変化や戦闘はないので煩わしい場合は後書きにて要約があります。
素材を集めている。
新大陸側のモンスターは結構な割合で巨大生物であるお陰でドロップ品が多くて助かっている。そして新大陸側のモンスターは結構な割合で巨大生物でかるせいで倒すのに時間がかかり困っている。
素材を集めている。
雷魔法【果てまで貫く雷鳴】は威力がないものの、想像していた以上に便利だ。フェイントとしてもモンスター相手ならかなり通用する。プレイヤー相手は怪しい。
あとナナさんの出す攻撃ユニットの火力が超ありがたい。
素材を集めている。
特殊な木の枝を切り落としては拾い、モンスターを倒してはその素材を拾い、海に入っては海底にある珊瑚礁を集め、言われたポイントにあった宝石群はくっそ強い水中戦闘用ゴーレムが守っている。
素材を集めている。
ゴーレムは水は無効、雷は威力半減の能力を持っていた。地獄かと思ったが物理に弱かった。
ゴーレムを倒した先にある宝石には大した価値はなく、ただ今後無限に生産することになるであろうアイテムの素材になるだけだ。僕はもしも売っていればそこそこの値段でも買うだろうと思うが、まぁそれを踏まえてもなおコスパの悪いアイテムだ。
なんならゴーレムの落とした素材のほうが高い。なんで自分より安いもの守ってたんだコイツ。
素材を集めている。
魔術師から異形術師になったものの、シナジーの兼ね合いで今までと同様の威力の魔法を出せている。……さすがに得意とされていない水や雷以外の魔法は弱体化したけども。使わないから一緒一緒。
……素材を集めている。
ここまで鮭やら亀やら蛇やらばかりの相手をしていたが、ついに異形に成り果てたモンスターに遭遇した。
装備の素材として良いらしい上、ナナさんの目的でもあるため最優先で倒す。
小魚群と巨大生物が合体してしまったタイプのモンスターは比較的対処が楽だ。
【エリア・サンダー】で小魚の方にダメージを与えると全固体にダメージが入る。それにも関わらず体力は合体したモンスター全て合わせて1体分であるため、巨大生物のくっそ硬い防御力を貫く必要なく倒し切ることができる。
今回のワイバーンみたく、高い防御力と体力を全て【ライトニング】一発で沈む小魚と融合したせいで意味をなさなくなったのはあまりにも哀れとしか言いようがない。
………………素材を集めている。
とりあえず深海の異形モンスターに関しては1日分のノルマを倒し終えた。残りのログイン時間はひたすらとあるアイテムの受け皿となるらしい魔力瓶とやらを作る作業だ。
あとレベル99に至っているせいでスキルが固定されているのがとてつもなく煩わしい。やはりレベルダウンビルドか……。
思考はそのままレベル関連のことに回しているが、手は動かし続けている。
てかこれ何個作れば良いんすかね導師もどきさん。は?戦闘で使いそうなだけ?? スキルはほとんど育ってないのに新大陸で使えると思ってます???
ほえー、合金作製もあると……え?そっちも必須枠???
嘘でしょ???
素材を集めている。
既に心は死につつある。異形術師として戦うためには金属素材も集めなければいけないらしい。
素材を集めては禁忌の終着点にて錬成し、素材を集めては禁忌の終着点にて錬成している。初めてこのエリアに入ったときの感動などとうに忘れてしまった。
そざいを、あつめているよ。
こころは、しんだよ。
なんでぼくは、イベントリがまんたんになるまでこうせきをほっているのかな?
集めた素材を錬成している。
鍋をかき混ぜる作業はまだ楽しい。ナナさんと雑談できるからだ。声を出すとモンスターに襲われて時間を食うため鉱石を掘るときは無言である。完全に心が死んでいた。というか異形術師に転職してから既に4日ほど経っているらしい。時間感覚もあやふやになるとかブラック企業かな??
素材を集めている。
異形のモンスターの相手だ。というか錬金術師のシロミ魚さんや神秘の剣のキリキリ舞いさんが前準備が必要な職業は前準備すればするほどできることは増えるがその後の収集パートに想いを馳せて使いたくなくなると言っていたときの気持ちがようやく分かった。
異形相手にはをナナさんのお陰で詠唱時間が確保できることを利用して【暴虐の雷獣】を使用した。一撃必殺。うん詠唱が長い。
素材を集めている。
そういえば、弓の練習しようかと思ってたんだよな。
狙撃系のスキルを合わせれば【轟雷の矢】の威力をもう一段上げられるだろうと思って。具体的には【衝撃の一矢】とか。
旧大陸から新大陸に移動するに当たって、何度かプレイヤー最高峰の魔法使いであるディープスローターさんに質問する時間を得た。彼女(もしくは彼)によると、近接職のときに鍛えたスキルは魔法で生み出した刃で戦うときも使用可能らしい。他にもいくつかの参考になる話を聞くことが出来たが……コレが一番の収穫だと思う。
何度も転移を使ってもらっているディープスローターさんにもその橋渡しとなってくれたライブラリにも頭が上がらない。
思考はそのままに、集めた素材を鍋に投入する。
レベルダウンビルドの場合、スキルは育つだろうがレベル上げが次のクターニッドとの戦いまでに終わるだろうかという不安がある。
最近よく聞くレベルキャップの開放という手段もあるが、こちらはそこそこ時間が経ったことでインフラ関連や設備の整備はある程度進んでいるものの、樹海探索とレベルキャップ開放をスキルの少ない異形術師と弓使いですることになる。正直厳しい。
……まだ素材を集めている。
実際、弓使いを育てるのが本当に僕の強化に繋がるのかも怪しい所だ。魔法や立ち回りに関するスキルは職業関係なく使えるわけだが、今後弓使いのジョブをサブに置き続けるわけでもない。
レベルを下げるか、上げるか……。
「疑問定期:なにを悩んでいらっしゃるのですか?」
「それがさ、」
しばらくウンウンと唸っていると、何故か不服そうな顔をしたナナさんがそう聞いてきたため、軽くレベルダウン関連について話してみた。
「────って感じなんだけど、なにか解決策はあると思う?」
「……一応、参考になりそうな話としてバハムート……リヴァイアサン系列の施設の1つにて効率的なレベルダウンが行えるという知識がありますの」
「それは……まだ開放していない?」
「肯定:1つ目が発見された以上時間の問題ではあるでしょうけれど」
ナナさん曰く、そこではレベルによるステータスとは別枠で身体能力を上げることができるらしい。
レベルキャップを開放した後にスキル剪定所でできるというスキル及び魔法の【同調連結】にも経験値の消費があると聞いた。
もしかせずとも今後は例え同じレベルでも経験値を消費した回数で強さの段階大きく変わるという形がより主流になってくるのだろう。
「んー、」
選択肢は3つ。
・レベルダウンビルド→異形術師と弓使いでのレベル上げ→レベルキャップ開放
・レベルキャップ開放→【同調連結】によるレベルダウン→異形術師と弓使いでのレベル上げ
・バハムートの開放→レベルダウン→異形術師と弓使いでのレベル上げ
である。
「当機は最後の選択肢を推奨しますが……ここで足踏みするべきではないというのもまた事実ですわね」
実際にいつバハムートエリアが発見されるかも分からないから、とナナさんが締めくくる。
「うん、まぁどちらにせよまだレベルキャップを開放するべきじゃない。ミレィさんも経験値を99レベルの内に溜めておいたほうが後々楽だって言ってたし」
つまり……選択肢は一つに絞られた。いや元々決めてはいたのだ。覚悟するための時間が必要だっただけで。
「肯定:次世代原始人類は愉快なことを考えるものですわね」
「原始人て……」
そんなやり取りをしつつ、既に買ってある魔薬と書かれたポーションを取り出した。
……覚悟は決めた。瓶の蓋を開けて一気に飲む。
視界が白黒になり、チカチカと点滅している。身体にエネルギーが溢れ、今すぐ走り出したい衝動と積み上げたものが消えていく焦りに身体が支配され…………!!!
──この日の素材収集量は過去一だったということをここに明記しておく。
◆
素材を集めている。
レベルダウンだ何だと言っても素材集めの苦行からにげられるわけではない。おかしいな、この生活がずっと続くのは嫌だからこそすぐさま魔薬を飲んだはずなのだが、敵と自分の強さが下がっただけでやってることが変わらない。
海に潜った。
レベル69の状態で新大陸で戦えるわけもなく、現在ここは旧大陸。ライブラリとディープスローターさんへの土下座回数がさらに一回増えた。
海中で弓は使えないため、地上での戦闘では弓を、海中での戦闘では魔法を使うことでそこそこ上手く回っている。
素材を集めている。
ちなみにという話にはなるが、旧大陸にある錬金術師ギルドには禁忌の終着点のような場所はないものの通常設備は利用可能だということで、素材を集めては近くの錬金術師ギルドにて鍋をかき混ぜている。
問題ない、強いて言うなら魔力が少なくて継続戦闘が厳しいってことぐらいだ。
それらを踏まえて僕から言えることは一つ。
「二度とレベルダウンビルドなんざやらん」
・要約
素材を集めた。あとレベルダウンビルドした。