオネちゃんに会うことができた。助力ありがとう。
それと、ライブラリから派遣されたシロミ魚というプレイヤーの方の日頃について聞きたい。
個人情報的な部分は必要ない。関わる上での注意でもあれば。
「短いけどこれでいっか」
「ピヨ」
いってこーい。隼に手紙を持たせ送りだした。これで数秒でミレィさんの元へ届くはずだ。海の中から地上まで数秒で飛べる理屈は想像もつかないが。雀はコイツに狩られてる時が結構あるらしいけれど、コイツは他のモンスターに狩られないのだろうか?
チラ、と二人の方へ目を向けるが、特段なにか問題があるようには見えない。考えすぎだと良いんけどなー。
「ピョー」
「はやいな……」
一分も待たずに返信の隼がきた。はやいな……まぁログインしているのは知ってたけどさ。
あと雀の羽を貰った。やったー(棒読み)。
どういたしましてー、協力した身としても無事会えたならなによりですよぉ。あんまり奇行に走りすぎないようにしてくださいねー。
ライブラリから派遣された監視役についてですが、能力は高いですよ。私は検証班なので深くは知りませんが自己評価も謙虚で身内にさえなれば優しい人と聞いています。
見下し癖のことですよね?? キョージュ……というよりセートさんが問題視しているらしいですし、叩き直して頂いてもかまいませんよぉ。
ほんっとうに能力は高いので難しいとは思いますが……シュテルメア君ならなんとかなるんじゃないです?
「はいビンゴ」
部外者にこの文面な時点で今は余所行きで抑えられてコレなんだろうな。身内に他人の見下しを分かりやすく見せるタイプだ。
もちろんミレィさんの言うようなことはしないが、それならそれでうまくコミュニケーションを取っていかなくては。……ライブラリ的には自分達のような優秀でない人間と仲良くすることで改善をはかってここに投入したんだろうなぁ。それならそれでせめてもう一人監視をつけるべきだと思う。
あとセートって誰だろうか。
「短所なんてあってこその人間、っと……」
適当に返信してから立ち上がり、改めて海底を見上げる。
僕にもたくさんの短所がある。キリキリ舞いさんにもあるし、ミレィさんにだってあった。時と場を最低限選べるのならば、本人がそれによって解決できないような問題に直面してからどうこうすればいい。改めるも貫くも本人次第。全て個性だ。
まだルルイアスでの冒険は始まったばかりだが、数多くの問題への溜息と美しい景色への感嘆が同時に出た。
先は長い。
「…………」
・32回目
避ける、避ける、無理、あ。
「あのさぁ……」
「ナチュラルにやるのなに???」
「そりゃあ……こう……ついね?」
「こえぇよ」
◆
「
海底世界。そこは人間の少ない場所であれど、立ち入れない場所ではない。
クリーオ・クティーラに挑み続けるシュテルメアを、星の海を旅した乙女の連絡を受けてここに来たソレはジッと見つめていた。
「突然の依頼に応えて貰ったのは感謝していますが、私もその次世代原始人類が海の化身と呼ばれる特異個体を倒したこと以外の情報を持ち合わせていません!」
「……………………返答:
海の先、新大陸に突如表れた巨大な鯨の内部にて。
「急に黙りこんでどうした勇魚」
「いえいえー、なんでもありませんよー」
「? そっか」
合コンだぁぁぁぁ!!!!!
他にも色々理由はありますが、このためにも天覇編の直後にルルイアスにきたわけです。メタい理由ですが……。